ユートピアたより
キノG-7
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2024/02/15 (木) ~ 2024/02/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/02/17 (土) 14:00
友人のお見送りの会。ダシ物の練習で集まったが思うように進まず。そして時間が過ぎる。アフタートークで武田操美さんが死の予感を指摘いた。劇中は何気なく観ていたが、違和感のある服装の汚れ・白板の文字メッセージ等思いあたる事があった。もう少し深く観る感性が求められる芝居でした。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/02/13 (火) 19:00
3幕、序破急の展開。兵隊組織を支える金は何処から来ているのか、それは庶民からの税金。税金に苦しむ大飢饉の農民。従順であるが故の不幸。その構造を知った時・・・。何事にも疑問を持ち考え生き抜く事の大切さを感じる。
同じ役者の妓楼が繰り返し出てくるのは、兵隊にとって性の対象でしかないから全て同じ妓楼に見える、哀しいかなそう語っているような気がする。
かわりのない
TAAC
新宿シアタートップス(東京都)
2024/02/07 (水) ~ 2024/02/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/02/12 (月) 14:00
己れの都合で子供を振り回す大人たちの残酷さ、後半は緊張感に溢れ盛り上がった。最後にタイトルの言葉が重くのしかかる。
六英花 朽葉
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/09 (水)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
コリツチ舞台芸術アワード2023でダントツの一位、「あやめ十八番」は近年評判も良いので早速DVDを購入して視聴する(劇団がユ-チュ-ブに受賞記念期間限定無料公開をしていました)。「昭和モダン」鑑賞。無声映画からトーキーに変わりつつある昭和初期、活動弁士たちの職場が失われていく時代を描く。弁士、生伴奏の楽団、無声映画を作ってきた監督、無声映画ゆえに存在した聴覚障害の女優(踊り所作が上手)たちの悩み苦闘、興味深く観劇。劇団の生演奏も効果的で戯曲が素晴らしい。コリツチアワード一位に納得。
Born To Shine~Re:Boot~
STAR☆JACKS
ABCホール (大阪府)
2023/12/14 (木) ~ 2023/12/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/14 (木) 19:00
さすが何回も再演されてきた舞台、ストーリーも完璧で興味深く観劇しました。彰義隊についてこれまであまり知らなかったが、京都の新撰組のように幕末の江戸の治安維持を行っていた集団だったんですね。若者たちが「義」の旗印の下に集まった彰義隊、旧幕府軍として戦っているが未来の日本を夢見ながら戦う姿は心を打つ。最後の戦いの前日、若者みんなが写真館で記念撮影をする。いい芝居でした。
タイトルが英語表記で作者の意図はわかるのですが、副題に日本語表記で時代背景がわかる補足があれば丁寧で良い気がした。
モモンバのくくり罠
iaku
ABCホール (大阪府)
2023/12/08 (金) ~ 2023/12/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/12/09 (土) 18:00
人里離れた山中で育ち、親の仕事(くくり罠で鹿や猪を捕獲し解体し食する)を手伝い山で暮らしきた。親の価値観、育った環境に悩まされる子供。一般の社会にどう適応するか、苦しむ子供。芝居ではこの生活を受け入れる中で解決しようとしているが、一歩間違えれば宗教二世のような深い問題が潜んでいる気がした。
わが友、第五福竜丸
燐光群
吹田市文化会館 メイシアター・中ホール(大阪府)
2023/12/06 (水) ~ 2023/12/07 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/06 (水) 19:00
アメリカの水爆実験により被災した第五福竜丸の事件は漠然と理解していた。他に被ばくした漁船が多くあり、実験が行われたマーシャル諸島の人々も被害を受けたことに深く理解していなかった。水爆実験で珊瑚が舞い上がり船員の体に白い粉となって張り付く場面は、珊瑚礁の自然破壊、放射能に汚染された珊瑚、被ばくした船員、核の問題点が全て含まれている気がした。
