カツの観てきた!クチコミ一覧

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夜明け前後

夜明け前後

中野成樹+フランケンズ

【閉館】江古田ストアハウス(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/16 (月)公演終了

満足度★★★

淡々と
演劇自体は本当に淡々と過ぎてゆく。 会話劇で、前半と後半の切り替えの照明転換がユニークでした。
乞局下西さんの書いた第一部後半も違和感なく、しっかりと話を掘り下げていた。
けど、見終わって全体がバラバラな印象が残りました。

第二部の音楽はなくても良かったと思うけど、中野さんの前説が面白すぎたので、あれはあれでありかな、と。

ネタバレBOX

第二部の作曲をされた方の曲を最初に例としてかけるのだけど、「現代音楽的」という前説以上に前衛的で爆笑!
この前説は毎回内容を変えないでやった方が良いと思います。
次回フランケンズは東京デスロック多田さんと組んで作品を作るらしいので、楽しみ過ぎます!
来年は前から話だけは出ていたマクベスを「44マクベス」としてやるらしいし、今後が楽しみです。
杭抗(コックリ)

杭抗(コックリ)

乞局

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/06/04 (水) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

2回見た
同じ場所の3つの時代を行き来する、最初見ただけだと混乱するけど分かってくると面白い構造。なので2回見に行ってしまった。
2回ともポストパフォーマンスありの回で、作品の理解も深まって充実した観劇でした。初乞局でしたが、好きです。
ただ、今までの作風から意図的に変えてきたそうなので、今までの乞局は会場で売っていたDVDで見てみます。

ネタバレBOX

時代設定は1950年代、1980年代、2010年だそうです。
最後にそれぞれがリンクするあたりがゾクっと来ます。処刑される男、差別に耐え手紙に涙する女性、そしてそれらの血筋を背負いつつも全くお気楽な女性の三者三様の描き方がうまいです。
「場所」の物語と言いつつ「血」の物語という色合いの方が強いんじゃないかな?
バイトの男たちが精子を売るシーンはおかしすぎ!
「これで食ってこうと思ってるんで!」って・・・。
立川ドライブ

立川ドライブ

THE SHAMPOO HAT

シアタートラム(東京都)

2008/05/29 (木) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

満足度★★★

いまいち響かず
長くて盛り上がりもいまいち伝わらず、途中ウトウトしてしまった。
細かいエピソードとか面白かったりもするけど、全体として盛り上がらず。特に最後の4日間くらいはもっと丁寧に描いてほしかったし、その前の無駄な部分が長すぎ。話のスケールが小さいのだからもっとコンパクトにまとめるべきでは。

役者さんはとても良いのだけど、全体として普通の作品。

小部屋の中のマリー

小部屋の中のマリー

DULL-COLORED POP

タイニイアリス(東京都)

2008/06/04 (水) ~ 2008/06/09 (月)公演終了

満足度★★★★

難しいけど入り込む
最初科学的かつ概念的なテーマが語られる部分から難しそう、と思ったけど、見ていて普通にその特異な世界にのめり込んでしまいました。
若い科学者や養護施設の人たちの、エゴ丸出しの駆け引きと、更にその上をいくマリー。脚本がとっても良いですね。

鮮やかな食卓

鮮やかな食卓

角角ストロガのフ

明石スタジオ(東京都)

2008/06/05 (木) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★

リアルなファンタジー
見終わって、素敵な舞台に出会えた高揚感に興奮しました。
ファンタジーとして描かれるエピソードのオムニバスがひと組の親子の食卓で語られるのだけど、ひとつひとつの描き方がとても丁寧かつ鋭くて、しかも全体の構成が見事!
第1回公演にしてこれだけの脚本を練れるとは大したもんです。

美術も凝っていて劇場に入ってその大がかりさにびっくり。主催角田ルミさんのこの作品への力の入れ具合がうかがえます。
ただ、後ろの列になってしまうと舞台の最下段で演技されても見えないのが欠点。
最前列の鑑賞がよろしいかと。充実の120分!

役者さんも皆さん個性が発揮されていてとても良かったです。

SHE IS BEYOND GOOD AND EVIL.

SHE IS BEYOND GOOD AND EVIL.

