mqの観てきた!クチコミ一覧

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ヒーローアゴーゴー!

ヒーローアゴーゴー!

劇団東京都鈴木区

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

面白いか面白くないかでいえばもちろん面白いのだけれど
ちょっと、きれいすぎる内容で終わってしまったかな、という印象。

東京都鈴木区さん、おそらく東京在住の友人が観劇していたのが初めてお名前を拝見したきっかけだったかと。
大阪に初進出ということで、是非行かねばと行かせていただいた。

人気作ということではあるが、どうにも、どこかテンポが良くない印象。ヒーローショーのリハーサルシーン等楽しめたが、ところどころ好みではない演出があったりして、要するに「まるっと好き」な話の進み方では無かった。
最後まで「どこかテンポが良くない」かつ「話を詰め込みすぎ」な印象が否めなかったが、会場をあとにするときの、レッド役さんとイエロー役さんのやりとりはとても良かった。そういうところに持って行くのねと、意外性をもってゆったりと味わえるシーンだった。

東京での公演があるときに遠征して観に行くかと言われると微妙だが、大阪での公演であれば今後も検討したい劇団さん。
また一年後でも、二年後でも、ぜひ大阪公演を企画していただきたい。

アメリカンバッファロー

アメリカンバッファロー

北口裕介プロデュース

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★

正義など無い
あらすじは公開されていますので、感想のみ。

最初から最後まで、とにかく三人の役者さんがしゃべるしゃべるしゃべる、
意味のあるような無いようなおしゃべりを、
とにかくしゃべる。
BGMなどありません。
休憩を挟みましたが、納得です。
ものすごい台詞の量でした。
海外の戯曲ということで、話の中身を真面目に解する芝居では無いと早々に見切りをつけて観劇しましたが、とにかく台詞の量のすごさが印象に残っています。

それと、舞台上に再現された「雑貨屋のガラクタ」。
洋物の小物がたくさんで、開演前にまじまじと観察してしまいました。
後半にこのガラクタたちが大仰な音を立ててぐちゃぐちゃにされます。毎公演あれをちゃんと元の状態にもどしていらしたんでしょう。おつかれさまでした。

大量の台詞の中身は残念ながらためになるものではなく、まじめに冷静に他人をおとしめるものであまり気持ちの良いものではありませんでしたが、演じる役者さんたちの力量には疑いようもなく、妙な満足感が残りました。
後半は感情を爆発させるような場面もあり、感情の揺らぎ、冷静さと冷静さを欠いた状態、緊張と弛緩、いろんな状態を演じ分ける難しい芝居だったかと思います。最後の最後にかわいらしい印象を残した松木賢三さん、さすがでした。

ネタバレBOX

ひどい話です。
雑貨屋を営む男が、なぜか高く売れた硬貨を、買い手から盗んで取り戻そうと画策する話。それがなぜ高く売れたのかはわからないままだけれど、一応コインの価値をならべた本は買ってみたりして。
雑貨屋の男のところで使い走りをしている少年、その少年へ彼が言い聞かせる話は正論のようなそうでないような、愛がこもっているようないないような。結局のところ、この少年の心がいちばん、三人の中ではまともだという感じの終わりかたをするのです(おそらく)。
雑貨屋にふらりとあらわれて、盗みの話に首をつっこむ男。雑貨屋の男の計画がいかに穴だらけかを語り、盗みの報酬を手中におさめようとする。
盗みをやめさせようとする行動をするのは少年だけです。シカゴがどんな状況だったか、時代背景が当日案内に書かれています。他人より少しでも得をしなければ損、ああそんな台詞を東京で聞きました。シカゴの歴史に少し詳しくなった気がします笑。
UNKNOWN HOSPITAL

UNKNOWN HOSPITAL

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2014/06/20 (金) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★

正常と異常をあぶりだす
「これが壱劇屋」な身体のつかいかたは今回も健在。
病気の在処、自分勝手な倫理、あくまでも軽くえがかれる生殺与奪。追いかけっこの恐怖にあう照明とBGM。
一度観客に見せたものをもう一度見せることで観客に擦り込んだストーリーを分解してみせるなどなかなか手が込んでいた。

自分としては二度目の壱劇屋さん。
好みが分かれる劇団さんだと思う。
次はどうしようかなあ。

Copyright.

