舞台「クジラの子らは砂上に歌う」
エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ / オフィスエンドレス / サンライズプロモーション東京
【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)
2016/04/14 (木) ~ 2016/04/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
原作の世界が3次元に!
AiiAシアターで上演されたこと、原作がコミックであることから、「2.5次元舞台」として扱われることが多いですが、原作という”物語”を忠実に舞台上に起こした”3次元”のリアルな舞台でした。一言でいうなら”原作モノ”。
繊細でファンタジックで柔らかい雰囲気を、丁寧にお芝居にしていて、美しかったです。大きなセットもなく、舞台面には傾斜のかかった(いわゆる八百屋舞台)砂の海が広がっているだけ。だからこそ、登場人物の感情が映える環境でした。戦いの場面も多く、武器を使ったアクションもありましたが、何よりも「サイミア」という感情念力攻撃が役者とムービング照明で表現されていたことが素晴らしかったです。
開始当初は空席も目立った公演でしたが、内容が評価されて口コミで広がり動員が増え、アンケートやSNSの効果で予定になかったDVD化が決定したことが、評価が高かった何よりの証拠です。
女王の戦略
ピウス
テアトルBONBON(東京都)
2016/06/22 (水) ~ 2016/06/26 (日)公演終了
満足度★★★★
ヒリヒリする駆け引き
2つの戦いが同時に進行して、そのどちらも緊迫した空気が伝わる。細かな駆け引きの裏に隠された心理や、本当の狙いがだんだんと明らかになるのが面白い。
中でも、いしだ壱成さんの細やかな演技と、松崎史也さんの緻密な演技が目を引く。
作品、役者、脚本演出はとてもいいのに、制作運営面が残念すぎる。
チケット関連のトラブルへの対応が遅かったり、物販が明らかに儲けばかり考えたシステム(チェキやブロマイドくじ)に走っている。
この主宰団体は、こういった面さえなければ気持ち良く見られるのに、毎回残念。
ルドベルの両翼
おぼんろ
BASEMENT MONSTAR王子(東京都)
2016/06/28 (火) ~ 2016/07/06 (水)公演終了
満足度★★★★
共にイマジネーションの世界へ
縦横無尽に駆け回り、物語に誘う語り部(キャスト)たちのパワーに、いつもながら圧倒される。たった5人しかいないのに、しっかりと世界が確立して広がる。
舞台美術、照明、音楽。どれを取っても丁寧で熱意がある。
たくさんの想いがぎゅっとつまった空間が好きだ。
秋と冬の本公演も楽しみ!
The Fiend with Twenty Faces 幻燈の獏
ACRAFT
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/06/08 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鳴り止まぬ笑い声
まずは追加公演で、アフターイベント付というマチネを堪能。
正面のセンター、しっかり演出が見える席。目の前で映画が展開しているような、しかし、本を読んで自分の脳内で展開しているような、不思議な気分。一体誰に化かされているのか?
