消化不良でした。
おぼんろの公演は初めて。
よって3部作の最終章ということは観てから知ったわけだが
勿論こういう客もたくさんいたはず。
ネタバレBOX
表現したいことがありすぎて、ひとりよがりの感。
冒頭、「培養液から生まれたきつねが心を持ちえるのか」がテーマだと感じ、
なかなか面白そう、と期待したが、隣国への軍事介入、地域差別問題、と
かなり重いテーマが重なり、それらが交錯し、空回りし、ついていくのがやっとで、最後まで心が大きく動かされることがなく、残念だった。
ココとライが恋に落ちるのだろう、ということは直ぐに予測できたのだが、そこがうまく現されていない。
ココの「自分も人間のように伝えあいたい。」と強く思うようになるためには、もっともっとココとライの関係を丁寧に描かなければ、最後のシーンは生きてこない。 人物同士の関係が希薄である。 ほとんどの台詞が客席に向かって投げかけられているのもその要因のひとつではないだろうか。
ココの強い気持ちは客席にではなく、ライ自身に面と向かって投げつけてほしかった。
全員での長台詞の唱和は何を言っているのか聞き取れなかった。
これも残念。
2時間20分は長いだろうなあ、と思ったが予想より短く感じた。
これは、出演者の力量によるところだと思う。
印象に残る場面は?と聞かれると答に窮する。
枝葉を落として、幹となる部分を太くし、ゆっくりかみしめることのできる作品を作ってほしい。
この劇団にはその力がある、と信じ、次回を期待します。