バグダッド動物園のベンガルタイガー
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/12/08 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★
人間というものは・・・・。
戦争には正義も大儀も存在しない。
自分は善良だという人間たちを、ここまで残虐にさせるのは何なのでしょうか・・・。トラが考える、トラが問いかける、トラが彷徨う・・・。
小劇場って、こんなに広い空間を持っていたんだぁ・・・殺伐とした風景の中で、殺伐とした人間たち、彷徨う幽霊たちの果てしない時間が続いていくようでした。
通訳役の安井順平さんが、とても良かったです。
彼の顔つきがどんどん変わっていくのが、とても印象に残りました。
1995
劇団チャリT企画
座・高円寺1(東京都)
2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了
満足度★★★
ノスタルジー!?
笑い飛ばすというよりは、1995年に青春を過ごした人たちのノスタルジーを描いた物語のように思いました。とても真面目にサリン事件には取り組んでいるように思いましたが、1995というタイトルと物語の説明文(?)とは違い、小さくまとまってしまった気がします。まあ、それはそれでいいのですが、ちょっと肩透かしを食らったような気がします。
阪神淡路大震災、サリン事件は笑い飛ばすことは出来ないですね。
きっとそういうことかな・・・・と、思いました。
役者さんたちが良かったです。そして、あれだけ大勢の役者さんが登場しながら、すっきりとして舞台づくりで、なんかもっと違う群像劇が見たい気がしました。
白鯨-Moby-Dick-
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2015/12/08 (火) ~ 2015/12/22 (火)公演終了
満足度★★★★
あの空間で、大スペクタクル。
まるで体験型アトラクションのような演出で、椅子、大きな布、やり、紐、板などの小物を使って、まるでそこが港の雑踏になり、安宿の一室になり、そして大海原に船出した船の甲板になります。アトリエの空間に役者さんたちが見る水平線や波や大鯨を一緒に見ました。
異次元、別世界をただよったような時間をすごしました。
12月文楽鑑賞教室公演
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★
楽しかったです。
今回は津駒大夫が出演ということで、行ってまいりました。
やっぱり津駒大夫の義太夫は、情が深くて、厚みがあります。
そして、勘十郎さんの遣うお柳は、切ない美しさがあって、素晴らしかったです。
12月公演は、義太夫さんも三味線さんも人形遣いさんも人間国宝クラスの方々は出演されません。なので、若手の方々はいつもよりもちょっといい役をもらえるようです。二人禿の義太夫さんたちがちょっと頑張れ!だったので、☆4つということで・・・・・。
東おんなに京おんな
トム・プロジェクト
あうるすぽっと(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★
嫁と姑に友情は生まれるか?
生まれないですよね(笑)
でも、嫁と姑という肩書き(?)がはずれたら、どうなんでしょうか。
そんなことをこの舞台を観て思いました。
年齢も生まれも育ちも性格もおかれている状況もまるで正反対の二人・・・家族という縛りがなくなった分、言いたいことも言える関係になった気がしました。
ファルスタッフ
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2015/12/03 (木) ~ 2015/12/12 (土)公演終了
満足度★★★★★
大満足!!!
充実のキャスト、大胆な仕掛けの舞台装置、面白おかしいお話ととても楽しみました。
ファルスタッフが主役ですが、彼を懲らしめようとするフォード夫人のアガ・ミコライさんがとても魅力的で、素晴らしい声の持ち主です!!!
彼女の楽しげな様子、知略にとんだ陽気な奥様に舞台は盛り上がりました。
そして、彼女の娘役の安井陽子さんも素晴らしい!!!
