満足度★★★
エグミが強すぎた
特殊な設定を用いフィクションの態を取りつつも障害者を取り扱っていて、観ているこちらがツラくなってくる。あと、食べ物ぐちゃぐちゃにするのも度が過ぎている、冒頭のワカメから引いてしまって、ラストシーンも食べ物の投げあいなので、僕にはエグミが強すぎた。
かなり深く事象を抉ってくるし、洞察も鋭いと思う。価値観を揺るがす作品が好きだが、ある程度の共感がないと嫌悪感が先に立ってしまう。嵌まる人には、とても評価されるだろう。久々に合わない。しかも、それがとても残念だ。
ネタバレBOX
糸山和則が信じられないほどヤバイ。どこか壊れた役ばかり最近観ているが、突出して上手い。怖過ぎる。近い役柄の長井短と混ざって尋常じゃない空間を創り出す。長井短、綺麗なんだが独特の雰囲気があってこちらも怖い。
満足度★★★★
後味悪いけど癖になる
観劇直後の感想は「一発で全部分からせるつもりがないのか、かなり難しい作りだな」で、観劇後軽く呑んでたら、少し間を置いてジワジワきた。物語が頭の中でつながってくる。あ、そういうことか。。。が連発。後味悪いけど癖になるタイプ。
ネタバレBOX
三澤さきが良かった。真っすぐで、鈍感装った繊細さ。自分の感情に制限かけて、どこか諦めているようにもみえる。いろんな側面を、浅めに表現していながら、観客にしっかりと印象を残してくれる。掴みきれていないかもしれないという感覚が凄く魅力的。
レベッカの狡さや残酷さ、福満瑠美の純情、坂本鈴の駄目っぷり、るんげの嫌味な優越感、しまおみほと松本みゆきコンビの駆け引き。みんな女の子ならではと思われる特徴を発揮していてそれぞれ印象に残っている。
満足度★★★★
安定感抜群
笑って泣かせるこコンセプトは健在。安定感抜群
ネタバレBOX
だが、今作はキャラ設定に頼り過ぎの印象。セリフで笑うのが好きなのだが、ツッコミが観客に委ねられるネタが多く、充分に笑えなかったのは残念。あと、劇中に歌演出が多いのも合わない。
ラスト加藤慎吾の表情は秀逸。あれは泣かせる。狙っているのは分かっているが泣いた。前説は前半が素晴らしい。入場タイミングを考慮し前半を天丼にしている配慮も好感、後半はただのカラオケ大会で以前のモモクロネタ程の感動はなかった。
PMC野郎は、サイショモンドダスト★と野口オリジナルがいつも印象に残る。発声が素晴らしくて、セリフがきっちり入ってくる。今作も体を張った設定というか、この二人よく半裸になるな。と思う。野口さんは今作半裸以上、全裸未満だが。
満足度★★★★
観客に歩み寄っている
パワーのあるナンセンスギャグを織り交ぜつつ、インナースペースとの葛藤やリアルな人間関係社会性との葛藤を被せた多重構造。前作よりも深みをまして更に観客に歩み寄っている印象。終盤の捻りの効いた展開も楽しめた。
ネタバレBOX
ただ、前作の個人的な孤高を表現する方が、今作の身近な人との関係が社会の中での在りようの難しさの葛藤を表現するより好みに近いのが正直なところ。笑いについても前作の方がより破壊的で無茶苦茶だったので好き。評価が高いのは恐らく今作だとは感じる。
連続主演の藤尾姦太郎は、見事に作・演の期待に応えていると感じた。3作は重ねないと思うので次回作での変化に期待。ヒロインの服部容子は、単にちょっとエロすぎて、ラストあそこまで直接的表現をとられると引いてしまう。これは個人的な好みの問題だが。
「脇おにぎり」は、出てきた瞬間から大爆笑してしまった。もう既に「どうなるか」は分かっているのだが、本当に「そうなるのか」と期待しながら観る楽しみ。あれは石澤希代子のファインプレーとしか言いようがない。
満足度★★★★
テンポの良さとセリフのハーモニー
柿喰う客ならではのテンポの良さとセリフのハーモニーが堪能できる良作。こどもとみる演劇と銘打っているが、そのクオリティは充分高い。とても楽しめた。随所に子供が飽きないような工夫がされている、が、残念ながらそれでも飽きちゃう子はいるみたい。。。
