気づかいルーシー
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/08/22 (土) ~ 2015/08/31 (月)公演終了
満足度★★★★
チャーミングなルーシー
ちょっとネタバレですが。
皮をはいじゃったりしてちょっと怖いんだけど、ルーシーはとてもチャーミング。深夜番組で活躍中の岸井ゆきのちゃんだからだ。ショートカットのかわいい髪型と水玉の衣装。くるくる回る大きな瞳、無駄のない軽快な動作……。彼女の魅力が全開の舞台で、注目女優のはつらつとした息遣いに幸せな気分になる。そういう楽しみ方もあります。
演出はノゾエ征爾さんだけあって、ジェンガあり影絵ありで飽きさせない。演奏は生で進行。音楽の人もしっかり舞台の一員となっている。
1時間半とコンパクトな構成なので、子ども連れでも楽しめます。最後にみんなで踊れます。開幕前に練習タイムもあるからご安心を。
マクベス - Paint it, Black!
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2015/08/14 (金) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
ライブ感が楽しめます
シェークスピアの四大悲劇の一つ「マクベス」は、日本でもさまざまな形で上演されてきた。流山児★事務所では、初めての海外公演を成し遂げた記念碑的代表作という。
今回の「流山児マクベス」、音楽を「見せるライブ」で行い、歌や踊りも見せ場の一つ。現代社会に物を申しながら、暴君が滅びていくさまを派手なパフォーマンスを交えて群像劇ふうに描いてみせている。
引き込まれる舞台ではあるが、若干、難解な部分もある。
ライオンキング【東京】【2023年1月22日昼公演中止】
劇団四季
四季劇場 [春](東京都)
2000/01/01 (土) ~ 2016/05/28 (土)公演終了
満足度★★★★
動物の動きがすばらしい
国内上演10000回のこの名作。お客を楽しませることに力点を置いた俳優の歌やパフォーマンス以外で注目すべき点は、動物たちの動きでしょうか。キリンやシマウマなど、動物たちの豊かな表情、動きを研究し尽くした舞台美術。そして、それを実現する舞台俳優たち。鍛え抜かれた演出はこういうところも取りこぼしがない。
サウンド・オブ・ミュージック
劇団四季
四季劇場 [秋](東京都)
2013/01/16 (水) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
子どもたちがすごい!
この名作を映画でなく舞台で見るなら、注目はやはり、7人の子どもたちの歌や演技だ。歌や踊りが素人の目から見ると、もう、この子たちは天才ではないか、特に末娘役はまだ7歳!なのだが、そこはやはり、劇団四季の舞台。完成度の高さは期待を外さない。
四季劇場「秋」で今日が初日。2010年が四季の初演で、東京では今回が2年ぶり。
おどるマンガ『鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが) 』
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
絶対楽しめます
片桐はいりが、小学校の先生役で登場。鳥や動物が歌い、踊り、子どもの頃に夢に見たような世界に連れて行く。客席の子どもも巻き込んで作り上げる仕掛け。CGを効果的に使って見せる軽妙な舞台装置がいい。
大人も子どもも一緒に笑える、楽しめる。スッキリ笑える、損しない舞台です。
時をかける少女
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/07/28 (火) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
高い完成度、親しみやすい舞台
昭和に青春を送った世代には、「時をかける少女」と言えば、大林宣彦監督、原田知世主演の映画である。キャラメルボックスは動員力のある劇団だけあって、原田知世の名作を知る人も知らない人も、十分楽しめる舞台だ。劇団最年少?で主演を射止めた木村玲衣は原田知世よりずっとかわいいし、映像なら迫力を持って表現できるであろうタイムリープを、生の舞台で非常にうまく俳優たちがこなしている。32年後の話として過去と現在がうまく交錯しているところは脚本の魅力で、完成度は高いと思う。
笑いのツボを押さえ、軽快なテンポ。客席が親しみを持てる演技はこの劇団のいいところ。木村玲衣は長大なセリフに果敢に挑戦していたが、迫力という点ではまだまだこれからだろうか。
外交官〈前売券完売/当日券若干枚あり〉
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2015/07/31 (金) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
この「昭和史」はすごい!
終戦直後、東京裁判の対策と称して、広田弘毅、松岡洋右ら名だたる外交官らがホテルに集まる。自分が下した政策決定を振り返り、国を導いた自分を反省する。日本が国際連盟を脱退したときの決議案を始め、劇中で使われる英語に通訳も翻訳もない。歴史的な背景や経緯の説明もなく、昭和史をある程度知っていないと、よく分からない舞台だ。だが、これぞ本物だ。客席に堂々とこれを提示した青年座には拍手を送りたい。実際に、観劇後の拍手の強さはかなりのものだった。
もう一つ、これを書いた野木萌葱さんという若い劇作家はすごい。「パラドックス定数」を主宰し、既に人気だというが、実在した人物にこれだけの仮想現実を語らせるとは、ものすごい昭和史だ。
竹林の人々【本日16日大千穐楽!!14時開演、見切れ席解放により当日券ございます!!】
OFFICE SHIKA
座・高円寺1(東京都)
2015/07/30 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
テンポはよいのだが
劇団鹿殺しの丸尾丸一郎氏の自伝的小説がベースとか。
グッズ販売なども盛況の人気の舞台。テンポ良く舞台が進むが、笑いを取り切れていないところもあった。
圧倒的に若いお客さんに支持をされているのがとても印象的。
壊れた風景
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2015/07/29 (水) ~ 2015/08/02 (日)公演終了
満足度★★★★
引き返せない怖さ
別役実フェスティバル参加作品。別役さんらしい不条理劇だ。
「ちょっとくらいなら」「みんなでやれば」。こうしたどこにでもあるような感覚が、ナイフのように厳しい切り口となって迫ってくる。みんな悪いことと分かっている。引き返すポイントはいくらでもあった。だが、結局誰も引き返すことはできず、集団心理の中で破滅へと突っ走ってしまう。
かつての歴史もそうだったし、今の日本も同じ空気ではないのか。
引き返す勇気といわれる。集団の中で考えなければならないのは、思考停止しないことだ。
名取事務所主催。見て損はありません。
彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★
見失った何かを見つけたい
何かを見失ってどうしていいのか、黙ってしまうような世の中で、瀬戸山さんの戯曲は、その何かを探すヒントをくれるようだ。
今回の舞台は、週刊誌メディアの「売らんかな」取材をテーマにしているが、少しの想像力を働かせれば、どんな仕事、生活でも人を傷つけなくてすむというささやかな「教訓」をさりげなく指し示してくれている。
そう、少しの想像力。それが僕たちが今、失っている何かなのではないか。
トロイラスとクレシダ
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/08/02 (日)公演終了
障子の国のティンカーベル
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/07/12 (日) ~ 2015/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
小悪魔ティンカーベル
毬谷友子の一人舞台。野田秀樹の若きころの作品といい、おとぎ話が現実感を持って描かれる。一人で何役もこなす毬谷の熱演、元タカラジェンヌの歌のうまさ。障子をうまく使った演出。とてもよかったが、スタンディングオベーションというのはどうかな。
イヌジニ
雀組ホエールズ
OFF OFFシアター(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい!
動物殺処分というテーマ設定に目新しさはないが、面白いし、泣ける。隣の女の子たちもハンカチ握りしめてました。舞台に引き込まれる、これが基本です。犬猫たちのキャラクター設定もとてもユニーク。それによる笑いも十分に取れている。
小中学校で公演したらどうだろうか。教育効果抜群だと思うけど。