贋作写楽
劇団そとばこまち
近鉄アート館(大阪府)
2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/06 (金) 19:00
劇団そとばこまちのエンターテイメント時代劇はいつも楽しく観劇。殺陣・ダンスはもちろん、墨絵によるライブペインティング、和楽器ありのサービス満点。凡才写楽の絵に絵筆を加え命を吹き込む葛飾応為、寛政の改革に立ち向かう民衆の反発、長谷川平蔵・葵小僧ら歴史上の人物の登場等虚実取り混ぜたストーリーは冴え渡り面白い。特別出演辰巳琢朗(元そとばこまち2代目座長)の蔦屋重三郎は重みがありながら軽やか、さすがです。至福の時間でした。
マイネームイズ
壁ノ花団
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2023/09/01 (金) ~ 2023/09/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/01 (金) 19:00
長年住み込みの家庭教師文子先生がいなくなり新しい先生がきた。文子先生との思い出、新しい先生が本名で呼ばれ馴染むまでの話。存在感のある演技。70分の短い上演時間でしたが見ごたえのある芝居でした。金替さん内田さんの脇役もよかった。
バナナの花は食べられる
範宙遊泳
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2023/07/28 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/08/05 (土) 18:00
2022年岸田國士戯曲賞受賞作品。台本に対しての受賞で、舞台に対しての受賞ではない。渋谷と思われる都会での若者の動きは、影をうまく使い雰囲気が良く出ていた。131件中131件がマッチングアプリの釣りメッセージだといい、それが1人だと言うことに現代の孤独を感じる。3時間10分(休憩を含む)は少し長過ぎる。現代の若者逹を描くにはこれぐらいの時間が必要だったような気もするが、元恋人アリサとの話に絞って上演時間を短くした方が良かったのでは。また饒舌な語りと音声読み上げ会話は戯曲では違和感がないと思うが、舞台では芝居のテンポとうまくマッチしていない気がした。芝居は一見の価値あり。
ゴメラの逆襲・大阪万博危機一髪
笑の内閣
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/08/03 (木) 19:15
大阪万博、メディア、怪獣(ゴメラ)が様々につながる。大阪の弱さ強さ、関西メディアのいい加減さ、活動休止している髭だるマン(ウルトラマンを重ね)へのオマージュの思いが伝わる。
テーマをどれかひとつにウェートを重くしたほうが良かった気がする。笑の内閣はいつも楽しく観劇しています。
スローターハウス
serial number(風琴工房改め)
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/07/15 (土) ~ 2023/07/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/16 (日) 14:00
2016年の障害者施設での大量殺人事件を元にした作者のオリジナル作品。事件を未成年者による殺人事件(一人)に整理して、被害者の母親と未成年犯罪者の心の葛藤に絞り舞台は進む。90分でずっぱりの二人の演技に感動。母親が障害児童を持つことの複雑な思い。いじめられた過去を持つ犯罪者の殺人動機。お互いを理解する気持ち。重いけどいい作品でした。
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/15 (土) 19:00
「悪意のない差別」「恐怖の連鎖」全ての差別につながる心に残る言葉でした。「恐がらないからわかりあえる」は解決へのメッセージ。
若者が同和地区・在日の言葉を理解できないのには驚いた。
テレビ局の弱腰、ご都合主義。テレビ局が放置してきたジャニー喜多川の性加害問題にもつながる。ryuchellさんの自殺、戦争はなぜ起こるのかなどいろいろ考えさせられた。
夜、ナク、鳥
カラ/フル
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2023/07/07 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/08 (土) 18:00
大竹野正典氏の傑作作品。何回も上演されてきた作品。看護婦ヨシダの悪人がより鮮明。ヨシダにひきづられ殺人に手を染める3人のそれぞれの心の葛藤。最後新たな獲物に近づくヨシダの言葉で終わる。いい作品でした。
過去観客50人程の密閉空間で観劇し悪の密度が高かったが、今回は舞台空間が少し広く、悪が少し弱まった気がした。
SHINOBI SASUKE
劇団そとばこまち
ABCホール (大阪府)
2023/07/01 (土) ~ 2023/07/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/03 (月) 18:00
エンターテイメント時代劇。今回は女流殺陣×和楽器、楽しく観劇。今回は佐助と八雲(服部半蔵の弟子)の幼少年期の仲良しの頃から大人になりお互いが殺しあうことになる悲しみが強く描かれていた。女流版として成功している。服部半蔵(陣内菜津芽)は貫禄があり迫力があった。辰巳琢郎(そとばこまち2代目座長つみつくろう)が観劇にきていた。そとばこまち次回公演に特別出演。楽しみです。
少女都市からの呼び声
新宿梁山泊
花園神社(東京都)
2023/06/11 (日) ~ 2023/06/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/21 (水) 19:30
主人公田口(六平直政)が手術中に見る夢(ランダムに出てくる場面は仕方なし)、水子となった妹への思い、大陸での連隊長(風間杜夫は風格があった)とのやり取りなど様々な思い出が舞台上に現れその人物逹が意思を持って動き回る。唐十郎初期の作品で上演時間が100分で開演時間が午後7時30分だった。いつもより30分遅いので要注意。
スイートホーム
制作「山口ちはる」プロデュース
シアター711(東京都)
