満足度★★★
全体的な構想は・・・
良かったと思います。
以下、公演中なのでネタバレBOXにて・・・。
ネタバレBOX
喫茶店に訪れた、若い女性客とマスターのやりとりをオムニバスに描いた作品。
大筋、構想自体は良かったと思いますよ。
5つのオムニバス作品も、それぞれ個性的で、キャストの役者さんも皆味があったと思いますし・・。
エピローグ二人のやりとりも面白かったし、実は彼女が神様だったと言うどんでん返しも、お約束とは言えいい感じ。
夢のあるファンタジーで、様々な切り口から愛をテーマに描いていく作品はそれぞれどれも秀作だと思うのですが、欲を言えば、個々の作品にもう少しインパクトが欲しい。
あと、エピローグであれだけ明確なテーマを出してくるなら、それぞれの作品の継続性、物語の連続性なんかも、もう少し工夫の余地があるようにも思えた。
ともすれば、それぞれバラバラの作品を寄せ集めて、最後、無理矢理くっつけた感じ、とみえなくもない。
とは言え、軽妙なタッチで、いつの間にかおとぎの夢の世界にいざなってくれたことは評価しています。
目指す方向は間違ってないと思うので、今後の更なる飛躍を期待しています。
また、時節柄、先の東北の震災を意識したメッセージがフライヤー等随所に表明されていて、その辺りも好感持てました。
一人一人の力はほんの小さなものかも知れないけど、こういう場を通じて、地道に情報を発信していく大切さ、たゆまぬ姿勢に、良質な劇団の方向性を見せて頂いたような気がします。
応援したいですね。
今後の末永いご活躍を、心よりお祈りしております。
満足度★★★★
とっても・・・
楽しい作品でした。
以下ネタバレBOXにて。
ネタバレBOX
実際に起こった國松長官狙撃事件をベースに、なかなかよく考えられた構成、展開だったと思います。
あの近くて遠い隣国の秘密警察をイメージさせる謎の組織、面識ない者同士の交換殺人等、幾度か実際に話題になった事件もスパイスに取り入れ、最後まで楽しませて頂きました。
時折挿む時代劇のパロディも、誰もが知ってるメジャーな人物、シーンをコミカルに表現されていて面白かった。
大河ドラマの龍馬が出て来たり、信長の子孫信成の話題でさりげなく笑いを誘ったり、旬の話題を上手く採り入れてるなって感じ。
事件やテーマ、人物が出て来る度に、「あ~、あの・・」とすぐ思い起こさせてくれるのも、最後まで飽きさせず興味を誘われた要因。
またどの役者さんのキャラもとても鮮やかで、埋没する役柄がなかったのも印象的。
比較的幅広い世代の役者さんを役柄に応じて上手く起用されていて、それも安心して観ることができた要素かと思います。
努力してもせいぜい苦笑までしかできなかったのですが、時折挿む、ほんとに、ほんとに、しょーむないダジャレも、まあご愛嬌。
全編飽きることなく惹き込まれましたが、個人的には、度々出て来るシモネタがちょっと・・。
あの手は使うとしても1回で十分。
あれで笑いを取ろうとするのは、少々志が低いように思いました。
一方、肝心の本筋が時々飛んでしまい、どこまでが伏線なのか、少し解り難かったところも。
何度か出て来る白昼夢のシーンも、最初意味がわからず、少々戸惑いました。
ラストのクライマックス、あれはあれで素敵で象徴的なシーンだと思うのですが、そこへ至る物語の密度がやはりちょっと薄いかな。
他の方も指摘されていますが、その辺り、少しオチが甘いと言う印象を与えるのかも知れません。
ただ、それを割り引いても、とても楽しい、よくできた作品だったと思います。
最後、主宰さんの挨拶も、なかなか軽妙でコミカル。
エンターテイメントな作風、作品を大切にして、最後まで観ている観客を楽しませようとする劇団のサービス精神がよく伝わって来て、それも好感が持てました。
最後に、これは劇団、作品には関係ないことかも知れないのですが・・・。
自分が観たのは土曜でしたが、当日は生憎冷たい雨がふりそぼる最悪のコンディション。
確か、気温も前日より急に低くなった日だったのかな。
それもあってか、館内のエアコンが効き過ぎて作品世界に集中できないことも・・。
ジャケットを羽織って臨んだのですが、個人的には少々サブかったですね。
こういう細かい点にもお気遣い頂ければ、もっと嬉しいな・・。
来年は劇団10周年とのこと。
また素晴らしいエンターテイメント、期待しています。
満足度★★★
カンガルーより・・・
個人的にはモグラの方が楽しかったです・・・。
まだ公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
濃密会話劇というキャッチフレーズで、確かにテンポの良い会話劇だったが、個人的には余り話に入って行けず、何となくよくわからないまま終わった感じ。
何と言ってもあのモグラ(初演)でのユルユル感、爆笑を誘うセンスが強烈な印象で、ゲリザンヌさん(スミマセン、でも神戸さんというより、自分にはこのネーミングの方が親しみが持てるんです)、カメ君追いかけてのりしろまで観に行ったけど、今回は少し自分としては期待はずれ。
そんな中、冒頭出て来る下着姿の少女の印象がやっぱ強烈。
