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絵里
MINoさま、初日をご観劇いただきまして、ありがとうございます。また、詳細かつ丁寧なクチコミをいただきまして、感謝いたします。一般のお客様にこのように関心を持って主体的に観ていただけることは、演劇に携わる者として大変ありがたいことです。専門家でない方のご意見を聞く機会は限られるため、このような見方があるということ自体がとても新鮮で、興味深く拝読させていただきました。以下に一つずつ回答させていただきます。 まず、舞台装置や音響照明等を使用せず、衣装も普段着に近い形で上演する、という形は、主宰の平澤智之が長年所属し、主演を務めておりました劇団シェイクスピア・シアターで用いられてきた舞台形式です。新鋭の若い役者が普段着で素舞台を駆け回る斬新な演劇は、当時“ジーパン・シェイクスピア”と言われ人気を博したと聞いています。この劇団を率いた故出口典雄氏の演劇界に対する業績は計り知れないもので、亡くなって数年を経た現在も氏の創り上げた世界は私達シェイクスピアを演じる数多くの役者達の中に息づいています。 私達キングスメンでも旗揚げ公演からこのスタイルに準じた舞台形式での上演を試みております。前回今回とプロジェクタ画像の投影のみ実験的に行いましたが、実際にはこのような背景は演技とは全く関係のない、いわばオマケにすぎず、何もないほうがいいのではないかとの意見も寄せられており、今後どうするか検討中です。 NINoさまにご観劇いただきました本番初日には、機材トラブルのためパソコン画面が映し出された時間がありました。気になったお客様に対しては申し訳ございません。同時に、むしろこのような全く場面と相いれない画を唐突に投影するという手法は、作品として非常に面白いのではないかと、MINoさまのクチコミを読んでいて感じました。一般の観客とは、演技とも本筋とも全く関係のないことに注意を引かれるものなのだとしたら、そこを活かすことも可能であると。新しい閃きを与えていただきまして、ありがとうございます。 次に、衣装については上述の通り、私達キングスメンでも、ベースは普段着ということを徹底しております。その枠の中で、いかにそれぞれの役の個性を出すかということは、いかにも時代的な衣裳を採用するよりも難しいことではありますが、私達はそのような選択をしています。 (かつての演劇界では、たとえば『ハムレット』であれば白いタイツを穿いたいかにも中世の王子様の恰好で登場させたものですが、今時そのような過去の時代そのままの衣裳で演じさせる舞台は既にあまりないでしょう。時代そのものの衣装を着用させることは、ある特定の時代や場所を彷彿とさせることには大変意味のあることですが、作品のメッセージ性が現代の私達に相通ずるものだと伝えたい場合は、それが却って枷となることが多々あります。) 『るつぼ』に於いては、時代や場所の設定を“17世紀のセイレム”ではなく、従って服装に関しても現代の日常的な衣類を中心としました。厳密にいえば“おそらく現代に近い時代の、どこかの国、どこかの地域”ということが今回の設定です。それはアメリカなのかもしれないし、日本なのかもしれない、ただ「遠い時代の遠い国」ではなく、今の私達の日常と近いところであると観客に感じてもらうことが目的でした。そのためジャイルズはハッピを着ていますし、パリスやヘイルも牧師の服装はしていません。 ご指摘いただきました主役のジョン・プロクターがラルフローレンの「NEW YORK」とロゴの入った着古されたTシャツを着ているのは、(実際にはプロクターの服装は毎公演ごとにすべて異なるので、残念ながらあのシャツは一度しか着用されていないのですが)、田舎町の労働者である彼の都会への泥臭い憧れを示すものであり、見た目のスタイルとしても特殊性のない一般の男であることをあえて示したものです。昔の物語だから、古典的な作品だから、そのような恰好をする、という先入観を持って観劇に来られたMINoさまのような一般のお客様に、「なぜこのような服装なのか」というある種の“違和感”を感じていただけたということは、狙いの通りであり、大変嬉しいご指摘です。 更にこちらとして目新しい視点であると感じましたのは、「裸足である必然性はない」というご指摘の箇所で、この発想はとても興味深いものでした。私達は「なぜ靴を履く必然性があるのか」をまず感じます。「靴を履く」という行為には意味があるはずで、では何を履くのか、何のために履くのか、ということに一つ一つの意味と必然性があるはずです。それを逆の発想で「なぜ靴を履かないのか」と感じられるということは、とても新鮮でした。プロクターだけでなくアビゲイル率いる少女達も靴を履いていませんが、そちらに関しては気にならなかったのであれば、その理由は一体何であるのか?違いは何なのだろうか?そのような細部の感覚について考えさせられる、とてもおもしろいご意見でした。ありがとうございます。 役者の力量について、お気に沿えなかったことは、とても残念なことですが、今回出演してくれた役者の皆さんはとても力のある方達でした。私達キングスメンは劇団という形式ではなく、主宰の平澤智之と絵里の二人以外は毎回オーディション等によって集まった個々の役者による期間限定のユニットです。ですから今回の公演に出演した役者達も皆それぞれの活動をしている個性的な面々でした。