Mrs.fictions

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/05/23 (金) ~ 2008/05/26 (月)公演終了

満足度★★

長い長い90分…
期待して見に行ったんだけど…。
舞台美術はとっても良いです。役者の演技もそれぞれ良かった。照明も音楽も良かった。
でも、肝心の脚本が退屈でどうにもならかった。
90分見続けるのが苦痛。
テーマや伝えたい事は良いんだけど、脚本がとっちらかっているし、そもそも話の幹の部分に魅力がない。
15分の短編から出直してください。

三島由紀夫をこころみる

三島由紀夫をこころみる

劇団渡辺

atelier SENTIO(東京都)

2008/05/23 (金) ~ 2008/05/24 (土)公演終了

満足度★★★★

アフタートーク含めて大満足
静岡の劇団なので初見だし前情報もあまりなかったけど、手垢のつきまくった三島をどのように見せるのか楽しみに行ってきました。
会場に入ると黒服の男性が前説&場つなぎをしていて、小さなアトリエということもありアットホームな雰囲気。

芝居は3部構成で、最初はあらすじを3人の役者さんがユーモアたっぷりに自然体で解説。
2番目は「班女」を崩した形で、小島よしおのギャグなども交えつつ。脱力気味に。個人的にはこの2番目が一番わかりやすくて良かったのですけど。
最後は三島の言葉を大切にして、迫力のストレートな芝居。個人的にはちょっとウトウトしてしまった。

これで1時間ほど。ぎっしり詰め込まれて、演劇に正面から向かい合い、役者の肉体を全面に押し出した密度の濃い1時間でした。

劇団渡辺、次東京でやるときも見に行きます!
三条会を見る方はこちらもお勧めです。
というか、センティ

ネタバレBOX

アフタートークではフェスティバルに参加する他の劇団の演出家さん2人も交えてのトークで、すごくレベルの高いやりとりにただただ感心してしまった。

今回劇団渡辺では3回同じ場面を演出手法を変えて構成する形で作ったわけですが、地元で上演したときは、3番目の戯曲にのっとった遊びのない舞台だけで、東京へ持ってくるときにどうするか、と考えてこのような繰り返しで構成する形にしたそうです。

そこで他の演出家さんからは「この作品を三島が見ても何とも思わないだろう。なぜならここで向き合っているのは三島ではなくて構成だから」と指摘を受け、「どうせ構成するなら1、3、2の順番じゃないかなあ。3の戯曲に忠実な部分が一番集中力を使うけど、役者さんはそこまで集中力がもたない。今日もセリフを咬んでたし」など、かなり突っ込んだやり取りを聞けて今回の舞台の理解にすごく役立つトークでした。

トークまで含めて見ると「演劇」というものが色々見えてきて為になります。惜しいのは、客席がどうもほとんど関係者だった様子なところ。
演劇が好き、という方はぜひこの小さなアトリエのフェスティバルに、トークありの日に見にいくことをお勧めします。
これを見たら、大劇場で1万円近く払って米粒ほどの役者を見にいくのがバカらしくなってしまいます。
ジンジャーに乗って

ジンジャーに乗って

快快

王子小劇場(東京都)

2008/05/15 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★

やっぱり魅力的な集団
団体名は変わっても、遊びたっぷりの舞台は相変わらず。
入場したら既に役者さんが舞台上に揃っていて挨拶されたのでビックリ。
今日は夜の講演後に研究発表会があって、論点がわかりづらい発表会だったけど、言いたいことは「デザインの面でも見にくる人たちとの距離感をなくしたい」ということでした。確かに快快になってからは距離感を縮めようというという意味で、参加型イベントも用意されてて楽しいですね。

あと脚本がよければ★5つなのだけど。。。

めんどくさい人

めんどくさい人

CENTER LINE

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2008/05/22 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★

初日観劇
ハセガワアユムさん脚本の長編をMUの舞台より先に見れるというので期待して初日観劇。ホチキス加藤さんも好きな役者さんです。
でも、全体的に期待よりは下回っている感じです。MUの時の短編に凝縮されたものが、120分になったらそのまま薄まってしまった。ネタ的には面白いところも沢山あるんだけど、もっとできるのでは?と思ってしまう。

役者さんは全体的に良かったです。小さい劇場だから、何もそこまで声を張り上げないでも…、というシーンも多々見られたけど。
花恵役の佐伯さんの存在感が光ってました。ヒネた役だけど、孤高の存在感がありました。身体が細いんですねぇ。

