ナイゲン
果報プロデュース
王子小劇場(東京都)
2019/10/16 (水) ~ 2019/10/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
事前情報が少ない中での観劇でしたが、面白さにビックリしました。
物語のルールはシンプルで、誰もが通ってきた学生時代の話し合いを、
テーマを文化祭に落とし込んでのものであり非常にイメージし易い作品でした。
そんな中でエゴがぶつかり合い、更に一言一言でドンドン状況が変わっていき、
また状況が変わる理由もそのやり取りも「学生あるある」といった感じで、
2019年に観劇した作品の中でも屈指の面白さでした。
役者さん達の熱量も非常に良くて、役同士のぶつかり合いやなじり合いも見応えがあり、
物語の終わりまでアッという間に駆け抜けていきました。
大満足に楽しませて頂きました。
陽のあたる庭 仙台公演
演劇ユニット狼少年
せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)
2016/02/24 (水) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
縁があり、大好きなこの作品の仙台公演まで友人と観に行きました。
丁度良いサイズの劇場で、この作品を改めて丁寧に描いていてとても好感が持てました。
主な感想は東京公演の方で書かせて頂きましたが、良い作品が全国に出向いていくのは、
個人的にとても嬉しい挑戦だと思いました。
陽のあたる庭
演劇ユニット狼少年
小劇場B1(東京都)
2016/01/06 (水) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
この作品、大好きなんです。
人間臭さ、人間の良い部分と嫌な部分とが混ざっていて。
例えばある時代の日本での、他の国籍の人物に対する姿勢とか、
小さなそれぞれの価値の中でのぶつかり合いとか。
中心となる2人の男性の、その関係性とかがしっかりと物語の中で積み上がって、
そして最期の悲劇の場面も含めて、そこに優しさが詰まっている様で。
たぶん、観る人にとって忘れらない1作品になり得る作品だと思います。
Gift ~星空の向こうから~
日穏-bion-
吉祥寺シアター(東京都)
2014/12/10 (水) ~ 2014/12/14 (日)公演終了
満足度★★★
たんじだいごさん演出、岩瀬晶子さん脚本の組み合わせらしい、優しくて丁寧な作品でした。
吉祥寺シアターの空(天井)の広い(高い)舞台面で、
人々の温かい触れ合いが丁寧に描かれていました。
実際に私が体験したことのない時代の表現もあり、
でもそれが普遍的にどの年代にも通ずる感情の動きでもあり、優しい気持ちになりました。
ダディ・ロング・レッグズ ~足ながおじさんより~
東宝
シアタークリエ(東京都)
2017/11/01 (水) ~ 2017/11/24 (金)公演終了
満足度★★★★★
友人に坂本真綾さんのファンがいて、誘われ観劇。
衝撃的な面白さでした。観られて良かった。
気品があり、ユーモアが上品。
会話がチャーミング、役者もお2人ともチャーミング。
たった2人の役者さんでのミュージカルでしたが、
劇場が広過ぎる、とかそういう事も一切感じず、2人にグングンと引き込まれました。
歌はもちろん演技も素敵で、最高の空間でした。
偶々ですが、100公演目だったみたいでカーテンコールまで盛り上がりました。
自身でDVDも購入しましたし、プレゼント用としても買わせて頂きました。
Oleanna -オレアナ-
ミキミキ・コネクション
キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)
2016/08/11 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★
年上の教授(男)とまだ若い生徒(女)の2人がそこにいる空間。
この立場も、年齢も、性別も全く違う2人、というのが重要。
相互無理解(ディスコミュニケーション)の二人芝居。
良い意味で物凄く「居心地の悪い」会話が続きます。
お互いに相手の会話は聞いていて、それに対して反応し返しています。
ただしそれが全く、いや微妙にズレ続けている。その微妙なズレが居心地が悪い。
お互いが持つ大前提が違うからか、それぞれの中ではシッカリと筋が通った会話なのに、
相手にはその意味では届いていない。
そして会話が続くにつれてお互いにもドンドンとストレスが溜まっていく…
私は男性なので、教授側に近い感覚でストレスを感じながら観ていましたが、
きっと女生徒側しか理解出来ず、教授にストレスを感じていた観客もいるでしょう。
非常に興味深く印象的な戯曲でした。
トルツメの蜃気楼
<火遊び>
GALLERY LIPP(東京都)
2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
この空間(もはや劇場じゃない)で観られた事はこれからも忘れないと思います。
