衣人館 / 食物園
牡丹茶房
ギャラリーLE DECO(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/12 (木) 18:30
18:30『食物園』20:00『衣人館』の順で観劇。牡丹茶房らしいダークなストーリーは面白く、最後まで緊張感を持って観られる。『食』75分/『衣』70分。
どちらも対人コミュニケーションに困難を抱える女性の物語。『食』は、ダウナー系の、誰の役にも立てていない、と自己肯定感の低い女性が、おそろしいモノに自分が「役立てる」ことを見つける話。実際にもありそうな話だと思わせるほどに演じる二ツ森が巧く、そして、おそろしい。『衣』は、自分の考える「カワイイ」を追求するために自己主張強めで困難を抱える女性が主人公。信じていたものが崩れる中で、あくまでも追求する姿を石澤が痛々しく演じる。どちらも心が大きく動かされる舞台である。
細かい仕掛けから、これが同じマンションの3階と4階の出来事だと分かったり、小道具で両話を繋いだりするなど、烏丸らしい緻密な脚本は感動的だ。
かなり短い休憩を挟んで交互に上演するわけで、両話に「???」役で出演する赤猫座は本当に大変だと思う。逆に、「???」が出会った2人の女、的な見方もできるのかと思う。2人とも「???」に心を許すのは、社会的な関わりがないからだと言えそうである。赤猫座ファンは『衣』では上手に座ることをお薦めする。
どうでもいいことだが、当パンのルビの振り方が見事、と言うか、私の好みと完全に一致していて、難しいことではないが巧みな作り方に感激した。
『焔 〜おとなのおんなはどこへゆく〜』
下北澤姉妹社
駅前劇場(東京都)
2022/05/11 (水) ~ 2022/05/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/11 (水) 19:00
ベテラン女優たちが集まってのユニットの4作目だが、今までとはちょっと違った感触の作品だった。面白い!94分。
高級タワーマンションのパーティールームに集まる男女。精神科医の楓(松岡洋子)は事実婚の相手の市川(成田浬)と一緒に住み、その後に楓の高校のダンス部の同級生の麻子(明樹由佳)が夫(辻輝猛)・娘(裕海)と引っ越して来て今日のパーティーとなる。ダンス部の後輩の萌香(みょんふぁ)を4児を持つバツのシングルマザーで、お金に苦しむも現在の相手は若い吉野(関口敦史)と同棲中。これに加えて、市川の弁護士の千葉(高畑裕太)とマンションのコンセルジュの花岡(関口秀美)を加え、「おとなのおんな」達が本音を言い合う…、というような展開。あからさまな言葉でやり合う登場人物達だが、女は既婚/未婚、子どもあり/なし、等で分断される、というのが主たる題材で、緊張感を持って観ていて、最後はファンタジー(?)で終わるあたりが興味深い。
80年代に私が最初に追っかけた女優の西山水木が演出で、女優陣に特に魅力がある舞台だが、娘の小百合役を演じた裕海が、ちょくちょくいい感じのセリフを発するところが非常に面白い。
ロビー・ヒーロー
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/05/06 (金) ~ 2022/05/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/06 (金) 19:00
日本初演だそうだが、膨大なセリフに圧倒される会話劇。83分(休15分)76分=174分。
マンションの警備員のジェフ(中村蒼)は軽薄でお喋りで、上司のウィリアム(板橋駿谷)に注意されている。そのマンションに住む娼婦に勤務時間中に会いに来るベテラン警官のビル(瑞木健太郎)だが、一方で見習い警官のドーン(岡本玲)といい仲になりたい…、という4人が、それぞれに弱点と強気になれる点を持って、膨大な会話を交わす。ジェフの口の軽さが事件を起こすが、それが修復されたのか、されないのか、よく分からないまま一見ハッピーエンドっぽく終わるが、これって実はハッピーじゃないよね(^_^;)。全体で3時間になんなんとする長さは冗長感は否めないものの、その会話の中でジェフが口を滑らす、という展開を担っているのだと思う。ただ、この芝居って、もっと笑う場面が多い気がするんだけど、初日で観客が硬かったのか、笑いが怒らないのが残念。マンションの1階のロビーと、その玄関の外という2つのスペースを、ボンを使って巧みに扱う舞台は面白い。
3時間の長さなら、せめて18:30開演にしてほしかった。
はなれながら、そだってく。
ひとごと。
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/04/28 (木) ~ 2022/05/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
初見のユニット。私の苦手なパフォーマンス系。つまらなくはないが、面白いとも言えない。
