満足度★★★
目指す方向性はいいと思うんですけど・・
さすがに全編アレなんで・・。
もうちょっとキチャなくない方がいいかな・・。
公演中なので以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
蒸発した夫に障害者2級の老父、そして知恵遅れの妹・・。
生活保護を受け、立ち退きも迫られる、絵に描いたような不幸せ家族。
もうどうもならへん、お金もない、知恵もない、どないしたらええねん・・。
八方塞がりの家族に突然舞い降りた奇跡の出来事・・。
う~ん、プロットはいい、貧乏家族もリアルによく描けてる・。
今回は正義感の強い役どころの亀クン、こんな役柄もできるんだ・・。
神戸さん、バイタリティ溢れる逞しい生き様、相変わらず個性的な役どころで存在感バッチシ・・。
で、この作品自体の目指すとこはとってもいい感じ・・、だと思うんですけど・・。
全編を彩る色彩が余りにも・・。
ハナ○ソ、ウ○コのオンパレードですと、さすがに引いちゃいます・。
冒頭、知恵遅れの妹にウ○コ食べさせたところで、帰ろうかと思いました・・。
その後もストーリーは悪くないと思うのですけど、さすがにハナ○ソでこねたクリームと言われると、もういいかな、って。
偶然の産物、長男をヒーローにするにしても、ハナ○ソではなく、汗とか髪の毛とかにすればまだしもここまで汚らしくないのに・・。
惜しいな・・。
あたら、素晴らしい才能が安易な笑いに走るのって・・。
エロ、スカトロ、こうゆう非日常なシーンって、ほんのり一瞬、見えるか見えないか位の匙加減でこそシャレになるし笑えると思いますけど、こうも正面きって正々堂々来られると、ちょっとちょっと、時と場所をわきまえて、と言いたくなります・・。
今回がラストとのこと・・。
ぬいぐるみもそうですけど、いいもの持ってるだけに、また戻ってくる日が来れば嬉しいな・・。
でも、その時はもう少し・・。
キレイなネタで笑わせてくれると、なお嬉しい・・。
その時を期待してます・・。
満足度★★★★★
何とも・・・
素晴らしい・・。
作品そのものが一幅の幕末歴史絵巻・・。
臨場感溢れる空間で、束の間、歴史のタイムスリップを味わえるのは、或る意味、観劇の醍醐味かも知れない・・。
公演中ですので、以下はネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
冒頭、初代局長、芹沢鴨一派に近藤勇、土方歳三らが田舎侍呼ばわりされるところから物語は始まる。
耐え忍ぶ近藤、利かん気の土方は憤り、若い沖田総司は果敢に立ち向かうが、軽くいなされてしまう。
この辺り、お芝居の常道とは言え、いきなり掴みで物語の世界に惹き込まれてしまい、何とも巧い・・。
その後、策士清河八郎の追放、宿敵芹沢一派等新選組部内の粛清を経て、いよいよ近藤、土方らが新選組部内の実権を握る。
壬生浪と蔑まれながらも、自分達にこそ正義があることを信じ、ひたすら勤皇志士を斬りまくる新選組隊士。
斬ることが正義なのか、これが本当に世の為になる行為なのか・・。
自らも敬愛する開明派、副長山南敬助の問いかけに苦悩する総司だが、近藤、土方の行く道を信じ、山南も自らの手で斬ってしまう。
劇中、色鮮やかな衣装を纏った芸妓との恋も挿んでいるが、死を間近に控えた新選組隊士達との刹那的な愛が、何とも哀しげに描かれる。
新選組、史実の結末を知る後世の私達から見れば、或る意味、幕末史を彩る、仇花のような存在かも知れない。
将軍慶喜、直接の雇い主である会津藩主松平容保など、朝敵の汚名を着た途端、下々を見捨てて江戸へ逃げ帰ってしまう。
れっきとした武士、それも由緒正しい武士達が逆賊の汚名を恐れて腰砕けになるなか、多摩の百姓上がりの剣士達は、沈み行く幕府に殉じ健気にも闘い続け、やがて悲惨な最期を迎える。
新選組にスポットを当て、組内の凄惨な粛清や権力闘争に力点を置いているが、人斬り以蔵、龍馬、中岡慎太郎等史上著名な人物も巧みにまじえ、更に沖田総司の黒猫のエピソードなどもカバーしており、そのまま幕末史劇として十分楽しめるストーリー。
幕末、驚天動地の最中に生まれ、新生明治の誕生とともに滅びた一瞬の光芒。
力感溢れる音響、迫真の殺陣のシーン、そしてどこまでもカッコいいラストシーンの役者さん達・・。
今回、それほど大きな小屋でなかったこともあり、実に贅沢な空間。
こういうお芝居をみせられると、はまってしまうんだろうな・・。
何とも心地よい余韻を楽しみながら、劇場を後にした・・。
満足度★★★
色々趣向がこらされてて・・・
