ベクター
ハツビロコウ
シアター711(東京都)
2021/01/20 (水) ~ 2021/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
新型コロナ対策で舞台と客席との間にビニールシートを張っての上演であるが、暗いシーンが多いのでまったく気にならない。『国粋主義者のための戦争寓話』と同様のストーリーで、キリキリするような緊張感、極限状態での正気の喪失、秘匿された謎、追い込まれた軍隊の滑稽さが描かれ、ネタがネタだけにこちらのほうが『国粋主義者』よりさらに恐ろしい。
客たち
流山児★事務所
新宿スターフィールド(東京都)
2020/12/16 (水) ~ 2020/12/23 (水)公演終了
満足度★★★★★
近年、韓国作家の作品を観る機会が増えたが、それらはいずれも社会性や現代性があり質も高くもっと観たいと思わせる。
寺十吾さんがナイーヴな少年に見えてしまうのが不思議。
ミセス・クライン Mrs KLEIN
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2020/12/04 (金) ~ 2020/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
観応えのある舞台で、セリフの言い方や表情やちょっとした仕草の演技を観ているだけで場面に引き込まれる。これは俳優の直感で演じられているのか、それとも演出による計画されたものなのか。ここに出てきた精神分析自体は、根拠の薄い陳腐な解釈の羅列にすぎず何の印象も残らないが、それを行う登場人物たちを演じる俳優の演技は一流で強い印象を受けるもので、観に来て良かったと思わせてくれる。
鶏
TinT!
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2020/12/09 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
台本も俳優も優れた内容。こんな質の高い舞台作品がどうしてこんなにひっそりと上演されているのか不思議なくらいである。劇中で提示される芸術論もなるほどと思わされる。予備知識としてナチスと美術品の関わりを知っていると登場人物たちの心中がよく理解できる。
プライベート・ジョーク
パラドックス定数
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2020/12/04 (金) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
久しぶりにパラドックス定数の舞台を見ることができてうれしい。この作品は初めて観たが、自由なインスピレーションと、よくこんな設定を思いつくなと感心させられる台本はこの作者らしいと感じる。終盤、時空の軸があやふやになって夢の中のような気分にさせられる。
ガールズ・イン・クライシス
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2020/12/04 (金) ~ 2020/12/16 (水)公演終了
満足度★★★★
シュールでバカげたストーリーだが、今の時期ではこういうのがかえって面白かった。よく考えてみるとかなりの問題作で、まさにカフカのような不条理の世界。
火の殉難
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/11/06 (金) ~ 2020/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★
近代政治史に関心のある人には興味深いストーリーだが、政党政治家との関わりや予算編成、金融財政政策の論争から226事件に向かっていく時代の流れを軸とする展開はかなり硬派で、時間も休憩を挟んで2時間半、耐えきれずゴソゴソする観客もいたのはしょうがない。高橋是清役は実在の人物の人柄を彷彿とさせるすばらしい演技。
JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2020/10/22 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
第1話第2話もこれ以上ないほど素晴らしかったが、今回観た第3話はさらにその上をいく出来映えと感じる。
台本、演技、演出、すべてにおいて最優秀。
そう言えば、今は福田派の末裔が全盛ですね。
「獣の時間」「少年Bが住む家」
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2020/10/23 (金) ~ 2020/11/02 (月)公演終了
リチャード二世
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2020/10/02 (金) ~ 2020/10/25 (日)公演終了
All My Sons
serial number(風琴工房改め)
シアタートラム(東京都)
2020/10/01 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了
満足度★★★★
俳優たちの演技は迫力があるし、2階の壁がパックリ開いていて暗闇が見える家の舞台装置も興味深い。演劇としては良い作品と思うが、原作(?)のストーリー展開について行けなかった。うまく言えないが、登場人物たちの気分がすぐに変わり、急に楽しげな話題で盛り上がったりとか、ちょっと無理があるだろうと思ってしまう。
心の嘘
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/09/04 (金) ~ 2020/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
こういう作品を取り上げて上演するのはなかなか意欲的と評価できる。
個人的には、父権社会どうこうより、心を病んでいるというか正気と狂気が入り交じった2家族それぞれの不条理な感情や話の展開に見ているこちらまで飲み込まれて頭がおかしくなりそうだった。シェパードの他の作品も観てみたい。
Crime-2nd-
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2020/08/26 (水) ~ 2020/08/31 (月)公演終了
満足度★★★★
前回同様、1作40分程度であるが、演出や演技に手抜きは全くなく、レベルが高い。実際の犯罪や事件から自由にインスピレーションを進めて人の心を覗く巧みな場面創造を行っている印象がある。
白バラの祈り The White Rose
batsu-gumi
テアトルBONBON(東京都)
2020/08/09 (日) ~ 2020/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
若い俳優たちが、演技もさることながら舞台向きのとても良い声をしていて聞きやすい。みんな役に良くはまっていて、中でもゾフィー役は出色。
終盤、署長とゾフィーの激論(というより署長がゾフィーを説得しようとする)シーンは感じ入った。署長役が山口さんで良かった。
無畏
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2020/07/31 (金) ~ 2020/08/10 (月)公演終了
満足度★★★★
松井大将の存在感が凄すぎて、その反面、弁護士と教誨師のお坊さんがどういう人なのかがよく掴めなかった。弁護士は、弁護士というより、松井死刑囚がどう総括すべきかの答えを定めそれ以外の答えを許さずに断罪する神か閻魔大王と感じられたが(人間であれば、たまたまその場にいなかったことをいいことに囚人相手にマウントとってあのように一方的に人を断罪するなど許されない)、山に登ってハアハア息をついたり景色に対する感想を無感動な現代の若者風にそっけなく述べたり、と、いったいどういう存在なのか私の中ではまとまらなかった。教誨師も、物語上の存在意義が感じられず、主人公とどう関わっているのか、あるいは関わっていないのか、その立場が最後までわからなかった。閻魔大王の弁護士と同じ立場?この二人の存在には違和感が否めなかった。
ただただ主人公松井大将を観る作品ということか。他の将校たちの演技も良い。
『ブラックアウト』
singing dog
雑遊(東京都)
2020/07/16 (木) ~ 2020/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
思っていたよりシリアスな内容で、明確な決着を付けない終わりかたは、同類の人の同じ闘いが死ぬまで続くことを暗示しているように思える。ところで、雑遊はああなったんですね。
天神さまのほそみち
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2020/07/03 (金) ~ 2020/07/19 (日)公演終了
満足度★★★★
期待通りなかなか刺激的な作品。ある若者がどんどん膨らみ複雑になるトラブルに巻き込まれてもがくストーリーに「虎」の男の無意味な掛け合いが唐突に割り込んでくる。観ていて混乱させられるのになぜか愉快で心地よい。ところで、客席の座席数を減らして椅子間のスペースがあのぐらい余裕があるとゆったりできて良いが、主催者側にとっては収入減になるので大変か。
マクベスの悲劇【3/20(金)~4/3(金)に公演延期】
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2020/03/15 (日) ~ 2020/04/03 (金)公演終了
野鴨
ハツビロコウ
シアター711(東京都)
2020/03/24 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了
歳月/動員挿話【3/28-29公演中止】
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2020/03/17 (火) ~ 2020/03/29 (日)公演終了