廃墟のラルモ
ザレ×ゴト
王子小劇場(東京都)
2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
いやこれは良い作品!
台本がじっくりコトコト煮られてる感じで、台詞も構成もよく練られてる
そして役者やキャラの誰かが目立つのではなく、作品の全部必要で重要なパーツになっていた
初ザレ×ゴトだったんだけど好きなタイプの劇団。泣かされたし笑わされて好きってなった
ナイゲン【劇団ミックスドッグス】
劇団ミックスドッグス
ひつじ座(東京都)
2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
これまで様々なところで上演されてきたナイゲン
これを劇団が、エンタメ系のミックスドッグスが上演するということで大注目だった
何度も観ていて台詞や展開も覚えている作品なのにそれでもやっぱり面白く
それは役者のキャラなどがそれぞれの役に反映されて化学反応を起こし新たな作品に仕上げていくからだと思う
また、ミクドクならではの味付けもあり
BGMやちょっとやり過ぎなくらいのキャラ付け、役に関する独特の解釈など
わざわざミクドクが再演している意味がちゃんとある作品になっていた
特に劇団員はそれぞれ持ち味を発揮していて良い味を出していた
なお、他のナイゲンを観ている身からみた違いとしては
非常にテンポを速く台詞の間を詰めているので、序盤のダレ気味な部分を上手く乗り越えることができていた(ただ、笑いどころとか良いシーンもちょっと流れ気味になっていたのがもったいなかった)
どさまわりの解釈がだいぶ違うので他のナイゲンを観ていると違和感を感じるかもしれない
BGMは使い方とか選曲とか入れ方、外し方に議論の余地があるとおもう
遂道
蒸気展望
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2019/03/28 (木) ~ 2019/03/29 (金)公演終了
満足度★★★★
広い舞台上を存分に使った舞台美術と演出
作者の内面を掘り進めて、より客観的に自身を見つめ直した本作
夢の中を思わせるタイプのお芝居で、文学的な言葉と演劇的な演出が
内包されたテーマをより強く意識させる
浦田さんのマンボウが印象的
桜の森の満開のあとで
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
3年前よりさらに面白く感じた
これはきっと自分が議論を経験してきたことや
観劇経験を積んで、当時よりも舞台の見かたが上達した事が要因だと思う
役者や制作側だけじゃなくて、観客も成長することにより作品を面白くできる
この歳になっても成長をしていける、それが嬉しかった
考え方ではなくて立ち位置だと
自分は「門前」の様な形で議論するタイプなので
作品を見ながらずっと、今の重心はどこだろうとか
議論の筋はどうするか、反論はできるかなど
完全に会議に参加しながら考え見てて
それがとても楽しかった
この作品は本質を常に求めさせる踊り場
キャンパーズ シークレット
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2019/03/19 (火) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★
枯れ葉の敷き詰められた開場、そこはまさにキャンプ場で
舞台美術さんと照明さんは凄い良い仕事してた
キャンプが本当にスキなんだろうなとわかるくらい、キャンプのやり取り部分は面白かった
しかし、その後の物語部分になると途端に粗や設定の無理が出てきて
まるで別の作品のような酷さだった
とくに作品で語りたいことを前説と中説で延々と語っており
自覚もしているようだが、作品で語り得ることは作品で語らないと
こっちは説教を聞きに来ているわけじゃない
作品から受け取るメッセージは作品やそこに登場する人物、台詞から観客がちゃんと自分なりに解釈して自分のものとして持って帰る
そもそも石段の先に大霊界があるのが
Rebel Group
シアターブラッツ(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
こういう界隈の作品で失敗しがちな要素を逆手にとって上手くまとめきった秀作
とにかくカッコつけずに変に色気を出さずにベタな笑いで統一しきった作・演の手腕が凄いなと
誰かが目立つんじゃなくてチームとして作り上げてて良かった
降っただけで雨
埋れ木
シアター711(東京都)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
両バージョン観劇
いやこれは面白い。皆にも見てもらいたい好きな作品
論理的でありつつ全てを言い切らない会話や具象物に溢れたセットという
いつもの埋れ木であり、今回はウレロとかフルハウスのようなシットコム的雰囲気を感じた
これは特に高村さんのキャラが大きいのかなと
シットコム的に感じたのは話の中での対立軸がはっきりしている所が大きくて
特に大久保の存在はちょっとテンプレ気味では有るけど
それぞれに何かを考えさせる役割で
理屈や屁理屈を聞いているうちに、じゃあ自分はどうなんだとなる
シリーズ物として見てみたい
宴もたけなわ。【当日券あり〼】
ひとりぼっちのみんな
王子小劇場(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
ちょっとしたワードとか小ネタとかシーンとか全部ツボでずっと笑ってた
そういえば劇中での歌が上手い、音楽が上手ってのが重要で
それら演劇な部分がしっかりとしているから自由さを持った部分が楽しくなる
作・演の伊藤さんが自傷じゃなく他殺を始めた作品
伯爵のおるすばん
Mrs.fictions
吉祥寺シアター(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
とにかく贅沢で良い作品だった
人が人に出会うということを考えさせられた
そして笑った そして泣いた
一人一役という意味が非常に重い
生きているだけで目の前を色々なものが通り過ぎていく
生きれば生きるほど
通り過ぎたら振り返ることしかできない嗚呼
FIRE LIGHT
たすいち
