フォアローゼス
ゲキバカ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/09/12 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★
あえて苦言
まず最初に言っておきたいことは、自分はゲキバカの前身の頃からのファンであり、これからもこの劇団の作品を観ていきたいということです。
ただ、今回の作品は、ゲキバカらしい笑えて泣けて感動する作品とはとても思えなかった。つまり、おもしろくなかった。
原因は、メインストーリーに挿入されるコントのようなものや、掛け合いの漫才のようなものなどが、ことごとく安っぽく、おもしろくなかった。このようなメインストーリーに関係のないものが必要ないとはいっていない。今までのゲキバカ作品は、これらの非メインストーリの部分がメインストーリーを豊かなものにしていたからだ。
メインストーリーも、あまりにも雑である。ゲキバカ作品はメインストーリーがシンプルである感があって、とても気に入っていたが、今回のはただ雑である。伏線と思っていたものが、ただのエピソードであり何の意味もないし、おもしろくもなかった。感動のクライマックスになるはずの箇所も、エピソードと背景の設定があまりにも粗雑なため登場人物たちの行動にもほとんど納得できなから、何の感情のゆれもなかった。
自分は、ゲキバカの脚本兼演出家は、骨太な作品を作れる才能を持っている人だと思っているので、なぜにこのような作品を作ったのか残念に思う。
私の記憶が確かなら、前身の劇団時代に、ニュー大衆演劇をメインコンセプトに謳っていたと思う。シンプルな設定とストーリー、そこに大衆受けする様々なエピソードやダンスなどの挿入、華やかな舞台装置などこれらの要素が、過去の上演作品「ごんべい」には確かにあったはずだ。私はぜひ、あのような誰もが笑えて泣けて、感動できる作品を再度見れることを確信している。そして、多くの人にももっとゲキバカを知ってもらいたい。
だから、あえてこのようなエラそうにこのような苦言を呈したつもりであるので、ぜひ少しでも参考にしていただきたい。