続いてソワレ観劇。
二度目はサイド前列。物語への没入感は最高な位置。ただ死角が発生する(直線上で役者が役者に被る)ので初回にはオススメしないかな。
こんな表情していたのか!、少年達はここでオフ芝居してるのね~、という発見多数。作り込みの細かさに感心するばかり。
幻燈の獏は、万人に受ける作品ではないと思う。それは江戸川乱歩作品の持つ不気味に濁った色がそうさせているのだろう。でも、それを表現できているレベルの高さは体感して欲しいと願う。
主演の那奈ちゃんは中性的な少年を好演していて、聡明さと強かさがすごい。
他にも女優が少年を演じている、というか、少年役に男性がいないのだけど、それが倒錯的でより少年らしくなるのかな。乱歩の世界の成せる技。
真っ白な服装と撫で付けた髪の高田さんの甘粕。佇まいだけで、潔癖で律されたイメージを植え付ける。それは甘粕自身の理想や夢だったのかも知れない。
ある程度の地位を築いた人間の風格と、処世術の巧みさがじわじわと染み出ているのがすごい。目線だけで人を黙らせる力があるように思う
甘粕/高田さんは、ズルいシーンが3つある。
イベントでも再現した“流行りの動作”は、やられたい!けど、やられたら恥ずか死する。
優しさ発揮の場面の人間味が、それまでとのギャップが大きくてズルい。
回想の場面での年齢の表現に息を飲む。技術のある役者には感服するばかりだ。
コメディを封印していないけどシリアスな図師さん。図シリアス。私の大好物。演出の細川さんが最終調整した(笑)バランスがいい。
あと、今回のキーポイントでもある、笑い声が良い。パンチ力があるから、グッと場面に引き込んでくれたように思う。
Wコールで図師さんが仰った『役者は観客に見てもらってやっと仕事になる。だから、今作も今後も多くの人にその目で見て欲しい。』という話が、演劇愛に満ちててよかったなぁ。彼の真面目さが見えてくる。
実は色男な神田/土田さん。緊迫するシーンもあるけれど柔らかいシーンも多くて、緩急を感じさせてくれる。終盤で種明かしされて腑に落ちるうちの一人なのだけれど、それまでの間はずっと人間臭さがある。だけど、判明すると人間臭さが吹き飛ぶ(私的感覚)。
ベスト姿がツボすぎる篠山/大悟さん。所作が男らしくて好き。何故そっち側に立ったのか、それまでの経緯も気になる役。後半で出てくると最初は!?!?ってなる。今作は殺陣付けも。
星璃くんの栗田は先月のセカスリと180度違う。ありとあらゆるものを消した上での表現って大変そう。
影の主役なんじゃないの?と思う八ツ目/津和野さん。いい意味で変態で、狂人で、キモい。これを会得するのは大変だったと思う。
終演後に客席に出てきた時、普通の青年で気づかなかった(笑)。
毎度不憫な役回り(本人談)の結束さんは、撮影所側を纏めるいい兄貴。酒瓶が似合いすぎw
宗さんの変幻自在っぷりは毎度目を瞠るものがある。狂気に満ちた感じで、変態で、人間だけど人間じゃない感じ(褒めてます)。それは所作や表情や語り口が、繊細で作り込まれたものだから伝わって来るもの。徹底しているところが好き。だけどイベントで宗子になってるのも、結構好き(笑)
幻燈の獏の照明は大道具でもあるので、そういう観点でも面白い作品だと思う。バンタムをカッサイで2度見てるけど、あの時は舞台美術あったからね。
音響(音効)のセレクトも良くて、違和感なさすぎて没入しちゃう。
制作さんも仕事が早くてスムーズ。
素敵なスタッフさんがたくさん!
「マリー・アントワネット」
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2016/05/27 (金) ~ 2016/06/07 (火)公演終了
満足度★★★★
踊りますか?
エビス駅前バーにて「マリー・アントワネット」観劇。社会人としての”あるある”が散りばめられた、”そんなわきゃねーっしょ”な80分。トバリさんに泣くし、イチカワくんに共感するし、ヤマムラ課長の顔芸に笑わされる。開いた口が塞がらないマリーさんの徹底ぶりは、7日まで。
マリー・アントワネットのパブリックイメージを現代に落とし込んでいる榎マリーの悪女っぷりがすごい。最後の最後までマリーだ。
押しに弱い大沼ヤマムラ課長は、困ってる表情が多いけれど、”こういう人居るよね””こういう事あるよね”ってなる。あっ、でも最後は困りすぎで笑える。
個人的には、トバリさんとルイさんの会話がざっくざく刺さる。そこに言及すると自分が辛くなる(苦笑)。
衣装もちゃんと考えられてて、目につきやすい女性陣だけでなく男性陣もちゃんと変わってるのがいいね。
もっとコメディ色強いのかな?と思っていたけれど、会社員の悲喜交々な話ですね。
何度もすみません
MacGuffins
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/05/19 (木) ~ 2016/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
天の声がいい声。
カッサイ女優( @417anon3 )の乙女っぷりを観に #マクガフィンズ の #何度もすみません を当券にて。コメディだけどハンカチ必携(涙腺弱いから大野の場面で毎度涙)。90分の中に物語の転が散りばめられてる。このテイストで次回公演が夢麻呂さん主演って面白いに決まってるわ~
大野亜音は、とーーーーーーーーーーーっても可愛かったです!!!冒頭でパタパタ走り回ってるのもキュート。この後どうするか聞いてるモジモジ感もいじらしい。純真で真っ直ぐで健気。こんな子にアタックされたら、即刻okだすに決まってるじゃんよーーー!(ヲイ)
はぁー、亜音さんかわいい…。
アンケートに書きそびれたけど、平日19時30分開演はとてもありがたいです。ぎりっぎりだけど間に合う。見たいものが見れる幸せをありがとう。
本編120分超えると、そうはいかないのは分かってるけど、どれだけの数を諦めたことか…。
ところで、マクガフィンズさんは収支どうなってるんです???前売当日2500、リピート1000って大丈夫…?演劇は慈善事業じゃない…よ?