Copyright.

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/05/28 (水) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

皆さんに見せ場がある!
アイドル舞台なるものは初めてだったのですが、これが「アイドル舞台」の正統派でないことはわかります。怪我なんて禁物の皆さんが武器を手にして戦闘シーン。腰を落とした姿勢がかっこよくて、女性観客も楽しみました。
いろんな場面で見えてくる登場人物たちの関係性、互いへの感情。それがうまく滲み出た演技を見せて頂きました。
栗生みなさん、人格を乗っ取られそうになって苦しむ演技はやや遠方の席にいたわたしまでも引き込みました、さすがです。
大友歩さん、登場時のいかにも情けない姿からきりっとした姿への化け方、そして(役者として当然のことでしょうが)素晴らしい声量。
緒方ちかさん、近頃こんな役が増えましたが…表と裏の差が大きい役、表情と声音で明快に演じてらっしゃいました。
最終的には姉妹の愛憎を軸に、気持ちの良い終演。主題歌も素敵でしたし、良い観劇でした。

パラライズ

パラライズ

イカロス・プロジェクト

萬劇場(東京都)

2014/05/29 (木) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

かみ合ってない感じ
細川作品が池袋と大塚で重なっていたら観たいわけで、拝見。
いろいろと背景がわからないようにされていて、そこがもやっとしたり、
選曲がずっとおどろどろしい音楽で、そんなにメリハリのない選曲をしなくてもいいのに、と感じたり。
それから、休憩も。そんなに長い作品でもないのに、休憩? 正直、初めてです。観る方のテンションが完全に途切れます。休憩前と休憩後では登場人物の気持ちが違っているふうに見えたので、無駄な休憩ではなかったとは思いますが、そこを休憩無し・説明無しで理解させる演出ができたら良かったのでは、と感じました。
もう一つ残念だったのは、声を枯らしてしまった役者さんがいらしたこと。しかたのないことだとは思いますが、聞き取りづらい台詞がありました。

「主犯」の狂いっぷりはさすがの細川作品。
言うこと無しに気持ち悪かったです(褒め言葉です笑)。

コメディホラーということで、重くなりすぎないように配慮をされているようでしたが、笑う気になれない笑いどころもあったりでちょっと残念でした。
オープニングとエンディングのダンスは、目を楽しませるには充分。しかしこのコメディホラーに必要だったでしょうか。
あまりこういうものを比べるのはよくないのを承知で書きますが、たまたま同時期に観た大阪ゲキバカ「ありがとう」のほうがコメディホラーの域に達していました。笑いと恐怖は両立するということを、まさに当日案内に記述されています。充実感のあるコメディホラー、いつか拝見できますことを期待しています。

ネタバレBOX

仮想空間でのゲーム大会で機器トラブル・会場トラブルにより行方不明、会場内で仮死状態と推察される…たしかそんな4名が詳細不明のバイトに応募したていで集まっているわけで、その場所は仮想空間なのかと思ったりしましたが、現実空間、だったようです。
解体された死骸は誰だったのか。次に運び込まれた死骸もまた、誰だったのか。きっと登場人物たちとは無関係の、以蔵が請け負った「仕事」の骸だったのでしょう。でも、もやっとします。難しいところではありますが、もう少し説明が欲しかったところ。
どうにも殺人シーンというのはツッコミどころが多くなってしまうようですが、この作品も例に漏れず、両親の殺害シーンは多少甘かったように感じます。母親は抵抗を見せましたし、成長後のさやかが以蔵でもおさえられないパワーだったのでそこで説明はつくのでしょうが。それにしても、小学生?中学生?でキレたらああなるというのはちょっと突飛かなと。

