満足度★★★★★
爽やか!
ど真ん中のとても素敵な学園物でした。
ネタバレBOX
イケメン転校生、喧嘩の強い不良、恋愛、卒業後の目標、ガリ勉君の挫折、三年最後の学園祭、女子の素敵なダンス、友情…、青はやっぱり青春の青でした。
本当にモデルのようなイケメンがいたり、女性陣が可愛くて粒ぞろいだったり、とにかく若くていい役者が揃っていました。相手校の不良の一人に女優を男役で配置するなど憎らしい演出もありました。そして切れと迫力のある喧嘩シーンでした。
学園祭のダンスも可愛くて良かったですが、フィナーレのダンスもキマっていましたね。
満足度★★★
少しだけ新鮮
グダグダをごまかす方法にも色々あると少しだけ感心しました。
ネタバレBOX
オカルトSFにチャレンジしてみたものの上手くシナリオが書けず、急遽オカルトSFに出て来た謎の言葉を使って、あたかもお客様からお題を頂いて即興芝居をするような形式に変更したといったようなストーリー。
楽屋ネタでごまかすのではなく、擬似即興芝居でごまかしたという感じでした。
謎の言葉は100以上で正面右側の壁に映し出され、その言葉を使用する度に、謎解きが解明される度に消され、謎の言葉が新たに生まれると増えていくようになっていました。
シナリオによる擬似即興芝居ですから、少なくとも言い淀むことはありませんが、時間を掛ければ面白いものになるというものでもなく、面白可笑しく消去されるものもあれば、そうでないものもありました。大量に消去するずるもありました。
初音映莉子さん似のスリムな謎の女子高生に期待したのですが結局はグダグダ、途中まで真剣に見て損しちゃいました。
満足度★★★
代表例
平板な音楽に、半音ずれたような歌い方、嫌いなミュージカルの代表例。なんでこうなるかなぁとがっかり。
ネタバレBOX
しかも曲の音量と声の音量のバランスが悪かったのも原因ですが、初っ端の歌声はよく聞こえませんでした。
また、男性陣の歌声は喋りの声よりも小さく、足音よりも小さかったです。
ストーリーも甘々、出て行くなというルールは、友だちが少ないから出て行ってほしくないと思ったニキという男の子がを作っただけの話で、一番新しくやって来たリンダの自由に出ていけるようにしようという提案であっさり変更、どこがルールやねんと思いました。
満足度★★★★
無事開幕!
とにかく幕は開きました。
ネタバレBOX
サイコ美人妻の話に、作・演バックレ後の内輪話を混じえたストーリー展開の90分。
サイコ妻の結論、収拾がつかないところを、アダチさんとはやしさんの友情シーン的な感じでごまかして終わらせるなどグダグダですが、笑い満載で楽しかったです。
東京バンビという劇団については結論が出ているようですが、お二人には少なくとも役者を続けていこうという意気込みがあり嬉しかったです。
こりっちの掲示板を見て応援に駆けつけたスタッフの方々もいて運営はスムーズ、舞台の内外に演劇愛が感じられました。
ただ一つ、白壁に塗りムラがあるのは仕方ないとしても、床に靴の踵跡が付いていたのはイタダケませんでした。
満足度★★★★★
【☽組】道に迷ったときに観る薬
心に絡んだ糸をほどいてくれる素敵なストーリーに加え、笑いの小ネタも満載で、大いに感動して大いに笑いました。楽曲も素晴らしく最高級のミュージカルです。
ネタバレBOX
楽曲は楽しくて大満足、歌い方はメロディラインに乗った人が多く、半音ずれたような歌い方の人は二人ぐらいでほぼ満足でした。
人生に迷ったら、迷っていない時代まで遡ってみて、そこからやり直す…、キノコおじさんのピエールに言った言葉は素敵でした。算数がどこからできなくなったのかを調べる作業みたいですね。私たちいい大人には物理的に、脳の機能的に無理があるような気もしますが、そうしてみようかなと思わせるところが目から鱗のいい話でした。
作ったときの気持ちが人形に伝わるため、ハツラツとしたナポレオンやジャンヌ・ダルクがいるのに対して、気弱なアーサー王や鬱なチルチル、自信のない少年、ストーリー通りに行かないシンデレラと魔女がいたりして…、可笑しいやら悲しいやら。
かといって、人形を壊したり作り直したりすることはできません。さてどうするのかなと思いましたが、具体的に武器を装備させてあげたり、ザラザラを磨いてあげたり、言葉で説得したりして人形たちに元気を与え、そしてピエール自身も自信と誇りを取り戻すことができました。
ソフィーとの別れは切なくてジーンと来てしまいました。
イギリスの言語学者の本性やスペインの雨には笑ってしまいます。魔女が毒を盛らないため、リンゴばっかり食べて太ってしまったシンデレラにも大笑い。そして散歩させてほしいって。
ナポレオン役の石川裕梨さん、キリッとして格好良く、宝塚みたいって書こうと思ったら元宝塚でしたか、さもありなんでした。かっこいいっ!!