ネタバレBOX
開演前に葉丸あすかが子供とじゃれあってる姿がとても微笑ましかった。永島敬三の前説が落語の小話だったのだが、全く子供向けのネタではない、というところが内心大変面白かった。入り方が名作一人芝居「ときめきラビリンス」に似ていて印象的。
深谷由梨香がのっけから怪しげで妖しげな登場をしてくるのに吃驚したが。それを子供がほぼガン無視するのが印象的だった。アラサーなのにメイド服があんなにハマっていいのだろうか?しかも、髪下ろしたらショートボブで、これがまた良く似合ってて吃驚。
満足度★★★★
新鮮
全く違うタイプの女優が阿部定を演じていて新鮮。どちらかというと可愛いタイプのハマカワフミエが阿部定の美しさを、綺麗タイプの岡田あがさが阿部定の可愛さを観せてくるというのには驚いた。巡り合わせだが、両作とも何故か演者が噛んだり飛ばしたりとミスが頻発して吃驚。
ネタバレBOX
「昭和十一年五月十八日の犯罪」
暗転明けのっけからただならぬ雰囲気のスタートがよかった。ハマカワフミエの放つ凛とした美しさや江戸っ子ならではの気風のよさが非常に印象的。自分の中にある勝手な安部定のイメージとは違うので、そのギャップも良かった。
基本的に瀧川英次の掻き回しぶりを楽しむ作品なのだと思う。「なるほど」と思わせるオチが最後に用意されており、いろいろと納得させられるが、あの緊張感の中でぶっ飛んだ発言を違和感なくぶち込めるキャラが秀逸。
「定や定」
ハマカワ版と違い、イメージに凄く近い安部定を岡田あがさが好演。こちらは、江戸っ子の人懐っこい一面を具現化していて可愛げを振り撒いている。可愛い笑顔を見せるのだが、その魅せ方がグッとくる。意図していない様子が更に毒婦な印象。
寺十吾の上手さというか、岡田あがさとの相乗効果の出し方が印象的。二人芝居にもかかわらず周囲の状況や情景が自然と理解できるようようになっていて良かった。岡田あがさのミス受けて時代考証がぶっ飛んだセリフを思わず吐いてしまうというミスは貴重だった。
満足度★★★★
部分部分で刺さってくる
ハマる人の気持ちは分かる。部分部分で刺さってくるものはあって充分に楽しめたのだが、全体としてミュージカル風味があんまり合わない質(たち)で、作品の長さもあってテンポが噛み合わなかった。
ネタバレBOX
単独の作品としても成立している『観光裸』パートは良かった。内田慈は文句なく素敵で本当に魅力のある役者。可愛さ、美しさ、妖しさのバランスが絶妙。
金子岳憲と鯉和鮎美のロストチェリーのくだりもストーリとしては好みだった。金子岳憲のマイク通さずとも声を届かせることができる発声の良さと歌の上手さが印象的。あと何故だか鯉和鮎美の 髪型、と言うか編み込みが気になってしょうがなかった。
満足度★★★★
重厚な世界観
綿密なストーリー展開で重厚な世界観を構築しているのは流石。観応え充分。ただ 、バルカン半島近代史に疎いため世界に入り込んでいけなかった。エンターテイメントよりドキュメント観ている感覚に近い。
ネタバレBOX
名前に聞き馴染みがないというのは、本当に難しいものだなと痛感。少し席が後ろだったことと登場人物が多いこともあって誰が誰だか整理がつきにくかった。題材が大き過ぎてシナリオに入りきっていない感じはする。
西尾友樹と岡本篤の主人公コンビは、抜群の安定感。青年と老年をキッチリ演じ分けていた。浅井伸治も真っ直ぐな軍人役を好演していて、やっぱり劇団員が大事なところをおさえているなと感心。
満足度★★★★★
分かって観てる2回目の方が笑った
冨坂友の脚本がいい。時間移動ものを見事に描ききっていて納得度が高い。しかもコメディ。あそこまで破綻なく笑いを織り込み最後には心を打つとは。2回観たが分かって観てる2回目の方が笑ったというのも貴重な体験。
ネタバレBOX