意図的に曖昧にしているのかもですが、こういったところで満足度が低くなってしまいました。
オパンポン☆ナイトvol3~曖昧模糊~

オパンポン☆ナイトvol3~曖昧模糊~

オパンポン創造社

Live Space B.SQUARE(大阪府)

2014/05/16 (金) ~ 2014/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

一度きりの思い出にしたい作品
普段、気に入った芝居は何度も観たい派なのですが。こちらは逆で、一度きりの観劇で得た印象を上書きしたくないと思った作品。
まず脚本が見事。その上で、演じる役者さん皆さんが実力者。各話にタイトルがつけてあって、そのタイトルを舞台上の役者さんが声に出して言ってくれるのですが、その間さえも絶妙、つまり、演出家としての野村侑志さんも絶妙だということ。
基本的には関西弁でのけたたましい会話劇ながら、観ている方を納得させる話の持って行き方が見事。人間観察が巧み、なのでしょう。登場人物には「普通」の人間なんてどこにもいません。なのに、登場人物達の感じ方に異常を感じることは無くて、最後には希望を持てる。とても良かったです。

生で観たのは一回だけでしたが、もし、もしも映像媒体を売り出されるなら、なにがなんでも手元に置いておきたい作品です。

「ありがとう」「いただきます」

「ありがとう」「いただきます」

大阪ゲキバカ

世界館(大阪府)

2014/05/29 (木) ~ 2014/06/01 (日)公演終了

満足度★★★

両方を観劇
「いただきます」はなんだかまだテンポをつかみきれていないかのような印象を受けてしまいました。実力ある役者さんたちが集まっていたはずなのに。
もちろん、それでも、さすがに終盤、物語の空気ががらっと変わってからは観客をぐいぐい引き込むお芝居でした。
自分の身近にある幸せ、それに気付くこと、感謝すること。それを導いた根源的な恐怖は、自らの死。強烈なキャラクターと、シンプルでわかりやすいお話というところでは、オーソドックスなものだったかもしれません。

「ありがとう」がホラーらしいということはどこかで見たような気がしますが、異色も異色、精神異常?者による殺人シーンを含む、こちらも死への恐怖を感じるお話でした。
「ありがとう」は「いただきます」よりテンポよくしっくりときている感じがして楽しく拝見しましたが、登場人物はこちらもなかなか強烈。あんなにいきいきと舐めまくる塩尻綾香さんが見られるとは。笑
岸本武享さん、強烈すぎるキャラクターながら、からまわりえっちゃんの役者さんならなるほどと思わせられます笑

こうして振り返れば充実した公演だったのかもしれません。やや汚い笑いに持って行った感はあるものの、うまい役者さんがしっかりと締めてらした公演でした。
大阪ゲキバカは続行とのこと、次回も都合つけば観に行きたいです。

のらん

のらん

TEAM 54 Produce

ABCホール (大阪府)

2014/05/31 (土) ~ 2014/06/02 (月)公演終了

満足度★★★★

密度!
ABCホールの舞台はけして大きくない。前半はそこに33人、それも男性ばかり。しかも、ほとんど全員がずっと舞台にいる。
正直、それだけでも見応えがありました。
よく拝見する役者さんたちは少しの台詞でもお上手なのがわかります。
三人芝居になるとちょっとぐだぐだな空気になってしまったのですが、本来そういうお芝居をされているのかなというのは中之島春の文化祭で拝見していたのでそこまで気にならず。
とにかく、史実をもとにした楽しいエンタメ芝居という感じで、満足度が高かったです。

劇中歌がなかなかやっつけな感じのものだったのですが何故か耳に残る素敵なものでした笑。ただの火事やない♪

ファタジア・オブ・ザ・マーメイド

ファタジア・オブ・ザ・マーメイド

ムーンビームマシン

HEP HALL(大阪府)

