桜の園
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2023/08/07 (月) ~ 2023/08/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
コメディ色が強かったが、桜の園で描かれた時代性がぼやけてしまった。儚さを中心に必ずしも組み立てる必要はないものの、戯曲の主な要素とつながらなさがあるのは抵抗を感じた。
『HUNTER×HUNTER』THE STAGE
ネルケプランニング
天王洲 銀河劇場(東京都)
2023/05/12 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
傑作漫画の2.5次元芝居である。
よかった点としてはビジュアルの再現度が高かったこととそれぞれの魅力を伝えていたこと、惜しい点としては芝居として一本テーゼとして筋が弱いところ。脚本演出が研ぎ澄まされていないのと、役者が技術としての訓練が成熟していないことがわかってしまうのは惜しい。
地獄のオルフェウス
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2023/05/09 (火) ~ 2023/05/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
非常によい上演だった。杉村春子、大竹しのぶらが演じてきた記憶が残っているが、今作は恋愛という側面がはっきりと見えてきた。話題のイケメン俳優と名のしれた女優という組み合わせだと、男に翻弄される女という見え方も私にはしたものだったが、今回の作品は戯曲で抱く2人の関係への印象を舞台に表してくれていた。
毛皮のマリー
紙魚
スタジオ空洞(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
アフタートークによって、やりたかったことは分かりつつあり、解釈は鋭いと感心した。
一方でそれが芝居を見てて伝わらないのと、演出が過剰で間延びとダレが多かった。
例を1つ挙げると、ブルートゥースのスピーカーをつなぎ演者の実演感を出していたが、カセットなどのスピーカーが客の近くにあるため、変化がむしろ悪目立ちしている。
コンセプトと芝居を面白くすることは違うはずなので、せめてお金をとる以上破綻なく成立させてほしい。
Don't freak out
ナイロン100℃
ザ・スズナリ(東京都)
2023/02/24 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
松永玲子・村岡希美に当て書きしたのであろう本作、スズナリの狭さを生かすことで、充実した演劇体験がつまっている。美術・映像・照明によって、不気味な屋敷の全貌をからくり小屋のように見せつけてくる、魅力的な観劇体験だった
長い墓標の列
明後日の方向
王子小劇場(東京都)
2022/11/22 (火) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
男女の逆転や現代的なモチーフがうまく機能している。例えば、爆撃の音かと思ったらキーボードを叩く音だったのにはハッとさせられたし、お菓子や缶ビールという選択も上手かった。
一方で、冒頭など役者同士の芝居のレベルが揃っていない点が気になった。話を聞いているという芝居で、自然な相づち、大袈裟な顔芸、からだの動きなどの統率がなく芝居の抽象度への意識みたいなものが薄くなってしまっている気がする。幕のぬるっとした(いつもの?)始まり方も悪くないが、今回は客の集中を妨げているのではないか。
ドライブイン カリフォルニア
大人計画
本多劇場(東京都)
2022/05/27 (金) ~ 2022/06/26 (日)公演終了
平成中村座 十一月大歌舞伎【11月4日~6日公演中止】
松竹
浅草寺境内 本堂裏 仮設劇場 平成中村座(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「乗合船恵方萬歳」
太夫と才蔵のコミカルな掛け合い、洒落っ気のある踊り、最後全員での総踊りなど面白く見たが、この劇場でやる意義を考えたときに、唐茄子屋と比べてやや弱い気がしてしまった。
平成中村座 十一月大歌舞伎【11月4日~6日公演中止】
松竹
浅草寺境内 本堂裏 仮設劇場 平成中村座(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
新作歌舞伎『唐茄子屋~不思議国之若旦那』
宮藤官九郎脚本なだけあって、冒頭のメタ的な群衆シーンへのイジリ、ルンバ(のような機械)に乗って現れる遊女、股間に鈴をつけての煩悩試験、など笑いどころは多い。歌舞伎の客層的に若干下ネタが受け入れられていない空気もありつつだが、楽しめた。
宮藤官九郎のアテガキも光る。中村勘九郎の若旦那、坂東 彌十郎の大家が特にはまっていて、中村勘太郎の持ち味と11歳という年齢も存分に生かされ、中村座の面々の魅力がつまっている。大人計画から参加した、荒川良々もいい味を出す。個人的にファンである七之助の魅力ももう少し引き出す脚本でもよいのにと思ったりはした。
また、浅草寺の境内の仮設舞台なだけあって、外の景色と組み合わせた演出は小気味よく、歌舞伎座とは違うライブ感に包まれたいい舞台だった。
人情喜劇と銘打っているが、大円団に持っていかない方が面白くなる気もした。
平成中村座の今後も楽しみにしております。
ムサシ
