Lullaby
キコ qui-co.
ザムザ阿佐谷(東京都)
2017/05/02 (火) ~ 2017/05/04 (木)公演終了
満足度★★★★
「qui-co.初の恋愛物」と銘打っての作品でしたが、
恋愛の中でも不倫などを1つの形として描かれていて、
それに戦争やなんというか、殺伐として退廃した空気が漂っていて、
純粋なものほど傷つき易い、狡賢い人ほど上手く生きてしまう世界、といった様相。
そんな中でもそれぞれが信じる、愛の形が見せる世界とは。
各役者さん達が熱演で、舞台を大きく使いダンスなどで激しく見せるのに対比して、
静かで美しい唄が流れる様など、観客の魂を感情を大きく揺さぶる作品でした。
十二月の蜘蛛と火曜日のオルガン
キコ qui-co.
駅前劇場(東京都)
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
A・Bルートで話の4分の1の展開が変わるという作品。
残念ながら今回は片方のBルートしか観られなかったが、Bルートの方が笑える方だったみたいで、
確かに存分に笑わせて頂けた展開だった。
殺伐とした、この劇団さん作品らしい超現実的な描写というか、
舞台でよく描かれる綺麗綺麗な世界だけじゃなくて、
臭いの立ち込める様な、人間臭さや埃や、汗やビールの臭いがしそうな、
そんな描写の中でしっかりと人間同士が向き合って恋愛感情などを見せる様は、流石だなと思いました。
役者さんごとの力の差というか、表現力の差を感じる場面が多かった気がするのが気になっていました。
「Water」(3rd station)
キコ qui-co.
三軒茶屋ライブ&バー GRAPEFRUIT MOON(東京都)
2017/08/04 (金) ~ 2017/08/05 (土)公演終了
満足度★★★★★
ズバリ、最高でした。
本当にもう、最高以外の何モノでもありませんでした。
「アルベルベロの木」の生演奏が素晴らし過ぎて、
そして私が元々大好きな「銀河鉄道の夜」の解釈もとても良くて、素敵過ぎる空間でした。
作品の説明に、新たな神話とか祈りとかありましたが、本当にそんな感じでした。
出来る事ならば複数回拝見する事をしたかった、生演奏に生演技と贅沢な作品でした。
優しく包み込んでくれる、作品そのものが一編の詩の様な本当に素晴らしい作品でした。
BLOODY POETRY
アン・ラト(unrato)
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/02/08 (木) ~ 2018/02/18 (日)公演終了
満足度★★
いやぁ・・・難解でした。
浜辺を舞台面に作り出して、旗とか最小限の小道具だけが用意されていて、
後は少ない役者さんが、膨大なセリフ量で魅せてくれていた…のは評価したいですし、
かなり難しい題材に取り組んでいたな、とは思いましたが、
その挑戦と楽しめたか?が比例するかと言われると、キツかったのが正直なところです。
私が拝見した日は、この作品の大元になった詩人?作家?の研究者
(どうやらその作家の奥さんの方の研究者だったみたいですが)の方が、いらしていて、
アフタートークをされていてそれもなかなか面白かったのですが、
いかんせん作品が難解過ぎてやっぱり理解が追い付かなかったのが正直なところでした。
『眼球綺譚/再生』
idenshi195
新宿眼科画廊(東京都)
2018/11/16 (金) ~ 2018/11/27 (火)公演終了
満足度★★★★
『再生』を観劇?鑑賞?
春名風花さんと鈴木彰紀さんの2名のみによる朗読劇。
原作は私自身も学生時代に結構な数を拝読していた綾辻行人氏の作品。
会場の新宿眼科画廊はこれまでにも数回、舞台を観劇した場所でしたが、
今回は更に朗読者の2名を半円で囲んで…30名くらい?という少人数で、
ジックリと拝聴する事が出来ました。
2名だけの演者ながら、単調になる事もなく作品をギュッと楽しめました。
春名風花さんは元々声優さんでもあり、これまで15作品くらい舞台を拝見して参りましたが、
新たな形でその実力を遺憾なく楽しむ事が出来ました。
17歳という若さながら、良い意味で耳にこびり付く様な妖艶な艶が声にあり、
耳元にその声がジトッと残る様な、そんな妖しさを見事に演じられていました。
朗読劇という事で、表情や身体の動きはほとんどありませんでしたが、
最後の一言が終わった後に、スッと大きな黒目の春名さんが前を見据えた時に、
この作品の凄みを味わえ尽くした気がしました。
非常にレベルの高い、朗読劇を拝見出来ました。
朗読劇なので3点を満点として採点して…4点を差し上げます(最高点、超えてるやん!)