2014/06/06 (金) ~ 2014/06/09 (月)公演終了

満足度★★★★

つくづく、
舞台は総合力だと感じる。
衣装と照明が素晴らしかった。布に当てる照明とちょうどいい音とで海中であることを表現しているシーンなど、ちょっとしたところで「さすが!」と思わされた。

ムーンビームマシンさん、Sarahさんの世界観は今回も健在。歌、ダンスに加えバトントワリング、目を惹きつけられました。
お話にややつっこみどころはあれど、うまく三つどもえを描き出し大団円とスピンオフの可能性を匂わせながらのラスト。

今回も楽しみました!

めいめい、ぐるり、ゆめゆめ、いずれ...

めいめい、ぐるり、ゆめゆめ、いずれ...

Noisy Bloom

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/05/02 (金) ~ 2014/05/04 (日)公演終了

満足度★★★

よくある話かと思いつつ
夢のお話、現実逃避のお話、女子なら誰しもが陥る感情の隙間。オムニバスはどうにもどこかで見たことのあるような話かと思いきや、前半と後半では全く違うテンションでもって観ることになった。
話の大筋は物語半分ほどでなんとなく読めるわけだが、解決に尽力する主人公の、怒りを内包する性格がなかなかに芝居でみない類の新鮮なもので、エネルギーに満ちていて目を惹いた。
f-coさん、熱演でした。
主人公は二人で演じており、電車に乗っているほうと現実のほう、二人が邂逅し会話をするシーンは見応えがありました。山本光さん、そのために髪を切ったそうですが、もう、ばっちりです!!
電車の車掌だった枡實七月子さん、最初わかりませんでしたが今回も素敵。思わせぶりな台詞はきれいに回収されました。

全編通し女子のお話という感じでした。客席は意外と男性が多く、なんとなく合わないと感じたかたがいらしたかもしれないなと思ったりしています。ラストの一言にどれほどの安堵を感じたか、男性客のかたとお話をしてみたいような、そんなお芝居でした。

それから。映像と音響、さすがでした。

オレンジ新撰組 リターンズ

オレンジ新撰組 リターンズ

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/05/02 (金) ~ 2014/05/11 (日)公演終了

満足度★★★

多少無理がありつつも楽しい!
いろんな無理をごまかしつつ笑、主人公たちのダメっぷりと火事場の馬鹿力っぷりが楽しく表現されている。
幕末モノを小劇場で観るのは初めて。登場人物達の名前ににやっとする。


一度だけ観た感じだとちょっとひっかかった箇所があります。
また観に行くのでそれがわたしの見当違いなのかそうではないのか、確かめたいです。
【加筆】
→冒頭あんなにハイテンションでぐいぐい引き込まれる会話劇なのに、途中でどうにも冗長に感じられるシーンがあるのです。そこはハイテンションにしてはいけないシーンなのは確かなのですが…どうしてか、そこで間延び感が出てしまって、観ているほうとしてもテンションが落ちてしまい、お話が途切れてしまった感じを受けました。
お芝居のテンポというのは大事なものだなと痛感。

ネタバレBOX

ラストまで行っても、まだ主人公がダメダメ。笑
愛すべきダメ男たち、ということのはずですが、、うーん、もうちょっとがんばってほしいところ!笑
おしゃれ紳士×梅棒 presents オシャレ紳士と梅棒のサウンド・オブ・サイレンス

おしゃれ紳士×梅棒 presents オシャレ紳士と梅棒のサウンド・オブ・サイレンス

男衆ver.2.0 おしゃれ紳士

六行会ホール(東京都)