本当にどこかの小さな出版オフィスの中に観客が入り込んだ様な空間。
客席の周りを役者さん達が当たり前の様に行き来し、
業務をこなしているのを透明人間になって観ている感覚。
アイドルになると上京した友人が名乗った名前は、自分の名前だった…。
そこから続く悲しい物語はとても印象的でした。
現実と、夢と、それを追う者と、諦めた者、拒絶する者…と…。
考えさせられる作品でした。
愛媛のスキャンティー
タンバリンステージ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2019/07/10 (水) ~ 2019/07/15 (月)公演終了
満足度★★
ガチゲキさんはこれまでの全3弾を拝見してきての第4弾でしたが、
この一連の企画の根本的な否定になってしまいますが、
今回の作品に於いては、カーテンコール後のダメ出しの時間が蛇足と感じました。
この作品に関しては、日本全国が知っている元ネタの犯人がいて、
それが何年も逃亡した果ての物語が描かれている…のを観ていると、
観客としては事件を目撃している様な気持ちになって、
ある意味で入り込んで観る事も少なくないと思うのです。
その物語が終わった後に、ダメ出しが始まったのですが、
作品が重く元の犯人についてもどうしても頭にチラつく状態で、
「あの時の演技のここが…」と言われても、違和感しか無かったです。
本作をガチゲキ(ダメ出しあり)としてやる意義について考えてしまいました。
たぶん、この作品のアイディアがあったんでしょうね。
ただ、こういう作品であれば、通常の舞台として上演してカーテンコールで終え、
あとは観客が受けた、目の前で役者さん達が生きていた印象で良い気がしました。
イツモノコト
リアベンチ企画
高田馬場ラビネスト(東京都)
2019/05/01 (水) ~ 2019/05/05 (日)公演終了
満足度★★★
高田馬場ラビネストという、客席と舞台との距離がとても近い中で、
これだけ物理的にも、そして精神的にもヒタヒタとい迫りくる様な感覚は、
観ていて非常に迫力がありました。
特に松田実里さんが演じる役は、感情の動きがとても重要になってくる中で、
十分にその役割を果たして、観ているこちらまで引きずり込まれる様でした。
精神的に追い詰められた、そのバックボーン、トラウマなどもしっかりと描いていて、
表現する事から逃げていないと感じました。良い意味で後味がジットリと残る作品でした。
Mad Journey
@emotion
ブディストホール(東京都)
2018/07/01 (日) ~ 2018/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★
門野翔さんが孫悟空!もうイメージがピッタリでした。
しかし観劇後の最初の感想は「もったいない!」でした。
何より、魅せ場であろう殺陣がみんな窮屈そう…舞台とセットのせいもあり、
全員が全く伸び伸びと戦っていなくて、大変そうでした。
また伝えたいメッセージとアイディアがたくさんあった様で、
1作品に詰め込み過ぎていたなぁ~とも思わずにはいられませんでした。
役者さん達の技量も高く、何より作品に対する熱意とテンションも高く、
また主題歌も素敵で印象的なもので、効果的にも使われていました。
それだけに…役者さん達の技量やテンションでは補えない部分がこれだけあるか、と、
むしろそれを突き付けられてしまった様な印象でした。
ももがたり
@emotion
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★★
桃太郎という誰もが知っている世界観を題材に、
どう変化させてくれるか期待して拝見しましたが、楽しめました。
勧善懲悪、とは言え誰にとっての正義が、誰にとっての悪か、立場が変われば物語が変わる。
この世界の歴史は勝者によって作られた、とかそういった事を考えてしまいました。
ハッキリと書ききった部分と、観た人に結論を委ねる部分と、
そういった箇所も「昔話」から作られた物語の良さかな、と思いました。
テンリロ☆インディアン
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/10/26 (水) ~ 2016/11/01 (火)公演終了
満足度★★★★
シアターKASSAIの形状を最大限に利用して、
演者の人達を牢獄に入れたまま、ほぼ2時間。
全員が曲者過ぎて、誰もが「実は…」と裏がありそうで、
ハラハラしながら楽しめた作品でした。
愛しのダンスマスター
タンバリンステージ
新宿村LIVE(東京都)
2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了
満足度★★★★
十分に楽しめる作品でした。
勉強と受験とダンスと、一見繋がらないであろう部分を繋げていて、
勿論冷静に考えたらとても不自然ですが、そんなの関係無いよとばかりの
役者さん達の活き活きとした表情などはワクワクさせられました。
松原永奈さんって、後の青柳伽奈さんか、ビックリ。
信長
劇団 武士道
内幸町ホール(東京都)