みどり色の水泡にキス
オフィス上の空
あうるすぽっと(東京都)
2018/10/17 (水) ~ 2018/10/24 (水)公演終了
満足度★★★★★
私は大好きな作品でした。
皆さんの感想を拝読していると、結構評価が割れているんですね。
私自身は、元々キ上の空論さんの舞台が好きなのもあるかもですし、
その時の体調や気分の問題もあるかも知れませんが、
物語がグングンと入ってきて、とても楽しめました。
場面場面のパンパンという切り替わりの独特さが、キ上の空論さんの特徴かと思いますが、
今作ではプロジェクションマッピングでの言葉、文字での表現方法なども巧みで、
物語のストーリーテラー的存在と共に、この不思議な世界を見事に彩って魅せられました。
各役者さんが演じる登場人物達のコミカルなやり取り、
学生時代に男子達から裏で呼ばれていたあだ名を、実は本人の女の子も知っていて、
再会の場面でどうしても自分を思い出さない男の子に対して「コイツ、マジかよ」の後に
「○○○の!(と、呼ばれてた!)」と叫んで、そして男の子の方も思い出す場面とか、
なんか学生時代にそういうのあったなぁ~と自分には思い出される場面が多かったです。
フラフープで水切りの波紋を表現したり、本当にちょっとした表現方法ですが、
そういうのも気が利いていて、目にも楽しく拝見しました。
個人的には大好きな作品でしたので、是非とも映像化をお願いしたいです!!
深沢ハイツ302~もう一つのニュートンの林檎~
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2019/01/05 (土) ~ 2019/01/09 (水)公演終了
満足度★★★★
期待を上回る面白さで、予定外に二日連続で拝見しちゃいました。
SF、タイムリープ?パラドックスの世界などがふんだんに盛り込まれつつも、
非常にスッキリと分かり易い話になっており、スンナリと話の進行を楽しめました。
物理学者役の田名瀬偉年さんが知的に、クリアに説明を混ぜて下さり頭の整理になったし、
春名風花さんの役や那海さんの役などが非常に良いアクセントになっていました。
ところどころで生まれるパラレルワールドの世界も、
それぞれに楽しませ方を工夫していて飽きる事なく楽しめました。
ワンシチュエーションでしかも狭いサンモールスタジオを舞台にしながらも、
プロジェクションマッピングや、ちょっとした背景の変化で、
窮屈さを感じる事も全く無く、飽きる事なく最後まで楽しめました。
ROCK ON!!~second~―The Story of Ours―
A´company
萬劇場(東京都)
2016/08/04 (木) ~ 2016/08/07 (日)公演終了
満足度★★★
生演奏で、格好良いイケメン達がロックの世界を届けてくれる。
盛り上がるステージ、煽るバンドマン達と迫る彼らのサウンド、そして熱狂する客!
