jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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僕らの爽やかな深爪

僕らの爽やかな深爪

南京豆NAMENAME

王子小劇場(東京都)

2021/11/03 (水) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/11/06 (土) 19:00

2度目の観劇となるユニット。若さを感じる芝居だった。時間があるなら観てほしいな。80分弱。
 ダメ男に貢いで振られたテン子を巡る友人達、テン子に跳ねられた純情高校生とその友人、謎のテン子の同級生とその妹、などが絡み合って、ワケが分からん(誉めています)物語を展開する。ロジックで組み上げられた芝居ではないが、個々の場面は面白く、勢いある台詞回しに若さを感じた。「沁みついたものは離れられない」というのがテーマかなぁ。明るく終わるのもいい。最近観たものでは、強調するセリフを怒鳴る芝居が多かったので、そうではない演出は好感。

柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/11/04 (木) ~ 2021/11/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/11/05 (金) 19:00

初見のユニット。不思議な感触の静かな演劇だった。90分。
 父が亡くなっての葬儀の日。母・兄・姉(家を出て一人暮らし)・妹の家に、兄妹の従姉とその娘が一緒に住むことになる。その一年後の一周忌に向けての、この人たちと取り巻く何人かの、さまざまな出来事を淡々と描く。それぞれが問題を抱える人々だが、何となく普通に生きてる。何を言いたいのかが、何を描いているのか、よく分からないけど、感触は残る。久々に見た elePHANTMoon の菊池奈緒が健在なのが嬉しい。

廻る礎

廻る礎

JACROW

座・高円寺1(東京都)

2021/11/04 (木) ~ 2021/11/11 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/11/04 (木) 19:00

田中角栄3部作を上演したJACROWが、吉田茂(と日本国憲法)に挑む。いや、面白い!130分。
 近過去の事実である政治的出来事の事実は活かして、こうだったんじゃないかな、と思わせる場面を芝居にする同劇団だが、田中角栄三部作はかろうじて生まれていたので記憶にあるものの、今回は私にとっても「歴史的事実」なので、興味深く観せてもらった。今の日本の骨格を作った吉田茂の判断の是非はともかく、そういうことなんだなぁと思いを深くした。吉田の娘の和子が麻生太郎の母であるというのは、事実としては知っていたが、芝居で具体的に提示されると、なんだかなぁ、の気持ちになる。序盤の松谷天光光の「生き残った私たちは死んではいけない」という演説には、今の時代だから思う深い意味も感じ取ってしまった。

フタマツヅキ

フタマツヅキ

iaku

シアタートラム(東京都)

2021/10/28 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/02 (火) 19:00

iakuらしい、しみじみとした「いい話」だった。115分。空席があるのが勿体ない。観るべし!
 iakuの芝居には、基本的に「悪い人」が出てこないのに、さまざまな行き違いでトラブルが起こるという物語が多い。本作もその流れで、休業中の売れない落語家とその妻を軸に、さまざまな人々のアレコレを描く。それぞれが相手を思いやっているのだが、それがストレートに出せなかったり、反発という形で表されていたりするあたりも、あーそーゆーことってあるよなぁ、と思って、横山拓也の作劇の妙が光る。3組のカップルが出てくるのだが、その収束の仕方が巧い。個人的にはザンヨウコの思いが切ない。
 美術は4畳半二間続きの部屋を回転させて使うのだが、まっすぐにせず微妙な角度で見せるあたりも巧い。もちろん照明も見事。

THE BEE

THE BEE

NODA・MAP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/11/01 (月) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/11/01 (月) 19:00

何度も上演された作品が、新キャストで充実した。スゴイ。75分。
 筒井康隆の小説「毟りあい」をベースにした「いやな話」だが、普通の人が悪人に変わる瞬間と、異常が日常になる瞬間は強烈である。夢の遊眠社・野田地図を通じて初めて野田が出演せず演出に徹した。
 キャスティングが見事にはまっていたと思う。メインの安倍サダヲはピッタリな印象。何回か舞台を観ている長澤まさみだが、これが見事に役にハマリ、ちょっと美し過ぎるという感じもあるが(とにかく足が長い!)、無言での演技も強烈だ。これほど巧い人だったのかと驚いた面もある。川平慈英は軸になるいくつかの役を演じ分けるのだが、これが実に巧みで、瞬時に役が変わるあたりは巧さが見える。河内大和も独特の風貌を活かしつつも、周辺の役を巧くこなしている。身体能力を求められる戯曲なので、世代が少し変わったことで、新たな魅力を見せてくれたと思う。
 客席の反応から、今回初めて見る人が予想外に多い気がした。初日ということもあって、拍手がなりやまずカーテンコール6回。もう1回観たいけれど、プラチナ・チケットで無理だろうなぁ(;/_;)。

『すこたん!』

『すこたん!』

serial number(風琴工房改め)

ザ・ポケット(東京都)

2021/10/28 (木) ~ 2021/11/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/28 (木) 19:00

