ももぷに子の観てきた!クチコミ一覧

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Twelve

Twelve

龍平カンパニー

青山円形劇場(東京都)

2014/08/28 (木) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

当日券で観る価値あり
冒頭、仮面をつけた「少年」の異様な舞踏に引き寄せられる。
父親を4回も刺して殺害した容疑で裁かれる少年。
彼は有罪か、無罪か。
最初は、1人を除く11人の陪審員が有罪の評決から動かなかった。
彼女の熱意に押されてもう一度事件の審議を始めてから、密室の中で二転三転するドラマが実に素晴らしかった。
ごく普通の人々が、極限状態(施錠された部屋で、5日連続で殺人事件の事ばかり考えているわけです)で見せる一面には、きっと本人は意識したことも無いだろう差別的な考えも現れる。
人種差別、性差別。社会的弱者への偏見。

常日頃、自分は差別なんてしたこと無いよ、という人が取る行動にぞっとしたこともある私としては、そこが何より怖かった。
望月龍平さんの脚本と演出に感じ入った作品。
キャストも贅沢なので一見の価値ありです。

ネタバレBOX

贅沢なキャストと書いたけど、特に3人の方が印象的だった。
山口馬木也さん。一見、反抗期の息子を持つごく普通の父親が、何故か容疑者の有罪に固執する。自分の意見を通すために周囲を罵倒し、大声をあげる人、いるわーと思った。
村井國夫さん。当初から危ないオジサンの雰囲気があるが、
中盤、差別意識をむき出しにする場面の迫力がすごい。
さすがの貫禄です。
土居裕子さんの爽やかな弁舌は、審議を終えて早く帰りたい面々の中で清涼剤のよう。弁護士みたい、と劇中で言われていたけどまさにそう。

もう一度観たいけど、自分がリピートするより初見の観客にどんどん足を運んでもらいたい作品。
ひなたのなかのこども

ひなたのなかのこども

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2014/08/13 (水) ~ 2014/08/19 (火)公演終了

満足度★★★★

見応えありました
思いがけず野崎淳之介に再会できて嬉しかった。
戦後すぐを舞台にしたシリーズ物なのですね。気が早いけど、
来年も見に来たいと思った。
それくらい時代背景と脚本が自分好みの作品。Twitterでも呟いたけど、うだつの上がらない探偵と下宿の女中さんのやり取りって、それだけでニヤニヤしちゃうくらいツボ。
人の心の闇を垣間見て謎を解く探偵物には、
観客がふっと力を抜けるシーンが大事だと思うので。
全体の緊張感とのバランスも良かった。

廿浦さん演じる総裁は誠実さと人間味がある。
だからこそこの展開は辛く、やりきれない哀しみが残った。

個人的には妻の心情がもっと知りたかった。 彼女は何を思い、あの行動を取ったのか。(演出の感想はネタバレで)

ネタバレBOX

最近目に止まった言葉に、舞台は観客の想像力があって完成するものだというのがあって、シンプルな舞台装置の本作でそれを実感した。
力尽き、線路(に見立てた2本の横木)に伏す国鉄総裁。
機関車の音がどんどん大きくなり、最大になった瞬間、
機関車本体が見えた…気がした。正確には、思わず目を閉じてしまったのだけど…
そんな体験をさせてくれて感謝です。
コロニー

コロニー

ファントマ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2014/07/19 (土) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

狩るものと狩られるもの達のお話
美津乃あわさんと萩野崇さん目当てで観劇。が、しかし、開始後すぐこれは予想以上に面白そうだという予感があった。その通りだった。
昆虫世界がモチーフで、異なる種族同士の争い・共存と愛情が描かれる。その間にテンポ良くギャグが入る感じ。楽しい!観てて気持ち良かった。(詳細はネタバレで)
公演機関が2日間というのはもったいない!
リピートしたい舞台でした。

ネタバレBOX

敵対する2王国の女王は美津乃あわさんと伊倉一恵さん。二人とも威厳があって惚れ惚れするほどの女王様っぷり。
槍の国(たぶんスズメバチ)の戦士を演じたコロさん、カッコいいなー。2次元キャラのようですよ。
美津乃さんにも「無駄に凛々しい」と言われていた。
萩野崇さんの爽やかなタラシっぷりと見苦しい死に様が素晴らしかった。あのキャラが個人的に一番哀しい気がする。
初々しい女王候補を演じたイトウエリさん。特に良かったなぁ。
伊藤えん魔さんは名前しか知らなかったんだけど、変態感と存在感が抜群だった。
全員の事を書きたいくらい良かった。
うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

駅前劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ゴルバチョフ…!!
一人(一匹)の犬の生きざまと最期の在り方にやられた二時間弱だった。ゴルバチョフ(犬)の笑顔が終演後も頭から消えない。

ブラックな笑いも多い。想像だけど、脚本の吹原さんは「ここまでやったらお客はひくんじゃないか?」などと考えない気がする。お客に媚びてないし、かといって自己満足でもない。この辺がバランス感覚なのかもしれない。

