外交官〈前売券完売/当日券若干枚あり〉
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2015/07/31 (金) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
この「昭和史」はすごい!
終戦直後、東京裁判の対策と称して、広田弘毅、松岡洋右ら名だたる外交官らがホテルに集まる。自分が下した政策決定を振り返り、国を導いた自分を反省する。日本が国際連盟を脱退したときの決議案を始め、劇中で使われる英語に通訳も翻訳もない。歴史的な背景や経緯の説明もなく、昭和史をある程度知っていないと、よく分からない舞台だ。だが、これぞ本物だ。客席に堂々とこれを提示した青年座には拍手を送りたい。実際に、観劇後の拍手の強さはかなりのものだった。
もう一つ、これを書いた野木萌葱さんという若い劇作家はすごい。「パラドックス定数」を主宰し、既に人気だというが、実在した人物にこれだけの仮想現実を語らせるとは、ものすごい昭和史だ。
竹林の人々【本日16日大千穐楽!!14時開演、見切れ席解放により当日券ございます!!】
OFFICE SHIKA
座・高円寺1(東京都)
2015/07/30 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
テンポはよいのだが
劇団鹿殺しの丸尾丸一郎氏の自伝的小説がベースとか。
グッズ販売なども盛況の人気の舞台。テンポ良く舞台が進むが、笑いを取り切れていないところもあった。
圧倒的に若いお客さんに支持をされているのがとても印象的。
壊れた風景
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2015/07/29 (水) ~ 2015/08/02 (日)公演終了
満足度★★★★
引き返せない怖さ
別役実フェスティバル参加作品。別役さんらしい不条理劇だ。
「ちょっとくらいなら」「みんなでやれば」。こうしたどこにでもあるような感覚が、ナイフのように厳しい切り口となって迫ってくる。みんな悪いことと分かっている。引き返すポイントはいくらでもあった。だが、結局誰も引き返すことはできず、集団心理の中で破滅へと突っ走ってしまう。
かつての歴史もそうだったし、今の日本も同じ空気ではないのか。
引き返す勇気といわれる。集団の中で考えなければならないのは、思考停止しないことだ。
名取事務所主催。見て損はありません。
彼らの敵
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★
見失った何かを見つけたい
何かを見失ってどうしていいのか、黙ってしまうような世の中で、瀬戸山さんの戯曲は、その何かを探すヒントをくれるようだ。
今回の舞台は、週刊誌メディアの「売らんかな」取材をテーマにしているが、少しの想像力を働かせれば、どんな仕事、生活でも人を傷つけなくてすむというささやかな「教訓」をさりげなく指し示してくれている。
そう、少しの想像力。それが僕たちが今、失っている何かなのではないか。
トロイラスとクレシダ
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/08/02 (日)公演終了
障子の国のティンカーベル
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/07/12 (日) ~ 2015/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
小悪魔ティンカーベル
毬谷友子の一人舞台。野田秀樹の若きころの作品といい、おとぎ話が現実感を持って描かれる。一人で何役もこなす毬谷の熱演、元タカラジェンヌの歌のうまさ。障子をうまく使った演出。とてもよかったが、スタンディングオベーションというのはどうかな。
イヌジニ
雀組ホエールズ
OFF OFFシアター(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
おもしろい!
動物殺処分というテーマ設定に目新しさはないが、面白いし、泣ける。隣の女の子たちもハンカチ握りしめてました。舞台に引き込まれる、これが基本です。犬猫たちのキャラクター設定もとてもユニーク。それによる笑いも十分に取れている。
小中学校で公演したらどうだろうか。教育効果抜群だと思うけど。