SF好きが観て充分に納得ができる設定と展開なのだが、恐らくそこまでSF知らなくても楽しめる説明の上手さに感動。タイムマシンの設定は特に秀逸。機能が限定されていてしかも有限というのが本当に良く出来ている。
斉藤コータと津和野諒が破壊的に笑わせてくれる。特に今作の津和野諒は、ちょっと尋常じゃなく面白かった。個人的には彼女云々よりもタイに飛ばされるかものくだりが大好き。
細井寿代が序盤に追い詰められるシーンも凄く好き。真っ直ぐで素直なリアクションが状況設定で笑いに変わるというシチュエーションコメディの真骨頂。しかも、設定を確りと理解させる運びの上手さ。
熊谷有芳の真っ直ぐなキャラクタも良かった。初めてアガリスクで自ら損を拾いにいくタイプ観た。真面目で責任感の強い真摯な姿がハマっててクライマックスで泣きそうに。劇中時折観せる笑顔がとても素敵。あと柔軟がすげー綺麗で観惚れる。
中盤展開上の理由から暗転連発になり中弛みするが、沈ゆうこが出て来てツッコミで場を攫いつつ緊張感を取り戻すのも好き。初日はなんとなく馴染んでいないような感じがしたけど、2度目観た際はバッチリ。
満足度★★★★
楽しめたが企画の意図は?
単純に作品を楽しんでみたけどSAFにつながっているかどうかは良く分からない。
ネタバレBOX
第27班『希望人の海から』感想
少し厳しいことを言うようであるが「ハヤブサ」の本歌取りがオマージュになっていない。本来その世界観を引き継いで多層的に世界を構築すべきであるが、心動かされた部分は殆ど「ハヤブサ」のくだりで本編は笑えるものの、グッとこない。
直前にダルカラを観てしまっていて、役者の技量に目がいってしまった。劇場の大きさはほぼ同じ、偶々だが座った位置での舞台からの距離もほぼ同じなのだが声がはっきり聞こえない。これは現時点ではどうにもならない「差」だと思うが…
レティクル東京座『芸能海兵ウズメ組』感想
正直説明のしようがない。レティクルライブだった。スジはあるのだが、レティクルライブだったと説明するほうが相応しい。千穐楽ということもあり、尋常でない熱気でファンの皆さんがキャーキャー言っているのを観て、やっぱりオンリーワンの魅力だと感心。
レティクルライブなのだが、青海アキががっちり軸を押さえていたのは印象的。最近の3作品しか観ていないが、レティクル東京座って、そこに彼女がいることが当然のようになっているのが、凄くいいと思う。
これは、僕の勝手な解釈でしかないが、シアターミラクルでレティクル東京座をはじめて観た時から、彼女たちはプロの劇団だと思っている。殆ど観ないので学生演劇を語る資格はないけど、感覚的に甘さとか緩さがない。先を見ていると感じる。
満足度★★★★
もう一回観る
冨坂友の脚本は、コメディなのに知的で破綻がなくて凄く好み。タイムパラドックスという好きな人には堪らない題材も劇空間で表現するというのは相当難関だが、いろいろと工夫がなされていて納得度高い。
初日は、斉藤コータと津和野諒のコンビと細井寿代に笑わされた。
シリアスな部分では熊谷有芳が良かった。
来週もう一回観る。どうなってるか楽しみ。
満足度★★★★
完成度高い。
完成度高い。シンプルな舞台装置に4人の役者の技量で魅せる。とにかく皆の演技がよくてプロ中のプロの舞台という感覚。特に発声が凄い。何でこんなに聞き取りやすいのか。小さい声を後ろの席まで透す発声には聞き惚れる。
ネタバレBOX
百花亜希が良かった。真っ直ぐで、勝気で、素直で、脆くて、生意気で、子供なキャサリンが魅力的だった。笑顔も泣き顔も、どちらも人を惹きつける。ふわっとした外見からあんなにも引き出しがあるのが凄い。もらい泣きしてしまった。
大家仁志は抜群だった。声の透りのよさに独特の響きが加わって、なんともいえない味わいがでる。遠野あすかも流石宝塚の元トップ。声もいいし、綺麗。山本匠馬もカッコイイし。いろんな意味で完成度の高い舞台だった。
満足度★★★★
可能性が広がる
