満足度★★★★
90分のパワフルミュージカルを堪能
演技、歌、ダンス、生演奏とどれもレベルが高く、大変楽しめた。実在の職人さんをモデルにしたという脚本は、90分間に良くまとめ上げられており、素晴らしい脚本だと感じた。だが、欲を言えばもう少し長い時間でも良いので、それぞれの家族や生産品の話をもう少し掘り下げても良いのではとも思った。
林業(森)、味噌、薔薇、お茶とそれぞれの若い職人さんの思いや、その親族や友人の主婦の苦悩も滲ませている舞台で、少々詰め込み過ぎとも思うが、観れて良かった。若い職人さん達にスポットを当てているせいか、周辺の方達の考え方が、少し狭い了見に映ってしまいました。
役者さん達も魅力的な方達ばかりで、特に歌唱に大変優れていた方もおりました。
舞台上部に、字幕を出しているのも良い演出だと思いました。
一つ残念だったのは、会場の座席がフラットなので役者さん達の動き等が少し見えづらかったです。
また、是非観てみたいと思える劇団さんでした。
満足度★★★
王道的なストーリー
本筋は王道的なストーリーですが、面白い内容でした。中心の方々は劇中歌も上手く、生オケと相まって良かったです。
ですが、役者さんの技量に随分差があり、どうしても目だってしまいます。また、それ程広くない会場ですので生オケの音で台詞や歌が聞き取りにくいシーンが何回かありました。
個人的な事かもしれませんが、観劇前に頂いたパンフレットを良く読んでしまい、ストーリーが先に分かってしまいました(笑)
満足度★★★★★
暖かい短編集
再演となる4編の短編集からなる公演。どの作品も暖かく、味わい深い作品ばかりで大変面白かった。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
『ねじ式(未来篇)』 ~ 近未来の話で、スクラップ工場を営む兄弟と女性型ロボットの会話劇。ロボットを軸に、物への愛情と再生を語りかける話。最後のロボットの言葉とそれを受けて無言でトランプを手にする兄弟が良い。
『お父さんは若年性健忘症』 ~ 昨年観劇した「御ゑん祭」でも再演された作品で、この作品を観たので、本公演を観劇しようと思った作品。タイトル通り、父親が健忘症になり、昔のバブル時代の思い出と現在が分からなくなったり、家族の事も一部忘れてしまったりする。奥さんと娘の3人家族の居間での会話劇だが、会話が洒落ており、あまり悲壮感も感じさせない。それでいて、家族のつながりや愛情を感じさせる作品。2度目の観劇なので、内容は知っていたがそれでも尚、魅せられる。名作ですね。
『東京へつれてって』 ~ 若いホームレスの男性とそのホームレスを慕う女性の物語。その想いは、男性がホームレスになる前から何年も続いており、以前に告白の手紙も出している。男性も好意は持っているが、現在の状況からとても受け入れられないと考えているが・・・。女性の一途な想いとそれの翻弄される男性の心理描写が面白い。ラストの暗転明けにも味わいがある。
『まだ僕を寝かさない』 ~ 主人公の男性と男友達との他愛のない話が中心であるが、年を取るにつれ、永遠には続かない関係性も織り込んだ作品。
他愛のない話をしている時はいつまでもこのままの関係だと思っているが、いつかは変わり始める。この現実の非情さも兼ね備えた、少し切なくもなる作品であった。
4作品通じて思うのは、どの作品も人との関係性を暖かく優しく描いており、
それでいて安易でハッピーなだけの作品で無かった。
個人的には、とても好きな作品集でした。
役者さんもそれぞれ当て書したような方達ばかりで、より作品に魅せられました。
満足度★★★★
