レ・ミゼラブル
東宝
帝国劇場(東京都)
2013/04/23 (火) ~ 2013/07/10 (水)公演終了
満足度★★★★
キャストによって印象変わりそう
長ーい話をあんな時間に詰め込んでるから、「あ、もうこの場面なんだ」と思うことしばしばでした。ストーリー知らない人にはちょっと厳しいかも。それでも、誰もが胸にぐっと来るようにできているんだな、と思いました。 都度都度泣けるし、ラストは圧巻。
ストーリーを丁寧に追うとちょっと忙しいので、それよりも粗筋をなんとなく知ってる上で、ビジュアル=演出・舞台美術と歌を楽しむ方がいいんじゃないかと思います。すると、キャストの魅力によるところが大きくなるんですよね。
マダム・テナルディエ=森公美子は、まあ、一人だけ飛び抜けてかっこよすぎです。声が。もっと聞いていたかった。
エポニーヌ=平野綾。声優さんのキャスティングって、アニメとそのファンのイメージがくっついてきてなんとなく好きじゃないんだけど、この人よかった。感情表現が大きくて、ミュージカルに向いてると思いました。またエポニーヌは見せ所が多くて人物造形も面白い、いい役なのよね。
ジャン・バルジャン=キム・ジュンヒョンももちろん良かったけど(怪我からの復帰、ほんとに良かった!)ジャベール=川口竜也が素晴らしかった。この人の声、私好きです。あと、子役リトル・コゼットの武田有紀子ちゃんの歌唱も何か泣けた。
キャストのことばかり書きましたが、演出もダイナミックで驚きがあって、面白かった。舞台セット、要所要所の奥行ある映像も迫力。物語を進める上で役者さんと同様、大きな役割を担っていました。
サロメvsヨカナーン【CoRichグランプリ受賞後第一作!】
FUKAIPRODUCE羽衣
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/02/01 (金) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★
愛と幸福
最初、これはキツいなーと思ってました。あまりにセックスの表現があまりに露骨なので。下品なのはどうにも苦手。ところが次第に引き込まれ、フィナーレは感動。人生の苦さや死のイメージを垣間見せながら、愛と幸福感が強烈な光を放っていた。
クライシス百万馬力
ホチキス
シアタートラム(東京都)
2012/09/13 (木) ~ 2012/09/16 (日)公演終了
満足度★★★
役者さんの力
登場人物の多い多い芝居の中、飛び抜けた存在感の女優さんが目立った。小玉久仁子さんの怪演素晴らしかった。ザンヨウコさんは大好き。味わい深いわ。そして神戸アキコさんもやっぱり際立ってるのよね。お芝居そのものは後半からのパワーがすごい。劇中ミュージカル良かった。
天守物語
Studio Life(スタジオライフ)
紀伊國屋ホール(東京都)
2012/06/09 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
宇野亞喜良の絵
宇野亞喜良の美術、衣裳、メークに至るまでが、ほんとに素敵だった。これだけでもかなり満足。今井寿の音楽もさすがというか、良かったわ。
入りやすくて、わかりやすくて、とにかく楽しい天守物語でした。これなら小6の娘を連れてきても大丈夫だったわ。客席通路での立ち回りもありで、すぐ真後ろに魑魅魍魎が張り付いてたり、図書様の息遣いが聞こえたりすると、やっぱりドキドキしますよ!
ただ、私はもっと耽美趣味に寄ったお芝居を期待していたので、残念な点はあった。富姫の人物造形がちょっと子供っぽいかな。女の子、という感じ。無邪気さはあっても、やはり魔物、人間を超越した存在だと思うのだけど、そういう要素はちょっと薄く、人間的な富姫だった。かつては人間であり、人間の心を持つからこその図書之助との恋、ということなのかな。
前半のキャンディボックスみたいな華やかな亀姫来訪の場面から、兵士の攻撃を受けてラストに向かうにつれて、舞台がだんだんと透明な印象になっていく。図書之助と富姫が互いに相手の為に命を差し出すシーンはさすがに美しかった。
主役二人のうち及川さんの富姫は愛らしかったのだけど、魔の要素が足りなかったのが不満。荒木さんの図書之助は文句なし。真っ直ぐな青年像はぴったり。
他の役どころとしては、関戸さんの亀姫!何と言っても可愛い!曽世さんのススキも魅力的だった。