満足度★★★★
468
大学生の実態でしょうか。
ネタバレBOX
46とか48に夢中になった大学生のことで、468かなと。
いつか会えることを楽しみに毎日毎日せっせとバイトに励み、CDを買う。同じようなシーンの繰り返し、そしてたまには大学祭も頑張ってみる。
やめる人もいるが、分かっていても多くの学生は続けているというのが実態でしょうか。
「ヨーロッパにはエッフェル塔がある。エッフェル塔は腐っていて中身は空だ。そんなエッフェル塔を私は見ている」的なフレーズが頭にこびりつきましたが、これで題名を付けたとすれば何でもありですね。
終演後のコント悪ふざけは見なければよかったと後悔しきりでした。
満足度★★★★★
素晴らしい!!!
笑い、凄惨、後味の良さ、これぞミステリーコメディ!
ネタバレBOX
前半と後半で場所を変えて同じ時刻からスタートした二部構成的なところは、駅前とOFFOFFで同時上演し、役者が二つの劇場を行ったり来たりしたクロカミショウネン18『祝/弔』を思い起こさせました。
『祝/弔』はそれぞれで話は成立していましたが、こちらはもちろん前後半とも観ないとストーリーは見えてきません。後半が解決編という意味合いがありました。
ホテルの二部屋が舞台。前半は警察が別の部屋で行われているミステリー関連のOFF会を盗聴している様子。後半はOFF会の部屋で行われたことの様子。
多くの無差別放火によって苦しめられた被害者たちが放火犯を追い詰めるストーリーですが、前半のコント丸出しのお笑いシーンから、後半は雰囲気が変わり、更に主催者からのメールによってOFF会参加者全員が色々な殺人に関連しているということが知らされると一気にシリアス方向へと一変しました。そして放火の事実を認めた放火犯に対してオリエント殺人事件のような凄惨な復讐が行われ、その後参加者は主催者の指示に従って警察が踏み込む前に逃走するという完全犯罪が成立しました。
警察に協力者がいなければこんなことはできないという真実味が素晴らしいです。カメラで股間ばかり写していたのも偶然だったのかと思ってしまいます。
それでも殺し切れなかった優しさが、ミステリーコメディとしての爽やかな余韻を残してくれました。素晴らしかったです。
まあちゃん役の阿達由香さんが万引き常習者で店主を自殺に追いやったと言われた後の顔付きの変貌振りは素敵でした。女性刑事役の田中夕帆さんのドジ振りも素敵でした。ただ、ドジなのはいいのですが、頭の悪いバカ女みたいに描かれていたところがあったのは残念でした。
満足度★★★★★
物語には裏がある
裏の裏の裏という感じ、凄く面白かったです。
ネタバレBOX
『緋色の花』 東北弁に特徴があって捕まった小原保は、殺すつもりはなかったが足の悪かったことが吉展ちゃんにばれてしまったため已む無く殺したと自白。なるほどと思うと、実は殺された子は吉展ちゃんのお母さんが実の子が死んだ後に刑事平塚八兵衛の子供を誘拐して吉展ちゃんとして育てていたことが判明し逮捕される展開に。
大声での刑事と犯人のやりとりは熱海殺人事件を彷彿させ、その裏にもう一つの悲劇が隠されていたことに驚きました。色んなところで繋がっている歌舞伎の人情話のようです。
『ある日曜日』 編集者と食事をしてきたことに機嫌の悪い奥さん、筆が進まない作家と急かせる新刊雑誌の編集者…、そんな江戸川乱歩の日常の話かと思っていると急展開。乱歩の犯罪を怪人二十面相が暴き、観念した乱歩は明智小五郎に頼んで警視庁まで連れて行ってもらうことに。
作中人物に見破られるとは、残念だけど作家冥利に尽きますね。
『超能力大作戦』 zamuraiシリーズのコントが一つ入って箸休め。
『異説・曾根崎心中』 おはつとと徳兵衛の逃避行かと思っていると、おはつは逃避行を手引きしてくれた九平次とできていて、九平次は徳兵衛を殺害し、おはつとの心中にみせかける。しかし、徳兵衛が女郎屋の主人を殺していたため追手が執拗に迫ってきて、改めて二人は心中することに。九平次は死ぬがおはつは生き残り、二人の男の死を肥やしにしたおはつは偉大な花魁(おいらん)にまで登りつめたという話。