さよなら また逢う日まで

さよなら また逢う日まで

ブラジル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/20 (火)公演終了

満足度★★★★

戯曲の緊張感と役者の演技の相乗効果
一編の映画を見ているような舞台だった。でも映画ではなくしっかりと舞台として成立させていたのは、役者さんたちの熱演のおかげだろう。
これだけの役者さんが揃って、しかもそのそれぞれの存在感を光らせた脚本は凄い。
セリフのひとつひとつも美しく、意外性に富んだ後半の展開も良し。

失われた時間を求めて

失われた時間を求めて

阿佐ヶ谷スパイダース

ベニサン・ピット(東京都)

2008/05/08 (木) ~ 2008/05/27 (火)公演終了

満足度

最高に眠い
話は観念的で理解できず。単調で面白みのない舞台。
阿佐ヶ谷スパイダースは名前だけで客を集められるから、どんなつまらない舞台でも客が集まる劇団になってしまったということか。ホームだからこそやりたいことが出来たのだろうけど、誰か意見できる人がいないとひとりよがりな作品になってしまうという例。
途中ウトウトしてしまったが、周りの人たちも舟を漕いでいた…。
全く見に行く必要のない舞台。

『デリケートゾーン!』

『デリケートゾーン!』

北区つかこうへい劇団

田端文士村記念館(東京都)

2008/05/05 (月) ~ 2008/05/09 (金)公演終了

満足度★★★★

エネルギッシュで汗にまみれた面白さ
会場は公共施設で演劇用の小屋ではないし、舞台セットもなし。だけど、演じられる役者のパワフルで最初から全力の高速セリフ、過剰な表情と動き、そして現代の病的な部分をデフォルメして描き出した世界観に引き込まれました。
これで1,500円は安すぎっす!

柿喰う客のルーツ、つかこうへい氏直系のためやはりつか演劇であり、荒削りながらも魅力たっぷり。毒の強い世界観もこの過剰な芝居と良く合ってます。
柿の演出力には及ばないですが、これはこれで魅力的でした。
時間も見ていてちょっと疲れてくるくらいの90分で終わるのも良いです。

次もあるなら見に行きたいと思わせる舞台でした。

49日後・・・

49日後・・・

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2008/04/12 (土) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

満足度★★

役者を生かせない戯曲
ダラダラとして話がなかなか進まずイライラする。これだけの役者さんが揃っても、戯曲が駄目だと駄目ってことね。
役者さん個人プレーや演出で笑いをとってたけど、パルコでやるほどではなく、イマイチ。。。

なぜ起用されたのか疑問な、期待に応えられない作家の力量不足を露呈。
星は純粋に役者と演出へ。

アタシだけ怒られた

アタシだけ怒られた

バナナ学園純情乙女組

桜美林大学・町田キャンパス 徳望館小劇場(東京都)

2008/05/02 (金) ~ 2008/05/05 (月)公演終了

柿というよりはつか
柿喰う客中屋敷さんが脚本提供しているということで興味があって見てきました。
中屋敷さんは脚本だけでイけるのか、という興味があったので。

学生さんの演劇で演出は中屋敷さんじゃないけどだけど、やっていることはハイテンション、早口、デフォルメされた動きとキャラ、ということで柿と同じ方向。
でも、やはり違う…。
どちらかというとつかこうへいさんっぽく見えてくる。まあ、ルーツは同じところにあるからね。

悪乗りシナリオはいつもの中屋敷さんらしいけど、2時間近い長さハイテンション芝居を見てるとさすがに疲れます。しかもテンションだけでストーリーはどうでも良いし。

見終わると柿喰う客の凄さを思い知らされてしまうのでした。
中屋敷さんは演出家として素晴らしく、そして柿は役者さん自身の魅力で見せているんだなあと実感。

柿喰う客のことばかり書いてしまったけど、これはこれで楽しかったです。
あの坊主でひげの巨漢男性が女性役って、反則的に面白かった!