安定したシチュエーションコメディ
今回で3回目の観劇となる本劇団。コメディ劇団として安定した役者陣の技量と捻りの効いた脚本で相変わらず、面白い。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
本劇団の名作「ナイゲン」は観ていないが、それに続く会議物。
先生側と生徒側に別れて、それぞれの案を通す為の裏工作が実に面白い。脅迫、取引、時間稼ぎ等、多くの工作を企てる。
だが、どうしてもそれぞれの側で交互に行うためか、公演時間が2時間と、
1テーマの会議物としては少し長いか。
以前観劇した「出会わなければよかったふたり」が20分間で実に良くまとめられていて、スピーディだった為、余計に長く感じてしまった。
国歌、国旗の議論は個人個人で見解があるので触れないが、会議初日で
多数決を取れば、案外村松さんが生徒側に味方して終わったかも(笑)
役者さんは技量が高い方が多く、安心して楽しめるが、舞台の関係上、ほとんど後ろ姿しか見えない方が出てしまうのが残念。
(今回、生徒側後方に座ったので、生徒役の役者さんの議論中の表情などが見えなかった。セリフが無いシーンでの演技を観るのも好きなので。)
最後の、多数決で9対1になる場面は印象的。
満足度★★★★
爽やかな笑い
タイトル通り、女性だけの華やかで爽やかな笑いの舞台でした。
7人の女優さんが皆、可愛らしいだけに余計に笑えます。
12作品の短編コント集で、どれも面白かったのですが、個人的には「トモちゃん、佐々木ちゃん、犬」が最優秀作品ですかね。
役者さん自身も楽しまれているような感じで、またかなり体を張った舞台だなとも思いました。
また、観てみたいと思える公演でした。
特別な人ではなく、隣人もしくは自分かも
当事者や関係者にインタビューして作り上げた「ドキュメンタリー演劇」。
実際の言葉を使っているので、重みがあり、心揺さぶられる。
自殺する人は、決して特別な人ではなく、隣人、友達、家族、もしくは自分自身になるかもしれない。
実体験が伝わる演技力、そして特有のダンスも相変わらずお見事でした。
バックステージ・ツアーも楽しかったです。
観劇出来て、大変良かったです。
ネタバレBOX
※今回はあえて、満足度評価を致しません。
自己満足と知りつつ、勝手ながら評価をつけるというのとは
違う気が致しましたので。
満足度★★★★★
絶大人気が分かる作品
2度目の観劇となるボクラ団義さんですが、前作に続き、実に素晴らしい舞台でした。3時間近い公演でも全く飽きず、個人的にも好きな戦国、忍び等のテイストでしたので、余計に楽しめました。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
まず、勿論 if の部分が多くありますが、こういう真実もありかなと思わせる脚本が素晴らしいです。この時代の話は好きなので、諸説色々ある事は知っておりますが、謎が謎のままである事も良いのではと思います。
また、この真実もありなのでは思えるのは、役者さん達の熱演があってこそだと思います。劇団員さん、客演さん、どの方もレベルが高く非常に安定していて、殺陣等を含めても高い技量が伺えます。
その中でもやはり、信長役の沖野さんはその存在感含め素晴らしい役者さんですね。先月別の客演でも観劇させて頂きましたが、全く違い役柄でそれも大変良かったです。
あの小沢さんの使われ方も見事ですね(笑)
本筋は大変シリアスな脚本なのですが、随所に笑えるシーンが散りばめられており、それも本作品及び本劇団の人気の所以なのでしょう。
次回公演も大変楽しみです。
満足度★★★★★
