jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/22 (土) 18:00

2度目の観劇だが、戯曲を買ってみると、かなり深い作品だと分かる。面白い。90分。
 主要な6人の登場人物は3人で各2役で演じることが戯曲で指定されていることが分かった。主人公のマーラとマイラは1人の人物の両面を描いているように見え、そのことが1人2役で演じるという形になったのか。2人の息子のケニーとベンも八島智人が2役で演じるが、これも正反対のキャラクター。今回は「夢」という場面が2人の和解を求める心を描いているように思え、2役を演じることで「同じ人間だ」と言っているようでもあった。もっと考えていくと、いろいろと解釈できる作品だと思う。さらに使用する劇中曲も「同時代の女性シンガーの曲」を使うことなども指定されていて、それなりに腑に落ちる選曲だと思った。特にオープニングとエンディングの Gloria Gayner "I Will Survive" はピッタリだと思う。

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/18 (火) 19:30

武士編を観た。本来の形のはずだけど、そうではない雰囲気で面白い。55分。
 OL編でスタートしたものが第3弾で武士編になったそうで、本来は武士の話なのに、現代口語的会話で展開されるので、不思議な感触になる。

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/17 (月) 19:30

OL編を観た。青年団のレパートリーとして成立してる戯曲だが、やはり面白い。50分強。
 会社の休憩室と覚しき場所を舞台に、昼食を摂りにOLが集まるが、話題は自分達の主人が吉良に斬り付けた話…、という展開で、忠臣蔵スタートの場面がOLだったら、的な戯曲。何度も上演されているそうだが、私はOL編は2回目で、以前はそんなに面白く感じなかったが、今回はOLあるある的な話し方が気に入って、面白く観た。

あの子より、私

あの子より、私

エイベックス・エンタテインメント

よみうり大手町ホール(東京都)

2022/01/15 (土) ~ 2022/01/27 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/16 (日) 12:00

艶∞ポリスの岸本鮎佳の作・演出で、女優がいっぱい出るので観に行った。面白い。110分強。
 高級別荘地の見学会を舞台に、高校時代同級生だった元女優の美容家(黒谷友香)と元女優の作家(遊井亮子)を軸に展開する、若干ドタバタ風味のコメディ。黒谷の夫(古屋隆太)は有名ミュージシャン、娘(小林万里子)は読者モデル、息子(基俊介)はイケメン高校生とセレブ感がいっぱいだが、一方の黒谷も娘(村上穂乃佳)は上智に通って商社に内定しているという、こちらもセレブ感がいっぱい。もう一組は雑誌編集長(しゅはまはるみ)とその恋人であるカメラマン(松岡依都美)とセレブ感がいっぱいで、冒頭からマウントの取り合いになるあたりが面白い。振り回される不動産会社社員(異儀田夏葉)が大変だが、黒谷と遊井には何かの因縁があるらしく…、という展開が巧い。2人の高校時代の回想シーンでは、それぞれの娘が高校生時代を演じる等、岸本の脚本も興味深く、さまざまな組み合わせの人々が結びつくあたりも巧い。終盤のどんでん返しも面白い。
 映像系で大活躍だが舞台は少ない遊井をメインに観に行ったのだが、舞台でもしっかり存在感を出す。小劇場で観ていた異儀田としゅはまもしっかりポジションを取り、特に異儀田は、一人だけ庶民派、な雰囲気が面白い。初舞台だと言う小林も複雑な役割をしっかり演じた。さまざまな所から集まった俳優たちの演技が、巧く絡み合って、楽しい舞台だった。ジャニーズJr.の基が出ているせいか、男性の観客が極端に少ないのがちょっと…(^_^;)。

恋愛論

恋愛論

動物自殺倶楽部

イズモギャラリー(東京都)

2022/01/11 (火) ~ 2022/01/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/11 (火) 19:00

鵺的主宰・作・演出の高木登と牡丹茶房の女優・赤猫座ちこが立ち上げたユニットの旗揚げ公演。面白い。80分。
 役者(の役を演じる役者)4人が語る、演劇におけるルッキズム、という感じの作品。前半は、現実の小劇場関係での実話を想定した展開で笑わせるが、後半はある意味真正面からルッキズムを扱って、少しシリアスな雰囲気になる。ちこと野花紅葉という「カワイイ」女優を2人配し、金子鈴幸・小西耕一という男優2人はそれぞれの役割を演じて、面白く考えさせられる芝居を展開。小劇場系の話題に付いてこられないと面白味は半減するかもしれないが、ある意味普遍的な展開とも言える芝居を作る巧さは感じた。