美しい歌声にうっとりでした。
12月文楽公演
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2015/12/02 (水) ~ 2015/12/14 (月)公演終了
満足度★★★★
初日でした。
今回は好みの席が取れなくて、大好きな義太夫さんと三味線さんの姿がまったく見えない!だけど、声と音が私の頭の上から響いてくるという、ある意味とても贅沢な席でもありました。
お人形さんたちもちょっと見えずらかったのですが、いつもとは違う角度から楽しみました。
マリインスキー・バレエ 『ロミオとジュリエット』
朝日新聞社
東京文化会館 大ホール(東京都)
2015/11/30 (月) ~ 2015/12/02 (水)公演終了
満足度★★★★★
美しい舞台・・・。
怪我で突然のキャスト変更があったのですが、とても満足な舞台でした。
今はメジャーな演目となった「ロミオとジュリエット」は、このラヴロスキー版から始まったのだそうです。
貴公子のようなロミオとピュアなジュリエット、そして強烈なキャラクターのティボルト・・・・すごく見ごたえがありました。
そして、マリインスキー劇場管弦楽団の演奏は、この日も素晴らしかったです。
マリインスキー・バレエ 『愛の伝説』
朝日新聞社
東京文化会館 大ホール(東京都)
2015/11/27 (金) ~ 2015/11/28 (土)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい!!!
マリインスキー劇場管弦楽団の繊細で複雑な心境を表現する演奏とダンスの一体感は、すごい!!!
音楽にダンスにこれほど堪能できるのは、そうそうあるものではない!
シュツットガルト・バレエ団2015年日本公演 『オネーギン』全3幕
公益財団法人日本舞台芸術振興会
東京文化会館 大ホール(東京都)
2015/11/21 (土) ~ 2015/11/21 (土)公演終了
桜の園
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/11/11 (水) ~ 2015/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
移り行く時間の流れ・・・・・。
花道があり、舞台の高さが程よく低く、広く取った空間、桜の枝の影がぼんやりと見える窓の外、簡素でいて、ぬくもりや寂しさのあるセットが、物語と観客の距離を縮めていたように思いました。
凝った衣装は登場人物の個性を際立たせでいました。
役者さんたち、それぞれの存在もとても良かったです。
ラストの金田さんには、涙が出ました。
現代能楽集Ⅷ『道玄坂綺譚』
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2015/11/08 (日) ~ 2015/11/21 (土)公演終了
満足度★★★★
現代の片隅にも存在しそう・・・。
まずは、一路真輝さんが美しかった!!!
現代のネットカフェを舞台にしているのが面白いです。
色んな人間が出入りしていて、その素性を誰も気にしなくて、気楽さに加えて、人間の闇もある・・・。三島由紀夫の世界の華やかな世界を持ちながら、深々とした闇が足元に広がる様な感じがするのと、なんだか不思議にリンクしました。
原作を読んでからいくと、より面白いと思います。
からゆきさん
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2015/11/14 (土) ~ 2015/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
日本という国は・・・・。
貧しさゆえに家族のために身をひさいだ女たち・・・・国も男たちも彼女たちを利用し、入らなくなったら棄てた。そんな時代を、無かったように私たちは生きている。舞台の上で、繰り広げられる世界は、とても生々しく、彼女たちの生き様を伝えてくれました。多賀次郎の綱島剛太郎さんの無教養で、俗悪でいながら、どこか抜けている男がとても良かったし、それぞれのからゆきさんからにじみ出ている諦めと悲しみがせつなかったです。
舞台セットが工夫されていて、とても良いです。
特に二十六番館の内部の下手に作られた階段が、気に入りました。
ここにからゆきさんたちが立って、話を聞いているシーンがとても美しいです。
『黄金のごはん食堂』
APAF-アジア舞台芸術人材育成部門
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/11/13 (金) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
飢餓に陥った地球では・・・・。
近未来、天変地異によって、深刻な食糧不足となった地球。日本のとある場所の『黄金のご飯食堂』が舞台です。
韓国のソ・ジヘさん作・演出で、身体表現アドヴァイザーとしてタイのティラワット・ムンヴィライさん、演技者は日本人の役者さんたちです。
言葉の壁を越えながら、一つ、一つ作り上げた舞台だそうです。
