俺の屍を越えていけ
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/05/12 (土) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
作品を通して観た感想としては凄い面白かった
ただし難しいのが2018年という現在の社会通念だったりコンプライアンスだったりを考えて物語を見ると全てが破綻してしまいかねない物語
昔の物語なら昔の設定にしておくべきだし、現在であればそこに帳尻を合わせていかなければいけないと思う
高木健さんの奮闘が有ってこの人を観るだけでも面白い舞台なのは間違いない
5/16追記
休演日明けの三日目から演出がだいぶ変更され(主に時代設定部分)、上記やネタバレで書いた問題点が解消されていた。それによりしっかりと物語の意図やキャラクターそれぞれの立場が伝わってくるようになってました
→この物語は時代というものに取り残された人やこれから背負っていく人、流されていく人抗う人などを映しそして流していく物語
どの立場にもなれるし、どの立場も時代遅れと嘲笑っても良い。そしてそんな中強烈なキャラクターの激しくも可笑しいやりとりを嘲笑って過ごせる良作
夢で逢いま笑
劇団ズッキュン娘
吉祥寺シアター(東京都)
2018/05/10 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
思ったよりも歌や踊り部分は少なめ
物語の概要や展開はど真ん中ストレートの王道
でもだからこそ歌も踊りも内容もズッキュンと心に撃ち込まれてきて
笑わせることもしっかり忘れずそれでいて熱くて楽しかった
漫才・お笑いのM-1以降に構築された格好良さが上手く物語にハマっていて、胸のジーンが止まらない
それぞれのコンビのディテールもあるある過ぎて最高だった
「篝火」
劇団 背傳館
王子小劇場(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★
制作側が難しくて解りづらいことを承知で表現しているので、そういうのが好きで作者とのシンクロ率が高い人は何かを得られるとは思う作品
時系列とか場所とか同時発話だったりアート的な表現とか、とにかく様々な演出を重ねて重ねてゲイジュツっぽい感じになっているので
ここまでやるか!って感じで逆に笑えてしまった
なんだろう、どういった観客を想定して作っているんだろうか、、、同じ界隈の仲間内だけを見ているのかな、、、まあ小劇場の劇団の多くはそういう感じなんでそれもまた少しは需要があるのだろうな、、、
共感
劇団時間制作
劇場MOMO(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
いつもみぞおちあたりをえぐってくる時間制作
なりたいのになれない、したいのにできない みんなそうして生きている
でも望むことすら許されないならば 幸せを許されないのなら それは生きている人生なのだろうかと
そう問いかけてくる作品
おひなさま、下から見るか横から見るかYouTubeで見るか
愛伝一家
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
漫才のようなワードとテンポ、フリースタイルのようなリズムと掛け合いでみせる物語のストリーム
ネットジャンキー御用達の知識とネタが散りばめられ、鮮度は無いけど役者のキャラで面白く見せるエクストリームコメディ
構成もよく練られていて、役者のキャラ芝居に落ち込まないバランスが良かった
手法に好き嫌いはあるかもしれないけど、思考を麻痺させるパワーとスピードを持った作品
とにかく藤代さんの挙動と言い回しが全部面白くて好きだったし
登場人物同士の掛け合い台詞のフローが心地よく言葉が頭を埋め尽くしていく快感
最後の心情スポットライトの時間も待機中の動きまで面白かった
御釜怪奇譚
レティクル座
サンモールスタジオ(東京都)
2018/05/02 (水) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ゾンビものではあるんだけど、それに頼りきりじゃなく
演劇的表現や手法などを駆使した非常に丁寧な作り
そこにボスを始めとした個性的な役者が空気を作り出していく
特に杉山愛実さんはストーリーを動かす力を持った熱演。今さらロミジュリ台詞で感動させられるとは思わなんだ
諦めの町に住む人々の物語ってのが自分はツボなんだなと確認
どうとでも解釈できる社会問題を散りばめつつも結局は人と人の物語
今、僕たちに出来る事。あと、出来ない事。from 2001 to 2018。
シベリア少女鉄道
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/05/03 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★★
2001年の作品の再演だから当たり前だが昔のシベ少的な作品
