観るお化け屋敷「カーテン」
下北沢企画
ザ・スズナリ(東京都)
2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了
評決 The Verdict
劇団昴
俳優座劇場(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
この作品の映画はポール・ニューマンの見事な演技と監督シドニー・ルメットの構成力で素晴らしい法廷劇かつ人間ドラマに仕上がっていた。事務所の椅子に深く凭れて電話を待つギャルヴィンのラストの姿は今も忘れがたい。それだけに昴がこの作品を上演すると知った春先には狂喜したものだった。2時間40分と長尺だが、昴ならば息詰まる舞台をみせてくれることだろう。
コラソンのかぎしっぽ
コラソンのあんよ企画
APOCシアター(東京都)
2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
かぎしっぽを抱えて今後も生きていくネコたちの様を複雑な家庭環境や生い立ちを持つ人間に置き換え、その人物たちの奥底に深く刻まれた心の<傷>をテーマにした3つの短篇物語―やや暗くなりがちな感じではあるものの、興味をひかれる。
舞台「学徒隊」
NPO法人文化活動支援会まつり
南大塚ホール(東京都)
2022/09/09 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
われわれ世代は雨の神宮外苑競技場に関東地方の出征学生など7万人が終結して東條英機首相・岡部長景文相らが出席した昭和18年の学徒出陣壮行会の映像にはなじみ深いものがあるが、最近はあまり目にしない。戦争反対と声高に叫ぶだけではなく、ああいう映像を繰り返し観る方がどれだけ危機感が身に迫ることかと思う。今回の舞台「学徒隊」はそういう意味で意義深いものだ。
SHINE SHOW!
Aga-risk Entertainment
シアター・アルファ東京(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
普段はオフィスで働くサラリーマン達が一年に一度だけ歌手になれる夢の舞台と、修羅場と化したその裏側。サラリーマン群像歌謡シチュエーションコメディというアガリスクとしての新しいジャンルに期待。ハマカワフミエの出演も楽しみ。
「歴史小説家・霧島蒼龍シリーズ外伝 / 霧島隆子参上 ちょっとAC(交流)しちゃいます。」
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2022/09/01 (木) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
歴史の中に隠されたヒーロー・ヒロインを題材に歴史フィクションドラマって、それだけで興味をそそられる。だけど、テスラってニコラ・テスラくらいしか思いつかないのだが、彼のことなんだろうか。あ、副題に「ちょっとAC(交流)しちゃいます。」ってあるじゃないか。じゃあそうなんだ。
トロイ戦争は起こらない
人間劇場
シアター風姿花伝(東京都)
2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
子供の頃にギリシャ神話を読んで、中でもトロイの木馬は胸躍らせたものだった。
この作品はジャン・ジロドゥが、トロイ戦争と戯曲執筆当時1935年の第二次世界大戦前夜を重ね合わせ、《望まぬ戦争に向かっていく人間たち》を描いた傑作戯曲だという。ロシアだけでなく北朝鮮や中国など戦争を今そこにある危機として戦争とは何か、人間とは何かを見つめ直したい。
『U4』
Uプロデュース
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2022/08/26 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
7人の《芸人&脚本家》が書いた7本の《コント》を7人の《俳優》が演じるオムニバスコントライブ、しかも演出は芸人だという。これは面白い企画。猛暑を笑いで吹っ飛ばせるか。
舞台「宿題の杜」
NAYUTA
STUDIOユーキース(東京都)
2022/08/20 (土) ~ 2022/08/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
私自身は夏休みの宿題はさっさと終わらせて、後は思いっきり遊びたいタイプだったし、親も宿題を手伝ってくれることなぞなかったので、夏休み最後の日に家族中で大騒ぎするマンガやアニメが不思議でならなかった。こんな芝居が作られるくらいだから、そんな状況は今も変わっていないんだなぁ。
加担者
オフィスコットーネ
駅前劇場(東京都)
2022/08/26 (金) ~ 2022/09/05 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
これまで頑なに「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」としてきた日本学術会議がつい先日「純粋な科学研究と軍事に転用が可能な研究について、単純に分けることは難しい」と半ば許容するような見解を発表した。どんな研究であれ現在は軍事転用が可能なのだということはよほど幼稚な頭でない限りすぐにわかることだ。それでもなお軍事転用可能な研究は認めないと言い続ける科学者こそがイノベーションを阻害しているのだ。全ての研究が軍事転用可能ということは、われわれは皆が加担者であるということだ。それをしっかりと認識する作品であればいいが。
銀河鉄道の夜
東京演劇アンサンブル
池袋西口公園野外劇場 グローバルリング シアター(東京都)
2022/08/26 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