ゲイ支援団体を立ち上げた男性2人の35年の関わりと、何組かのゲイ・カップルのあれこれを描く作品。いい芝居だった。
 2020年に上演すべく準備していたがコロナで延期され、今回の上演となったそうだが、serialnumber は初めてという出演者も多い。恋した、とか、打ち明ける、とかのアレコレはゲイであっても男女でも同じだなぁと思ったり、差別に打ち勝つ強さだったり、時に周囲に負けてしまう弱さだったり、さまざまな気づきがある芝居だった。歌はもう少し練習してほしいです(^_^;)。

グッドピープル GOOD PEOPLE

グッドピープル GOOD PEOPLE

株式会社NLT

博品館劇場(東京都)

2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/27 (水) 18:30

再演だが初演は観てない。徐々に盛り上がる展開で、楽しめた作品だった。1幕65分(休憩15分)2幕75分。
 翻訳劇なので、主たる舞台となるサウジーがどれだけの貧民街なのか伝わるのに時間がかかるのはちょっと難あり。だが、2幕に入って、マギー(戸田恵子),マイク(長谷川初範),ケイト(サヘル・ローズ)の3人がやりあうシーンが強烈で、笑える部分もあるものの扱われている題材の深刻さにちょっと驚かされた。現代に通じるものがあるな、とも思わされた。初日だったせいか、セリフがこなれていない場面もあったように感じたが、全体としては、いいモノを観せてもらった。

エレモア・ムーブ

エレモア・ムーブ

バンタムクラスステージ

王子小劇場(東京都)

2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/26 (火) 19:00

初見のユニット。ハリウッドを舞台にしたコメディタッチのかなり込み入った芝居だが、ベテランらしく練られていて、面白く観せてもらった。
 落ち目のアクション俳優エレモア・ムーブを取り巻く様々な人たちに、いろいろと取り込まれながら、エレモアが窮地を脱する物語。登場人物が多く、それぞれのエピソードを展開するために、やや冗長な印象がなくもないが、中盤からの展開は素速く、ややご都合主義的な筋もコメディと思えば許容範囲だと思う。楽しく観た115分。カーテンコールはややクドイ気がした。セリフを怒鳴る演出が多用されるのは一考を願いたい。ハウスキーパー役の馬渡直子がいい味を出してる。

『動ける/動けない 言える/言えない』を考えるWS 試演会

『動ける/動けない 言える/言えない』を考えるWS 試演会

升味企画

アトリエ春風舎(東京都)

2021/10/24 (日) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/10/24 (日) 16:30

企画が面白く、舞台も興味深く観た。
 3人の作・演出の劇団主宰が、各自書いた脚本をシャッフルして演出する企画で、タイトル通りの試み。3作品ともそれぞれに特徴ある芝居だった。

ぼんやりブルース

ぼんやりブルース

ヌトミック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/10/22 (金) 19:00

フリージャズ的な演劇とでも言おうか。私の苦手なタイプです。

Jeanne

Jeanne

鬼の居ぬ間に

「劇」小劇場(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/20 (水) 19:00

ダークな作風という印象の劇団だが、ダークというより重厚な感じの好演だった。115分。
 有名なジャンヌダルクの、火刑を決めた異端審問の様子と、その25年後にその審問を疑う復権裁判の様子を、時間的にも空間的にも交差させた展開で、丁寧で興味深い作劇だった。全体に暗い印象の舞台になるのだが、照明が効果を見せ、十字架のイメージなど興味深いものもあった。セリフが古いのは時代を考えるとやむをえないが、ちょっと整理されていない感じがあったように思った。

海底歩行者

海底歩行者

ぐうたららばい

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/10/14 (木) ~ 2021/10/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/15 (金) 19:00

FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介が作・演出する、キム・ユスと伊東沙保による2人芝居。切ない話だが、いいモノを見せてもらった。95分。
 羽衣ではやらないビターなものをやりたい、とのことだったが、確かにビター。役者2人が巧くて、見えないものが見えるような感覚に陥る。最終盤のとんでもなくビターな展開は、それでも2人が少しハッピーになったと信じたい。

想路列車

想路列車

FEVER DRAGON NEO

王子小劇場(東京都)

2021/10/13 (水) ~ 2021/10/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/10/14 (木) 18:00

初見のユニットだが、作・演出はベテランで、役者陣も元X-QUESTの塩崎こうせいを初めとしてベテランが多く、充実した作劇だった。
 大阪の地下鉄1号線(現御堂筋線)心斎橋駅の勤務者と関連する人々の、サイパン陥落の日から大阪大空襲までを描く。大阪というところがミソで、戦争で苦しい中でも笑い飛ばそうとする感覚が、作品を暗くし過ぎない巧さだと思う。細かいエピソードもしっかり回収する脚本の巧みさや、電圧が安定しないことを照明の技術で示すなど、細かい所まで気を遣った作劇が見事。ただし、展開は戦争中とは思えない部分があり、一種のファンタジーとして観るべきかと思う。タイトルも意味があるのだが、あまり効いていない感じが惜しい。60分(換気休憩10分)60分の130分。