ちょっとビックリ!・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
冒頭前説の方が言うには、用意してあるお面を被って観れば、なお楽しめます、とのこと・・。
ま、当日パンフにも「秘密のお祭り」とあり、自らもお祭りに参加して楽しんでほしい、とゆうことらしい・・。
で、お面を被って観ることになったのだが・・。
お芝居がはじまると、何やら異様な雰囲気。
客席のあちこちに実はあらかじめ劇団員が埋伏しており(パンフを置いてない席はこの為だったんだろう)、その方達もセリフを発し、しかもところどころユニゾンで唱和するような感じの場面もあり、まるで自分の周囲四方八方からセリフが耳に飛び込んでくる感じ・・。
発せられる言葉を聞き取る、意味を味わう、と言うより、体全体を包み込まれるようにして感じさせられる、まるでそんなイメージ・・。
しかも周りを見渡せば、みんなおんなじようなお面を被っている観客が無表情に座っている。
何や、何や、これってなんかの宗教団体の洗脳かいな・・。
祭りは祭りでも、何やら秘密結社や黒魔術を連想させるような、いわゆるワッショイコラショイ、てな単純肉体躍動系的な感じではなく、文字だと祀りの字を当てたいくらい・・。
どうもこうゆうファッショ的なものに無用の反感を覚える自分としては、無意識のうちに自分自身が拒否してしまい、お面を被っていることをいいことに、少し眠くなってしまったりする・・。
う~ん・・、何だろ・・。
過去観た関西系劇団は、いずれも圧倒的なパワーで押しまくる、いわゆる
「笑かしよんな・・」
「泣かされてまうわ・・」
と言うわかり易い世界だが、それとはあきらかに一線を画した世界・・。
じわじわ内面からメンタルな部分を攻めて来る様な、そんな感じ。
なるほど・・、饒舌な秘密・・、確かにそうなのかも・・。
お芝居が動いたのは後半役者さんがお面をとって素顔を見せてから・・。
作品説明読んで、これってホリエモンなんじゃないの、それともセイショー(村上)かな、と思ってたけど、まさしくビンゴ。
ホリエモンの栄枯盛衰ストーリー。
世上喧伝されてるほぼそのニュース通りのストーリーで、役者さんもそれっぽい方を起用している。
こちらはまだ記憶に新しい題材だし、いつかお芝居で観たいな、と思ってたものなので、単純に楽しめた。
う~ん・・、いろいろ考えるんだな・・。
今まで観たことないようなお芝居の世界だったので、それはそれで凄いな、と思った。
満足度★★★
役者さんの熱演は・・
素晴らしいな、と思いました・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXに・・。
ネタバレBOX
う~ん、自分にはちょっと・・、ハードルが高かったのでしょうか・・。
この作品で何を訴えたいのか、どんなメッセージが込められてるのか、自分にはちょっと読み取れなかったみたいです・・。
役者さんの熱演は、それぞれ見事だな、と思いました。
満足度★★★
思ってた雰囲気とは・・・
ちょっと違ってたかな・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
冒頭、長~い無音の世界。
役者さんが登場するのだが、特に動きがなく、やがてメトロノームの無機質な音が響く。
何となくその後の大いなる展開を予感させるような雌伏かと思いきや、会話が始まり、登場人物が出揃っても、何とも起伏のない展開が続く。
親を亡くした4人の姉妹の個性、助け合って生きていく様子、夫のDVに悩む三女タナエをみんなで守る、そんな姉妹の絆を描きたかったと思うのだけど・・・。
その後のDVシーンとのメリハリをつける演出の工夫だと思うのだが、とにかく声が小さい。
自分は後列に座ったこともあるかも知れないが、そんなに大きな箱でもないのに、しばしばセリフが聞き取れないことも・・。
対照的に、乗り込んできたDV夫の怒声、長女との対決シーン、その後の姉妹の嗚咽など、絶叫系で逆にうるさ過ぎる感じ。
意図的だとは思うが、全編音楽も挿まず、しばしば無音の状態があるのもちょっと異質に思えた。
もう少し穏やかなイメージを想像してたので、観劇前に思ってた雰囲気とはちょっと違ってたかな・・。
公演パンフは帰宅してから目を通したが、脚本を書いたのが三女にDVを振るう夫役の役者さんと知ってちょっとビックリ。
てっきり女性が書いた脚本だとばかり思ってたので、こちらも何となく意外に思えた。
満足度★★★★★
これは・・・
素晴らしい・・!