子どものテキストをベースに構成されたらしいセリフに合わせたパフォーマンスだが、残念ながらそのテキストに面白さを感じられなかった。小野彩加のパフォーマンスにクウォリティを感じた。子どもに見せることを想定しているようだが、子どもの観客はいなかった。
あしたばのおひたし
オカムラ企画
雑遊(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/23 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/23 (土) 17:00
本ユニットの旗揚げ公演。Ammoの南慎介の作・演出で、しっとりとした作品。113分。
田舎の旧家に若くして都会から嫁いだ女、田舎に馴染んで暮す女、田舎に生まれて都会に出て行った女、の3人を軸に展開される物語は、巧みな展開の中で、予想とはちょっと違った方向に向かうが、最後は一応のハッピーエンドで終わる。しかし、この一見ハッピーエンドは、たとえば映画「卒業」のラストがハッピーエンドか、というと、そうではないように、単なるハッピーエンドとは言えないように思う。メインの岡村もそうだが、対峙する役割の石井舞、3年半ぶりの舞台となる松葉祥子という女優陣の充実を感じた。
秘密
劇団普通
王子小劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2022/04/21 (木) 19:00
この劇団は2作目。いたたまれない気分になってしまう115分。
老いた母が入院したということで東京から戻った娘。父と同居しつつ、母を見舞ったり広い庭を片付けたりするが…、の物語を、淡々と丁寧に描く。冒頭で、同じ言葉が何回も繰り返されるのを観て、あー私はこの展開が苦手だったんだ、と思い出す。老境に達した父と母を用松亮と堤千穂が、実にリアルに描く。作る側は意図していないと思うが、客席から老いることを嘲笑するような笑いが出て、個人的に痛々しくて、生まれて初めて途中で退席しようかと思ったが席の関係でできなかった。隣席の客がマスクを下ろして大声で笑うのもちょっと…。事前に徹底したアナウンスを希望したい。
安心して狂いなさい
中野坂上デーモンズ
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2022/04/17 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/19 (火) 19:00
不思議な芝居だった。意図は分かる。100分。
冒頭に作・演出(・出演)の松森が登場し、ここは中産階級向けのメタバースで、と説明して芝居が始まる。同時多発会話が起こるが、内容はヴァーチャル空間でありそうな出来事で、タイムラグや変身も含まれるなど、いかにも、な展開。ただし問題は、何かのトラブルで誰もログアウトできなくなったこと、というアイデアは買う。しかし、登場人物多すぎ、会話乱れ過ぎ、で、こういう風に収集させるのかな、と思った方向で収束した。観ていて苦痛に感じる時間帯もあったが、なんだか物凄く喜んでる観客も一定程度いて、感じ方はひとそれぞれだなと思った。また、前の席の観客がよく動く人で、通路際だったので横向いて座ったり、手を上げたり、前のめりになったりと縦横無尽(?)で、観にくかったこともある(これは芝居とは関係ないが)。
アンチポデス【4月3日、4日のプレビュー、4月8日~13日公演中止】
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/04/03 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/17 (日) 13:00
不思議な芝居だった。111分。
会議室に集められた8人の男女が、「物語(舞台の戯曲のようだが)」を作ろうとするが、語られる言葉は収束する様子も見せず…、という物語。中心になるサンディ(白井晃)は、この手法で何度も成功しているようだが、唯一の女性(という比率が既にハラスメントでもあるのだが)であるエレノア(高田聖子)に、あからさまなハラスメントもしていたりする。不条理な言葉は使われないが、展開は不条理風で、役者陣の熱量は伝わるが、分かりやすい結論は得にくい。奇妙な会話が続く中で、外部とのゲートになっているサラ(加藤梨里香)の存在が面白い。
放課後、ミドルノート
route.©︎
王子スタジオ1(東京都)
2022/04/14 (木) ~ 2022/04/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/14 (木) 16:00
本ユニットは2回目。前は若い芝居と評したが本作は巧妙で完成度が高い。いいモノを観せてもらった。観るべし!(3分押し)85分。
中学校の同窓会に出たら、友人の一人がAV女優になっていた、というところから始まる回想が半分、その後の現在が半分という作り。前半は中学生にありそうなエピソードの連鎖だが、組み立てが巧妙で独特の感情を引き起こす。後半の現在では、その後、的な話が展開されるが、新たな人物を加えて、別の感情を引き起こす。間を取ることに意味を持たせる演出が目立ち、私のテイストではないが、理解できる。その間に珠玉のセリフが時折出てきてハッとさせられる。何と言っても、タイトルが活きてる。