スタジオ空洞のステージを贅沢に使っていた。アクティングスペースが相当広く取られていて、こんなに客席絞ってしまっていいのか?と思うほど。拠点を持って公演が打てるというのは、こういうことが出来る可能性が広がるということかと実感した。
ネタバレBOX
結構奇抜な演出をつけていて、不自然な直線的動きや、突然の異様な早口、過剰な演技など、少し捉え方に戸惑いを覚えるものもあった。ちゃんとした演劇ファンではないのでイプセンの戯曲を読み込んでないし、他の演出も観たことがないが、難しい印象。
榊菜津美、ほぼ全編出っずっぱりのタフな舞台にもかかわらず元気いっぱいで少女感の残るヘッダを好演。もっと妖しい女性に仕上げることも出来るかもしれないが、彼女の小悪魔的な魅力が全開なのも好感。
糸山和則、本人には申し訳ないが、『ぬれぎぬ』の門田イメージが強過ぎる。しかも、チョット際どい感じが被ってるので余計に意識してしまった。こういうめぐり合わせの悪さは仕方がない
満足度★★★★
オープニングが秀逸
オープニングが秀逸。何か観てるだけでニコニコさせてくれる雰囲気を全体から醸し出していて良かった。今まで観た作品よりも万人受けする内容。反面、尖がっていないのはちょっと残念。きちんとした突っ込み役が不在だったからかな。
ネタバレBOX
前園あかりは期待通り。彼女の良さは、35人いても際立つ存在感。役柄が殆ど影響しないオープニングからそうなのだから凄い。劇中の役柄もピッタリ嵌っててキューで良かった。別役の際に男担ぎ上げるのは流石の怪力。
一色洋平も相変わらず凄まじい身体能力。あのアクトは殆ど二階から飛び降りているようなものだ。ただ、初めて印象の刷新みたいのは感じなかった。次はどんな役なのか楽しみ。これだけな訳が無いことを『モノロオグ』を観て知っている。彼はもっと凄い。
浅見臣樹の飄々とした軽妙でボケているのか、突っ込んでいるのか微妙なツッコミは笑えた。野口オリジナルの発声がホント良くて吉祥寺シアターのような天井高くて奥行きのある劇場にも負けないのも印象的。
満足度★★★★
ドギマギしてしまった
初演時とセット構成が一緒でスズナリなのに奥行きないし、横幅も狭いというのが感慨深い。ゴールデン街劇場と違い見あげる形になり、より観ているとドギマギしてしまった。
ネタバレBOX
キャストが若干変更となっていておどろいた。石澤希代子とあやかが入れ替わっているのかと思っていたけど、根本宗子が”じゅん”だった。雰囲気は違うけど最後のシーンで受けた印象が全く同じで感動した。
野田慈伸も初演の浅見紘至とは違った味が出てて良かった。浅見紘至のちょっと凄みのある雰囲気と違い、より我侭で身勝手な感じが印象的。市川大貴との絡みは両者甲乙つけ難い面白さ。
あやかの”まゆり”も野田慈伸の”横瀬”に合っていて、根本宗子の今回のキャスト変更で見せた演出力は凄いものがある。もちろん、尾崎桃子のぶっ飛び具合、大竹沙絵子の不幸芝居、梨木智香の存在感、市川大貴のキモさも秀逸。
満足度★★★★
人の嫌なところを抉ってくる
前作同様舞台美術が変則的で出ハケが巧妙。時間軸と人物が交錯しながら人の嫌なところを抉ってくる。主人公だけがキャストを分けていて、その他の人物はそのままというのが終盤に効いていて良かった。
ネタバレBOX
とにかくロ字ックらしいというか、観ていてちょっと辛くなるぐらい深いところにリーチしてくる。誰もがもっているであろうガキだったゆえのトラウマを思い出させ、泣ける。そして自分に対する肯定(許し)をそこに。
レベッカと小野寺ずるのやり取りは終始秀逸でよかった。あと、堂本佳世と小野寺ずるのくだりだけ全く違う雰囲気の演出が衝撃的。大森茉利子のいやーな雰囲気や浅見紘至が一瞬で場をさらっていく姿も印象的。
満足度★★★★
ラストシーンは衝撃
アクティングエリアが目の前というBAR公演ならではの臨場感がやっぱりいい。女性視点で描かれる男と女の浮気の話。体の浮気と心の浮気のお話。展開は読めたけどラストシーンは衝撃。大人の女性は怖い。