不覚にも、今年初めて、泣かされた・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
う~ん・・、いいお話でした・・。
ドイチェ風のネーミングで、シマリスやカヤネズミ、イヌワシ等が活躍するストーリーは、グリム童話の御伽噺のような世界。
それぞれの動物が身に纏う衣装も、色遣いがとても素敵で、何とも良い雰囲気を醸し出している。
雄偉なファイター、小柄で可憐な乙女、長身で妖艶な蜘蛛女とそれぞれのキャラも鮮やか。
再演だけあってストーリーもよく練られており、それまでの可憐な役柄が二転三転のサープライズも・・。
言葉の表現がとても巧みで、それほど凝ったセットではないが、鬱蒼とした中に木漏れ陽が射し込む森が広がり、魔女や動物達がイキイキと活躍するストーリー世界が、まるで眼前に広がっているかのように思えた。
それぞれのシーンに合わせた音楽も何とも絶妙で、都度琴線に響く。
子供の頃、誰しも持っていた純真無垢な世界・・。
長じるにつれ身につく、駆け引きや思惑といった大人の要素にまだ毒されてなかった頃、確かに夢見た童話の世界。
とっても素敵なファンタジー・・。
久々に、子供の頃夢見た冒険世界に、束の間いざなわれたように思った。
満足度★★★
キレがあって・・・
面白かったと思います。
公演中ですので以下ネタバレBOXにて・・・。
ネタバレBOX
冒頭、戦時中を思わせるような放送と軍艦マーチが流れ、登場するのは和服に身を包んだ女性。
事前に原作も読んで、古代ギリシャの世界に身をゆだねるつもりで臨んでいたので、のっけから肩透かし、少々面食らった。
原作のウイットそのままに、作品世界はとても楽しい。
60分に集約して一気に駆け抜けていく感じ。
現実の世界でもこういった明快な意図ある政治なら、きっと万人に受け入れられるのだろう。
この作品を観てどうしても気になるのが、男性の股間を強調した例の張物。
「パロス」とか言うシロモノだそうで、当時古代ギリシャの演劇場でも用いられた或る意味伝統あるモノだそうで、当時も観衆の目を釘付けにしたんだそうな。
ただ、あれだけデフォルメされ極端なものをぶらさげていると、どうしても、作品全体の印象も偏ってしまう感は否めない。
何年か後、「女の平和」と言う作品を思い出すとき、統率力あるリュシストラテ、筋肉質で毅然としたラムピト、可愛いミュリネ・・ではなく、やっぱりあのイチモツが蘇ってきそうな気がする・・。
まなじりを上げ、きりりとたすきを締めた凛々しい乙女の姿に喝采を博した自分の心情としては、いささか気がかりな点だとも思った。
満足度★★★
とっても・・・
いい感じでした・・・。
公演中ですので以下はネタバレBOXに・・。
ネタバレBOX
舞台上手にスポットが当たり、連絡取れなくなった息子がいる夫婦の会話・・。
ひとしきりの会話が終わってす~っとフェイドアウトすると、今度は舞台下手に若い恋人同士にスポットが当たる。
時々咳き込む彼氏は、実は悪性の腫瘍を患っている。
彼らの会話が消えると次は舞台上段、学生にデモの参加を勧誘するどこか胡散臭げな男。
そのシーンが終わると、今度は迷った者は誰でも受け入れる南海楽園の施設「アルカディア」の物語。
ある情景では深刻に、違う物語ではどことなくコミカルに、それぞれのシーンが輪唱のようにかぶせられながら追いかけていく。
どうということはない日常のワンシーンを、丁寧に描いていく4つの物語。
役者さんの演技や表情もどこまでも自然で、それぞれ無理なくそれぞれの世界に導かれた・・。
連絡取れなくなった息子は、あのアルカディアに行った彼なのか・・。
電話してきた息子の彼女って、どのシーンの女性なんだろ・・。
ストーリー世界に遊びつつ、どうしても隣接する互いの関連性に思考は及ぶ。
どこで繋がってくんだろ・・。
接点は何だろ・・。
それぞれがいい感じで進んで行き、物語もいよいよ煮詰まってくる・・・。
入れ替わりで出てた出演者全員が、やがて舞台に集まってくる・・。
さぁ、クライマックス、どんな奇想天外な・・、いや、感動の方かな・・、
いずれにしても、どんな素晴らしいラストを用意してくれてるんだろ・・?