私のテイストにしっかりフィットした芝居ではないと思う。それでも、何だか気に入ってしまった。年に1・2本こういった芝居に出会うが、本作がそれだということだろう。繰り返しになるが、考えるほどに素晴らしいタイトルだと思う。こういったタイトルを思い付く作家を信頼したい。主演?のまひたんのビジュアルは、私のテイストど真ん中なのだけれど、気に入った理由はそれではないなぁ。
リディキュラブ
南京豆NAMENAME
王子小劇場(東京都)
2022/04/15 (金) ~ 2022/04/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/16 (土) 18:00
タイトル通りのおバカなラブ・ストーリー。面白い。100分弱。
この劇団を観るのは3作目だが、いつも、ちょっと駄目な人々が残念な生活を送るけど、何かハッピーに終わる、という物語のような気がする。本作も、そのような感じで、軸はチヒロ(今井未定)とミヤタ(藤本康平)のカップルだが、その他にちーちゃん(赤猫座ちこ)とみっきゅん(板場充樹)のカップルもある意味でのハッピーになる。後味は悪くなく、途中の細かいエピソードも笑わせてくれる。おバカなパリピ役の赤猫座が、前半時折見せるシリアス風味がいい。
エゴ・サーチ
プラグマックス&エンタテインメント / サンライズプロモーション東京
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/04/10 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/11 (月) 18:30
何回か上演されているそうだが初見の戯曲。巧妙に作られていて面白い。120分。
小説家の卵の一色は、担当編集者の夏川から、同姓同名で出身地や大学も同じ人間のブログがあると聞く。その謎が徐々に解けるに従って、劇中小説の物語や、胡散臭い写真家の卵や、デビューしたいフォーク・デュオの話が収束するあたりは、鴻上らしい巧妙さが見られる。ただ、結果的に解けた謎が納得できるものがというと、そうでもなくて(そうだ、と思う人もいるだろうが)、何となく不満が残ってしまうのが残念。
初舞台だと言う吉田美月喜(TVのCMで注目してた)は、セリフを叫び過ぎるきらいはあるが、重要な役をしっかり演じる。バジリコFバジオやKAKUTAや箱庭円舞曲やなどで見ていた阿久澤菜々がカワイイ役を演じる。
奇蹟 miracle one-way ticket【3月12日~3月17日公演中止】
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/03/12 (土) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/10 (日) 14:00
東京千秋楽に2度目の観劇。カーテンコールを5回もやってくれたが、最後に鈴木が言っていたように「モヤモヤする」芝居であり、それをこそ狙っているとも言える。確実にエンターテインメントになっている。
新★名探偵ポワロ
PureMarry
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/04/08 (金) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/09 (土) 16:30
クリスティがこのような戯曲を書いていたとは知らなかった。(5分押し)120分強。
なかなか楽しめる推理劇。すべてのヒントが劇中にあるわけではないし、怪しすぎる行動をする人は実際には犯人ではないんだろうな、と予想すると、犯人は絞られるのだが、若きポワロ・ジュニアがどうやって謎を解くか、を楽しむ芝居だと思う。ポワロ・ジュニアの造型が今一つ魅力的でないのが残念。高橋由美子を観に行ったようなものだが、健在で、確実な芝居をしていたのが嬉しい。
芝居そのものではないが、上演中にあちこちで携帯が鳴り、後ろの席の子どもは最初から隣の親に話しかけたり何か食べたりしてた。観劇上の注意を、もうちょっと強調して伝達してほしい気がした。
S高原から
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/04/01 (金) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/07 (木) 19:30
平田オリザ/青年団の代表作の1つ。高原のサナトリウムで療養する患者たちと、医師・看護師や見舞い客による会話劇。103分。
1999年に青年団で初演され、同劇団や他のユニットでも何回も上演されている作品で、私も何回か観たことがあるが、今の時期に上演されると、ちょっと違ったテイストになる。ちょっとしたセリフ回しや表情で、ああこうなんだろうなぁ、と予想される関係や感情が徐々に明らかになるという、極めて演劇的な舞台で、以前観たときよりも歳を取ったせいか、死を考えているようで避けてる患者たちの気持ちがよりよく分かるようになった気がする。