未来と現在
観劇前に予想していた内容とは、良い意味で異なりましたが、非常に楽しめた舞台でした。脚本の捻り、映像の上手な利用法、そして役者さん達の熱演と見応え十分でした。
公演中なので以下ネタバレで。
ネタバレBOX
ネタバレ欄ですが、今回はあえてそれでも伏せた書き方にしております。
その方が、絶対楽しめますので。時間があれば是非観劇を。
まず、近未来という事と、劇中に20年というワードが出ていたが、途中までこの冒険譚の秘密に全く気付かなかった。「クラムシェル」や「イントルーダー」等の名称で観劇前にSF的なイメージを持ってしまっていたから、余計にそう考えてしまったのでしょう。
物語は3グループがそれぞれ別々に進んでいき、最後に重なる感じでした。
そして、全ての秘密が明らかになるという設定。実に見事な脚本と演出です!いくつかの秘密は、途中で分かり始めますが、それでも最後まではほとんどの人が完全には分からないのでは。
未来と簡単に言える話ではなく、まさに今日現在も続いている話です。
また今回、映像を随所で使われておりましたが、OPは格好良く、本編中は上手いなという感じで、効果的でした。
役者さんは、相変わらず上手い人が多いのですが、前田さん、佐竹さん、田中さんの会話劇はとても好きですね。
最後の役者さん紹介で順番に役者さん同士が紹介していくのは初めて観ましたが、とても良いなと思いました。
本劇団は、前回観た「キス・アンド・クライ」でも感じましたが、人の繋がりを
再認識させてくれる劇団ですね。
本当は再度観て、色々確認したいのと、純粋にまた楽しみたいと思える素敵な作品でした。(時間の都合上、今回しか観れませんが。)
満足度★★★★★
必死になる時
初観劇の劇団さんでしたが、真っ直ぐなテーマに向きあった好感の持てる舞台でした。
ベテランの役者さんと若い役者さんのバランスが良く、大変楽しめました。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
まず、大人になりかけている子供の親子間での葛藤や子供視点での大人への見方で序盤が始まる。登場する大人は様々な問題を抱えており(問題がない大人なんていませんが(笑))、その大人達が、夫婦であり、兄弟であり、兄妹であったりするので、主役の親子関係と合わせて家族間の問題もテーマとなっている。
正直、序盤は少し特殊な問題を集め過ぎたかなとも感じましたが、中盤の妹さんが兄への思いを口に出すシーンから、物語に惹き込まれました。
主人公なりの問題の解決方法には少し現実離れしている箇所もあるようには思えたが、芯の部分で問題に真摯に向き合う姿勢には、役者さん達の熱演もあり、共感を覚えた。
若い役者さん達の真っ直ぐな熱演と、それを支え見守るベテランの役者さんのバランスが非常に良く、良い座組だなと感じました。
観劇出来て良かったと思える作品であり、観劇後にフォースを頂けました。
満足度★★★★★
今日にでも誰かに話したくなる復讐劇
楽しみにしていたPMCの本公演を観劇。期待以上の脚本、豪華な役者陣も素晴らしい熱演。一緒に観た友人も大変満足したようで観て良かった。
公演中なので以下ネタバレで。
ネタバレBOX
何といっても脚本が素晴らしく、復讐の捻りが大変面白い。
役柄には相変わらずの擬人化した物が活躍しているが、今回は人間だけでもストーリー的には問題ないのかも。でもいた方が、断然面白い(笑)
豪華な客演陣もPMCの舞台に馴染んでおり、次回作にも出て欲しいと思った。笑いと復讐のやるせなさに溢れ、一度しか、観劇出来なかったのが悔やまれるほどの舞台でした。
他の人達にも話したい!