期待を込めて見守っていると・・・。
・・・・・
何と!何と!、全員お辞儀して、そのままフィナーレ・・。
・・・・・
・・・・・
ずっといい感じで来てたのに、えぇーーって感じ・・。
自分勝手な思い込みかも知れないけど、ああいう感じで被さるようにシーンが連なれば、それぞれ違う話でも何処かで巧みに繋がって大団円を迎えると思うのは素人の浅はかさだろうか・・。
伏線張るだけ張りまくって、最後ほったらかし・・、みたいな・・。
久々、自分の中で☆☆☆☆☆ペースだったのが、最後の最後で二つこぼれた・・。
美味しそうな料理がテーブルに並べられて、さあいただきま~す!、と箸を持った途端、テーブルをすーっと引き下げられたような、そんな感じ・・。
それまでの描写が秀逸だったので不快感までは感じなかったが、いかにも欲求不満・・。
う~ん、もっと食べたい!、もっと観たい・・!
う~ん・・・、なんとも、ざんねん・・・。
満足度★★★★
活劇エンターテイメント・・・
キャストも素敵で、とっても楽しめました・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXに・・。
ネタバレBOX
五右衛門が実は複数の手練による盗賊チーム団、裏で糸引く黒幕が家康だったなど、自分の知識にあった「孤高の義賊」五右衛門イメージとは全然違った設定で、その部分はちょっと面食らったけど・・。
でも、アクションあり、ラブロマンスあり、思わずホロリとさせられるシーンも。
最後はお約束、有名な辞世の句でミエを切り、とても盛り沢山な内容。
キャストも素敵で、とっても楽しめました。
また音響や演出も色んな要素が加味されていて、なんというかお芝居というより、もっと広い意味での活劇エンターテイメント、と表現したいような作品・・。
あんなに愛されてるのに、なんで吉野はあんな風にこだわったんだろ・・。
ライゾー、相当な使い手なのに、簡単に捕まり過ぎじゃね・・。
にっくきヌマイ、最後はもっと懲らしめて欲しかった・・。
などなど一瞬よぎったけど、最後は後味のよい作品だったと思う。
たまにはこういう、な~んも考えずに劇中世界にどっぷり浸り切れるような、そんな娯楽作品も楽しいなと思った。
満足度★★★★
アフロって・・・
そういう意味だったんですね・・。
昨日初日でまだまだ公演中ですので、以下ネタバレBOXに・・。
ネタバレBOX
いや~、なんか、いい感じでした・・・。
特に個々の役者さん、それぞれの役回りを個性的に、みんな雰囲気があっていい味出してたと思います。
ストーリーも、才能が枯渇した芸術家の不安や焦燥を軸に、男女間の愛憎も織り交ぜ、巧みに描き出していたと思う。
芸術の為には何の束縛も受けるべきでなく、あくまで自分の感性、欲望のおもむくまま素直に表現する・・・。
それは男女間の倫理感にも縛られず、禁止薬物の法律の壁さえと示唆する悪魔の誘惑・・。
古今の天才の系譜を見ると、ある意味それはそれで的を得ているのかもしれないけど・・。
