ぜひ、また見たい。
はじめての鹿殺し。
音楽劇との評判にて、充電前公演ということで、期待して見に行きました。
ネタバレBOX
はじめの宝塚奇人歌劇団のショーは、とてもチープでした(笑)
そのチープさがいいのかもしれませんが、ちょっと長いかな。。
内容がない上に、長いとちょいと辛い。
そこの部分の演出が、劇団新感線をモチーフにしているのか、
なんか、そこは、面白いのか、面白くないのか、よくわからない気持ちでみてました(笑)
だけど、この劇団が幕末劇を、劇中劇にやるのだが、
これは、よかった。もっと見たいとおもった。
歌もダンスも殺陣も、とりたててズバぬけてはいないのだけど、とても、好感がもてた。
作品のテンポ感もとてもよく、
最後は、このまま時間が止まってしまえばよいのにと思うほど、
気持ちがひかれた。
残念なのは、早着替えが多いためか、
衣装の乱れが気になった。
それでも、十分に面白いし、また見たい。
満足度★★
メッセージは果たして本当に届いているのか?
本作品は、特攻隊の話を題材とし、「命」や「生き方」についてのメッセージがテーマに、
演出された作品だと聞いているが・・・。
ネタバレBOX
正直、演出が、お粗末な部分が多く、終始気になり、
せっかくの作品に込められた思いが、伝わっていないのではないかという印象。
木崎という主人公の目線で、観客はこの芝居を見ていくのだが、この主人公がクセモノ。
この主人公、最後の最後まで、何がしたいのかがわからない。
答えは明確で、彼をとりまく目的と障害が全く描かれていないからだ。
動機は金で説明されているが、なぜ、金がいるのかわからない。
彼が、なぜ、そこに居続け、なぜ苛立っているのかが、わからない。
特攻兵たちのやりとりの最中、見えない存在を利用し、いろいろイタズラのようなことをするが、
特攻兵たちのやりとりの観劇の邪魔にしかなっていない。
もし背景があるなら、セリフや脚本にて、もっと補完しないと、
特攻隊と同じ舞台に立つ理由がないのではないだろうか。
現代パートと特攻隊パートで別れているが、現代パートがいまいち現代っぽくない。
時代がいつなのかわからない。近未来なのか、それとも、80年代なのかわからない。
あくまで、”今”の現代の人に向けてのメッセージであれば、
主人公は観客代表となりえる。故に、現代を象徴する言葉や、物が使用されてもよいのではないかと思う。
そして、現代パートの衣装や、小道具に対しての情熱が薄いように思える。
主人公が繋がれている鎖が、中学生がズボンからぶら下げているようなチェーンでは、
そもそも、無くてよかったのではないか。(おまけに、ものすごく長い)
コメディでない以上、リアリティが少しでもかければ、虚構から現実に引き戻されてしまう。
見せなくて良いものも見せてしまうので、
余計、冷めてしまうことがある。
随所に入る回想シーンは果たして、ホントに必要だったのだろうか?
特に船が沈むところは、役者が演じる必要があったのか疑問を感じる。
舞台は視覚的な表現に制限があり、どんなに舞台上で、
回想シーンをリアルに表現しても、逆に面白おかしく映ってしまう。
役者はとても熱演していてよかった。
音響の音がとても大きい。
合わせて音質がわるく、耳がいたかった。
スピーカーのせいもあるのだろうが、そこは、整音し直すべきだろう。
スピーカーの位置を変えるなど、工夫はできたはずである。
最初から最後まで、音におびえ続け芝居に集中できないのは、苦痛でした。
役者はとてもレベルが高く、
特攻隊という難しい役を、とてもよく演じていたと思う。
大変好感がもてた。
しかし、作品に込められたメッセージは、
本当に伝わっているのだろうか。
もともと、伝わっている人たちだけで、
楽しんでいるものではないのだろうか。
そもそも劇団とは、ファン公演のようなところもあるから、
それでも良いのかもしれないが、
大義は若者で、今を生きる人に、知らない人に伝えたいとするなら、
それは、いまのままでは難しいのではないだろうか。
主人公を登場させるあたり、
メッセージは伝わったが、すごく押し売り感が強く、
なんとも、複雑な思いで劇場を後にしました。