Second You Sleep ~セカンドユースリープ~
ENG
上野ストアハウス(東京都)
2016/05/18 (水) ~ 2016/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
えらめらどの深い色
ENGの「Second you sleep」初日観劇。熱量に当てられた感じ。最初少し世界に入り込めなかったのだけど、中盤のクイナで"スコンッ"って世界に落とされて、そこからは怒涛の熱だった。複数いるキーパーソンの、熱が繋がるのを是非見てほしい。
大友歩ちゃんが一瞬で空気を変えるのがいい。そこまでは焦れるくらいに抑えられてるのに。PRISMのメイに近い所もあって、だけどそれよりもっと背負ってるモノが大きくてエネルギーも大きい。カテコで去る時にキャッキャして駆けてく姿で「クイナって実はまだ子供だったな」って気付く
星璃くんの真っ直ぐさが、痛いくらいに主人公だった。”主人公力”が高い。日本語としておかしいのだけど、シーンによって”目の色が変わる”というか、魂の入り具合みたいなものが目で伝わってくる気がした。
門野翔くん&大音さん。この二人の間柄がすごくいい。ツーカーの仲、だけど、同じことを思ってるわけでもなくて…。大音さんのセリフが大きな力をもって登場人物の誰かに響くことに、演技の説得力をひしひしと。門野くんは、今回渋いっ!若さじゃないとこで勝負できる強さが備わってる。
竹内尚文さんの殺陣無双がやはりすごい。ジュウゾウとはまた違うんだろうけど、日本刀の動きだった。でもそれは斎藤一という役がしっかりした上だから意味がある。素直じゃない性格が、とても人間らしかった。
夢麻呂さん。文字通り楽しくしてくれる点もありがたいのだけれど、おふざけの一切無いシーンが畳み掛けられていくと、じわじわとボディーブローで感情を攻撃してくる。ずるい。そこに真っ向から向き合う石部さんもずるい。ラスマ同様、迷いのある役の心の機微が伝わってくるのが好き。
アクション部3人+本役じゃなく出てくる裏キャスト。
縁の下の力持ち。この人たちが居ないと話に厚みが出ない。ハッシーさんは担いでたし、そもそもストアハウスの広さで見せる殺陣の運動量じゃないのに、それが成立できてるのが職人技。
今回の役を見れてよかったな、と感じてるのが、アトエモの周くんとゆきちちゃん。ジャスフォーも素敵だったけど、今回の方が人間的な深みみたいなのが多く出ていたから。
「3番目の恋人」(当日券あります!)
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2016/05/02 (月) ~ 2016/05/13 (金)公演終了
満足度★★★★★
鳴り続けるメロディ
エビス駅前バーにて「3番目の恋人」観劇。いつもはないモノがbarに!それも含めたキャストってのが攻めてる。
私がエビスで見てきた中では一番コメディ寄り。でも勿論泣ける。応援したくなる。恋愛したくなる。75分と短く気軽に見れるので時間のある方は13日までなので是非!