常に新しい創造を宿命付けられた芸術家の苦悩と葛藤を、鮮やかに表現してたように思う。
冒頭アフロヘアーのかつらを被った出演者が勢ぞろいして、フライヤーのデザインもそうだし、タイトルのアフロっててっきり髪型のことだとばかり思ってたのですけど・・。
美の神アフロディーテ、さらにはきのこ雲(劇中難しい単語使ってたけど忘れた・・)のように爆発する、その自由奔放さも踏まえたタイトルだったんですね・・。
劇中いっぱいに飛び交ううんちくも、それはそれで(自分には知らないことばかりだったこともあり)結構楽しい。
最後、アフロ(ディーテ)の世界に身を任せて昇華するのかと思いきや、意外にあっさりした結末で、そこはちょっと物足りなさも感じた・・。
主人公ラストの一言、まあ笑いを取る軽いシャレだとは思うが、美的センスにオチを求めたのも、個人的にはちょっと肩透かし・・。
でも、力量ある役者陣を配し、普段うかがい知れぬアーティストの世界を垣間見せてくれ、最後まで楽しめた作品だったと思う。
満足度★★★
役者陣は・・・
個性的な面々で、なかなか良かったと思います・・。
公演中ですので以下ネタバレBOXに・・・。
ネタバレBOX
う~ん・・・。
個人的な好みからすると、ちょっと自分には合わない・・。
精神的に病んでる、ということなんだけど・・・。
これは芝居なんだから、創作世界なんだから・・・、と思いつつも・・・。
世の中に数多いる生まれつき肉体のハンデを負ってる子供達・・。
体がくっついてたり、四肢が短かったり、目や耳の不自由な、そういった絶望の淵に好まずとも叩き込まれた子供達でさえ必死で生き抜こうとしているのに、五体満足な彼らが繰り広げる傷の舐め合いのような繰言に、正直ずっと違和感を感じた・・。
劇中何度か、安易に「ぶっ殺すぞ!」というセリフが発せられる都度、どうも神経を逆撫でされるようなストレスも感じた。
これがヤクザの抗争劇とか、不良の決闘劇というならおそらくそうは感じないのだろうが、およそできもしない大それた事を軽々しく口にする度に、何となく嫌悪感が走った。
ただ、役者陣は個々のキャラも鮮やかだし、うまく表現してたと思う。
ストーリーの設定が自分の好みではなかっただけで、その世界に見事に引き込まれたのは、劇としてはよくできた作品だったのかとも思う。
自分のナマな感覚からすると、そもそも他人に受け入れてもらおうなどと考えたこともないので安易に論ずることはできないが、昨今、こういう悩みの方が増えているのは事実なんだろう・・。
何だかんだ言っても、人間は煩悩に苛まれる生き物なんだろうな・・・。
週末の暖かさとは打って変わって身に沁みる寒風の中、そんなことを考えながら劇場を後にした。
満足度★★★★
いや~・・楽しい!!
こうゆうの、自分好きですね・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
なんと言うか、とっても軽妙で楽しい!