縦軸の物語や役者の演技も凄いしっかりしていて感動を覚えかねないストーリーなんだけど
前半部の冗長さというかつまらなさが結局昔の様な感じに戻ってしまっていた
ここ数作はそこが改善されていて新たなシベ少というものを見せてくれていただけに残念だった
それでも後半の伏線ネタが爆発力があればそういった問題点も吹き飛ぶのがシベ少の魅力なんだけど
今回の仕込みも面白くは有ったが期待していたハードルを越えてきてはくれなかった
全てはこちらがシベリア少女鉄道という劇団に対する期待というものが大きすぎることが原因なんで普通に楽しめる人が多数だとは思います
サイキックバレンタイン
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/29 (日) ~ 2018/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
たすいちの面白さの一つに表現手法の多様さとそれを場面にマッチさせる上手さがあって
会話の掛け合いや役者のキャラ芝居、ハイライト表現や抽象的な心象表現など
この作品も上手い組み合わせ方と速いテンポで心地よく引き込まれた
能力者たちの話なのでそれだけでキャラが立ってるのに、役者さん自身の個性も上手く反映されていて2バージョン公演というのに凄い適している作品
君のナニは。
Peachboys
シアター711(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
メチャメチャ面白かった。単純なバカ笑いの数は今年一番
毎回同じキャラと流れというフォーマットの上に、アニメ漫画ドラマワイドショーネタ下ネタをこれでもかと詰め込み小ボケ先生的な畳み掛けと伏線回収
くだらなさ馬鹿馬鹿しさで思考停止させられる面白さだった
パロディや細かいネタ系の演劇作品では間違いなく小劇場界で最高峰
ギミックや細かいシーンとネタの積み重ねという構造的には地蔵中毒と同じタイプなんだけど
ガロやムーを読んで育ったのが地蔵中毒、ジャンプやマガジンを読んで育ったのがPeachboysって感じ
渦中の花
room42
王子小劇場(東京都)
2018/04/24 (火) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★
烏丸さんらしい狂気を描いた作品
狂気を過剰に見せていくのがこの団体としての方向性なのか
非理性的で賢くない人たちがどんどん壊れておかしくなっていく様を見ててなんか笑ってしまった
作中の登場人物が賢くない行動をして、わざわざ破滅する方向に身を投げていくさまをみるというのはなんかストレスが溜まるなと感じた
人の狂気ってそんなわかりやすくおどろおどろしいところにだけ有るものでもない気がする
オカルト・ミステリー・アワー
サムゴーギャットモンテイプ
ギャラリーしあん(東京都)
2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
恐怖を生み出すのは自分の心、黒く周りを塗りつぶせば浮かぶ輪郭に意味を見出す
木々のそよぎ、窓に反射する光、靴袋がこすれる音にさえ何かを想像してしまう空間
サムゴーらしい楽しさもある中、観客皆で生み出した恐怖を確かに見た
本筋ではないんだけど、高橋さんがUFOを見たという場面で涙腺崩壊してしまった
そう、人はどうしようもなくなった時にUFOを見るんだよ
追い詰められて何もなくなった時にそこにはUFOがいるんだよ
ラーメン
宇宙論☆講座
スタジオ空洞(東京都)
2018/04/27 (金) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
ギジレン歌劇団と地蔵中毒とカップヌードルを足してお湯で割ったようなカオス
ネタもメタも全ての細かいことはどうでも良くて、ただそこにあるものをあるがままに受け入れればいい、それが音楽、それが演劇、それがラーメン
何もかもが力を抜ききった力技。真面目に生きたい人は観ないほうが良い作品
~飲酒回~
開演前から出演者が飲酒し、上演中も飲酒してる回
飲酒が作品に及ぼす影響を色々確認
・音響照明効果も飲酒しているのでとにかくタイミングがずれてテンポと見栄えが悪くなる
・役者さんは台詞を飛ばすことはほとんど無かったけどきっかけ間違え多数
・一番の影響は発声。とにかく聞こえづらくなってた
・飲酒回だからと狙って過剰にしてるのはウケず、ハプニングの方がウケてた
・ハプニングでの笑いとハプニングぽくしている笑いってやっぱり全然色が違う
・普通回でも飲酒回でも確実に受けてたネタは本当に強いネタ
演劇は万全の体調で行うものだなと、でも色々実験みたいな感じで面白かった
R老人の終末の御予定
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
PMCお得意の擬人化キャラが活躍する舞台
愛する人への愛が詰まった容れ物が2つ置いてある空間って