イン・ザ・ナイトプール
コンプソンズ
王子小劇場(東京都)
2022/04/05 (火) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/05 (火) 19:30
この劇団は2度目。劇団員が書いて演出した短編を4本。(4分押し)115分(30分,20分,25分,40分)。
基本は会話が噛み合わない風の、一種シュールなコメディで、「ナイトプール」というキーワードを使う点は共通するが、4作とも作・演出が違うのでテイストもかなり違う。4本とも出てる星野花菜里の存在感もいいのだが、忽那文香のブッ飛びぶり、宝保里実から漂う独特の雰囲気が面白かった。1作目の『ホットライン』のダークさがいい。
Ultimate Fancy Ojisan
MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)
王子小劇場(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/03 (日) 15:00
初見の劇団。仙台で震災後に結成されたという。(4分押し)105分。
海でUFOを見て自分達が宇宙人だったことに気づいた家族と、地球を滅亡させようとする宇宙人たちの戦いをマンガチックに描く。下ネタが多くどうなんだとも思うが、終盤20分の展開は意外。
なんとなく幸せだった2022
かるがも団地
北とぴあ カナリアホール(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/02 (土) 18:00
本劇団を見るのは2回目だが、今回もいい芝居だった。(8分押し)111分。
高校生7人とその周辺の人々の、高校生活3年間を描く前半と、その後から現在までを描く後半を丁寧に紡ぐ。こういうことってあるよね、的な展開に、ハッとさせられたり、にこやかになったり、寂しくなったりする110分。だから何なの、という疑問も湧くのだけれど、そういう疑問を凌駕する安定感が楽しい。途中、いくつかの楽曲が歌われるのだが、ジェネレーションギャップで、それらの楽曲の持つ意味が分からないのは悔しい。
劇団のせいではないが、時折、やや過剰に笑う客が何人かいて、逆に醒めてしまうのが残念。
下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー
第27班
王子小劇場(東京都)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/25 (金) 19:30
この劇団は2作目。面白く楽しい。観るべし!123分。
2020年に上演された作品の再演だが、初演は観てない。とあるダイニングバーに集まる男女とその周辺の人々の群像劇。人物化したイルカが出てくるなど、数々の不思議な設定に意味を求めてみたがよく分からない。それよりも、当パンで書かれているように、楽しく2時間過ごせばよいような気がした。それは確実に実現される。とにかく楽しい。登場するほとんどの場面で踊っていて、エンディングで見事な歌唱を披露する服部美香には、お疲れ様、の言葉を送りたい。
John Doe が身元不明の男性の呼び方(日本で言えば、名無しの権兵衛)ということは知っていたが、女性は Jane Doe ではなかったか。Betty Doe ではググっても出てこないのだが。
phantasma alley【3月24日19時公演中止】
複合創作ユニットwakka
王子スタジオ1(東京都)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2022/03/24 (木) 12:00
初見のユニット。具体的な物語はあるようでいて、実は抽象性の高い芝居。残念ながら私のテイストではないな。
石を投げる女がいて
ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/23 (水) 19:00
SSチームを観劇。初見のユニットだが、作・演出はプラチナ・ペーパーズの堤泰之。ある種のジェットコースターストーリーだが、納得できない不安な気持ちが残る。さまざまな正義のあり方が示されているように思う。148分。
寂れたリゾート地にあるロッジに集まる女性達が始めた天然石アクセサリー工房。さまざまな事情の女性が集まり、軸になる人物が次々に変わっていく展開は目まぐるしい。えっ、そんな、…と思ってる内に2時間半が経過する。終わってもすぐには納得できないし、謎も残るのだが、その不安定さこそ堤が描きたかったものではないかと思った。2年前に延期になったということだが、今のこの時代にピッタリ合う展開が驚く。タイトルは、エンディングで素晴らしく活きる。
先日の電夏で素敵な演技を見せた小林知未を観たくて行ったが、軸になる1人を巧みに演じ、不安な気持ちをしっかり起こさせてくれた。