vocalise (ヴォカリーズ)
リュカ. (Lucas [lyka])
王子小劇場(東京都)
2006/11/02 (木) ~ 2006/11/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
集大成。
出演者の能力を最大限に引き出す「黒澤マジック」の集大成とも言えるべき作品でした。夫と、夫を想う妻の演技。お互いに想い合っているのにすれ違っていく。ラストシーンの、存在だけで、ただ立っているだけで劇場の空気をやさしつ包み込んだ2人の演技は圧巻の一言に尽きる。
月並みな言い方でしか表現できないのがもどかしいですが、公演を観終わってから、自分の好きな人に「好き」と言いたくなった、そんなお芝居でした。これはDVDでも良いからもう一度、好きな人と一緒に観たい。
おやつの時間堂
時間堂
a-bridge(東京都)
2004/12/10 (金) ~ 2004/12/13 (月)公演終了
満足度★★★★
地元のバーで飲んでる感覚で。
というか、そもそも公演会場が三軒茶屋のカフェバーなので、全くもって「地元のバーで1杯引っ掛けてたら、隣の席で2人芝居が始まった」という状況そのものになっているワケです。
いわゆる現代芝居を観慣れてしまった人には物足りないし、あるいは酷評するかもしれません。でもでも、演劇を全く観てないけど抵抗がある人や、対面式の舞台に抵抗がある人にはもってこいの内容です。
お芝居は全部で10ネタほどあり、毎回出演者が入れ替わり立ち替わり、そして舞台となる場所も窓辺だったり、トイレの近くだったり、ベランダではじまったりしてて、小さなワクワク感が子気味良く続いていきます。爆笑あり、悲劇あり、何でも少しずつだけネタ見せする、まさに「おやつサイズ」のお芝居。
公演が始まるときには、堂主が「じゃぁ次は○○さんと○○さんがお芝居しまーす、場所はこっちの席ですよー」と、ゆるーい感じで案内するので、観客(というより飲んでるお客さん?)が、わくわくしながらそのスペースを空けて、その周りにぞろぞろ集まる感じがとても面白かったでです。
じっくり小劇場でやるばっかりじゃなくて、こうした小物があると演劇の裾野が増えると思いました。
で、投稿タイトルに書いたとおり、公演当日はお友達と1杯引っ掛けながら、ゆるゆると楽しませて頂きました。
友達の賞味期限
時間堂
王子小劇場(東京都)
2000/04/08 (土) ~ 2000/04/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
マジ泣き。
10代の等身大のオンナノコ3人。いわゆる演劇的な台詞、振り、伏線といった類の仕掛けは全く無い。見るために頭を使う必要は全くなかった。それぞれの主張や想いが、ミルフィーユのように1枚1枚丁寧に重なっていった。
それは例えると恋愛映画のようなときめき。1人が問いを発した時、もう片方の1人は何と答えるのだろう?自分だったら何て答えたんだろう?それを外から見ている3人目の子はどう思っているのだろう?そうしたやりとりが、徐々に高まっていく感覚は他の演劇と一線を画していた。
ハリウッドのアクション映画のように分かりやすく痛快に終わるのではなく、雨の日の映画館で好きな女の子と一緒に観たい映画。このお芝居は、そんな恋愛映画と同列に置くことが出来る、素敵なお話です。
これが2007年に再演されるとのことでとても期待している作品のひとつ。初演を観ていない方にも十分オススメできるお話なので、観てない人はぜひ再演に足を運ぶと良いと思います。