一人ずつの能力は非常に高く、魅力的な役者陣でしたので、MINoさまにとって心地よく感じられなかったのだとしたら、それはすべて制作・演出側の問題であって、出演した役者の皆さんの問題ではありません。今回の出演者の皆さんはこれからも様々な舞台に立って活躍していく方々ですので、どこかでまた再会されることもあると思います。別の舞台ではより素晴らしい演技をしていく方達だと確信しております。 この中で、名前を挙げていただきましたメアリー役の役者は、演技も人柄も素晴らしい人物です。お褒めの言葉をいただき、私達も心より嬉しく思います。 ダンフォース判事役の役者については、補足説明させていただきます。 公演直前に、もともとダンフォース役であった役者が喉の故障により降板となりました。ダンフォース役は三幕四幕のメインキャストであり、出番も台詞量も莫大です。しかし当役者が8公演を演じられる状態ではなかったため、主催者側の判断として降板となり、一幕にのみパットナム役で出演していた中島史郎氏にもう一役を兼任してもらうことになりました。本番一週間前に急な役の追加をお願いしたことはこちらの責任でありますが、中島氏はこの大役を見事に演じきってくれました。台詞に関しては、ご指摘の通り小道具に記載して読む場面もありましたが、問題はそのような形式的なことよりも、中島氏の創出したダンフォースという人物が、こちらの想定以上に魅力的であったことです。観た人達から「台詞を見ていることは気づいたが全く気にならないくらい素晴らしい」という意見が多く寄せられ、その演技が公演中も日に日に深化していく様相に、一緒に舞台に立っている私達役者も驚かされました。 私個人は、役者の魅力とは、技術以上に、その人が持つ人間性や内面の厚みが滲み出る部分にあるように思います。ダンフォース役以外の役者さん達にもすべてこのような魅力がありました。だからこそこの難解で重いと言われる作品を、一幕から温かみのある生きた舞台として演じてくれたのだと思っています。 もう一点、重要なことを記載させていただきます。 私達の団体では、毎公演ごとに障がいを持つ役者を幅広く起用しています。そのこと自体を売りにしているわけでも、助成を受けているわけでもないので、特にどの役者がどのような事情であるのかは公開していません。それは個人情報であり、個々の役者が進んで言うのでなければ、こらちから情報公開する類のものではありませんし、舞台上に出る以上は各人の事情をいちいち断ってから観ていただく、というものでもないと思うからです。 しかし、今回も複数名の障がいを持つ俳優が出演していたことは事実です。 観客席から見て、その人達が事情を持っていると見えなかったのだとしたら、それはとても嬉しいことですが、実際にはただ「寝ている」という行為だけでもその役者にとっては大変な演技である場合もあります。 知的障がいを持つ俳優が、作品を理解し、その中で自分の役を誠実に懸命に生きている、そのような姿に、私達は日々、心打たれていました。結果的には台詞自体を発することができなかったとしても、その場にその役として存在し、役者として素晴らしい演技をしていた。その演技は計算されたものではなく、本当の心から出たものであり、そのような真実の演技を舞台の上に載せることができたことは、何にも勝る喜びだと思っています。すべての観客にではないにしても、きっとそれが伝わった人もいたと確信しています。 私達は福祉を専門にしているわけではなく、接し方のノウハウもありません。自分達の芝居をするだけでも精一杯の中で、そのようなことに手を出すのはおこがましいと感じられるかもしれません。ですが、表現とはすべての人に平等に与えられているものであり、演じる側も観る側もそれを自由に享受していいはずであると、私個人は信じています。その中にこそ表現というものの本質的な光が見出せるのではないかと私は思うのです。 何をもって演技力とするのか、表現というものに於いて何を最も大切にするのかは、個人の趣向であり信念によるものであって、表現する側が押し付けられるものではありません。ただ、私達が求めるものは、人間の心であり、それはどのような゜作品を上演したとしても、変わることがないと思います。 詳細で積極的なご意見をいただき、本当にありがとうございました。いつかまたご観劇いただけますことを、心よりお待ちしております。
2024/10/05 20:57
宮沢天
ご観劇ありがとうございました。 レビューもとても励みになります
2024/10/02 14:41
おかたかおき
JungleBellTheater劇団員の岡です❗ とても嬉しいコメント、ありがとうございます‼️‼️ そうそうたる面々の中に名前を加えてくださり嬉しさと驚きで戸惑っておりますが…😃💦 星も空も、本当にどちらも違って面白いです❗ 両方は難しくてもご都合の合うどこかの回を是非観に来てくださいませ🙇♂️
2024/09/26 17:45
如月せいいちろー
MINoさま コメントありがとうございます。 アドバイスもありがとうございます! 今回ファンタジー性が強めの方向であったので、赤のリボンをつけてみたりしたのですが、確かにそうですね。これからの上演に役立たせていただきます。 場所も分かりづらい場所でご不便と御苦労を大変におかけいたしました。お暑い中ご足労いただき、誠に恐縮であります。 これからも毎年上演をしていく作品でありますので、毎回を大切にブラッシュアップをして、より良い公演にしていきますね。これを機会にこれからもどうぞよろしくお願い致します!