いくつ裏があるのやら。ただ、天満屋の主人と聞いたときは最初男かなと思いました。よく考えるとあの女主人のことで、ストーリーテラーとして色々な場所に出てきたのは幽霊だったからできたのですね。
吉展ちゃんのお母さんとおはつの両極を演じた山岸彩子さんが印象に残りました。
満足度★★
どこがキャッシュモブ
なーんだ、歌とお芝居の女性ファン向けファン感謝デーかぁ。
ネタバレBOX
廃れた商店街へ大人数で押し掛けて、現金で買い物をするというキャッシュモブによって商店街が盛り上がる話かと思っていましたが中途半端、結局はイケメン俳優たちの歌が大半でした。
小さな書店にとっての万引きは死活問題です。書店の店主も、営業不振どころではない、赤字で苦しんでいることをあの青年に言うべきです。
青年は古本屋に売って儲けていたのですよ。交番で絞られただけなんていい加減過ぎます。万引きはみんな経験がある、大したことはない、といったような描き方は非常に不愉快でした。みんな経験があるなんて軽々しく言ってほしくありません。みんなじゃありません。
満足度★★★★
自己中から思い遣るこころへ
リフレッシュできたらいいですね。
ネタバレBOX
専門スクールが舞台。大道具の移動などはありませんでしたが、うまい具合に隣の部屋に場面転換したように見せていました。
夫婦同席での授業、男女別々の授業、子供のための講習もあって、設定が良く練られています。
一日目、二日目は、夫や妻を名前で呼んでみたり、対処療法的には先ずはパートナーの話を聞くことが大切ということで相づちの練習をしたり、腹筋したり、笑顔の練習したりしていました。
で、その次が最後の講習と修了式でした。じゃ、三日間のプログラムでもいいような気もしますが、経営的にはやはり8日ぐらい必要なのかもしれません。
自分を見つめ直した結果、各人の心境が少しずつ、あるいは一気に変化したのでしょう、ベタベタだった夫婦の奥さんの変化が面白かったです。
満足度★★★★
過酷な状況、なのでしょう
面白おかしく皮肉っぽく、楽しみました。
ネタバレBOX
何かの災害が起きた後の数ヶ所の状況を切り取ったストーリー。スタート時は災害直後の極限状態かとも思いましたが、かなり日数が経過した後のようでした。
災害後に男女が頼りたがる傾向があるという話は聞いたことがありますが、こちらでは、砂塵まみれの地上を避けて地下室に逃げ込んだ姉妹は男をこき使い、挙句の果てには食料調達をさせて戻って来たときには精子を出してから地下室に入るよう指示する始末。
一方、避難所では、ボランティアは気を遣いながらもやっぱり物見遊山的なところがあったり、現地の人は複雑な気持ちで被災者を演じていたりします。
外部と連絡が取れた人と、未だに取れていない人とでは緊張感が異なります。
全てを失った人たちに車の便利さを説き、車を売りつけようとするセールスマンには圧倒されました。商売として正しいのか間違っているのか、倫理的にはどうなのか、先見の明があるのか馬鹿なのか、そんなことは度外視して自転車で現地を駆け回るジャパニーズセールスマン、それくらいのガッツが今の日本には必要なのかもしれません。
満足度★★★★★
最後は大満足!
今もユーミンの曲を聞きながら書いてます。
ネタバレBOX
ユーミンのMCで本編が進行、要所要所でユーミンが歌う形式。
本編は、彼のことが大好きなお金持ちのお嬢さんの策略で、疎遠になってしまった男と女の話。お嬢さんの告白で真実を知った彼は、今更とは思いながらも、就労のためにフランスに出発しようとしている彼女の許に、学生時代に彼女のためにバイトで貯めた貯金通帳を届けようとしてバイクで事故を起こし危篤状態に。病院に呼ばれた彼女は夢の中で彼と話をし、思い出を語り合ったり、疎遠になった経緯や理由を共通認識したりすることができたものの彼は死亡。彼女は彼ときちんと話ができて誤解が解けたことを胸に秘め旅立つというもの。
ちょっとベタな話に、うーんと思っていたのですが、アンコールのような形で歌った15曲目「青いエアメイル」…、本編の集大成とも言える何となく疎遠になっていく男女の歌ですが、ユーミンが涙を流しながら熱唱するのを見たら、もうそれだけで大満足でした!!