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

ミネオラ・ツインズ【1月25日~28日公演中止】

シス・カンパニー

スパイラルホール(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/31 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/01/08 (土) 18:00

予想以上に面白く観せてもらった。観るべし!。90分。
 全く性格が逆の双子の姉妹の、1955年,1969年,1989年の出来事を、大原櫻子が一人二役で演じる。戯曲に指定と思われるカツラが6つ舞台上にあるところからスタートし、2人の3時代での6場で構成。サブに小泉今日子と八島智人、さらに、お洒落な場面転換を担当する王下貴司・斉藤悠の2人が出る。大原の熱演は素晴らしいのだが、何よりも戯曲が強烈な社会的メッセージを発する。フェミニズムの文脈で語られそうでもあるが、もっと普遍的な人間のあり方に迫っていると思う。作者とほぼ同世代の私にとっては興味深いキーワードがいくつか出てくるのだが、それを越えて楽しめる作品だと思う。小泉と八島も2役を演じてて、どこまでが戯曲の指定なのか知りたくなって、戯曲を買う気満々だったのだが、あまりの良さに興奮して買い忘れて帰って来てしまった。

夏の夜の夢=偽罪

夏の夜の夢=偽罪

クリム=カルム

王子小劇場(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/01/04 (火) 19:00

本ユニットを観るのは2作品目。面白い。90分。
 「かわいい」×「古典」をコンセプトにしているそうだが、上演作品は古典でも現代的な解釈を入れているのが面白い。90分に収められているので全てをやっているわけではないが、シェイクスピアの『夏の夜の夢』の構造は変えず、劇中劇を『ロミオとジュリエット』にして、同時進行的に物語を展開する。オリジナルと覚しきセリフが多いが、現代人の使うようなセリフもあり、その辺の混在は興味深い。以前「小さなエイヨルフ」を観たが、これも古典を現代に活かそうという試みだった。舞台美術をほとんど使っていないが、照明が美術となっていて美しい。役者陣は若いが、一定程度熟練を見せているのはスゴイ。ディミトリアス役の尾野綾美のヴィジュアルが気になる。

赤目

赤目

明後日の方向

王子小劇場(東京都)

2021/12/29 (水) ~ 2021/12/31 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/31 (金) 13:00

年の最後にものスゴイモノを観た。面白い。
 黒澤世莉の新ユニットの旗揚げ、と言うか、行き先を探すための公演だそうだが、斎藤憐の1967年初演戯曲を黒澤が演出。白戸三平をモデルにしているが、やや遅れてリアルタイムに経験した白戸体験と重ねてみると、非常に興味深い。75分(休10分)80分強が長く感じない。1959年頃の白戸の体験と、作品である「赤目」の劇中劇が同時に進行しつつリンクする1幕に対して、2幕は冒頭45分ほどが劇中劇に費やされるという対照的な展開になっている。「赤目」は小さい頃に読んだことを、2幕が始まって思い出す。力量ある役者陣が丁寧に演じ、終盤5分の展開は一気に見せて見事(ただし白戸本人は、ああいった存在と観られることを嫌がっていたという話もある)。百花亜希の華のある役柄が印象に残る。新聞紙を使った演出も強烈な印象。

「ストロング」

「ストロング」

坂井水産

RAFT(東京都)

2021/12/29 (水) ~ 2021/12/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/29 (水) 16:00

面白い企画で、使った脚本も面白かった。60分強。
 「稽古初日」と称して、稽古せずに本番(リーディング)を迎えるという面白い企画。同じ脚本をさまざまに組合せを変えて上演する。ゴジラ好きの赤井(家田三成)はマニアの呑み会で出会った中山(豊田可奈子)と出会うが、友人の坂井(浅倉洋介)が訪ねて来ると…、の物語(他にト書きに赤澤涼太)。脚本も巧く起伏ある物語を展開し、特に、言葉の選択が面白い(「17歳です」/「病院行こうか」、とか)。役者の違いで異なる味わいになるんだろうな、と思った。楽しく過ごせた60分強だった。

絢爛とか爛漫とか

絢爛とか爛漫とか

劇団俳優難民組合

王子小劇場(東京都)