2014/05/02 (金) ~ 2014/05/04 (日)公演終了

満足度★★★★

最初こそ度肝を抜かれるが
衝撃的な出で立ちで登場されて慣れるまで観るほうとしてはちょっとふわふわした感じになる。最初は舞台上のダンスもこれといった主題無くふわふわと進むが、やがてショートストーリーの体を成してくる。
梅棒のようにシンプルで力強くわかりやすい、複雑でない振付は、観ているとこちらまで体を動かしたくなる素晴らしいもの。J-POPにのせてその歌詞を活かしながらのダンスであり、ここぞというときに歌詞をしっかり口パクするあたりが巧い。
すでに言われているようにキス落ちが多いのはどうかと思うわけだが、ある種の男子校ノリだろうか。

そんなこんなでラストの短編が「ロミオとジュリエット」なわけだが、一ひねりあった上に終演時には誰もがスマホを操る現代に生まれ変わった二人が出会うというシーン、そしてそこにかかる曲も良くてメッセージを受け取った気分。

一度しか観られなかったが、なるほどこれは複数回観たくなる作品。
次回公演を楽しみに待ちたい。

男の60分 -2014-

男の60分 -2014-

ゲキバカ

世界館(大阪府)

2014/03/25 (火) ~ 2014/03/27 (木)公演終了

満足度★★★★

とにかくパワフル!
昨年秋以来のゲキバカさんはこじんまりと7人だけ、70分の作品。
その昨年秋の作品がゲキバカノワールのわりと静かめなお芝居だったので、今回の小学生男子が暴れ回るステージは「よく動くな…」が第一印象です。笑
暴れ回りすぎて汗だくで、ステージで服を脱ぎ捨てる皆様、、おつかれさまでした。。

カーテンコールではその小学生男子たちが「今の姿」であらわれるというなかなかにくい演出!^^ 鉄板のネタに持って行くために「大阪府摂津市」にされたというのはわかっていても、大阪が舞台なのも嬉しかったです。 楽しかった!

ほらふき王女バートリー

ほらふき王女バートリー

ミジンコターボ

HEP HALL(大阪府)

2014/04/17 (木) ~ 2014/04/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

初日からトリプルコール
主演のSun!!さんのかわいらしさといったらもう。14歳になる王女の役でしたが、小憎たらしい感じ、甘やかされている感じ、思い通りにいかないと癇癪を起こす感じ、好きになった男の人を懸命に追いかける感じ…にこにこと観させていただきました。
おとぎ話のようなお話を、生演奏と衣装と舞台美術とで素晴らしく表現していました。
真壁愛さん演じる母親と、蟷螂襲さん演じる父親がとても良かったです。個人的に胸をぎゅっと掴まれるような台詞もあり、とても満足した舞台でした。

木曜日の初日を観に行ったのですが、初日からトリプルコール。解散公演だということもあってのことかもしれませんが、関係無く素晴らしいステージで、わたしもずっと拍手をしていました。ミジンコターボさんの長編を観るのは初めてだったのに、まさかそれが解散公演になるとはなあ。
ともあれ、素敵な舞台でした。ありがとうございました!

リターン☆プラネット on stage

リターン☆プラネット on stage

baghdad cafe’

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2014/04/18 (金) ~ 2014/04/21 (月)公演終了

満足度★★★★

後味の悪いエンタメ。笑
会場に入ると、まず黒い布で覆われていない2ndにびっくり。
奥までしっかり見えている。おお、こうなっているのね。
既に役者さんがいらっしゃいます。匿名劇壇さん「Jerk!!」のときのような、楽屋なんて無いよスタイルなのかと思いきや、そういうわけではなさそう。
そう、物語は撮影所から始まって、撮影所で終わる。ここは撮影所ということ。客入れの時点では蛍光灯の灯りしか無かった「撮影所」はしかし、芝居が始まると舞台の照明に照らされて「劇場」になる。まだ撮影所のはずなのに。雰囲気ががらりと変わることに驚く。
そんなふうに始まって、オープニングダンスがあって。木下聖浩さんや殿村ゆたかさんまでもが踊っていらっしゃる!笑
しばらくすると物語の舞台は「星」にかわるのだという。そして、またオープニングダンス。2回も踊る、そして、衣装がみなさまちょっとずつかわっていますが、安っぽい!笑
撮影所での課題が重苦しかったのに、主人公はまったく別件の重苦しいことで故郷の星に帰り、そして星で直面する課題もまた重苦しい。どこがエンタメなのだろう?笑 でも、これでもかと繰り出されるレベルが低いんだか高いんだかわからないネタに主人公も観客も振り回されてなんとなくエンタメっぽく感じつつ結局何が解決したのかもよくわからないままなんとなく恋愛の話になったりしつつ…終演はほっこりめ。でした。