ホリプロ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/09/02 (木) ~ 2021/09/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
帰ってきたという感慨と
蜷川演出の方が好きだったという正直な思い
一流の役者がはしゃぐのを観るのは楽しく懐かしさはあったが、そこにどれほどの統制があるのか
縄で繋がれる場面は初演の方が断然面白いし、長くても持っていた
客観視されたなかでの遊び心がこの作品に必要なのではないか
踊らぬサロメ、きみがすき。
あんよはじょうず。
王子小劇場(東京都)
2022/05/18 (水) ~ 2022/05/22 (日)公演終了
RENT レント
キョードー東京
東急シアターオーブ(東京都)
2022/05/18 (水) ~ 2022/05/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ストーリーは一世代前のステレオタイプな価値観に思え、普遍性がうすいように感じた
しかし、名曲SEASONS OF LOVEはやはり素晴らしい。52万5600分という1年をどうやって数えようかという歌詞は、問題を抱えている人にとっての人生のかけがえのなさをというテーマに力強く迫り、作者が急死したことにもリンクし複合的に作品を支えている。
通し狂言 義経千本桜
国立劇場
国立劇場 大劇場(東京都)
2022/10/01 (土) ~ 2022/10/26 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
A,B,Cプロに分けてのスケジュールや、開演前の映像など見やすい気配りが感じられた。
特にBプロがよく感じた。
菊之助のいがみの権太は、小気味良く、最期の息絶えだえの台詞にはとても引き込まれた
ジャージー・ボーイズ
東宝
日生劇場(東京都)
2022/10/06 (木) ~ 2022/10/29 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ブラックチームを観劇。役者さん同士の掛け合いも歌もとても安定していた。
演出が素晴らしかった。開演してすぐの映像と音楽によるワクワク感で高揚した。
カメラを使った演出はもちろん、上下構造や、人物があるシーンを見ているように配置するのも見事だと思いました。その場にいない登場人物同士が、演出の処理によりうまく繋がっていました。
これからご覧になる方は、開演前の着替えや客席が映されるカメラなどを楽しむために10分ほど前には客席に着くことをおすすめします。
サド侯爵夫人
遊戯空間
銕仙会能楽研修所(東京都)
2022/11/05 (土) ~ 2022/11/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
三島由紀夫の台詞や世界観を役者が体現していたと思います。発声佇まいも素晴らしかったです。
一方で能舞台であったのは挑戦的だと思ったのですが、そのことによってこれまでのこの戯曲の上演を越えられたとは私には思えませんでした
けれど、大切な試みだとは思います
八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】
松竹
歌舞伎座(東京都)
2022/08/05 (金) ~ 2022/08/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
歌舞伎座の弥次喜多流離譚(やじきちリターンズ)観劇。
毎度笑いの絶えない舞台。今回は経営難の歌舞伎座が扱われる。文明堂や家族商店(ファミマ)などパロディや、俳優の親子関係のいじりなどのメタ視点によって、歌舞伎座の衰退と再興の物語が現実味を持って迫ってくる。一度上演中止になっただけに感慨深く、歌舞伎役者としての意気込みあふれる芝居でした!
八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】
松竹
歌舞伎座(東京都)
2022/08/05 (金) ~ 2022/08/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
手塚治虫原作の歌舞伎座「新選組」
彌十郎の悪役が魅力溢れ、迫力満点。
敵討ちに燃えて入隊した丘十郎(歌之助)が、仇討ちの不毛さと友とも戦わなければならない不条理を、たくさんの屍の中で感じていきます。
八月納涼歌舞伎【8月15日~17日第一部、8月19日第二部、第三部公演中止】
松竹
歌舞伎座(東京都)
2022/08/05 (金) ~ 2022/08/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
歌舞伎座の「浮世風呂」鑑賞
日が外から差し込んでくる描写がきれいで、猿之助の軽快な踊りが見所。風呂桶を武器にして、風呂の床で滑りながら戦う滑稽さから、三助の強さを見せる流れが見事
ふんどしから見える肉体美も素晴らしい
ミス・サイゴン【7月24日~28日、8月22日~24日公演中止】
東宝
帝国劇場(東京都)
2022/07/24 (日) ~ 2022/08/31 (水)公演終了
実演鑑賞
ベトナムの子供達を直接映像で見せる演出は、意図として機能しているが日本人の感覚としてドン引きはしてしまった。日本で上演されたことにより、ベトナム戦争の反省やアメリカンドリームへの皮肉よりも、戦争に翻弄される人々というテーマ性がクリアだと感じました!
ニュー・イリュージョン
チェルフィッチュ
王子小劇場(東京都)
2022/08/21 (日) ~ 2022/08/28 (日)公演終了