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記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

期待度♪♪♪♪♪

魂が震える感動作
 北海道新聞記者の傍ら、劇評ブログ「シアターホリック(演劇病)」 http://theater-holic.seesaa.net/ を書いています。初演を見たのは2004年5月14日(金)、下北沢のザ・スズナリでのマチネ。当時いた文化部で、チームナックスの芝居での初東京進出の取材を夜に控えてのことでした。それ以前の東京出張でチラシを手にし、題名に引かれて「ぜひ見たい」と思っていたのです。見終えて、魂が震える感動をしました。北海道ではなかなかお目にかかれない、社会派かつ叙情的な芝居にすっかり魅了されたのです。当時、芸能面に毎週のように北海道の劇団公演の劇評を書いていましたが、道外公演だし北海道公演の予定もないので書けませんでした。その代わり、文化部を離れるに当たって、文化面に以下のコラムを書きました。
2004年6月30日 (水) 夕刊
<ぶっくまあく>北海道の演劇に期待して
 五月に東京で、風琴工房という劇団の「記憶、或いは辺境」を見た。題名と副題「1943-1949 樺太」に興味が引かれた。女性主宰者・詩森ろばさんの作・演出で、戦前から戦後に至るサハリン(樺太)での日本人と韓国・朝鮮人の交流を描いた上質の舞台。戦後、日本人のほとんどが引き揚げた後、許可の下りない韓国・朝鮮人はとどまらざるを得なかった歴史的事実を背景にしている。この問題は私も旭川報道部勤務時代に取材の経験があり、ぐいぐい引き込まれた。
 観劇日は平日午後。観客は約八割だったが、さすが東京は年齢層が幅広かった。そして満場の熱い拍手。決して華やかな物語ではないが、舞台を通して劇団と観客に何かが通じた瞬間だった。
 詩森さんに聞くと、十年以上前の中学生時代、テレビで女優薬師丸ひろ子さんのサハリンリポートで問題を知り衝撃を受けて以来、温めていたテーマだという。今度は私が、テーマの熟成のさせ方に感服した。「でもまだ浅いんです」という詩森さんに、いつか関係者が数多い北海道での上演を願うと、詩森さんも「ぜひ」とうなずいた。
 多岐にわたるテーマの熟成と、受けとめる観客層の広い東京の演劇状況が、その意味ではうらやましい。北海道も、と願いつつ、七月から小樽報道部に異動する。お世話になりました。
 -以上です(私は現在は札幌に戻ってきています)。
 そうした芝居が再演されるとあって、今度はどんな感動を与えてくれるか期待大です。もちろん私は見に行きます。掛け値なしにお薦めの芝居です。

演劇ユニット イレブン☆ナイン Vol.9 「天国への会談」

演劇ユニット イレブン☆ナイン Vol.9 「天国への会談」

イレブンナイン

札幌市教育文化会館・小ホール(北海道)

2012/06/09 (土) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

期待度♪♪♪♪♪

これは見なくては
笑わせ泣かせ、大人気のユニットだけれど、これは初演は見ていない。ぜひ見なくては。

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