2024/08/08 23:46
ウラダイコク制作部
MINo様 ご観劇いただき、またコメントをいただきありがとうございます 苦言ではなく、今後の改善点として、ご意見ありがたいです 衣装をどう時代に寄せるか、敢えて寄せないかは、とても考えるところですが、 今回ご指摘いただいた、「着方、身に付け方」というのは確かに抜けていました 役のキャラクターだけでなく、一目見て信じられるものを作るということも大事にします 道がわかりにくかったこと、ごめんなさい ご案内方法も考えていきます ご覧いただいたこと、コメントともに、とてもありがたいです!
2024/08/05 19:05
如月せいいちろー
MINoさま コメントありがとうございます! チームのネーミング気がつきましたか!嬉しいです!! それぞれのチームの良さが感じられると思います!お楽しみに!
2024/07/23 01:07
ウラダイコク制作部
ありがとうございます!長崎の豊かな方言の中から言葉を選ぶのも醍醐味です 私の親も双方長崎出身で、地域によって言葉のニュアンスがかわるのもとても面白いなあと再発見しました!コメント嬉しいです
2024/07/22 04:03
前田アキヒロ
MINoさん コメントありがとう御座います。代表の前田アキヒロと申します。大賞候補最右翼!嬉し過ぎる!また良かったらご来場下さい。
2024/07/15 14:48
EMA
MINoさま、嬉しいメッセージをありがとうございます。出演者とコメントを共有させていただきます。開幕10日前、出演者一同足掻いておりますが、メッセージに背中を押していただきありがとうございます。ぜひ、目撃してください!!
2024/06/02 07:25
ばなつみ
コメントありがとうございます。今回も美味しく召し上がって頂けるように現在調理中です。ご来場お待ちしております。
2024/03/26 23:12
鮎
コメントありがとうございます 高木さんはどんな風にしてくれるだろうと期待して演出を依頼しましたが、思った以上にオリジナルな『楽屋』になりました 頑張ります
2024/02/14 15:48
西条萌
MINO様 劇団Cheminée主宰の西条萌です。 コメントありがとうございます! ご興味を持って頂き嬉しいです。 一風変わった探偵もの、是非会場でお楽しみ下さい☺️
2024/02/13 14:14
発条ロールシアター
せっかくコメントいただいたのに申し訳ないのですが、ネタバレ箇所を修正いただけますでしょうか。
2023/10/28 22:07
°RUM
Minoさん!コメントありがとうございます! 2本のバラの謎ぜひ対象的な刑事と共に推理してみてください! 劇場でお会い出来ることを楽しみにしております! 劇団員チームTRUTHハンナ役(どらむ)
2023/08/29 01:01
川田恵三
MINoさん コメントありがとうございます。 MINoさんの期待以上のモノをお届けいたします。 是非劇場で一緒に楽しんでいただければと思います。
2023/08/08 09:06
奥田明日香
M I N o さん コメントありがとうございます! 劇団員の奥田明日香です。 ぜひ劇場で劇団TheTimelessLetterの世界観を体感してください🌹お待ちしております✨
2023/08/07 17:18
前田アキヒロ
MINoさん コメントありがとう御座います! 満足していただける作品をお届けします!ご期待下さい!
2023/07/25 12:38
Star PRO
コメントありがとうございます! 是非劇場でご覧いただけますと幸いですっ!
2023/05/03 19:30
えざきかすみ
MINo様 「コウセイ」ご観劇いただきありがとうございます。 私の名前も出していただにとても嬉しいです!
2023/03/08 12:49
diamond-z
コメントありがとうございます!また、前回作もご覧いただけて嬉しい限りです。今回も劇場でお会いできることを楽しみにしております。
2023/01/15 08:27
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