大沼さんが怪演してます。雷に打たれるような怪演。捕って喰われるんじゃないかってくらいの。しゅごい…。
主演の松本さんが振り回されたり揺れ動いたりするのがとても響いてくる。あづささんは、安定のあづささんなのがすごい。Wキャストの別班も見たかったな!
神芝居
X-QUEST
王子小劇場(東京都)
2016/04/20 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
モフモフに神は宿る
ようやくの観劇!
トクさんの言葉遊びが巧み!楽しい!刺さる!
キャストの動きっぷりが流石。殺陣もダンスもキレイ!
衣装も音響も照明も制作も、プロの仕事でした。
失神タイムスリドル
ホットポットクッキング
新宿村LIVE(東京都)
2016/04/29 (金) ~ 2016/05/02 (月)公演終了
満足度★★★★
衝撃の”だーっ”(擬音)
タイムスリップネタで、アイドルの成長話。
アイドルはダンス頑張ってたし、大人組は全力でポップンのコメディ。笑ったー!教光さんが客席と舞台上両方笑わせにかかるし、沖野さんは美声だし、宗さんはいい体だし、宇田川さんは乙女だし!とても絶妙な笑いのバランス!
ダンスの振付はエリザベスマリーちゃんがやってるんだけど、ほんと動きがキレキレで美しい!芝居面でもおいしいとこ持ってくからさすがよね。
改めて相関図見ると、おもしろい組合せにしてあるな。吹原さんの手腕すごい。
Justice for
@emotion
d-倉庫(東京都)
2016/04/07 (木) ~ 2016/04/13 (水)公演終了
満足度★★★★
信じてまっすぐに。
荒削りだったり、もっと深められる余白があったりしたけれど、言いたかったことは凄く伝わってきた。つまり、演劇は正義だと思う。
主催アトエモ の皆の熱意が素敵だったな。
翔くんは、やっぱスゲェ、この子 ってなったし、
周くんは、この演技好きだ…ってなったし、
平野くんは、かおっこいぃ…(かっこいい/顔濃い)ってなったし、
相澤くんは、切なくてキュンってなったし、
有希ちゃんは、ゆきちかわいいよ、ゆきち。ってなった。
ゲストも知っているキャストが多数。
二平くん、いつの間にか主役張るようになっててびっくり。
小栗の諒くん、見た目も動きも美しくて素敵。
風喜くん、見るたびに見せてくれる色が違う。
鷲尾さん、キャラが完璧すぎて見た目も最高で、操られたい。
結束さん、まさかのタイツスーツ。ボディライン丸わかり。漢らしい。
チャボさん、笑えるのにかっこよすぎでしょ…
亜音さん、いつも見られない姿堪能。
個人的には、メンヘラvsパンツと、兄vs妹のやり取りが好き。
スタッフ陣が優秀で、表に見えるスタッフも裏方もいい仕事してます。客入れ始まった時に、舞台監督吉田さんが入り口に来て声かけててビックリ。でもそういうの嬉しい。
というか、この面子にお願い出来て、引き受けてもらえるアトエモが凄いんだよね。
これからも、信じてまっすぐに。
誤人(ごにん)
企画演劇集団ボクラ団義
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/03/23 (水) ~ 2016/04/03 (日)公演終了
満足度★★★★
映画っぽさもありつつ。
ダンスも殺陣もなしですが、しっかりと魅せてくれる会話劇でした。
会話しかないから、人間の心の強さと弱さが浮き彫りになって、見ている側なのに何度も心が折れそうな気分になりました。でも、暗いだけでもなくて、ちょっとだけ笑えたり、隠された優しさに触れたりできます。
役者の小さな動きが大きな意味を持つ気がします。KASSAIの規模感だから伝えられる演目です。
パラノイア★サーカス
少年社中、東映、テレビ朝日、BS朝日
サンシャイン劇場(東京都)
2016/02/26 (金) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
起きながら見る夢
2日、5日と2回の観劇。
頭の中で、アコーディオンが鳴り続けてます。パラノイアサーカスのテーマ。
すっぺしゃるかぁーてんこーーる♪すっぺしゃる、フフッ♪
ずるいよ、ありそさん。
とてもエンタメ。だけど人情芝居。
東映と少年社中のコラボ第一段として、期待値通りのステージでした!