個性豊かな役者の皆さんも健在。サイショモンドダスト★さんの全力投球ぶり、萩野崇さんのドSぶり、増田赤カブトさんの健気なフルスロットルと、書ききれないインパクトだった。
そして勿論、犬のゴルバチョフ役の加藤慎吾さん。
私が犬好きだからという事を差し引いても、切なくてたまらない犬生をありがとう。

記憶の水平線-初日完売致しました!-

記憶の水平線-初日完売致しました!-

マニンゲンプロジェクト

シアター711(東京都)

2014/07/02 (水) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

死後の世界は賑やかだった
賑やかな幽霊の(?)お話。死因も様々な登場人物達が、口々に自分が一番不幸で悲惨な人生だったとアピールする場面が面白かった。一人一人の人生はしんどそうなのに、端から見ると妙に滑稽なわけです。「あなたの人生なら、私いけるわ」 この台詞に尽きるわー!という感じ。
途中にある芝居稽古のシーン(お芝居をやろうという展開なのですよ)が長く感じたけど、これはある人物の過去へと繋がる伏線のため? ちょっと唐突な印象だった。
生きている人に忘れられると、存在が消えてしまうらしい彼ら。消える事は恐い。それは分かるのだけど、誰かが今でも死を哀しんでいるからその存在がある。それはとても残酷なことで、残された人の辛さを想う台詞があまりなかったのが、個人的に少し残念でした。

天帝のはしたなき果実

天帝のはしたなき果実

<火遊び>

吉祥寺シアター(東京都)

2014/06/26 (木) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

予備知識なしで観劇
結論としては原作を読んでから行くべきだったかなと。世界観を把握するのに時間がかかったのが残念だった。情報量が多い作品なので、戸惑っていたら観客は置いてきぼりになってしまう。原作ファンだったらニヤニヤしながら楽しめたのかと思うと大変悔しい。しかも4日しか公演期間がないではないですか。もう一回観られればと思いつつも、休憩なし二時間半のリピートは申し訳ないが正直つらい。
意味深なセットはとても好み。転換も速いし、暗転がほぼなかったように思う。(特に気になった演出はネタバレ欄で)
とりあえず原作に挑戦します。
それにしても、公演直前にキャスト交代があったようだけど、短期間でセリフを入れた松村泰一郎さんは凄いね!

ネタバレBOX

記憶が曖昧で申し訳ないけど、吹奏楽コンクール(県大会?)のシーンであえての無音の演出がとても印象的だった。観客が不安を感じてみじろぐほどの長さだったので、勇気のいる演出だったのではないかと思う。でも、美しいシーンだったね。
背水の孤島

背水の孤島

TRASHMASTERS

本多劇場(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

考えさせる作品
あくまで個人の好みですが、私は説教くさい作品は苦手です。映画でもマンガでも、作者の個人的な怒りや主義主張があからさまだと途端に醒めてしまう。それなら自分が政治家になって変えればいいじゃん。などと思ってしまう、嫌な観客なのですよ。
この作品は違いました。震災、原発、永田町、題材は生々しくて重いのに、面白い。エンターテイメントになっている! 凄いなぁと思いました。
3時間休憩無しで観て、もう一度観たいと思った作品は初めてかもしれない。
…リピートしちゃおうかな。でも上演期間が短いから悩み所です。

蛇足ながら。上演中に携帯が鳴った人がいました。いくらアナウンスしてもなくならない携帯の切り忘れは、本人の問題意識の低さが原因でしょう。本多劇場さんでも携帯電話抑止装置を導入してはどうかと。

常夏の星

常夏の星

とくお組

駅前劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★★

元気になるよ!
とくお組は初めて観劇。初めは、私の隣に座った女性が、自分の長い髪をいじったり、フリスクをジャラジャラ言わせているのが気になってしかたなかったけど、じきにどーでもよくなりました。だって舞台の早いテンポと矢継ぎ早のナンセンスなギャグを追うほうが大事ですもん。
海底で遭難した(!)俳優とマネージャー、海底の自主制作映画を地上で撮影しているグループとの場面が同じセットで交互に出るけど、違和感もないしお見事です。〇追純一氏のような不思議タレント?と弟子の存在もいい! 10年前の作品だそうだけど、古さは感じませんでした。たぶん、台詞も少しはリライトしているのかもしれないですね。
頭を初期化して観るととても楽しめると思います。

レイラの手紙

レイラの手紙

メガバックスコレクション

ART THEATER かもめ座(東京都)

2012/08/19 (日) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

久々のメガバ
私にとっては「カルナバリート伯爵の約束」以来のメガバックスでした。相変わらずのリアルで雰囲気のあるセット、素晴らしいストーリーでした。
SFやファンタジーを描いて(衣装や小道具に頼らず)リアリティーがある。時に重いテーマを含んでいるのに説教くさくない。
子役さんが上手。私がメガバさんを好きな理由はこんな感じかな?

今回はジュニアキャストが主役と言うこともあって特に光っていました。レイラ役の吉原怜那さん、ミーヤ役の黒坂麻結さん、ライナス役の中川花乃さん。
みなカツゼツもいいし、とてもいい演技でした。
個人的にいいと思ったのは黒坂さん。ピュアな少女の役で、観客を見るまっすぐなまなざしにも凛とした強さがあって、良かった。
これからが楽しみなキャストさんですね。

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