2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/16 (金) 19:00
こりつち舞台芸術チャンネル(オオイリ)プレイガイドで紹介があり観劇しました。ダンボール箱にガムテープを貼る意味深のシーンから始まり舞台はどんでん返しが何回もあり、さらなるダメ押しで大いに楽しく観ました。面白くおかしく、怖さ(妻の愛憎)ありの時間があっという間に経ちました。
梅子の梅根性
劇団未来
東大阪市文化創造館・小ホール(大阪府)
2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/05/26 (金) 19:00
津田梅子(肉戸恵美さんの演技がいい)の生き生き感、生き様が伝わるいい作品で楽しく観劇しました。書き下ろし作品ですが、しまよしみちさん演出はテンポがよく2時間20分(休憩含む)あっという間でした。周囲の人々を振り回す人間らしさ、津田梅子と下田歌子(華族女学校学監・池田佳菜子さん)のやり取り(日米文化の落差)は思わず笑ってしまいました。お世話になり亡くなつた人々が梅子の横を通りすぎる演出は周りの人々の支援に支えられた梅子の存在が浮か上がります。
また、文化庁芸術祭優秀賞「パレードを待ちながら」再演決定は嬉しく思います。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/19 (水) 14:00
「キムンウタリOKINAWA1945」
沖縄戦にアイヌの人逹が参戦していた事実(今のロシアがウクライナの戦争に僻地の軍人を参戦)。当時アイヌ・朝鮮・沖縄の人逹が差別されていた事実。アイヌ語の使用を禁じた事実(今の中国を思わせる)。沖縄の一般人を巻き込み多く人達を苦しめた事実。色々と考えさせらる事が多い。
1903年大阪万博で起こった学術「人類館」事件について、少数民族への差別的扱い等をもう少し深く掘り下げて欲しかった。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/04/19 (水) 19:00
「OKINAWA1972」
沖縄返還は沖縄にとってなんだったんだろう。沖縄やくざが本土化に翻弄される姿それは沖縄の人達の苦悩と重なる。日米外交の駆け引きが米軍に沖縄基地を自由に使用させる事になり現在も問題を引きづっている。沖縄返還は本土の悲願というが、本当に沖縄のための返還だったのか考えさせらる作品だった。
四兄弟
パラドックス定数
シアター風姿花伝(東京都)
2023/03/17 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
兄弟が順番にそれぞれの力で権力を取り指導権が交代していく。チラシの参考資料でロシア・ソ連の歴史が示されているが、四人が何故兄弟なのか等この作品の背景(共産主義・ロシアの権力交代)が舞台上でもっと理解できればより面白かつたように思う。事前に予備知識があった方がよい気がした。
諸国を遍歴する二人の騎士の物語 風に吹かれてドンキホーテ 交互公演
Pカンパニー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/03/17 (金)
「風に吹かれてドン・キホーテ」鑑賞。「愛しているから食べる、愛されているから食べられる」(「注文の多い料理店」思わせる)とミュージカル風に音楽に合わせて楽しく歌い踊る。そこに動植物を食する人間の論理的なエゴが感じられる。子供たちにも楽しめる歌踊り・音楽が良かった。
「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」鑑賞。生きることを望む人間が死に、生きることに疲れた人間が生き延びる。その不条理。
2作品とも完成された演技・作品。さすがPカンパニー。
大坂夏の陣
劇団そとばこまち
COOL JAPAN PARK OSAKA・TTホール(大阪府)
2023/02/24 (金) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/25 (土) 18:00
殺陣・ダンスありのエンターテイメントそして笛・太鼓の迫力もあり大いに楽しめた。
いつもの伏線があるのだが壮大な物語の展開に負けてあまり活かされいない気がした。近鉄アート館の小劇場から大舞台になり少し違和感を感じた。
なるべく派手な服を着る
MONO
AI・HALL(兵庫県)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/24 (金) 19:00
初演(2008)で迷路の行き来が笑いを誘った記憶がよみがえってきます。2008年の舞台では、退団した西野千雅子さん、増田記子さんが在籍していればこの役をしていたなと思いながら当時観劇していました。
再演、良かったです。
家庭の団欒から崩壊そして再生、MONOらしい面白おかしく展開してあっというまの2時間でした。梢(立川茜さん)の存在感が光っていた。
桜姫東文章
木ノ下歌舞伎
ロームシアター京都サウスホール(京都府)
2023/02/22 (水) ~ 2023/02/23 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/02/22 (水) 18:00
木ノ下歌舞伎×岡田利規(作・演出)興味深く観る。前半はチェルフィッチュのような演出になかなか馴染めなかったが、後半がぜん演出と芝居がうまくコラボして面白く観ました。
磁界
オフィスコットーネ
小劇場B1(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/11 (土) 14:00
時間が前後する緊迫感ある物語。生活安全課に配属され意欲にあふれていた警官。市民の行方不明調査依頼に悩む心情が痛い。警察組織の論理がすごい。西尾友樹さん熱演。
ストリッパー物語
Project Nyx
ザ・スズナリ(東京都)
2023/02/09 (木) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/02/10 (金) 14:00
つかこうへい作「ストリッパー物語」大いに楽しめた。ストリッパーたちとそのヒモたちの物語。演出金守珍構成水嶋カンナの効果大。唐版のような演出、水嶋カンナを思わせる藤田怜の演技、色々な踊りが更に舞台を盛り上げる。プロジェクト・ニクスらしい演劇でした。