…という企画だと思って観たら楽しめました、という感じ。
舞台作品と考え出すとツッコミどころも多いのを、演奏シーンで誤魔化す作品かな、と。
勿論、役者さんのファンであれば十分に楽しめた作品だと思います。
蒼海のティーダ~Truth~
ACTOR’S TRASH ASSH
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかく映像美に圧倒されました。
シブゲキのスクリーンを降ろして映し出される蒼海、沖縄などの映像は、
果てしなく壮大で塞いだ気分を広げ、渋谷にいながら南の風と太陽(ティーダ)を感じました。
どこか昔の琉球で、本当にあったかも知れないと思わせる内容に、前記の映像美。
壮大な物語に音楽、歌声までもがマッチして唯一無二の空間を生み出していました。
役者さん達も衣装も含めて見事に世界観を構築していて、
独自の世界にタップリと観客を浸してくれました。
ヘヤノゾキ
アフリカ座
TACCS1179(東京都)
2016/07/15 (金) ~ 2016/07/19 (火)公演終了
満足度★★★
事前にほとんど情報無く観たので、普通に女優さん達が
ちょっとだけ変わった日常を、面白く演じていらっしゃって、
観客はそれを覗き観に来ている様な感覚を楽しめました。
どうやら元AV女優さん?とかそういう方々が多かったみたいですが、
そういうのも知らなければ全く気付かせる事なく、
変にその部分をネタにする事なく演じられていて好感を持てました。
私は普通に楽しめました。
19871988
兎座
千本桜ホール(東京都)
2017/12/05 (火) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
非常に興味深い作品でした。
出演者がタイトルの年代生まれの方ばかりで、上演時期に丁度30歳前後。
昔思い描いていた30歳と、今の自分達とのギャップ。
そんな事を同窓会で呼ばれた昔懐かしい教室で考えていると、ふと学生時代の部活の苛め、
部員同士のみんなが忘れたがっていた様な事実が徐々に思い出されてくる…
結果的に劇中劇という形を取っていましたが、難しい条件を見事に跳ね除けていて、
非常にスリリングでシャープな、緊張感のある作品に仕上がっていました。
志高くこの作品の上演に漕ぎ着けたのだろうな、と思うとその心意気は賞賛に値すると思いました。
十分に楽しめる作品となっていました。お見事。
幕末疾風伝MIBURO~壬生狼~
TAFプロデュース
かめありリリオホール(東京都)
2018/06/08 (金) ~ 2018/06/10 (日)公演終了
満足度★★
『マジでどうしました!?』ってくらい、男性陣の滑舌が悉く悪くてビックリしました。
全然、言葉がこっちに飛んでこないというか、内容が頭に入ってこない。
広い会場の客席をシッカリと埋めていましたし、熱気と気合が入った作品だとは思いましたが、
それどころではありませんでした。
脚本はかなり詰め込んだというか、内容盛りだくさんで、伏線もかなり色々と仕込んでいた。
結果的にそれの処理に関しても苦しんでいたかな?という印象で、
私の前に感想を書かれている方もいらっしゃいますが、
スンナリと頭に入ってきて、スッキリするという感覚にはならなかったのが残念でした。
不思議な団体さんだったな、という感想になってしまいます、申し訳ないですが…。
きっといいKotoあるravel
演劇集団 Z-Lion
ザ・ポケット(東京都)
2017/04/26 (水) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
上質な作品でした。
とある田舎の、古びた中古雑貨店?に、学生時代の仲間達が集まって、
昔作れなかったものを作り出そう、というところから話が始まる。
最初は他愛も無い発明品かと思ったけども、意外とその発明品が重要な事が出来る事に気付き…
少しだけ先の未来の日本に、絶対に生まれる事が無い発明品だとは思うけども、
起こったら何だかちょっといい事がありそうな、そんな発明。
それを丁寧に描かれていて、そのバランスがなんだかとても心地が良かった。
ハートフルでちょっぴりSF(藤子・F・不二雄さんの言う「少し、不思議」の頭文字)な物語。
始まりから終わりに至るまで、とても繊細で気が利いていて、大好きな作品でした。
まじかるすいーとプリズム・ナナ ザ・スターリーステージ
オッドエンタテイメント
サンシャイン劇場(東京都)
2017/09/13 (水) ~ 2017/09/18 (月)公演終了
満足度★★★
私は好きでしたよ、比較的。
3回ほど観劇しましたし、好きな役者さんも多かったですし。
ただ、このサイズの劇場、客席を埋めるにはそもそも原作が有名なのか良く分からなかったですし、
作品の脚本(内容)も苦戦していた様に思います。
それっぽい感じのテイストは出せていましたが、作品を通してよくよく冷静に考えると、
大して話自体が進展している訳じゃないな?的な。
ただ、ツイッターなどで感想を観ていると、かなり深読みされているファンの方がいらしたりしたので、
私自身がそこまで読めていなかっただけかも知れませんが。
作品全体の纏まりよりも、個々人のソリスト達がバトンを繋いでいった印象の方が強かったです。
上手
Smile Earth Project
俳優座劇場(東京都)
2016/08/26 (金) ~ 2016/08/28 (日)公演終了
満足度★★
超変な…もとい、不思議な舞台でした。
俳優座劇場のサイズ感でこれだけ遊べるのは、
ある意味でかなり大物でないと出来ない技だと思ったので、
正直にその点を感心してしまいました。
普通なら萎縮してもっと守りに入る気がして。
客席もそれを理解して集まったファン達だったのか、
レスポンスも良く盛り上がっていました。
本当に俳優座劇場であれだけ、ある意味自由にやれるのは凄いと思いました。
そういうものだと開き直れば、十分に楽しめました。
蒲田行進曲
座・間座
サンモールスタジオ(東京都)
2018/12/05 (水) ~ 2018/12/10 (月)公演終了
満足度★★★
サンモールスタジオの縦にも横にも狭い劇場で、
この作品の肝である階段落ち(人が死ぬほどの高さ)をどう見せてくれるのか?