自分の周りにもごく普通にいそうな連中が繰り広げる、アットホームなハートフルコメディ。
劇団HPにも標榜してたけど、何気ない日常を、楽しく、バカバカしく、温かく描き思わず笑ってしまうような、ほんとにそんな作品。
いいですね~、こうゆうの、自分とっても好きですね・・。
何ていうか、終始リラックスして、寛いで楽しめました。
多分、笑いのセンスが、なにげに、自分のツボなんでしょうね・・。
決して、ドヒャ~、てな笑いではないのだけれど、思わずクスっと苦笑させられるシーンが何度も・・。
他人のプレゼントを勝手にあげちゃう強引な展開にビックリしましたけど、終わってみれば全然不自然に感じることなく、あ、なるほどな、と・・。
いろんな伏線も、最後すっきり収まって、ごく軽そうに演じているけど、意外としっかり作られてるストーリーだな、とも感心しました・・。
う~ん、いいですね、こうゆう、ユーモアと全然ガツガツしてないラブロマンス・・。
観終わった後、すごく晴れやかになれるというか、なんか明日への活力みたいな、そんなプレゼントを貰ったようにも思った。
前作の続編とのことだけど、今回だけでもとっても楽しめた・・。
おそらくお約束のキャラなんかもあったんだろうし、前作見逃したのがちょっと残念・・。
シリーズ化して欲しいな・・、大江戸川FM・・。
満足度★★★
それぞれ・・・
楽しめるオムニバス3本立て。
以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
団体名や公演名にも反映されているが、どこまでも粋とカッコ良さをテーマに、役者さんもスタイリッシュな方を多く集め、都会的でスマートなセンスが光った。
作品の合間に挟まれた音楽も、古き良き時代のアメリカを思い出させてくれるようなシャレた選曲。
いろんな意味で、良質のエンターテイメントだったと思う。
満足度★★★★
事前に予想してたより・・・
余程メリハリが効いていて面白かったです・・。
公演中ですので、以下はネタバレBOXに・・。
ネタバレBOX
奔放な颯子と、どこまでも海のように寛い心で受け入れる文男。
野良猫に限りない愛情と情熱を注ぐ文男は、ともすればバランスが悪く不器用な感じもするが、同性にも女性にもどこまでも優しく、何ともいい味を出している。
一方夫の文男が大好きなものの、それとは別の感覚で平気で他の男と浮気旅行に出かける颯子。
自分の元に戻ってくれば、何事もなかったように許す文男。
全編に野良猫を捕まえては保護する地域猫活動家の、何とも緩やかな情景とは裏腹に、出て来る男女の愛憎はかなりスパイスが効いていて、色んなシーンでドキドキハラハラ・・。
作品説明や劇団HPを事前に見て、どこまでも穏やかなお芝居かな、と予想してたのだが、いい意味で裏切られた。
なかなか刺激的で最後まで物語の世界に引き込まれた。
ただ、劇中登場する女性がいずれも大胆で強い女性ばかりなせいか、こういう作品を観ると、異性と生活を共にするというのは、ほんとに大変なんだなっと、ちょっと考えさせられた。
お芝居で観る分には面白いんだけど・・・。
満足度★★★
とっても夢のある・・・
ストーリーだったと思います。
以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
国際色ある設定、羿と嫦娥の説話もまじえ、とっても夢のあるストーリーだったと思います。
役者さんではアナベル役の女優さん、女王様キャラがピッタリで、出てくるだけで舞台が華やぐような雰囲気がとても素敵でした。
あとチェン姉役の女優さん、こちらも切れがあってすばしっこくて、いかにも女ギャングって感じ。
身分のかけ離れた二人が容貌が似通っていることで入れ替わって冒険をする、ほのかな恋心もまじえた大筋のストーリーは良い感じだったのですが、少々安易な展開、シーンによっては大仰過ぎる表現もあったりして、個人的には少し入りきれなかったところも・・。
でも、とても懸命に、真摯に取り組んでいる雰囲気は随所に感じられ、好感の持てる劇団だと思いました。
満足度★★★
何となくゆったりした感じで・・・
とてもいい感じだったと思います・・。
公演中ですので、以下ネタバレBOXにて・・・。
ネタバレBOX
全編方言で綴られてたからだろうか・・。
何となくゆったりとして、いい感じ。
決してどひゃって爆笑はないのだが、登場人物やかわされる会話も、どことなくユーモラス。
女優陣はそれぞれキャラも濃く、そもそもジャージの上にまわしを締めた女相撲のイデタチからして何ともコミカル。
一方どことなくひいた感じの男優陣だが、そこが何とも言えぬいい味わい。
