宙の観てきた!クチコミ一覧

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百年の秘密

百年の秘密

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2012/04/22 (日) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

絵のような
とても美しかった。もちろんそれだけでないから面白く観ていられる。
安定した俳優とそれを信じている作家だから出来る世界。
長田奈央の狂言まわしにより、いつもより分かりやすい印象ではある。
映像は「我が闇」に似ていたのでそれほど驚かなかったが贅沢。

ネタバレBOX

犬山イヌ子と峯村リエの揺るがない強さ。劇団員のあうんの呼吸は見事。その中で萩原聖人は何回もナイロンに客演しているだけあって馴染んでいた。だがケラさんにはあまり商業ベースに乗らずに、レベルの高いもの、自分のやりたいものを追求していってもらいたいと思うのは、ファンの勝手な願いだろうか。
『月にぬれた手』×『天使猫』

『月にぬれた手』×『天使猫』

オフィス3〇〇

座・高円寺1(東京都)

2012/05/17 (木) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

月にぬれた手
渡辺えりの筆力と濃いベテラン俳優達を、演出の鵜山仁がみごとにまとめあげた力作。ストーリーを追うというよりは次々に変わる場面と、何役もこなす俳優陣に引き込まれる。そして観終わったあとにテーマがいくつかの言葉とともにこちらの心に響いてくる。
改めて高村光太郎のことを読んでみたいと思った。「天使猫」は6月にみる予定。こちらも楽しみ。

ネタバレBOX

なんといっても俳優の力によるところが大きい。

登場人物が出てくる度に、光太郎の苦しみが浮き彫りになってくる。息子を失った農婦、母親、父親、光太郎に心酔した青年。そして智恵子。

木野花のセリフは胸に突き刺さる。神保共子の少年にはびっくりしたが、農婦や光太郎の母親などの変化は見事としかいいようがない。藤谷みきは包帯でぐるぐる巻きで殆ど顔が見えないにもかかわらず、かわいらしく見えてくるのが不思議。そして言葉や感情がダイレクトにこちらに響いてくるのには驚いた。
渡辺えりは自身の劇団に出ているときがいちばい良い。ただ智恵子が増殖していく場面で平岩紙と並んでいるとあまりの違いに笑えてしまった。
身軽さを売りのような芝居が増えている中、とても贅沢な時間を過ごすことができた。絶品。

天使猫にも期待する。

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