客入れ時の、寸劇「B’○物語」も必見。
満足度★★★★
エンターテインメント性の高い舞台
道具を上手く使ったダンス演劇に近い舞台。それでいて、ストーリー的にも面白く楽しめる。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
まず、舞台には基本ダンボール箱だけ。だが、これがなかなか良く出ていて、
椅子や台座、道具入れ、壁等の役割を果たす。また、ロープを使って電車等を表すが、このロープを使ったダンスや動きは実に御見事。相当の習練が伺える。
ここまで、小道具やダンス等の動きの事を書いてきたが、ある意味この舞台で感じた一番の感想だ。
ストーリーも面白いのだが、少し厳しく言うと内容よりも動きなどに目が奪われがちで演技そのものの印象が薄くなってしまった。
特に前半は少しもたついている印象であった。終盤にかけて畳み掛けるような動きとストーリー展開ではあったが、やはり動きの方に目が行ってしまった。役者さんの演技力でより登場人物に惹かれるようになれば、更に良い舞台になるのではと感じた。
また、役者さん達の汗だくの熱演は観ていて応援したくなります。
大阪の劇団さんですが、東京公演があればまた観てみたいと思いました。
PS.銀○鉄道999を多分に意識したが、しれっとジョジ○も出てきた(笑)
満足度★★★★
繋がるシチュエーションコメディ
アパートの1室でそれぞれ展開されるシチュエーションコメディで気楽に楽しめる。101号室、102号室、103号室と展開が進んでいくが・・・。
公演中なので以下ネタバレで。
ネタバレBOX
101号室~足を怪我して退院した彼氏が、その病院のナースをナンパする。そのナースが部屋に来たところから物語は始まるが、彼には5年付き合っている彼女がいて、・・・。彼氏の後輩男性と本当の彼女も部屋に来た事から、嘘が嘘を呼び、誤解が誤解を呼ぶシチュエーションコメディ。後半には、ナースの彼氏も登場し、混乱はピークに。また彼女にも秘密があり・・・。ありがちな話ではあるが、芸達者な役者さんが多く、自然と楽しめる。
102号室~几帳面な空き巣が、便利屋と勘違いされ、部屋にとどまる。住居人である女性の一人に好意を持たれるが、この女性の思い込みが激しい。またもう一人の住居人女性は売れないミュージシャンの彼氏と10年付き合っている。なかなかプロポーズしてくれない彼氏に一計を案じるが・・・。
思い込みの激しい彼女に振り回される空き巣と同居人女性、そしてその彼氏の様が実に楽しい。当初の策が何故か違う方向に進んでいくシュチエーションコメディ。最後は、ほっこりする感じ。
103号室~締切直前の漫画家とその担当編集者、そして部屋を間違えた便利屋が、アイデアを絞り作品を作ろうとするが・・・。
漫画家が実に強烈で個性的。振り回される編集者と便利屋も実に上手く演じられていた。このまま隣の部屋の3本の短編集かと思われたが、ここからが捻りの効いたシチュエーションコメディ。各部屋の状況をそのまま漫画に持ちこみ、また登場人物もリンクするので、各部屋の話がつながる。
ある意味集大成の話となるが、ラストは上手くまとまり、気楽に楽しめるコメディ作品であった。
脚本が面白く、また役者さんが皆さん好演でまた楽しそうに演じられているので、観ている側も素直に楽しめた。
また、当日ゲストは編集長として登場するが、ゲストにもサプライズ的な要望があり、このシーンも楽しめる。
純粋に笑えて楽しめる、作品でした。
満足度★★★★
息苦しくもなる作品
重厚なテーマで、息苦しくもなる作品。
あまり共感できるような内容ではないが、舞台として見応えがあった。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
ネグレクト、近親相姦、幼児置き去り殺人、中絶と暗テーマ目白押しの作品。
加害者、被害者がそれぞれの立場で入れ替わり、とても勧善懲悪ではすまない内容であった。
元凶は自由奔放な母であるが、必ずしもそれだけを原因とは出来ないのではとも思った。勿論この母親に共感は出来ませんが。
というか、作品の登場人物誰にもあまり共感は出来なかった。(長女の旦那さんだけが唯一共感できるかなと思いますが。)
少しテーマが盛り込み過ぎられていて、また「え、あなたも!?」という点も多く、どうしても他人事に思えてしまった。
その方が、幸せなのかもしれませんが。