このしっくりいかない感じ、確実に狙って作っていらっしゃることはわかるわけですが、どう表現したものか、と思っていましたら。
いろんな現場で音響をされている須川忠俊さんが絶妙な感想をツイッターで述べられていました。いわく、「エンタメをはき違えている」。それだ!と思います。
そんなわけで、すごいお芝居でした笑。癖になる前に脱することができてよかったです笑

じんない

じんない

STAR☆JACKS

HEP HALL(大阪府)

2014/04/25 (金) ~ 2014/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★

これは…かっこいい!
劇中、決め台詞がいくつも出てくるわけですが。特に大口上はかっこいいの一言につきます。

そして、今公演はキャスト入れ替えがあるというお楽しみつき!両方を拝見しましたが、、なるほどこれは、ぜひ両方を観ていただきたい!
衣装さんおつかれさまでしたと思わず言ってしまうわけですが、色違いだったりして入れ替えキャストの方の衣装がかわっていました。

R18寸前の山本香織さんが一瞬観られたり、もうなんだかお祭り騒ぎのSTAR☆JACKSさんです。
ああ、千秋楽のセレクトステージが気になる!!

ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない

ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

ひとつの流れを持った短篇集
そもそもわたしは「短編集」というものが好きなのかもしれない。それを抜きにしても素晴らしかったこの短篇集。
「終わりよければすべてよし」的なニュアンスを含ませた「What a wonderful world」から終演までの流れが非常によくできていた。
ひとつひとつの短編の出来もよく、客入れパフォーマンスから終演までの流れもよく。通常短編集であれば屋台骨の芝居は一つあればいいところ、今回は二つ、と見せかけて実は一つだったり笑。派手な芝居から静かな芝居、下ネタしかない芝居から勇気をもらったり、何が何だかなカオスっぷりで楽しませていただきました。最前列中央だったので悪魔の写真もいただきましたありがとうございました笑!

恋する、プライオリティシート

恋する、プライオリティシート

タンバリンステージ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

全編リライトという再演
再演ということですがあまりネタバレが好きではないので前情報はあまり入れずに観劇。

舞台美術の豪華さと開場の時点ですでにピアノ生演奏が始まっていることにのまれそうになる。暗転してもピアノ生演奏は止まりません(ピアノは見なくても弾けますが、それにしても舞台の本番中となると大変なはず…山口紗貴さんおつかれさまでした)。

人の頭を叩きすぎだったり下ネタたっぷりだったり結局はお金の話だったり、
いろいろとあります、ありますが、
総じて楽しかったです。

そして、観劇後にオリジナルの「恋プラ」口コミを見てわかったことは、
どうやら登場人物が違うらしいということ。
物語の軸は変えずに全編書き直しての再演だったようです。
キャストの皆さんがイキイキされている舞台を作り上げた作演出保木本さん、お見事でした。