未来からの手紙

未来からの手紙

アンティークス

王子小劇場(東京都)

2021/10/06 (水) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/10/07 (木) 19:00

初見のユニットだが、作・演出の岡崎は役者として何度か観ていた。ファンタジーの再演と新作の短篇2本立てだが、面白い。
 「ある日見た坂道で」は再演、45分。恋する男女の魂が入れ替わる話だが、単純な物語ではなく2重3重に反転する物語は巧み。展開はファンタジーだと思えば許せるか、という感じ。
 「未来からの手紙」は新作、75分。マウスという感染症が流行する世界に戻ってしまった男の物語。やや込み入った展開が分かりやすくはないが、工夫されたファンタジー。
 2作とも、ちょっと盛り込み過ぎな感じと展開が複雑な特徴があるのだが、実在しないだろう人物が登場するところなど、ファンタジーだと思うと不思議には思わない。言葉が練られていない感じが惜しい。

盲年【東京公演】

盲年【東京公演】

幻灯劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/10/01 (金) 19:00

90分強。

或る、ノライヌ

或る、ノライヌ

KAKUTA

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/30 (木) 19:00

KAKUTA久々の新作は、15年ぶりだかという劇団員のみの公演だが、とてもいい芝居を観せてもらった。
 いくつかの話がそれぞれ立ち上がり段々とまとまって最後は一つの話になるというのは、KAKUTAの、桑原の、得意とするところだが、今回は加えてロードムービー的な要素も加わり、芝居が広がりを見せた。加えて劇場の適度なサイズ感が巧みで、多様に変化する舞台美術も相まって、小劇場演劇らしさが見事に活かされている舞台になっていた。イヌの視線から見る、というのも新たな要素だったが、ちょっと切ない終わり方が泣かせる。劇団員だけということもあってか役者の相互に活かされ方も巧いが、若手もベテランも活躍する中で、主宰・作・演出の桑原の役者魂みたいなものも観られたような気がした。80分(休憩10分)65分強の計2時間40分弱が全く長く感じなかった。

Traumatic Girl

Traumatic Girl

関西演劇集団 Z system

駅前劇場(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/09/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/09/26 (日) 14:00

関西で活動する劇団の東京初進出作品。女優しか出ないという点に惹かれて行ったが(^_^;)、面白かった。劇団が現在の形になった2014年の作品で、2018年にも上演されている戯曲の三演で、手慣れた感じがあった。
 楓,美奈代、環の3人は女子高の制服を着て下北沢で飲み歩く日々だが、ある夜、酔って終電を逃した挙げ句、突如目の前に現われたビルに入って行くことになり…、という展開。トラウマを抱えた3人の、それぞれの過去の物語が順に展開され、それぞれを乗り越える物語だが、ダンスやムービングのレベルが高く、統率が取れているあたり見応えはある。ストーリーは若干ありふれたものと言えなくもないが、若い女優陣の熱量は確かに伝わる。楓役の趙沙良のビジュアルはチラシとは全く違って印象に残る。

スーパーポチ

スーパーポチ

コトリ会議

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/23 (木) ~ 2021/09/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/09/26 (日) 11:30

関西で主に活動する、初見の劇団。
 大学に入ってド田舎の実家から出て来て劇団員をしている菫に、実家の兄嫁から、飼い犬のスーパーポチが死んだ、と連絡が入り、相談したいことがあるというので、同棲相手を連れて実家に帰ることに。そこでは、小学校時代の担任である堂下先生がいて、…という物語だが、その後の展開に不条理な味が加わって何が何だか分からなくなる。普通の会話をしているようで、演出でブッ飛んでいたりして、役者陣もしっかりしているのだが、結局何が言いたいのかよく分からず終わる。良い感触は残るのだけれど…。

Ma les me Role 〜マルムロール〜

Ma les me Role 〜マルムロール〜

劇団フェリーちゃん

王子小劇場(東京都)

2021/09/23 (木) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/09/24 (金) 19:00

独特の世界観を持つファンタジー音楽劇。
 ラングラント王国では結晶病という伝染病が蔓延するが、謎の吟遊詩人の言葉をもとに願いを叶える石を求めて人魚の島に向かう…、という物語。どうも旗揚げ公演の再演らしく(初演は観てない)、前作『MimitoMetoAo』も観たが独特の世界観で展開される物語。起伏もあり謎解きの要素もあるが、後半の展開はやや伏線不足の感もあるものの、ファンタジーとして許容される範囲かなと思う。世界観が共有できるかがポイントか。

友達

友達

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/09/03 (金) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/23 (木) 14:00

2度目の観劇。やはり恐ろしくなる作品だった。
 多くの役者が出る作品だが、それぞれの役割が丁寧に描かれていると改めて思った。特に、次女役の有村架純が他の家族と離れて座っていることが毛っこあることに気づき、彼女の役割みたいなのによる演出なのかなと思った。三女役の伊原六花が割と純粋な感じが出ていて、その分、怖い気がした。だが何と言っても、父親役の山崎一が怖い。

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