極限状態で人間は、人間社会はどうなるのでしょう。家族はどうなるのでしょう。広く取られた空間とおびただしい数の古着を使った演出が、荒廃した地球を、争いの場面をとてもうまく表現していました。
この物語は、いま中東で起こっている紛争も連想させました。
アフタートークもいろいろ聞けて、面白かったです。
再びこの地を踏まず
文学座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/11/06 (金) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
偉人を支えた人たち。
野口英世というと、真っ先に浮かぶのは彼のお母さんですが、この舞台ではお母さんは登場しません。あえて登場させなかったお母さんの影響力は多大なものだったと思うのですが、彼を支えた多くの友人たち、恩師たちの温かで、おおらかさに、人の偉業というものは、必ず多くの人たちの支えがあるのだとあらためて思いました。1幕は事実に基づき、2幕は資料の少ない奥さんとの生活の一部を想像(?)で・・・・興味深い物語でした。
君がいた星
アンティークス
「劇」小劇場(東京都)
2015/11/04 (水) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★
ファンタジーで、ミステリーで、ちょっとSFで。
殺人犯として追われる男と口の聞けない不思議な少女はが出会い、二人の逃避行は、少女の不思議な力を借りて、男の過去をさかのぼったり、未来に飛んだり、彼の人生の幸せを目指して行く・・・・・。
少女の正体は・・・・多分と想像しながら、温かな気持で物語が終りました。
少女の無垢な温かさ、優しさがとても良かったし、音楽もとても良かったです。
うしろの正面だあれ
山の羊舍
小劇場B1(東京都)
2015/11/04 (水) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
小道具にも注目です。
揚げ足を取るような口げんかから始まり、言葉の受け取り方、使い方の絶妙さが笑いを誘うのですが、ちょっとぞわぞわするものがそこにあります。
居間の薄暗さとどこか崩れかけたような風情もなんだか怖いです。
棚の片隅に飾られたリカちゃんファミリーが、とっても不気味でした(笑)
役者さんのかもし出す雰囲気も良かったし、せりふのテンポもとても面白かったです。
一仕事終えた感のあるラストが、なんとも言えません。
ホフマン物語
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2015/10/30 (金) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
ブラボ~!!
ファーストキャストで観てきました。
新国立劇場の新作です。
衣装、舞台セット、照明が、それぞれの場面で美しく、繊細で、大胆で、とても楽しめます。
ダンサーさんたちが、それぞれのテクニック、表現力を遺憾なく発揮して、とても素晴らしい舞台になっていました。
東京フィルのオーケストラも素晴らしかったです。
心中天網島
遊戯空間
上野ストアハウス(東京都)
2015/10/29 (木) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★★
濃い!面白い!!
三味線、薩摩琵琶、笛、太鼓、語り、影、文字の映像を使い、役者同士が対面しない演出は文楽の要素も感じられたりして、面白かったです。
役者さんたちもとても味わいがあって、それぞれの役の心情を余すところ無く伝えてきて、素晴らしかったです。
私はこの演目では兄の孫右衛門が好きなのですが、山谷勝巳さんの情け深く、情の細やかなお兄さんはとても素敵でした。彼らの心中姿を見たら、いっぱい泣くんだろうなぁ・・・・。きっと残された子どもたちも大事に育ててくれると思いました。
簡単には死ぬことが出来ないラストもとても良かったです。
ミュージカル『パッション』
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/10/16 (金) ~ 2015/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★
好き嫌いが分かれる作品かも・・・。
久しぶりのミュージカルでした。
私はストプレは結構暗かったり、ドロドロだったりも好きなんですが、ミュージカルはわかりやすいのが好きなので、物語的にはちょっと苦手でした。
でも、生演奏は素敵だったし、出ている役者さんたちが皆さん美声で、大型ミュージカルにありがちな大人の事情的なキャストがいないので、作品としてのクォリティーは高いと思いました。
自分の残り少ない命をジョルジオへの愛に全て使ったシルビアさんが、素晴らしかったです。でも、正直、ちょっと怖くもあり、ラストのジョルジオの気持を理解するのは、私にはちょっと難しい・・・・・。
でも、不倫にあそこまで純粋な愛を求めたジョルジオだから・・・とも思うのですが。