役者さん達は、皆さん熱演でそれがこの重厚な作品に繋がったと思います。
変わった椅子等も、それぞれの不完全さを表し、それでいて機能は保っている、そんな印象を受けました。
「丘の上、ただひとつの家」という題名も、丘の上という見上げる、憧れる面と、有事の際は不安定な面という2極を表しているのかなとも思い、観劇後に
色々と考えさせられる作品でした。
色々書きましたが舞台としては見応えがあり、間違いなく印象に残る作品でありました。
満足度★★★★★
応援したくなる
アラサー、アラフォーの女性達が、現実と夢の間で揺れ動き、努力する姿を描いた舞台。共感できるフレーズ(自分は男性ですが・・・)も多く、応援したくなる。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
まず、何といってもアイドルを目指す女性達の逼迫感が伝わり、時には可笑しく、時には胸を打つ。
また、この企画を立ち上げた女性も悩みを抱えており、壁に直面する姿に
昔の自分が重なり、会社の部下や後輩に観せたくなった(笑)
素晴らしい脚本で、再演との事でしたが、再演すべき作品だと思いました。
また、それぞれの役が個性的で、これも役者さん達の演技力と役柄同様の懸命さかなと感じました。
「SWOW WA」の皆さんは勿論ですが、個人的には栗山鈴役の榊木並さんが
特に魅力的でした。
脇を固める役者さん達も皆さん好演でしたが、2シーンしか登場しない塔子役の谷田奈生さんの溢れる怒りの感情を抑える演技が印象に残りました。
事前に聴いていた楽曲もやはり素晴らしく、ラストのライブシーンは感動的でした。
前向きな終わり方で、観劇後に観て良かったと思える作品です。
次回公演も楽しみです。(来年のようですが・・・)
満足度★★★★
魅力的な女優さん達
魅力的な7人の女優さんが、舞台上で80分間出たまま、何役もこなす。
それぞれの良さが出ており、初日ながら完熟な味わい。
公演中なので、以下ネタバレで。
ネタバレBOX
アフタートークで、演出の中屋敷氏も話されていたが、「リチャード三世」は難解な作品です。だが、この「完熟リチャード三世」は実に分かりやすく、演出されていた。7人しか役者さんがおらず、それも女優さんだけで本作品を作られているのは、実に見事だと思った。
どの女優さんも舞台からはけずに、出たままなのも印象的でした。
女優さん達はそれぞれ魅力的で、主役の安藤聖さんが特に目を惹いた。
だが、見事な演出、魅力的な女優さん達が揃っているのに、何か物足りなさも感じてしまった。
初日だからか?
初めての女体シェイクスピアに期待が高すぎたのか?
たぶん私には洗練され過ぎていて、面白いとは思ったが、惹き込まれる感じではなかった為か。
満足度★★★★★
繋がりを感じる作品 (Aチーム観劇)
初観劇の劇団さんで、あらすじからミステリアスな舞台かと思っていたが、良い意味で違った(笑)
随所に笑いの小ネタが詰め込まれており、コメディ的な作品にもなっているが、話の筋は大変しっかりしており、楽しめた。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
オープニングはミステリアスな感じで始まるが、すぐにコメディ部分が顔を出し、笑いの起きる舞台となった。
正直、笑いのネタのクオリティは決して高くない気もしたが、毎回少しづつ内容が異なるのか、共演の役者さん達も笑われており、緩い感じで楽しめる。
また音響と照明がより華を添えていた。
それとは、逆に話の方は、死分、魔子、悪子、鈴木達の霊界?の関係性と霊児とその周りの霊達の関係性など、言葉とは裏腹に繋がりを感じさせる部分が多く、観ていて応援したくなる。
ラストに明かされる事実等も含め、大変面白い脚本だと思った。
(各人物の、その後も良い感じでした。)
役者さん達も、魅力的で実力も兼ね備えた役者さん達が揃っていた為、各人物のキャラも立っていた。
今回Aチームの観劇であったが、Bチームも観てみたいと思えた。
(都合がつかず、観れませんが・・・。)
次回公演も観てみたいと思う舞台でした。
満足度★★★★
殺陣を楽しむ
若い役者陣が、迫力の殺陣を魅せる舞台。
原作などを知らなくても、分かりやすい内容で楽しめる。
以下公演中なので、ネタバレで。
ネタバレBOX
とにかく殺陣が多く、純粋に殺陣を楽しめる舞台。
また、所々に笑いの要素を取り入れ、観客を楽しませる演出も多い。