満足度★★★
次回作に期待します!
見納めでしたが、なんかつまんなかったです。
ネタバレBOX
最近は宅間さんお一人の魅力と多くの客演さんの魅力によるお芝居という感じでしたから、劇団が解散するのは当然の帰結と言えますが、宅間さんがいる限りこれからも感動的なお芝居を観ることができると思いますので楽しみであり安心です。
さて、解散公演は、政治家生命を賭けてのごまかしや、人違いや思い込みから生じたドタバタ劇でした。種をいっぱい蒔いたので刈り取りが大変だろうなと思っていましたが、一つ一つ順番に刈り取りができていき、意外とあっさりした感じで盛り上がりに欠けました。
松本明子さんの看護師長がカーディガンを脱いでうつむいて服についたゴミを取っている姿を、若いお医者さんがしおらしく座っている恋人の看護師と間違えるところなどは上手いなあと思いましたが、他は元相撲取りが入院していたことによる親方違いがまあまあと言ったところでしょうか。
ラストのダンスはスタンディングオベーションで終了したように見せるための大作戦でした。音楽の途中で宅間さんが何度も立て立てという仕草をするのですが誰も立ち上がりませんでした。劇団員が客席に下りてきて、さあどうぞご一緒にというのでみんな立ち上がったというのが実態です。自作自演はつまんないです。
東京セレソンDXの中では、『夕』が一番好きでした。飄々としたスタートと、パッと目に飛び込んできたラストシーンは忘れられません。
満足度★★★
ノリが悪くてゴメンね
ドッカーン、ドッカーンと来ている客もいましたが、そこまでは行きませんでした。
ネタバレBOX
役者6名で役数25名という謳い文句がありましたが、再現コントみたいなことをするには誰かが誰かの役をやるのは当然で、特に早替わりをするわけでもなく、小道具を被ったりする程度のことでそこまでアピールする必要もないと思いました。
最初のダンスは切れがあって良かったです。
ショートコントの連発で、空白の時間を埋めていき、真相らしきものが次第に明らかになっていくという手法は見事でした。
しみずはるかさんが鈴木砂羽さん似だったので、火サスではなく相棒かなとも思いました。
満足度★★★★
お見事
乱舞、剣舞をこれだけ見事に、一生懸命やられたら文句の付けようがありません。
ネタバレBOX
武蔵は酸素吸入したり、水を補給したりと、さもありなんでした。
武蔵の生涯についても少し理解しました。
激しい踊りのシーンで、男8人のときと男7人のときがありました。確かに8人で舞うにはリングは狭すぎるようにも思われましたが、はたしてそれが理由かは謎でした。
満足度★★★★
二幕目を見て
一瞬コント集かと思いましたが、壮大な物語でした。
ネタバレBOX
世界最終戦を回避するために戦っていたとしても、やはり奥さんには正直であらねばならない、必須です。
形而上学的最終戦というと、回避できなかったとしても別にどうなるということもないのかもしれませんが、これまでも毎年回避してきたからこそ今日があるとすれば、誰かしらが毎年その任に当たっていたはずで頭が下がります、なんちゃって。
おばさんになってもの噛み合わなさは面白かったですが、けんかをやめてになるともう慣れが来てしまいました。
ところで、村上聡志さんて高倉健さんのような風貌でしたね。とても似ていました。
それにしても佐々木さんよう、火曜JUNK風に言いますが、アンケート用紙を廃止したというのでここに書くけどさあ、あんたねえ、いくら難しい横文字だったとしてもだよ、今日はちょっと噛み過ぎだったんじゃない。最後はもう普通の日本語だって怪しかったじゃないの。あんた自分でも照れ笑いしたような声で言い直ししてたよねえ、ひどかったよ。今日だけだったとは思うけど見ちゃいられなかったよ。あんたには才能があるんだし、それは認めているしさぁ、応援しているから頑張ってよね。
満足度★★★★
メロドラマ
私には少しいい話過ぎました。
ネタバレBOX
離婚、再婚、子ども、そして死についてと、老人同士の愛を取り上げた話でした。
究極の選択を迫られて、夫や父を奪われる側には痛みが残りますが、奪う側には痛みはありません。このことが強く印象に残りました。
ですが、涼子がそんな夫を奪った亜希子と一緒になって元夫の実家に対し、北海道にお墓を建てることを承諾させてしまうなんて、何か現実離れしている気がしてなりませんでした。
立ち直れない亜希子に、涼子のお母さんがペンションで働いてもいいと言ったとき、そういうエンディングもありだなと思いましたが、涼子がプロフェッショナルなのだからもう一度看護師として働きなさいと諭したのはとても立派でした。