強烈な女優陣とのコントラストが、また絶妙に思えた。
後半、多分そこからが作者が伝えたかった部分と思うのだが、めいめいがそれぞれのタイミングで喋りはじめるなど、自分には少しわかりにくい部分も・・。
前半のんびりした良い雰囲気だっただけに、後半雑然とした感じで結局そのまま終わってしまったのが、ちょっと違和感も感じた。
そうそう、女相撲の取組の場面・・。
コミカルな中にもエキサイティングで、とても良かったと思います。
満足度★★★★★
熱気は・・
関西の劇団に勝るとも劣らぬパワー・・。
公演中ですので以下ネタバレBOXに・・。
ネタバレBOX
ちょっと勘違いしてました・・。
タイトル見て、てっきり関西劇団の東京遠征公演かと思ったのですが、題材はコテコテ大阪ですけど、劇団自体はれっきとした東京の劇団なのですね・・。(話し言葉ですぐわかりました・・)
ただ、熱気は、関西の劇団に勝るとも劣らぬ凄いパワー・・。
いや~、素晴らしかったです・・。
いきなりテンポ良い出だしから、のっけからエネルギー全開。
あの厳しい方の刑事さん役の方、本当にカッコいい。
不況に弄ばれる日雇い労働者、炊き出しに群がる浮浪者の群れなど、釜が崎の風景をベースに、人情に厚い下町の人々の必死に生きていく姿を描き出す。
ストーリーのあちこちに挿まれる「川柳」も絶妙な隠し味。
犯人逮捕の乱闘シーンでは、大阪らしい「とことんやる」スタイルがけれんみなくて豪快。
最後はちょっと悲壮過ぎる結末かと思ったけど、あのエピローグの伏線なんですね。
この辺り、何とも粋な演出・・。
劇中何度も胸が熱くなり、目頭も熱くなった。
こういう心地よさを味わう為に、自分達観客は劇場に足を運ぶのだと思う。
ちょっと残念だったのは、当日パンフを入手できなかったこと。
う~ん・・、当日パンフって、自分の場合、観劇後余韻を味わうのに結構大切なアイテムだったりするので、それだけがちょっと残念・・。
船戸さんは他の公演で何度も見てるけど、劇団自体は初見だったし、せめてキャストだけでもわかれば、もう少し丁寧なレビューも書けたのですけど・・。
でも、作品自体は熱気に溢れ、とっても素晴らしい作品だと思う・・。
次回8月とのことだが、また観に行きたいと思う。
満足度★★★
かなりハイレベル・・・
題材も悪くないと思いますし、作品の作り方もかなりハイレベルな印象を受けました。
以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
光や映像を巧みに操る視覚的な表現、また圧倒的な迫力で迫る音響、効果も素晴らしい。
セットや衣装もよく工夫されており、美術的なセンスにも感心させられた。
役者陣の動きやダンスのシーンも練度が高く、全体的にかなりハイレベルなものを感じた・・。
ただ、セリフ、会話を排除した演劇というものについては自分には少々ハードルが高く、事前の作品説明を読んでいなければ、よくわからなかったシーンも・・。
志向している方向性はともかく、劇団、作品からは非常に引き締まった上質のものが伺われ、そこにはとても好感が持てた。
満足度★★★★
ちょっと・・
ドキドキしました・・。
以下ネタバレBOXにて・・。
ネタバレBOX
事前に原作を読んだ際、少なくとも前半は淡々とした描写だったこともあり、のっけから妖しさ満点の演出に驚かされた。
なんと言うか、色んな意味で刺激的・・。
事前に抱いていた勝手な自分のイメージではあるけど、落ち着いた書斎、子供の居ない夫婦のお正月、といった風なイメージで捉えていただけに、平均台を組み合わせたような落とし穴だらけの見るからに不安定なセット、龍の刺青に褌一丁の男に、まずは面食らった。
この辺り、その後の展開を示唆しているようでとても効果的。
原作の持つ意外性を損なわず、そこに鮮やかな色彩も加味して、とても上手いなぁ、と思った。
後半は錯綜した恋愛関係、深層心理の描写を軸に、妖しい粘度を更に加速させる。
時折挿まれる官能的なシーンも、直截的な描写ではなくイメージを刺激するような表現がとてもいい・・。
この作品を創った方は、どんな表現をすれば観客の興味を惹き付けられるのかということを、熟知しているのだろう・・。
いや~、最後まで緩むことなく、ずっとドキドキさせられた・・。
ストーリーの秀逸さだけではなく、やはり演出の妙かと思う。
満足度★★★
う~ん・・
個人的には、少しわかりにくい感じがしました・・。
ネタバレBOX
大体、これから結婚するというのに相手もよくわからない、というのもなんだかひっかかるし・・。
ちょっと設定に無理があるように感じて、作品世界に入りきれないように思いました。