2017/11/04 (土) ~ 2017/11/07 (火)公演終了
満足度★★★
これまでに幾度となく舞台などで描かれているであろう信長を題材に、
結構重厚に作られた舞台だと思いました。
劇団さんのHPを確認すると、こういう系統の舞台を多く作られている団体さんの様で、
小道具や衣装などがしっかりとされていて、その点も納得出来ました。
ただし、良い劇場でしたが(現在までにこの作品以外で行った事が無い劇場でした)
舞台の作りがちょっと密では無く、空いている空間が勿体無いと思いました。
散ッと舌を突く凍えそうな毒夢
劇弾☆ムーチョ・モーヂョ
吉祥寺シアター(東京都)
2018/07/26 (木) ~ 2018/07/29 (日)公演終了
満足度★★★
精神病院に送られた兵士たち、そこでは…
というあらすじが事前に発表されていましたが、良い意味で全くシリアスではなく、
どちらかと言えば圧倒的なコメディ、しかもシュールな笑いが妙に笑えました。
笑いの質が変化球で、例えば絶対に中央から出てくると思った院長(だったかな)が、
実は全く違うところに既にいたり、首吊りの場面とドキッとしたら、
全然そんな事なくて、しかもそこには大して触れずにシレッと話が進んだり。
こういうテンポ感の作品、ある様で無い気がしたので、個人的には結構楽しめました。
幸せな時間
T1project
本多劇場(東京都)
2019/02/27 (水) ~ 2019/03/05 (火)公演終了
満足度★★★★
ごめんなさい、尾藤イサオさんを見くびっていました。
抜群に素敵でした。
全く世代では無いので、テレビでも過去の人として出ているものしか知らなかったのですが、
75歳でも張りのある歌唱力があり、渋みのある演技力もあり、
老漫才師役で過去の経験の話もあり、そして今現在悩む人達への温かい眼差しがあり、
休憩を挟んで約3時間の長編でしたが、飽きる事無く観られました。
登場人物全員が一定以上の歌唱力を持ち合わせており、
ミュージカルとしての面でも、ストレスを感じる事無く楽しめました。
乱
チームジャックちゃん
シアター風姿花伝(東京都)
2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了
満足度★★★
「乱れ髪」つまり男性を女性キャストで描く公演を拝見。
興味深い表現と試みだと思いましたし、フィクションとノンフィクションが
交差する脚本も面白く思いました。
ただ、これは私の受け取り方だと思いますが「怒り」や「憤り」を表現する際に、
女性キャストが気持ちを高めて発声などをするのを聴いていましたが、
どうしても「ヒステリー」に近い状態に見えてしまうのが気になりました。
冷静に努めて、判断を下す際の表現などでも、感情が上回っている様で、
それがコントロール出来ていない状態と見えてしまってとにかく観ていて疲れてしまいました。
作品としてテンションが高い作品なので、方向性は間違っていないと思いましたが、
私としてはシンドかったのが実感です。
りさ子のガチ恋♡俳優沼
バードランドミュージックエンタテインメント
新宿シアターモリエール(東京都)
2019/04/19 (金) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★
噂には聞いていましたが、とにかく面白かった。
観る立場によって受け取り方は全く変わると思いますが、そういう魅せ方も見事でした。
2.5次元役者さんに入れ込むオタク女子を、元アイドルの新垣里沙さんが演じていて、
それがもう、とにかくリアル。全く逆の立場のはずなのに。
「こういう追っかけの女の子いるんだろうな」と思わずにはいられませんでした。
またSNS(ツイッター)上の表現から、ネットの怖さも改めて伝わりましたし、
その架空だったはずの世界から、現実に行動に出てしまう感覚とか、
物語を離れた現実の事件にもリンクする部分が多々あり、見事で印象的な描き方でした。
らんなー
らんなー
シアターブラッツ(東京都)
2019/02/07 (木) ~ 2019/02/11 (月)公演終了
満足度★★★
東京オリンピックの銅メダリスト、円谷幸吉さん。
栄光と挫折、苦悩、そして自殺に至る話など彼自身がドラマチックであり、
その物語を過去と現代を交差させて舞台で表現されていました。
「父上様、母上様、三日とろろ美味しゅうございました」
「幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません」
脚本を菊池豊さん(お父さん)が、演出を息子の菊池一馬さんが、
親子で伝えようとする姿勢と想いが伝わってきました。
となりのとむらい
Hi!sun.
キーノートシアター(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/21 (土)公演終了
満足度★★
どういう方向の作品にしたいか、意志は伝わってきましたが、
それを上手に作品で消化(昇華)出来てはいないのが残念でした。
役者さん達と脚本と演出と、ホンのちょっとずつ歯車が嚙み合っていない印象でした。