みんなかっこいいよぉぉぉぉぉう!ニチアサのヒーローたちのことはよく知らない私だけど、とても素敵な演者さんでした。
社中の皆さんも凄く素敵で心の中でゴロンゴロンしっぱなしですよ!!!
尚文さんの右腕、めっちゃ疲れそう!智絵さん、二人分踊ってる!openingから太郎さん無双!ありそさんも、廿浦さんも、堀池さんも、井俣さんも、みんなみんな魅力的。
○○なイッス!ってこじつけて、ただでさえ椅子にこだわった言葉遣いが面白かった太郎さん。
Ouch!がカウチ!だったのがツボ。太郎さんの小噺が日替わり。全部聴きたかったな。
尚文くんが、ほぼほぼ舞台に出ずっぱり。時間の経過を見守る役だから当然なんだけど。セリフはないのにずーーーーーーーーっと居なくちゃいけなくて、邪魔にならない程度に動かなきゃいけなくて、難しかっただろうな。そして、小道具の時計を持って、秒針の動きのように腕を揺り動かしていたのがとても滑らかで美しくて、同時にものすごく大変な労力なのを察して、感心するばかり。
芋虫夫人=智絵さんが、芋虫大尉=岩田さんの腕に指で文字を書いて教えてて、細かいことだけど、すごく良くて。智絵さんは衣装もキュート。明治大正のカフェーの女中さんみたいな矢絣模様の着物&エプロン!キュンキュンするわー。
少年社中は、夏夜さんの衣装は、毎回なんだけども、どの役の衣装も凝っていて大好き。
ヴィジュアル撮影の時の衣装だけじゃなくて、本番衣装ももっともっと手元に残しておきたい。この差分を埋めることって、小さい団体では難しいことだったりもするんだけど。
一番欲しかった日替り缶バッチが、5日だったってのが幸せ。
智絵さん尚文くんの同期組大好き~!
最後の二十面相のマントを右肩に喰らったり、他の演者も移動の風圧感じたので幸せ!
パラノイアサーカス、素敵だったこと覚書。
物販整列案内の女性スタッフの声がいいアルト。
みつめあうシーンで僅かに流れる秒針の音。
ボーンがしっかりしたスカート。むしろ、ボーン。
ひゃくはち問答
蜂寅企画
テアトルBONBON(東京都)
2016/03/03 (木) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
自分への問。
#蜂寅企画 ひゃくはち問答 観劇。仏教浪漫活劇というフレーズは流石。日本だからエンタメにし得た題材かな。仏像擬人化だし。決して古く無くて、普遍的なことを提示してる話。
アクションもカッコよくて、恋愛もあって、とても蜂寅だなぁって思いながらの2時間。
当パンで、阿瀬川くんの名前が上の方にあって驚き、実際観て納得。
とてもチートだと聞いていたので、それが楽しみでした(笑)。
うん、ズルい(笑)。中性感も醸し出す中での、あの腕のライン。
ミロク、ヤバイ。神波の時は、ほんと良い子なのに。
苦労しただろうなぁ。と思うけど、吸収して蓄積して、いい役者になっていくのが、頼もしい。
しんばるちゃんは、その場がパァー!っと明るくなる本役でね。迷いもあるけど前向きに迷う、みたいなのが好感持てた。ナカツカくんとのコンビも良かったなー。
ルルドの森(平成28年版)
バンタムクラスステージ
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2016/02/19 (金) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
迷宮のその先に。
人間の冷ややかさと温かさをヒリヒリと感じる舞台でした。賞賛と共にアリかナシかの物議を醸すというのも納得の、戦慄さが流石。
宣伝コピーの
『あなたの目の前で、予測不能の恐怖がはじまる。』
というのが、ズバリその通りでした。
真相へ向けて、ゆっくりと、時に急激に、事態が展開していくので目が離せない。
良い意味で演劇的怪物しかいない作品。
バンタムの劇団員4人は勿論好きですが、客演で田中良子さんが出るというのが今回のとても大きい動機。シリアスなシーンで捲し立てたり、じんわり話したり、纏う空気を一瞬で切り替えるのが大好き。お姿も美しい。絡みの多い早田さんが羨ましい。
6C藤堂さんとさゆりんの組合せが絶妙。とある演出ギミックの所で、うひょー!となる。相当苦労したのではなかろうか…。昼公演はこの2人が前説登場でラッキー!