イデタチがイデタチなんで、ついつい目はそちらを追いかけてしまうが、衣装の奇抜さを割り引いても、ハツラツとした好演が光った。
帰り、劇場を出た所で、談笑していたその役者さんを偶然見かけ、周りに人が少なかったこともあるが、思わず
「可愛かったですよ!」
と声まで掛けてしまった。
今まで小劇場で沢山のお芝居を観ているが、内気な自分は、役者さんと話した事はおろか、目を合わせたこともなかったのに、自然と口をついて出た自分の言葉に、我ながら驚いた。
思わず素直に応援の言葉をかけてしまったのは、やはりそれだけ印象が良かったからだろう。
また、それに応えてくれた役者さんの、ニッコリ微笑んでペコリと丁寧にお辞儀してくれたリアクションにも、何とも言えない好感が持てた。
今回、作品自体は個人的にはイマイチ満足できなかったが、こういった思わぬ発見、ハプニングがあるのも、観劇、劇場に足を運ぶ良いところだろうとも思う。
作品には満足できていなかったはずなのに、何となくいい気分になって、劇場を後にすることができた。
一方、今回余り楽しめなかったが、ゲリザンヌさん、カメ君のぬいぐるみのポテンシャルはこんなものでは決してないハズ。
ちょっと気になるのは、作風が段々変わっていくような感じも・・。
色々試行錯誤してるのかな。
また機会があれば、別の風景を魅せてくれる彼らの作品を観てみたいと思う。
PS:
女性って下着2枚はくんですね。
当日アンケートにも書きましたけど、ヘーって感じ・・・。
ま、作品の本筋とはあんまし関係ない、重要なファクターでもないんですけど・・。
個人的には新鮮な発見・・。
満足度★★★★★
とっても・・・
素晴らしい!
最後は泣けて泣けてしょうがなかった・・。
ネタバレBOX
何と言っても、主演の女優さんの存在感が圧倒的。
本もファンタスティック。
自然に涙が溢れ来ると言うのは、やっぱり素敵な作品だと思います。
こういう作品に巡り合うと、劇場に足を運んで良かったな、と思います。
次の作品も楽しみにしています。
満足度★★★
色んな風景があり・・・
良い雰囲気のお芝居だったと思います。
ネタバレBOX
ただ、個人的には、少し盛り上がりに欠けるような、その、訴えかけてくるメッセージみたいなものが、自分には余り汲み取れなかったのが少し残念。
色んな要素が込められていたようには思うのですが、そのいずれも、こうなんだ!、これだよ!、という程の主張ではなく、さりげなく察せよ、と言うスタンスだったように思いました。
ストレートにわかり易い作風が好きな自分には、少々ハードルが高いようにも思いました。
満足度★★★
熱演が・・・
素晴らしかったと思います。
本日(昨夜)初演で公演はまだまだ続きますので、以下ネタバレBOXにて。
ネタバレBOX
17世紀末マサチューセッツが舞台。
メイフラワーによる入植から半世紀、当時の敬虔なクリスチャン村社会の雰囲気が、よく描かれていたと思います。
当時の神政政治によって裁かれるシーンは、現代の自分達からすると理解し難い場面も多々あり、どうしてそんなことが罪になるのかと、少しフラストレーションを感じることも。
魔女狩りと言うのがこの作品の一つのキーワード。
フライヤーを読むと、作者は「戦時中の非国民」、現代メディアでの「パッシング」という言葉にもなぞらえているようですが、確かに世の中のトレンド、風評を操作して一つの方向に持っていく現象に関しては、現代にもはびこる事象があるんだろうなと、少し怖い印象も受けました。
お芝居を観る一つの楽しみに舞台セットや衣装がありますが、簡潔なセットながら、終始セピア色に抑えた色彩の演出で、厳粛な雰囲気がよく出ていたと思います。
ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンが出てきそうな衣装もとてもGood。
良い雰囲気を醸し出していたと思います。
一方、音楽を余り多用せず、冒頭の導入部分、エンディングも照明だけで表現していましたが、作品のイメージがあるので、余りにぎにぎしくする必要はないとも思いますが、サウンドの面からはやはり少し寂しい気もしました。
自分が過去感動した作品、脳裏に蘇るシーンは例外なく音楽も素晴らしかったので、その点では少し物足りなく感じました。
原作がある作品なのでやむを得ないとも思いますが、個人的な見解ですが、終始堅い雰囲気で、もう少し緊張と緩和のようなシーン、笑いを誘発するシーンがあっても良かったかな、とも思います。
全編、緊迫した感じで絶叫するシーンも多く、少し息が詰まりそうな印象も。
あと、休憩を挟んで3時間40分という上演時間は、やはり少し長いかな。
ずっと緊張を強いられるようなシーンが多かったので、もう少し遊びの部分があっても良かったかな、と思います。
全編どの役者さんも熱演が素晴らしく、とても引き締まった良い作品でした。
今後の皆様のご活躍を、心よりお祈りしております。
満足度★★★
音楽が・・・
とても素晴らしいと思いました。
野田さんの原作を識らずして臨んだのが少し残念。
色んな解釈があるところですが、歴史の表舞台に隠れたこのようなストーリーも、また興味深く感じました。