ネタバレBOX
7人の女性がそれぞれに個性的で魅力的。特に、金崎敬江、菊池美里に上手さというか、作品への貢献度を感じた。金崎敬江が流れを作り、菊池美里がクライマックスに向けての程よい緩みを演出。
と、書きつつも70分弱でエピソードを重ねすぎな部分もちょっと気になる。終盤まで酒井香奈子が効いてこないのももったいないし、マイクでの傍白は好みじゃない。あの狭さでマイク要らない。
満足度★★★★
対極的な2作
20歳の国『Don’t Be a Stranger ! 』、うさぎストライプ『学級崩壊』の二本立て。対極的な2作の青春群像劇。同じキャストで全く違う作品を上演するのが非常に面白い。演じる側はさぞ大変だったろうというぐらい雰囲気の違う2作だった。
ネタバレBOX
20歳の国『Don’t Be a Stranger ! 』。真っ直ぐな青春群像劇。なんか、少年、少女向けマンガでも見ているかのような甘く切ないストーリで、ちょっとリアリティがないというか嘘くさい感じがしないでもない。男子校出身の自分にはリアルが良く分からないが。。。
うさぎストライプ『学級崩壊』。寓意の多い作品でダークな雰囲気をまとっていた。バックグラウンドの世界観が最後まではっきりと説明されていない中で、紙丸めて投げまくられるのが、ちょっとついていけなくて残念。セリフ回しは結構好きだった。
両作品とも斉藤マッチュが凄い存在感で際立っていた。ともに作中でも特異な存在なのだが、違和感がなく世界に溶け込んでるのが良かった。あと、井上みなみも印象的。どちらも可愛いくて儚げな雰囲気と笑顔がいい。
満足度★★★★
オンリーワン感が半端ない
マイクスタンド5本、演者25人、3階層の舞台で爆音の中、目まぐるしい場転を繰り返すド派手演出。なのにいつの間にか「そういうものだ」となってしまう世界観の強さと分かり易い構成が高い納得度を生む。オンリーワン感が半端ない。
ネタバレBOX
観終わって当パン見直して25人の人物相関図が一発で頭に浮かぶというのが凄い。ストーリー全体から個別の人間関係までが、対立と融合と変化というポイントで貫かれて構成されている。と、後から感心する読後感の良さ。
もちろん、完璧ではない。流石に登場人物が多いため、オープニングまでがもっさりしてたし、ラストもそれで問題が解決するとは思えない強引さも感じないではない。けど、それでいいはず。今完璧じゃそれこそ駄目だと思うし。
25人のキャストにそれぞれに見せ場があったけど、青海アキ、山本沙和は際立って良かった。MeRの存在感も印象的。沈ゆうこは、いろいろな意味でもっと出来るはずで、これからまだ変化が出る期待感が凄い。
男性では、篠原正明、藤波想平が印象に残っている。山田勇亮は色んな意味で確かにズルイ。本人の意図なのか演出なのか、それともその両方なのか分からないけど、あれは反則的な狡さだ。
満足度★★★★
ラストシーンは衝撃だった
凝った舞台美術と音響で独特な世界観を醸し出していている。シナリオは丁寧な人物相関設定と伏線配置で納得度が高い。反面読めてしまう部分があって、もう一捻りあったらとも。でも、ラストシーンは衝撃だった。観たままだとすると…
ネタバレBOX
暗転があんまり好きじゃないけど、今作は時間軸の入れ替えの演出から暗転が効いていて好感。過去と未来の行き来が、すっと入ってきてバックグラウンドの理解が進んだ。蛇足だが演者の衣装替えが結構早くて感心。
当たり前かもしれないが、ゲンパビの三澤さきが印象的。うわー、髪長いなーというのが第一印象。溜めて、止める演技と笑顔が心に残ってる。深沢良磨も嫌味で良かったし、國津ヒロ、米津知美も印象的。
フライヤーを意図的に小さくしているのは戦略的だなと思っていたが、当パンに至っては変則の台形。よく考えている。何だかんだで手元に6枚もフライヤーあるし。今回は当日精算でSquareのカード決済使ったし。事前予約でカード決済しないのかな?