緒方さんのイライラ感の表現とか良かったなぁ。心の底からイライラしているとこと、ちょっと心配が根底にあるとこと。
ガラさんと上杉さん。お二人の滲み出る存在感が上質。ガラさんの、冷静に居ようとするのに隠せない熱さというか人情。上杉さんの、職業が染み付いた感。
奥田さん・清水さんの熱のない熱演(見た人には伝わると思うのだけど…)。若いのに良くできるなぁ、と感心するばかり。
教光さんは陰を持つ役だと本当にゾッとしてハッとする。人間らしい場面との温度差よ。シーツの場面の声、役者として幅の広さを感じます。
対を成す役だった西川さん。ゲキバカの方なのね。真実に一番近い存在となっていくのに、どこか飄々としている役が素敵。本について語る辺りも良かったな。
どうしてそんな役で早田さんが出てくるの!?と最初にシーンでは思ったけれど、話が展開すると、これは早田さんだわ。って納得。深い。背負ってるものがいろいろありすぎる。
同様に沖田さんもどうしてその役!?って思ったけど、一周回ってハマってた。出てきて一言二言でキャラが伝わるしね。
結束さんが、あまり見ないポジションだったので新鮮。バンタムの新入り、大変ですね。でも、愛されてますね。Tシャツのデザインも手がけたそうなので、ぜひ物販を見てくださいな。
バンタムさんは、舞台セットと照明と音響が素敵。透けて見える感じとか、無駄に凝ってる格子とか、好き。時制と場所が分かる明かり、世界に引き込む音楽。計算高い。
そして、制作さんがスマートにスムーズに仕事をしているのが良いです。その時に客が知りたいことを的確に発信してくれてる。
ネタバレ回避しながらだと書けることが限られるけれど #ルルドの森 はネタバレ無しで見て欲しい。そして2度見たくなればいい。そうやって伝染していけばいい。
終わった後に検討会をしたくなる感が、映画「ストロボライト」に近しいので、ストロボライターは来ないと損ですよ(笑)。
メイツ!ーブラウン管の向こうへー(再演)
劇団6番シード
六行会ホール(東京都)
2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
一年越し、念願のメイツ!
歌番組にバックダンサーがいた時代をフィーチャーした、楽しい昭和ミュージカル!しごかれたり、トラブったり、ぶつかったりしながらも、前を向いて全力で踊るメイツガールズのキラキラ感、最高!
やっと!やっと!亜音チャコちゃんに会えました。いい意味で”にへらっ”と笑うのが似合う。泣き虫で、どこか抜けてるのに、本質に辿り着いてる。そして、歌がとても安定している!才能だけじゃなくて努力もしてらっしゃるんだろうな。
メイ栗生ちゃんの美声は聞かないと損である。安定してるし、ソプラノが伸びる伸びる。マイクなくても相当届くはず。
REDチームでフィーチャーされる、超人気アイドル役のあすぴー、裏表の表現最高!腹筋を攻撃するっ!
水落先生の美樹さんが想像以上に美声で最高だし、MNG役の図師さんも歌い始めちゃう!二人とも演技のクオリティ高くて好きなんだけど、ますます目を離せなくなるヤツですね!