それだけでそれ以上無い完璧な形而下された愛で生身の人間では太刀打ちできない形作れないものと思うと凄い光景を見せてくれたなと思う
そしてそれで終わらずにSFとしての楽しさ、虚航船団みたいな無茶苦茶感もあって凄い作品だった
レバア
西瓜糖
テアトルBONBON(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了
満足度★★★★
汚れを纏ったり纏わされた人たちの物語
誰の心にも汚れは付く、それを良しとするのか拭き取ってくれる人がいるのか
時代設定もあるけど役者さんたちの言葉と所作が美しい
場面ごとの立ち位置とか静止画でのハイライトもこれまた美しい
浪漫に偏りすぎないバランス良く楽しい舞台
桎梏ブランコ
露と枕
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)
2018/04/19 (木) ~ 2018/04/23 (月)公演終了
満足度★
凝った展開と幾重にも重なる人間関係の物語なんだけど、上手く整理されて伝わってこなかった
会話の掛け合いに遊びが無く、ただ目的に向かって進んでいるだけの一本調子のストーリーを観せられている気がした
登場人物たちの行動の動機に整合性が無いようにみられる
心情などをBGMで表してしまうと安っぽくみえてしまうのでやめたほうがよい
新宿コントレックスVol.19
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/20 (金) ~ 2018/04/21 (土)公演終了
満足度★★★★
エンニュイはモヤモヤする会話の方向性や被せ方を高木さんががなり散らして力技で押さえ込む楽しさ
最後はただただ怖いという笑
くによし組はもうどうやったらあんな話考えつくんだろう、、、
永井さんの使い方とか壁とかもう天才の発想にただただ笑わされるばかりだった
なかないで、毒きのこちゃん
いやぁらしい作品
てか猪股さんほとんど舞台にいなかったし笑
照明と音響ってほんと大事
劇想からまわりえっちゃん
ギャグを重ねて、つまらないからおもろいを創り出す物語
それにしてもギトギトの濃さが溢れ出てて無理やり笑わされるパワー
アガリスク
エイジってそれかい!
全員悪人な中で津和野さんのドタバタ感は王道のコメディでもう無茶苦茶やるなぁって
てかエイジは鹿島さんに何をやらかしたんだ・・・
アガリスクのコントレックスでのストレートなコントってかなり好き
Shuttered Guy
梅棒
世田谷パブリックシアター(東京都)
2018/04/18 (水) ~ 2018/04/26 (木)公演終了
満足度★★★★★
前々から一度観たかった梅棒!
踊りと歌と演劇とバレエやミュージカルや空耳アワー的要素まで
面白いもん全部詰め込んだ凄まじいまでのエンタ
手拍子とかも忘れて、やや前のめりになって指咥えて「凄え、、、凄え、、、」って感じで観てた
格好良いし面白いし何だよこれもう
楽しいも悲しいも好きも嫌いも全部歌と踊りで表現される舞台上
凄い気に入ったゾワゾワ来るような振付やフォーメーションとかあって客席でおもわず身体が動き出す
ピヨレボでも凄かった東理紗さんはエビバディパートで大暴れしてて梅棒でも凄かった
革命日記【青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”】
こまばアゴラ演劇学校“無隣館”
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/04/14 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
純粋に明快に面白いお芝居だった
普段観ている小劇場系の作品よりマクロな視点で人生における感情といった物が軸にある気がした
それにしても組織であることを一般人から隠そうとする所とか、ちょっとひねるとシチュエーションコメディの良いネタになりそうだ
誰も寝てはならぬ
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/04/12 (木) ~ 2018/04/18 (水)公演終了
満足度★★★★★
演劇は漫画やアニメ程まるっきりの虚構ではない
かといって僕と血の繋がる現実でもない
だとしたらあの舞台上にある世界はいったいなんなんだろう
舞台を観ている時だけ僕が「観客」でいられるように
役者と観客がいるときだけ存在する世界
そう思案する僕をぶん殴る作品
観ていて何故だかずっと僕の心が凄い気持ち悪さを感じていて
登場人物の言動にいちいち感情が突っかかって、あまり経験のない不思議な感覚で
でもそれは僕の心が無意識に感じていた違和感がその正体だったとわかって
なんかもう、素直にやられたなって悔しいなって思った
友たる証明
劇団野良犬弾
上野ストアハウス(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/10 (火)公演終了