その点を危惧しておりましたが、各役者さん達の熱演でカバーして下さっていた気がします。
つかこうへいさんのあの脚本を、変に現代に迎合させる事なく、
良くも悪くも古臭く、当時の臭いを残したまま作品化させた心意気も見事でした。
ただし、個人的にこの作品自体の登場人物達の心情を理解出来るか?良いと思えるか?となると、
やはりかなり特殊な状況下での、その時代ならではの感覚だな、と思わざるを得ませんでした。
『リトルマン・メイト』~愛はソーラン、ニシンから守れ~
わんぱく彩
新宿村LIVE(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★
メンバーが豪華!
面白そうな雰囲気は漂ってましたが、どうにも座組全体として方向性がバラバラの印象を受けました。折角これだけのメンバーが揃ってるのに、それを活かせている感じもせず勿体無い、というのが正直な感想です。
本当に脚本次第で何でも出来そうなメンバーだったのにな、残念。。。
この舞台だけでの独特な演出や魅せ方などもありましたが、
私にはもうひとつ楽しめませんでした、残念。
ホチキス20周年記念公演第4弾「妻らない極道たち」
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2018/01/25 (木) ~ 2018/02/04 (日)公演終了
満足度★★★
小玉久仁子さんが圧巻。
あそこまで堂々とやれる女優さんってそうそうはいないと思います。
これだけのサイズの劇場で、しっかりと魅せられました。
ゲストが塩崎こうせいさんで、とてつもない格好(次の舞台の衣装?)で出てきて、
スプレーを自身の登場で使って笑いを生み出し、更に富田翔さんとの絡みも面白く、
同じ劇団(当時)所属の高田淳さんがドタバタ登場してからの3人のやり取りは、
それぞれの役者さんのファンとして大爆笑させられました。
自分が好きな役者さん達で面白かったですが、あの場面が作中で浮き過ぎていたのも事実ですが、
作品全体としてはかなり面白く観られる舞台となっていました。
繰り返しになりますが、小玉久仁子さんが圧巻でした。
十分に満足出来る作品でした。
ファントム・ビー
X-QUEST
駅前劇場(東京都)
2017/02/24 (金) ~ 2017/03/05 (日)公演終了
満足度★★★
独特の世界観。
それぞれの役者が持つ良い意味で人を凌駕した生き物感、それらがしっかりと活かされ、
舞台面に役者がズラッと勢ぞろいしてのダンスシーンでは、圧巻の迫力が生み出されていて、
狭い舞台面でも互いに邪魔する事なく、動ける巧みぶりはお見事でした。
公演期間の最初の方に行き、個人的には脚本に苦労をされたのかな?と思えるシーンが幾つかあり、
役者さん達が本をモノに出来ていない様子もあった様に思えました。
『何となく、それっぽく聴こえる言葉を選んでいる』感じで、その先に何か明確なものを決めていないのではないか?
上手く言えませんが、そんな感じに観えるシーンがありました。
壮大で、何か大きな事を伝えられそうなものを内在させていましたが、
少なくとも私が観た最初の方の回では、それを最後まで処理出来ていない様に思えました。
ただし、宮島小百合さんや白井那奈さんなど、XQUESTメンバーでないゲストさん達が、
重要なシーンを見事にこなされていて、作品としてはレベルの高いものであると認識しました。
MODS #1「さらばセイシュンの光」
犀の穴プロデュース
犀の穴(東京都)
2017/11/22 (水) ~ 2017/11/27 (月)公演終了
満足度★★★★
個人的には#2のものよりも、#1のこちらの回の方が楽しめました。
おばけ眼鏡さんという芸人さんが、見事に落ちを生み出していたのも理由かも知れませんが、
自分が観た回が、結構誰もが怪我する事なく、しっかりと良い回になっていたからかと思います。
それぞれの個性がしっかりと噛み合う回に当たれば、楽しめるかと思います。