ただ、登場人物達の想いや苦しみ等は、役者陣がまだ若いせいか、今一つ伝わりにくい感じであった。
だが、かなりの練習を積んだであろう殺陣は見事で、分かりやすい話からも、
あまり深く考えずに殺陣を楽しむのが良いと思う。
観客席の通路にも役者さんが度々現れ、イケメン好きな方には特にオススメかも(笑)
個人的には、吉田宗洋さんが演技、殺陣(錫杖の)共に目を引いた、流石。
満足度★★★★
幻想的な世界
舞台上は森をイメージした木と落ち葉そして机と2つの椅子だけ。
この上で現代と幻想的な森の舞台を交互に組み合わせる。
少し難解な、個人個人で捉え方が異なる作品。
公演中なので、以下ネタバレで。
ネタバレBOX
まず、現代では病院を舞台に看護婦とその担当患者の父親との不倫を軸に描かれている。一方、幻想的な森では病気の少女と動物達(少女の前では擬人化して)生活しているが、その森の秩序が崩れていく様が描かれていく。
この2つの世界が看護婦が森に立ち入る事により、つながりより幻想的な世界観を醸し出している。
ラストに少女にまつわる事実が明らかになるが、森の世界が幻想なのか?人の心が作り出しものか?ではそれは誰の?(人ではないかもしれない)等、観劇後に色々と考えられ、個人により見解が異なる舞台に思えた。
役者さんは、この2つの世界でそれぞれの役(2役)を演じられる方が多く、
それを見事に演じられ、また2つの役柄が世界観での共通点もあり、それも見どころかと思えた。
個人的には、サキ役の地村瑞穂さん、アユミ役の石村みかさん、そして金田役の白洲本樹さんが印象深かったです。
別作品も見てみたいと思う劇団さんであり、役者さんでした。
満足度★★★★★
忘れてはいけない話
当初予定にはない、追加公演の朝10時の回を観劇。久しぶりに午前中の観劇をしたが、観れてとても良い作品であった。
あらすじからは、昔話に何かテーマを持たせる作品かと考えていたが、良い意味で裏切られた作品でした。
以下、ネタバレで。
ネタバレBOX
昔話を織り込んでいるが、現代劇。それも、3.11の震災をテーマに震災直後に起こった現場での出来事を現在から回想を交えて語る話で、親子、同級生、夫婦等の個人間、また被災者、ボランティア、それを報道する側等、それぞれの考えや立場を交えて、内面をえぐるようなシーンも多く、苦しくもなった。
正直、震災地に知人もおらず、震災での影響などほとんど無かった関東住まいの私には、気づかずに風化してしまう震災を思い起こさせてくれた舞台でもあった。人はその場面や立場になってみないとどうなるか分からず、またどれが正解なのかも分からないのだと改めて思った。
まずは、この脚本の素晴らしさに感嘆させられました。
役者さんは、おぼんろの末原さんが役柄的にも注目されがちですが、他の方たちも大変魅力的な方が多く、皆さん熱演でした。
また是非観てみたいと思う作品でした。
満足度★★★
優しい時間でしたが・・・音響が。
雪により、身動きの取れなくなった10人の男女が織りなす優しい時間。大きな起伏がある訳ではないが、淡々と様々な問題を抱えている日常的で、誰にでも起こりそうなお話。それだけに、役者さんの演技力が試される舞台でしたが・・・。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
昨年観劇させて頂いた「HOTEL CALL AT」が面白く、今回期待しておりましたが少し残念な観劇でした。
ですので、少し厳しめに感想書かせて頂きます。
まず、10人の登場人物に特に主人公はいない舞台でした。(強いて言えばという方はおりますが。) それが、現実的とは思いますが、今回は軸になるような方がいればと思ってしまいました。というのも、各エピソードがあまり強くなく、どの人物にも感情移入しにくかったです。
役者さんも皆さん熱演とは思いますが、演技力に差異が見受けられ、どうしても観ていて集中力を欠いてしまう場面がありました。
杉山夫妻は、流石の演技と思いました。
そして今回、特に気になったのはオープニング、中間そしてクライマックスで各人物が交代で心情や思いを話すシーンがあるのですが、その時の曲の音響が大きすぎてセリフが聞き取りにくかったです。本来、観客に訴えかける大事なシーンなのだと思いますが、これでは効果も半減でしょう。
大きな劇場ではなく、そして大きな音響を必要としないこの物語に、何故?と思ってしまいました。