ネタバレBOX

ブラッディメアリーといえばセントレジス。
セントレジスにこのバーは無いな、と、、笑いながら見させていただきました^^
眠る羊

眠る羊

十七戦地

LIFT(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★

息をつかせぬ会話劇と、静けさと
公演期間の終盤、大阪から向かって当日券で観劇のため見切れ席でしたが、あの空気を味わえただけでも価値がありました。

強烈なプライドを隠さない長男次男と、それを見てきた故か強烈さは無い三男、そして政治家である次男の秘書たち、普段は関わりの無い長女、、
関係性を説明する時間は政治劇だと思って身構える観客をほぐすかのようなコメディタッチ。
三男の発言の、絶妙な間。観客に悟らせる技術。
長男の「ダメだこいつ」感、次男の「やればできるじゃないか」感。
そして、最後に次男が見せる決断と、それを受け淡々と仕事を始める秘書たち。
いろんな姿が終始色濃くえがかれていました。面白かったです。コメディ的な部分と、わかりやすい静謐のバランスでぐいぐい引き込まれるお話でした。
ただ、父親が結局どうしたかったのかを、わたしは一度の観劇では読み取ることができませんでした。そこをわかりやすくするか否かは作家さんの好みでやればいいことですしそこを考えるのが観劇後の楽しみであったりするので文句ではありませんけれど、自分の記録として記載しておきます。

もともと政治に無関心だったわけではない自分が、なんとなく啓蒙されてしまったのがちょっと癪です(笑)(褒めています)

Jack moment.

Jack moment.

バンタムクラスステージ

萬劇場(東京都)

2014/03/12 (水) ~ 2014/03/16 (日)公演終了

満足度★★★★

なるほど代表作
今までに拝見したバンタムクラスステージ公演の中では、自分の好みから少し外れる作品だった。なぜなのかと考えてみてもこれだという答えは見出せないのだが、おそらくは大河ドラマを二時間強におさめることは不可能だということなのだろう。
自分の好みからはやや外れる作品だったが、それでもバンタムクラスステージの個性を充分に堪能した。男性キャストはとことんかっこよく、女性キャストは美しくかつ個性が際立つ。場面転換では見事に舞台上の人間の顔が見えない照明。整然と動くあの場面転換が、今回は多かったか。
この劇団の個性、スタイル、こういうことをやりたい、そんなことをガツンと知らしめるような公演だったという意味で、代表作であることに間違い無かった。
土屋兼久さんが全編通し素晴らしかった。ガラかつとしさん、出番はあまり無かったけれど同じ人間が変貌するさまがまざまざと表現された演技。山本光さん、自分の部屋でのシーン、人生の主役である自信に満ち満ちた圧巻の演技。徳永健治さん、小者感を失わずに王者へと突っ走る熱量が素晴らしく観客を圧倒、見応え満点!

ネタバレBOX

どうにもさらりとしているのは「ジャックとは何者か」がまるで見えてこないから。そこで生身の人間が演じているのに。
それがこの芝居の狙いだと言われて、よくできていたと思うのは思うけれど、そこを感じとった上で感想として「素晴らしい」と言える観客がどれだけいるか。

演劇のどこに面白さを感じるか、は十人十色でいい。
いろんなスタイルを見て自分の好みを知っていけばいいと思う。

話がそれました、、
いつもながら、おちぶれていく人間、実力を発揮してうまくいく人間、逃亡し消えていく人間などなど、人生を作り上げていく細川さんの手腕が見事だったのは間違い無い。
理不尽な暴力に不満を感じて会計士があちらの世界に足を踏み入れてしまうのはなんとも不思議な展開だが、彼が誠実さを持ち合わせていないことを知ればさもありなんという感じ。徳川慶喜につかわれた「百才あって一誠なし」のような…ジャックも慶喜と同様に最後は逃げて舞台から去っているわけで。それも、なんとも幸せそうに。
ひらめきと運だけでは、野心と暴力の世界を渡れない。ジャックはプライドよりも別のものを大事にし、プライドが大事だった者は破綻する。

公演から一ヶ月以上経ってしまいましたが、こうして書き出してみて、やはりJack moment.も濃厚だったなと思います。ありがとうございました。次の公演、楽しみにしています。

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