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この胸のときめきを

この胸のときめきを

演劇企画アクタージュ

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度

後味の悪さを感じた
ネタバレになる可能性があるので、最終公演を待って投稿することにした。
まず前説。芝居が始まる前からいきなり作演出から延々と物語の舞台(ステージではない)の背景について説明が始まる。それ、登場人物の会話に織り込んどけばいいだけの話じゃないの?
この時点ですでに「何だかなぁ」という気分にさせられる。だって、登場人物から説明はないけど客はそれを予備知識として持ってろ、って言われたような気分にさせられたのだから。
物語自体は凡庸。そのくせ所々ストーリーの練り込みの甘さがかいま見えた。
ストーリー展開の都合を優先させるためなのだろう。前に説明したことと違うんじゃない?という点が何回かあり、その都度「あれ?」と思うことが多くて、芝居に集中できなかった。
そして、個人的には衝撃のラスト。なんだ、あれ?
再演の可能性があるのでネタバレBOXの方に詳細は書き込むことにするが、老婆心ながら忠告すれば、あのラストでは見ている観客によっては下手すると犯罪助長と捉えられかねない。
おそらく「悪い奴が懲らしめられてスカッとするでしょ」と言いたいのだろうが、「ハートフルコメディ」と銘打ってあっただけに、登場人物の一人が貶められることに、ものすごい違和感と嫌悪感を覚えるラストだった。

ネタバレBOX

作者が「こうすればあんたたち(客)は喜ぶでしょ」という思いでストーリーを考えているのではないかと思いたくなる。ネタとして時折混ぜられた今話題の女性タレントやバンドメンバーの旬な話題やネタを伏せることなくストレートにセリフに乗せてるのに、逆に引いてしまった。
さて、ラストの話。
色男が二股をかけていたことがバレ、開き直るわけだが、一人がお巡りに「この人にチカンされた」と訴え、事情を知る者が皆それに同調するというラスト。
笑い話ですむ話じゃないだろう。下手すれば「虚偽告訴罪」だ。
確かに嫌な奴に描かれていた。客の大半は「こんな奴捕まればいいのに」と思っていただろう。
だからといって、溜飲を下げるために「チカン」をでっち上げていい理由にはならない。それも、村意識か仲間意識だか何だか知らないが、全員が「みてました」って「偽証」しようってんだからぞっとする。
作者にはそんな意識はないのだろう。もしくは「コメディなんだからそんな目くじらたてなくても」と思うだろう。
だが、コメディだからこそ見る対象は幅が広い。笑えればなにやっても許されるわけじゃない。
池袋演劇祭に参加するとのことだが、こんな危なっかしい話を平気で上演する団体の芝居は、怖くて他人に勧められない。

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