劇場MOMO(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
DVDで初演は見ていたけど大部分忘れていて
舞台上の煙や幻とともに徐々に僕も思い出して頭に現れて
でもその姿は覚えていたものとは違う新しい作品で
過去を見たんじゃなくて 僕が見たいと思う楽しいものが現れて
消失と喪失を受け入れた物語は僕の心に火をつける
山の中、みたらし
おにぎり、ください
RAFT(東京都)
2019/03/16 (土) ~ 2019/03/18 (月)公演終了
満足度★★★★
フジタさんと窪寺さんの共作だけに何が出てくるのかわからない中で
そう来たか!なるほどね!と
伏線もワードも小さな小屋いっぱいに膨らんで満ちて
そんな風船の中で何かが割れるのを待っているような作品だった
ハルサメ
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2019/03/14 (木) ~ 2019/03/18 (月)公演終了
満足度★★★★
頓珍漢や素っ頓狂を優しく醸造したような
いとをかしさがじわじわと続く75分
おかしな言動や行動が散らかされずにきちっと掛け合って収まるからこその面白さ
この面白さが2000円ってコスパ最強なんじゃないかと
仕事疲れの週末にぴったりな作品
その町
コヒツジズ
OFF OFFシアター(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★
立体映画館さんの音楽とか音が今年の最優秀音響効果候補になる出来
作品は笑わせにきてる部分はあまりハマらなかった
90年代のお笑いセンスなのが設定を考えてわざとだったら逆に凄いなと
サトモリさんのお芝居部分はとても良くて、このテイストで75分くらいやってほしかった
「ギラギラBOXと東京」
やまだのむら
イズモギャラリー(東京都)
2019/03/09 (土) ~ 2019/03/11 (月)公演終了
満足度★★★★
可笑しくておかしい短編2本
振り回される野村さん、どこか仮面みを感じる野村さん
肉体性と身体性の演者たる山田さん
それぞれの持ち味が存分に活かされていた
特に「東京」が好みで
引くか押すかで山も谷も切れるかも変わってくる、ノコギリみたいな人との関係
AMERICA
大統領師匠
シアターシャイン(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★
電夏の道井さんの前説がピークになってしまっていたかな、、、
作品はクラシックなテーマとスタイルに後味を足したコメディ集
題材やネタの構成は使い古されたものが多く、それに役者が味付けをする感じで肩肘張らずにニヤニヤくすくす笑えた
終盤に転調するような作品が良い味を出していたのでこのスタイルを中心にしてほしいなと
こうなるんだろうなというのがそのままそうなってしまう感じがちょっとあった
あいちゃんはイデオロギーの戦士
南京豆NAMENAME
王子スタジオ1(東京都)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは良い面白さだった
世代も生き方も心持ちも中途半端な、身近なやるせなさなんだけど、見せ方はちょとぶっ飛ばし気味で
広祐さんと河村さんのテンポの良い掛け合いが心地よく、イミフな場面も笑えた
スタジオじゃなくて劇場で観たいと思った
面白いからこそ観客としては欲張ってしまう
劇中の情報があえて省かれてるので、様々な裏を匂わされつつ観客は想像して飲み込むのだけど、それを舞台上に反映できるだけの劇場の受け口が欲しくなる
マッシュアップしてもっと皆に見てもらいたい作品
『ワンダーランド、跡地』
遠吠え
王子小劇場(東京都)
2019/02/27 (水) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
漫画「ヨコハマ買い出し紀行」のような
かつて栄えていた世界の過ぎ去ったその後みたいな雰囲気が僕は好きで
去っていく人がいて新たに来る人がいて
でもそこにいる人は特別じゃない日常を過ごしていて
この作品を芦奈野ひとし先生に漫画化して欲しいなと思った
里仲さん、函波さん、ゆかりごはんさんの3人が印象的だった
特に里仲さんはああいうありがちなキャラを動きや表情できちっと別のものに仕上げてて良かったし
函波さんは瞑目のパノラマを観てなければ、きっとああいうキャラの人なんだろうなと思ってたかも
毒モ
くによし組
「劇」小劇場(東京都)
2019/02/27 (水) ~ 2019/03/02 (土)公演終了
満足度★★★
二組の親子関係を軸に受容と排除、依存と共生を
わかりやすく役割を持った役者たちによって混ぜっ返す作品
いつものくによし組よりちょっと噛み合ってない感があったかなと
サンカイ
やみ・あがりシアター
サンモールスタジオ(東京都)
2019/02/27 (水) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間関係の別れを軸にその面白みや繋がりを唸るような上手い演出でみせる群像劇
さらに文字通りの縦軸も絡めて空間も関係も飲み込んでいく
出会いに偶然や運命や奇跡があるように別れにも必然なんてものは有って無いようなもの
いやあ本当によく出来ている面白さ
たすいちでも凄かったけど川口知夏さんの飛び道具的キャラを演った時の凄さはなんなのかね
天賦の才能がある
あと妹役の中林さんも良い味だったし、蛇役の川人さんも凄い存在感だった
舞台の作りもそうだし役者さんもそうで、こちらが決して飽きない見せ方をしてた
月に瞳のあこがれて。
perrot
王子小劇場(東京都)
2019/02/20 (水) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
秋本さんやQ本さんの存在感など、役者さんが魅力的な芝居だった
特にカゴメの桑田さんとエカガミの浜田さんが好きだった
勧善懲悪の時代劇と言ってもいい物語
韻を踏む語感の台詞とキャラクターへの導入が良い作品だった
ただ、9割方面白い作品だっただけに勘違いの部分が古典的な手法のままだったのが惜しかった。その後の展開の筋となる部分だけに強引すぎたり、その時だけキャラクターが馬鹿になってしまうのは冷めてしまう
あとエチゴヤの序盤のキャラとのズレが気にもなった