さあそういう訳で、それぞれの人生の第二章を目指そうとする涼子と亜希子です。お墓の件はちょっと勢いに乗って早まってしまったんじゃないですか。
満足度★★★★
驕る平家は久しからず
そうなのですが、それには原因があるということです。
ネタバレBOX
偉そうな立場からの逆転は興味深かったですが、父親が死んで父親の会社がおかしくなって豪邸が知り合いの手に渡り、彼が召使としてそのまま住まわせてもらったからという話で、特にサスペンスじみた理由もなく、今一つ捻りが感じられませんでした。
そもそも、使われる身になれば言葉遣いや態度が丸くなるのは当然で、恵まれた環境でだってきちんとしなくてはならず、親の育て方が悪かったというだけのことです。
例え偉そうな態度の表れとしても、頭を叩くDV的な行為は見るに堪えませんでした。できれば違う表現をしてほしかったと思います。
さて、最大のオチは、見た目は立派で切れ者のように見えても全く仕事のできない人種がどの業界にもいるので、組織を維持発展させるにはしっかり内外の人材を見極めましょうということでした。
お嬢さんがお嬢さんらしかったのが素敵でした。谷仲恵輔さんはやはり役柄に一捻りありますね。そして伊藤毅さんと横島裕さんの二人を同時に見るといつもなぜかほのぼのします。
満足度★★★★
変わらないこと、変わること、
毎日の猥雑な暮らしが生き生きと描かれていました。
ネタバレBOX
六つのトタン張りの家とちょっとした井戸端のある、実は水道ですが、一角に暮らす住人と一組の浮浪者の話。
工事現場で働く男たちは朝起きて仕事に出て酔っ払って帰る…、ちょっと変わった子は電車ごっこに明け暮れて、その母親は太鼓叩いて自分や息子のことについて大声でご利益を願う…、最近引っ越してきた男は決まった時間に役所に出勤する…、似非右翼は金をせしめて酒を飲む…、浮浪者は自宅建築を夢見ている…、浮浪者のペアの男の子は残飯集めが得意…、いかさまサイコロ師もいる…、毎日毎日の生活が猥雑に描かれていました。
変化のないこともあれば、男たちが酔っ払った勢いで相手の奥さんと間違いを起こすこともありますし、右翼の男のところに弟子入りした男が女と出ていったり、浮浪者の男の子が〆鯖に中って死んでしまったりと、色々変化もあります。
粗末な家ですが、それぞれの色合いが微妙に異なっていて綺麗でした。
家の中の生活を見せるために独立したそれぞれの家を移動させたり向きを変えたりする手法はとても興味深かったですが、必死で動かす大勢の裏方さんたちを見ると大変なことだろうと思いました。太鼓を叩く母親などは家の中に座ったままで、裏方さんによって家の内部が客席方向を向いたときだけ演技をするという何とも不思議な光景に演出面の面白さを感じました。
ただ、どん底のような事件が起こるわけでもなく、淡々とに特徴があるのでしょうが、何か盛り上がりがほしい気がしました。
満足度★★★
なんだ
そういうことなのね。
ネタバレBOX
自殺を考えた男に神の奇跡が起こった話。様々な人間模様を見た後だったので、傘が突風に煽られ、隣のビルに辿り着いて助かり、実はおばあさんが神だったというオチは、人間同士の会話の中で解決してほしかっただけに、なーんだ、そういうことという感じでした。
ま、しかし、傘を開いて飛び降り自殺をする人は普通いませんから、飛び降りなさいじゃなくて、一歩飛び出しなさいという意味だったと考えれば、信仰にご利益を期待するおばちゃんがいたのに対して、おばあさんが信仰は信じ切って身を委ねることという意味の話をしたのは、それはそれで奥の深い話ではありました。
7階の住人たちの中で、パーティを開くのが引きこもりと思われたくないからというある男の言葉は、芸術文化系引きこもりとしては強く印象に残りました。
ところで、死のうかと思うくらいの男ですから声に元気が無いのは当然だと思いますが、それにしても、ムキになって話すときは叫び気味なのでよく聞こえるのですが、住人たちの無茶振りに横を向いてぼそっとツッコミを入れるようなシーンでは語尾に行くに連れて特に声が小さくなり、うまく聞き取れなかったのは残念でした。
また、弁護士の彼女が「的を射る」を「まとをえる」と言ったときはいったん素通りしたのですが、弁護士が言葉にうるさい男だと聞くと、以前に正されたこともあったでしょうから、よりによって彼女が間違えるのは如何なものかという気分になりました。