よもぎだ瞬さんの名演というか迷演というか、下手に歌うっって面倒な技術に感服。
土屋とーるさんの色男っぷり、結構好き。ヘタレなとこも好き。
ライト夢麻呂の名司会たるや…!どこまでセリフでどこから遊びの部分だったのかは不明だけど、盛り上げるの上手いなぁ。
究極町内会
爬虫類企画
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/12/25 (金) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★
ヒトの収縮と拡張
まずもって、若いなー!
カンパニー全体の年齢だけでなく、発想や見せ方も含めて、良くも悪くも若い。
30人くらいいるキャストをどう料理するのかも見ものだった。まとめることによる収縮、それをピックアップすることによる拡張。それがうまくいっていたので、名前は覚えられなくても個性を覚えられるので見ながら混乱することはなかった。
舞台上の物語だけでなく観客をも、ブンブンと振り回して展開していくのも、エネルギーがあるからかな。想定内ではあったものの、きちんとオチ回収もできている。
テノヒラサイズの人生大車輪'15
テノヒラサイズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2015/12/22 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★
モノの拡張。
新喜劇みたいに笑いでもっていくのかな?と思っていた面もあったので、ぎっしりと演劇メソッドが詰まっていて、意表を突かれました。
シンプルな中で、想像力に委ねつつもグイグイと引っ張る展開が楽しい。
「夜明けの街に清き一票」
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
barであることの本質
毎度、エビスの演目はハンカチ必須です。75分とコンパクトなのに、ストーリーの組合わさり方と帰結が美しい。バー公演だからできる、お酒を飲みながら、人間の深い部分を覗き込む感じが好き。
主演の大沼優記さんの役が、穏やかで優しくて、だからこそ寂しさがベースにある感じがしてて、語り始めた時にその片鱗を知れたし、解決?できたラストは込み上げるものが大きかった。実年齢より10歳上の設定なんだけど違和感無いんだよな。元々年齢不詳オーラあるし(笑)。
別軸で、長谷川太郎さんがリアルで痺れた。こういうタイプの人居るよな、って思う。恋人役の青木さんの演技も良かったから、最後に心が変わっていく時に累積したものがどっとくる。
至近距離で演じるからこそ技量が求められるわけで、それに応えられるキャストたちがすごい。
『0<ゼロ>地点「つぎはぎだらけのヒーローズ」』
演劇企画ユニット劇団山本屋
笹塚ファクトリー(東京都)
2015/12/16 (水) ~ 2015/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
両チーム観劇
両チーム観劇。同じ作品だけど表現が違って、どちらも良いところがある。二度見たことで物語をようやく理解できた点もあるし余計分からなくなった点もある。フィクションなんてそんなもんだけど。カテコで抜け殻みたいになってる皆が好きだ
ヒーローチームの神山・冴木・菊池のバランスが良い。この3人中2人が絡んでるシーンがちょいちょいあるんだけど、ものすごく物語が締まるし加速する。
つぎはぎチームは、澤井さんの神山を見れなかったのが残念。だけど、塩崎さんの神山に阿瀬川くんの冴木が喰らい付いてく感がいい。
イカロスの笹岡さん。smcの作品(Lullaby,Requiem)で見ていた方。そして、山本屋のあまもりに出演するって聞いた時びっくりした。体張っててびっくりした。今回もだった!
演技が細かいからとてもリアルに感じる。志乃とのやりとり、胸に刺さる。
天昇ズの見せ場でもあるイカロスのシーン。もっともっとブラッシュアップして欲しい。お互いにとって、得になるように。せっかく3人はシングルキャストなんだし?イカロスがタブルなのも活かせないかな?笑いを取ればいいだけ、ではないので難しいね。
キャストの熱演も、シナリオも、山本先輩のはっちゃけぶりも素敵だった。 映像も”神林節”を感じる。 そして、河内結衣/hanawayaのコンビが生み出す劇伴音楽がかっこいいんですよ。