2021/12/22 (水) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/26 (日) 12:00

何だか勿体ないと言うか残念な公演だが、若さの熱は感じる舞台だった。120分。
 飯島早苗が1993年に書いて自転車キンクリートで初演した後、多くのユニットで何回も上演された作品だが、実は私は初めて観る戯曲。昭和初期に文筆で名を上げようとする4人の男の苦悩や葛藤を描いた丁寧な会話劇である。本作も丁寧に会話を積み上げようとしているし、若い役者陣の熱は感じるが、何だか伝わってくるものが足りない気がした。昭和初期とは思えない言葉遣いがあるのが気になっていた。

#31.5『パブリック・リレーションズ』

#31.5『パブリック・リレーションズ』

JACROW

雑遊(東京都)

2021/12/21 (火) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/25 (土) 14:00

2013年に初演した作品をダブルキャストで再演だが、初演は観てない。Aチームを観劇。とても面白い。90分弱。
 JACROWの2代路線である、企業モノ(もう一つは、社会事件モノ?)のきっかけになった作品だということだが、とてもよくできている。起業したPR会社の立ち上げシーンから始まり、7か月後、テレビ局に食い込もうとするPR会社の人々とTV局員の群像劇。序盤を除くとワンイシューになったことで短めの戯曲となり、非常に分かりやすい作品になったと思う。役者陣も、劇団員のみのバージョンだったこともあり、確実な演技だった。谷仲はどうしてあんなに一見嫌なヤツができるんだろう。2ヵ月で3本の芝居に出た福田の落差にビックリ。

THE BEE

THE BEE

NODA・MAP

ナレッジシアター(大阪府)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/12/23 (木) 18:30

役者が慣れたせいなのか、スゴイことになっていた。75分。
 東京公演の初日を観たが、非常に緻密に演じられる必要がある脚本で、冒頭にアクシデントがあったこともあって、役者にある種のカタサがあったように思えた。それが、初日から50ステージほどを経て、役者が戯曲を自家薬籠中のものとしたのか、余裕がでてきたように思えた。反復・繰り返しを丁寧にこなしながらも遊びがあって(おそらくアドリブではなくて演出)、笑いの場面が多かった。筋が分かりやすく、笑いもありつつ、メタファーも入って、最後は緊張、という、芝居の初心者にも勧められる舞台になっていた。大阪の客は貪欲だということをよく聞くが、よく笑い、しかし、終盤の緊張は味わい、カーテンコール6回という豪華さだった。
 初日に観て、どうしてももう1回観たいと思ったのだが東京でチケットを取れず、大阪まで来たが、それだけの甲斐があったと言うもの(^_^)v。

母 My Mother

母 My Mother

SORIFA そりふぁ

シアター711(東京都)

2021/12/22 (水) ~ 2021/12/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/22 (水)

いいものを観せてもらった。みょんふぁと鄭義信のタッグで舞踊家・崔承喜の人生を描く。90分。
 老境を迎えた崔承喜の娘の所に、日本から崔承喜の物語を聞きに来た人がいて、その人に語る形で一人芝居が展開される。崔承喜という人は知らなかったが、母娘の深刻な物語を笑いを交えた物語にして本当に充実した舞台となっていた。みょんふぁのほか、チャング(太鼓)の演奏で李昌燮が登場し、見事な演奏を聞かせてくれる。力の入る演技を全力で演じる姿は感動的だが、千秋楽までもつか心配になる(きっと大丈夫だと思います…)。

続・五稜郭残党伝〜北辰群盗録

続・五稜郭残党伝〜北辰群盗録

温泉ドラゴン

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/12/17 (金) ~ 2021/12/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/21 (火) 19:00

骨太の芝居ながらエンタメ要素もあり、面白い舞台だった。120分強。
 佐々木譲の小説を原作としたシリーズ第2弾だそうだが、第1弾は観ていなくて小説も読んでいない。五稜郭降伏のシーンから始まり、5年後に残党が共和国建設を謳って活動を始め、政府軍が討伐に向かう軍勢に同じ五稜郭残党を加え、かつての同志が戦う物語。原作の小説があるので筋は決まっているのだろうが、セリフやら演出やらでシライ節が満載で、興味を持って一気に観ることができる。紅一点の土井ケイトは頑張っていると感じさせる。久々の舞台となる浅倉洋介の元気なところが嬉しい。