広島の黒い雨に対し、ビキニ事件の白い雨(雪)が印象に残った。
眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】
キューブ
兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)
2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/10/26 (木) 18:00
記憶。
夫(ロボット)との思い出に生きるノーラ(緒川たまき)。他人の記憶を取り込み創造力を広げる音楽家(篠井英介)。ノーラの記憶を全て取り込みその重さに苦しみ堪え難く死ぬ音楽家。様々な記憶から開放され「私、眠くなっちゃった」とほっとして安らぎの世界に行くノーラの姿は印象的だった。
記憶の重さ、ノーラの人生に思いを馳せる。
パレードを待ちながら
劇団未来
未来ワークスタジオ(大阪府)
2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/27 (金) 19:00
文化庁芸術祭優秀賞、関西えんげき大賞優秀作品賞W受賞作品。再演作品。生活環境の異なる5人の女性を劇団未来の女優陣が存在感溢れる演技で魅了。第2次世界大戦中の銃後、それぞれの思い、生き方が重く伝わる。他国でも日本の隣組のような活動組織があった事に驚き恐怖を感じた。非常時、カナダ政府が否定していた徴兵制の導入が当然のように施行される怖さ、これからの日本にないことを祈りたい。
メンズトルソー(マネキン)を各々の人物に想像させるなど、しまよしみち演出はいつも楽しみです。
贋作写楽
劇団そとばこまち
近鉄アート館(大阪府)
2023/10/05 (木) ~ 2023/10/09 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/06 (金) 19:00
劇団そとばこまちのエンターテイメント時代劇はいつも楽しく観劇。殺陣・ダンスはもちろん、墨絵によるライブペインティング、和楽器ありのサービス満点。凡才写楽の絵に絵筆を加え命を吹き込む葛飾応為、寛政の改革に立ち向かう民衆の反発、長谷川平蔵・葵小僧ら歴史上の人物の登場等虚実取り混ぜたストーリーは冴え渡り面白い。特別出演辰巳琢朗(元そとばこまち2代目座長)の蔦屋重三郎は重みがありながら軽やか、さすがです。至福の時間でした。
マイネームイズ
壁ノ花団
THEATRE E9 KYOTO(京都府)
2023/09/01 (金) ~ 2023/09/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/01 (金) 19:00
長年住み込みの家庭教師文子先生がいなくなり新しい先生がきた。文子先生との思い出、新しい先生が本名で呼ばれ馴染むまでの話。存在感のある演技。70分の短い上演時間でしたが見ごたえのある芝居でした。金替さん内田さんの脇役もよかった。
バナナの花は食べられる
範宙遊泳
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2023/07/28 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/08/05 (土) 18:00
2022年岸田國士戯曲賞受賞作品。台本に対しての受賞で、舞台に対しての受賞ではない。渋谷と思われる都会での若者の動きは、影をうまく使い雰囲気が良く出ていた。131件中131件がマッチングアプリの釣りメッセージだといい、それが1人だと言うことに現代の孤独を感じる。3時間10分(休憩を含む)は少し長過ぎる。現代の若者逹を描くにはこれぐらいの時間が必要だったような気もするが、元恋人アリサとの話に絞って上演時間を短くした方が良かったのでは。また饒舌な語りと音声読み上げ会話は戯曲では違和感がないと思うが、舞台では芝居のテンポとうまくマッチしていない気がした。芝居は一見の価値あり。
ゴメラの逆襲・大阪万博危機一髪
笑の内閣
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/07 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/08/03 (木) 19:15
大阪万博、メディア、怪獣(ゴメラ)が様々につながる。大阪の弱さ強さ、関西メディアのいい加減さ、活動休止している髭だるマン(ウルトラマンを重ね)へのオマージュの思いが伝わる。
テーマをどれかひとつにウェートを重くしたほうが良かった気がする。笑の内閣はいつも楽しく観劇しています。
スローターハウス
serial number(風琴工房改め)