プール

プール

タカハ劇団

王子小劇場(東京都)

2008/05/02 (金) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

満足度★★★★

生々しい
とにかく圧倒される生々しさ。実際に死体が舞台上に出てくるわけでもないのに、リアルに死体が迫ってくる感じ。舞台セット、美術、照明、音楽、全てが一体となって作り出す世界は見事。
役者さんも一癖もふた癖もあって、見ていてグイグイ引き込まれました。
タカハは初見だったのですが、他のテーマでもこのクオリティが出せているのか気になります。次も必ず見に行くでしょ。

ネタバレBOX

最後は銃で簡単に片付けたいのは、客をあっと言わせたいという瞬発的な演出もあると思うのですが、あそこまで肉感を演出してきたなら、最後も人が実際に手を汚して生々しく終わるともっとこの作品のイヤらしさ、不気味さが際立ったと思ったけど…。それだとさすがにエグすぎるのかなあ。
最後あっさり死に至るので、そこまでのジワジワした感じが台無しになった気も。
徹底しても良かったんじゃないかなあ。
飛ぶ痛み

飛ぶ痛み

キリンバズウカ

王子小劇場(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

満足度★★★

脚本弱いのでは?
「関西の秘密兵器」という煽りと豪華な役者陣に鑑賞。
ただ、内容はアイデア一発勝負で広がりが狭いし、せっかくの役者陣も生かしきれていない感じで残念。ここまで評価されて手放しで誉められるもんでもないと思うけど。。。特に前半のダレ具合はつらい。ラストも余韻を残すラストが大音量の音楽でかき消されてぶち壊し。次は役者の名前よりも内容で勝負してください。

田中沙織さんは、これだけの役者の中に入ってしまうとさすがにちょっと可哀想でした。まわりがうまい人たちばかりだから。

おいでおいでぷす

おいでおいでぷす

青年団若手自主企画 岩井企画

アトリエ春風舎(東京都)

2008/04/22 (火) ~ 2008/04/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

岩井さん以外なにものでもない世界
スクリーンの文字はオイディプスの話なんだけど、舞台で展開されているのはキャンプ場の話。でも、ちゃんとオイディプスしてる。もっと人間くさくて卑屈な、岩井的人物の姿が浮かび上がって、素晴らしい。
卑屈な人間を描かせたら右にでるものはいないんじゃないかな?
特に上州屋でのルアーをめぐるやりとりが岩井的で大好き。もう一回見たいな。

苛々する大人の絵本

苛々する大人の絵本

庭劇団ペニノ

はこぶね(劇団アトリエ)(東京都)

2008/04/11 (金) ~ 2008/04/26 (土)公演終了

満足度★★★★

不思議空間
童話のような世界がステージに広がるけど、マンションの一室にこれだけの世界を作り上げてしまう力量に脱帽。
内容は良くわからなかったけど、あの狂った空間を共有できただけでも嬉しい。爆笑することはないけど、常にニヤニヤさせられるこの世界観。好きです。

莫逆の犬

莫逆の犬

ONEOR8

新宿シアタートップス(東京都)

2008/04/17 (木) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★

もっとできるのでは…?
初のONEOR8観劇でした。
前作「ゼブラ」を見れなくて、それがすごく評価高かったし、最近この劇団は勢いがスゴいので気になって。
で、感想は、ココリコ田中さんは熱演でした。引きこもりの男を見事に演じてました。本職の笑いもむしろ劇団員が担い、田中さんはちょっと演技が濃いけど好演です。
ただ、ストーリーが10年に渡る割にはあまり印象に残らないのが残念。このテーマを描くのにこの手法はどうだったのだろう?
舞台のキーとなるバックボーンを小出しにしてゆくのですが、出し惜しみした分掘り下げが足りない感じでした。
「他の作家さんが書いたらどうなるだろう?」という方に意識が行ってしまいました。

ネタバレBOX

恋人との結婚を反対され母親を殺してしまい、世間から身を隠して暮らす男の不気味さをうまく演じられていました。
ただ、子供の頃から男を連れ込んでくる母親に嫌悪感を覚えていたり、その原因は「つまらないひと」である父親にあると気付くあたり、そしてその父親と自分が同じであることに気付くあたり、もっと鋭くエグってほしかったです。
西洋のレイルボーイズ

西洋のレイルボーイズ

とくお組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/04/16 (水) ~ 2008/04/21 (月)公演終了

満足度★★★

ほんわかメルヘンコメディー
「近未来パーク」のトンガった設定と早い展開に大いに笑わされて気になっていた自分としては、このほんわかしたメルヘンコメディーに戸惑いました。
これはこれで良いし面白かったけど、次はもっとぶっ飛んだ作品を期待します。

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