東京の一日

東京の一日

青年団若手自主企画 宮﨑企画

アトリエ春風舎(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/19 (日) 14:00

独特の感触で「東京の一日」を紡ぐ。不思議な印象のユニット。観て損はない。80分。
 同じ空間をいくつかの場所に見立てて、緩やかに繋がった9人の男女が、それぞれの東京の一日を描く会話劇。別の場所にいる人間の動作が関係あるように見える、という演出を得意とするらしく、そう見える瞬間が確かにある。以前観た時は台詞っぽく会話するユニットだなぁと思っていたが、今回はそんなに強調されていない、普通の会話劇だった。
 アフタートークでは路上園芸鑑賞家が登壇。芝居と関係ない話も交え、それはそれで面白い。

泥人魚

泥人魚

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/12/06 (月) ~ 2021/12/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/18 (土) 18:30

唐十郎の2003年作品を金守珍の演出で上演する。アングラ風味いっぱいで面白い。50分(休10分)70分。
 諌早湾の干拓のギロチン堤防を題材に、都会の片隅のブリキ店という2003年時点では古臭い場所を舞台に展開される戯曲だが、水槽を出して飛び込んだり、さまざまな人物群が醸し出すアングラテイストが強烈で興味深く観た。役者陣も熱演だが、特に、宮澤りえが少女に見えるのもスゴイし、風間杜夫の貫禄も強烈。

美談殺人

美談殺人

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/18 (土) 14:00

タカハ2年ぶりの新作はスケールの大きい話。面白い。130分。
 日本人の寿命が50歳を切った近未来。経済の停滞で貧富の差が大きくなるところで、余命宣告も正確になり、死を恐れる富者は死に際して美談を求めるようになる…、というワンアイデアの物語かと思ったが、終盤の展開はスケールの大きなハナシになっていた。しっかりとした伏線もあるのだが、そうなるとは思わなかった、やられた、という感じ。ちょっと大きくなりすぎたとも思うが、観ていて楽しく、しかも、考えさせられる舞台だった。
 本作では手話通訳が役を持って芝居に登場するという一寸変わった作品だが、私が観た回は視覚障がい者向けの試みもあって、こういうのが増えるといいなと思う。

サワ氏の仕業・特別編

サワ氏の仕業・特別編

劇団ジャブジャブサーキット

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/17 (金) 19:00

初見の劇団。余白の多い不思議な作品だった。100分。
 古くから活動する岐阜の劇団だが、初めて観る。普通の会話劇に見えるが、いくつかのエピソードの辻褄を合わせるのはかなり大変だと思う。一緒に観た友人によれば、初見で楽しめるのは難しいだろうとのこと。

海王星

海王星

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2021/12/06 (月) ~ 2021/12/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/12/17 (金) 12:00

寺山修司が天井桟敷結成以前に書いた未上演の戯曲が初公演、だそうだが、筋の分かる寺山は初めて、な気がする。70分(休20分)80分強。
 猛夫(山田裕貴)は父を難破で亡くすが、父と結婚する予定だった魔子(松雪泰子)と出会い恋に落ちる。ところが父・彌平(ユースケ・サンタマリア)は実は生きていて…、な物語。時間軸も空間軸も飛ぶことがなく、素直に展開されるあたりは寺山っぽくないが、「祝祭」感は寺山らしくもある。音楽劇として構成されているので長くなるのはしょうがないが、物語にヒネリは少ない。
 オープニングで、声だけで分かる中尾ミエの歌唱で始まるところに貫禄を感じる。ただし、ここと2幕のオープニングだけというのは勿体ない。そばかす役の清水くるみと那美役の伊原六花に新鮮味を感じるが、役を逆にしてもいいのではないかと思った。

あの部屋が燃えろ

あの部屋が燃えろ

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2021/12/15 (水) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/12/16 (木) 19:30

2014年に上演された作品の再演だが、初演は見てない。MCR節満載で、面白悲しい。観るべし。100分。
 とある安アパートの1室。隣の住人やらヤクザやらが出入りする部屋で起こるさまざまな出来事。かつて作・演出の櫻井が住んでた部屋がモデルらしいが、それを振り返って描かれる世界は、貧しいながらも元気、だけではなく、貧しいが故の悲しさ、も描いてて、笑わせてもらって寂しい気分にもしてくれる。それでも終演後のカーテンコールで見せた櫻井の笑いにホッとする。

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