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/07/15 (土) ~ 2023/07/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/16 (日) 14:00
2016年の障害者施設での大量殺人事件を元にした作者のオリジナル作品。事件を未成年者による殺人事件(一人)に整理して、被害者の母親と未成年犯罪者の心の葛藤に絞り舞台は進む。90分でずっぱりの二人の演技に感動。母親が障害児童を持つことの複雑な思い。いじめられた過去を持つ犯罪者の殺人動機。お互いを理解する気持ち。重いけどいい作品でした。
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/15 (土) 19:00
「悪意のない差別」「恐怖の連鎖」全ての差別につながる心に残る言葉でした。「恐がらないからわかりあえる」は解決へのメッセージ。
若者が同和地区・在日の言葉を理解できないのには驚いた。
テレビ局の弱腰、ご都合主義。テレビ局が放置してきたジャニー喜多川の性加害問題にもつながる。ryuchellさんの自殺、戦争はなぜ起こるのかなどいろいろ考えさせられた。
夜、ナク、鳥
カラ/フル
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2023/07/07 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/08 (土) 18:00
大竹野正典氏の傑作作品。何回も上演されてきた作品。看護婦ヨシダの悪人がより鮮明。ヨシダにひきづられ殺人に手を染める3人のそれぞれの心の葛藤。最後新たな獲物に近づくヨシダの言葉で終わる。いい作品でした。
過去観客50人程の密閉空間で観劇し悪の密度が高かったが、今回は舞台空間が少し広く、悪が少し弱まった気がした。
SHINOBI SASUKE
劇団そとばこまち
ABCホール (大阪府)
2023/07/01 (土) ~ 2023/07/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/03 (月) 18:00
エンターテイメント時代劇。今回は女流殺陣×和楽器、楽しく観劇。今回は佐助と八雲(服部半蔵の弟子)の幼少年期の仲良しの頃から大人になりお互いが殺しあうことになる悲しみが強く描かれていた。女流版として成功している。服部半蔵(陣内菜津芽)は貫禄があり迫力があった。辰巳琢郎(そとばこまち2代目座長つみつくろう)が観劇にきていた。そとばこまち次回公演に特別出演。楽しみです。
少女都市からの呼び声
新宿梁山泊
花園神社(東京都)
2023/06/11 (日) ~ 2023/06/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/21 (水) 19:30
主人公田口(六平直政)が手術中に見る夢(ランダムに出てくる場面は仕方なし)、水子となった妹への思い、大陸での連隊長(風間杜夫は風格があった)とのやり取りなど様々な思い出が舞台上に現れその人物逹が意思を持って動き回る。唐十郎初期の作品で上演時間が100分で開演時間が午後7時30分だった。いつもより30分遅いので要注意。
スイートホーム
制作「山口ちはる」プロデュース
シアター711(東京都)
2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/16 (金) 19:00
こりつち舞台芸術チャンネル(オオイリ)プレイガイドで紹介があり観劇しました。ダンボール箱にガムテープを貼る意味深のシーンから始まり舞台はどんでん返しが何回もあり、さらなるダメ押しで大いに楽しく観ました。面白くおかしく、怖さ(妻の愛憎)ありの時間があっという間に経ちました。
梅子の梅根性
劇団未来
東大阪市文化創造館・小ホール(大阪府)
2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/05/26 (金) 19:00
津田梅子(肉戸恵美さんの演技がいい)の生き生き感、生き様が伝わるいい作品で楽しく観劇しました。書き下ろし作品ですが、しまよしみちさん演出はテンポがよく2時間20分(休憩含む)あっという間でした。周囲の人々を振り回す人間らしさ、津田梅子と下田歌子(華族女学校学監・池田佳菜子さん)のやり取り(日米文化の落差)は思わず笑ってしまいました。お世話になり亡くなつた人々が梅子の横を通りすぎる演出は周りの人々の支援に支えられた梅子の存在が浮か上がります。
また、文化庁芸術祭優秀賞「パレードを待ちながら」再演決定は嬉しく思います。