東京演劇アンサンブルの代表作のひとつである「銀河鉄道の夜」が東京芸術劇場の前にあるグローバルリング シアターで野外芝居として上演されるとは嬉しい。以前ブレヒトの芝居小屋で観たことがあるが、野外だとどういう感じになるんだろう。池袋だと満天の星の下でという訳にはいかないだろうが、どうか雨にはなりませんように。
空蝉
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/09/01 (木) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祝!旗揚げ10周年。
死んだ妻を求めてあの世に行くっていうのは古事記の伊邪那岐命と伊邪那美命(イザナキとイザナミ)だけでなく、世界中に残っているが、あやめ十八番は現代の幻の江戸八百八町を舞台に設定し、江戸中で日帰りの地獄旅行が大流行するトンデモない世界を描くという。そこに絡んでくる新作落語家―う~ん、面白そうだ。
下山 ~親鸞の覚悟~
文化芸術教育支援センター
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
親鸞聖人を扱った舞台といえば前進座の「法然と親鸞」を思い出す。私が観たのは2009年の全国巡演後の青山劇場での凱旋公演だったのだが、私の席は劇場の中央辺りだったにも関わらず、法然を演じた中村梅之助へのプロンプ(それも全ての台詞)の声がはっきり聞こえるのが気になって内容に集中できなかった。当時の梅之助は耳も相当悪かったのだろう。映画だと三國連太郎が製作・監督をも務めた「親鸞・白い道」が86年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞したのだった。
コロナ禍などで不安な日常だが、既成概念を打ち破り非常識を常識と考える力であり実行力の原動力となるいつの世も変わらない「人を愛する心」をこの作品で確かめたい。
ポンペイ
さんらん
上野ストアハウス(東京都)
2022/08/17 (水) ~ 2022/08/22 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
子供の頃に知った話で「ポンペイ最期の日」と「トロイの木馬」は私を夢中にさせ、遠い異国の埋もれた歴史に夢を馳せたものだった。さんらんは未見の団体だが、この作品はなかなか本格的なようで、3時間弱という長尺でもあり、期待が持てる。
※最近のやたらとハラスメントだと大騒ぎする状況には多少苦言めいた心情を持っているが、この団体はハラスメントに対する対策と指針をしっかり打ち出しており、舞台創りに真摯な姿勢を感じさせる。
まったく新しい‼︎宇宙創造論
演劇ユニットG.com
アトリエ第Q藝術(東京都)
2022/08/17 (水) ~ 2022/08/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
前々回の公演「虚数」が実在しない書籍に対する架空の書評集という形式をとったスタニスワフ・レムの「完全な真空」をベースにしたものだったが、今回の「まったく新しい!!宇宙創造説」もその「完全な真空」の中の一編がベースになっているらしい。まぁもともとが難しい本なのだが、スタニスワフ・レムはあの難解なSF映画「惑星ソラリス」の原作者だといえば、なるほどと思われるだろう。因みにソ連制作のオリジナル版では未来のモスクワの場面として赤坂見附の夜景が使われていたが、それを観た当初は将来ソ連は日本を占領するという暗喩かと思ったものだった(笑)。
ともあれG.comの公演である以上はレベルの高い舞台が期待できる。
明けちまったな、夜。
ゴセキカク
王子小劇場(東京都)
2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
私も高校生の時は演劇部だった。それだけに「今でも演劇を続けているアイツ。今どうしているかもわからないアイツ。今じゃなくてあの頃に戻りたいアイツ。今でもあのときを悔やんでいるアイツ。今までをなかったことにしたいアイツ。今がきっと一番幸せなアイツ。」というフレーズが身に沁みる。
今は昔、栄養映画館
みやのりのかい
OFF OFFシアター(東京都)
2022/08/12 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
かもめ
ハツビロコウ
小劇場B1(東京都)
2022/09/20 (火) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
チェーホフの「かもめ」はもう何度観たことだろう。清水邦夫の「楽屋」、つかこうへいの「熱海殺人事件」シリーズ(殊に「売春捜査官」)と並んで鑑賞回数の多さでは私のBIG3だ。これまでに観た「かもめ」では10年10月のMODE(松本修演出)と11年6月のオクムラ宅(奥村拓演出)、そして17年2月の無名塾(江間直子演出。井手麻渡も出演していた)の3つが大きな印象を残している。
ハツビロコウの松本光生の演出はこれまでの公演でも光を放っており、それだけに昨年3月に予定されていた「かもめ」のコロナ禍による中止は残念でならなかった。125年前に書かれた戯曲が今なお世界中で繰り返し上演されているのは何故なのか—今回のリベンジ公演で松本はそれを明らかにしてくれるだろう。
蝶々結び
LUCKUP
上野ストアハウス(東京都)
2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了
ダイバシティーファミリー
A.R.P
小劇場B1(東京都)
2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
青木ヶ原で失踪し自ら命を絶ったはずの父親の七回忌で久しぶりに家族が集まったところへのその父親が生きていたとの電話ーダイバーシティ(Diversity)とは多様性と直訳されることが多いが、集団において年齢・性別・人種・宗教・趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態を指す。この家族のダイバーシティはどういう騒動を引き起こすのか?