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田舎の侍 【8日(月祝)14時の回、当日券ご用意してあります!】

田舎の侍 【8日(月祝)14時の回、当日券ご用意してあります!】

劇団鹿殺し

駅前劇場(東京都)

2012/10/04 (木) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★

本格時代劇!
鹿殺し流のロックオペラ+Power時代劇でした。
信長・秀吉・家康と戦国時代の混乱に、百姓侍の野望を歌あり、踊りあり、恋愛あり、いつものギャグありと、見ていて忙しいが退屈せず。
多少、新感線を彷彿とさせたけど、面白かった。
ラップお経「般若心経」と、聞いてて清々しくも勢いある「嫁に来い」が好きかも。

『ヒッキー・ソトニデテミターノ』

『ヒッキー・ソトニデテミターノ』

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2012/10/04 (木) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★

寝て起きてご飯食べてゲームして
それまでパルコの舞台上規模?で公演を見ていた広さの小劇場からパルコ劇場という、メジャーな劇場へ一歩足を踏み入れた岩井さんの連続代表作の上演。例えが酷いかな‥?
役者さんがステージ上で待機してる姿が見えるいつものシンプル設計舞台。
劇場は変わっても肩肘張らず何時もの岩井節が漂い、吹越さんが入りこんだらお洒落感ある雰囲気になるのではないか、と発表時は懐疑的だったけど、劇中少し歳を取った元ひきこもり男を見事に表していました。

ネタバレBOX

寝て起きて、ご飯食べて、ゲームして息抜きのプロレス技かけあいこしあうような日常。それを日々見ている家族。
20歳の青年と40歳の中年引きこもりを抱えた2家庭と、それを支援する団体。
ひきこもり支援団体のお兄さんとお姉さんが問題家庭へ訪問し、本人同士が出会う初対面は緊張を伴うと思うが、彼ら流の年期の入った治療活動により次第に心を開けさせる。それによって家族も好転の兆しが見えるがどこかでほころびも見られ、そんな情景に問題の根の深さやその接し方と生活していく生き辛さやぎこちなさが窺える。
ドキュメンタリーとかだったら深刻さとかが全面に出そうだけど、そこは岩井さんの独特なケムに撒くようなセンスで時折笑え、また行動の深刻さに考え込ませたりと、見ているうちに自問自答しているような話の展開に惹き込まれて、彼らとその家族、それまでの登美男の体験と併せて、行く末を静かに見届けていたくなるような舞台。
予期せぬ行動を起こした支援者。苦悩と繊細を合わせ持つまで成長した登美男に衝動的な行動はないと思うが、そこからスローペースで生きていってほしいと願わずにいられない。
黒木お姐さんのシンプルなセリフのやり取りなのに、句読点のない滑らかな喋りが毎回聞いてて癖になる。スタッフとしての指導者ぷりが良い。もし同業だったら、別の部署から彼女の働きっぷりを参考にしたいけど、マネは出来ないなw。毎回、無味乾燥気味にも見えるがそれが黒木さんにとっての自然体なんだろう。不思議で魅力的な雰囲気が増していた。

鈴木家の占部さん、悩んで悩んで人の手を借りてやっと人並みの生活を得て一安心かと思いきや、鈴木家の小河原さんの気力崩壊しそうな行動とその裏返しにも思えるようなタンコブ姿と踊る行為にまた苦労の予感。が、やっぱり夫婦個別の悩み事の行く末に生真面目さと不器用さが可哀相だけど可愛いくも見えた。長年暮らすと、いつから似た者夫婦になってしまうんだろう。
斉藤さんの古館さん、佇まいと発言のインテリジェンスさが見事に一致してるけど、時折見せるブラックな毒が効いている。彼のあの行動は最後、何を見て何か独り言ちていたんだろうか。
ベテラン寮生その他、有川さんの七変化も面白かった。格好で判断してはいけないが、最後の考えたあげくあの選択した姿の有川さん良かった。
登美男の妹、綾の岸井さん、毎回ハキハキっぷりの性格が静かに進行していく舞台の中で、森田家の家族の救いにも見える。
太郎くんの落ち武者ぷりのインパクトは笑えたが、十代特有の掻きむしりたくなるような焦燥感やこれからの世渡り下手というか不器用貧乏加減がわかる。
斉藤母、希望の道筋が見えた方向だったのに、心強い味方になる人に出会えたのが遅過ぎたのか。一瞬の希望が残酷になってしまったのが切ない。

騒ぎ立てるような盛り上がり方はしないけど、全体を受け止める彼らの変化する様をこれからも見続けたくなる余韻ある良い舞台でした。
小さなエール

小さなエール

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2012/10/02 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了

満足度★★

初見
芝居内容のあらすじを、前もってHPや各自のブログ等で確認しようとするも自分の見落としがあったのか一切触れらておらず、把握しようにもそれが出来ないまま、「劇場の灯りを使わない」という説明文のみの内容に惹かれて観賞。

登場人物の芝居内容が自分の苦手分野の行動が多くて、「エール」がどこにあったのか判りませんでした。

ネタバレBOX

確かに劇場の照明は使ってないけど、灯りを用いない方法は作品の内容とあまり関係なかったような気がする。
中盤盛り上がりのBGM挿入で「もう終り?」と錯覚してしまった。
最後のキャンドル蝋燭の灯を点す際、ライターかチャッカマン操作が妙に耳障り。
暴力とか絶叫セリフが多いのは見ていてシンドくなるので、もともと敬遠していたが、タイトルからくるイメージで感想を左右された舞台でした。
季節のない街

季節のない街

あうるすぽっと

あうるすぽっと(東京都)

2012/10/04 (木) ~ 2012/10/08 (月)公演終了

満足度★★★

初日観劇
小部屋が話の展開により、その都度目まぐるしく位置移動していく。
社会の底辺に生きている人々にも見えるが、生きる環境に適応している人々が自由に魅力的に暮らしている。
何があっても流されず、規則正しく運行していく六ちゃんのたくましい生命力が実に人間臭かった。
舞台の広さに比べ、話の内容に隙間があるように見えたが、小劇場で見たらもっと違って見えたかも。
役者さん全員好演。
初日の為か、進行にやや滞りを感じた。約2時間。

MYTH

MYTH

鈴木勝秀

サラヴァ東京(東京都)

2012/09/28 (金) ~ 2012/09/29 (土)公演終了

満足度★★★★

見て聞いて連想するシンプルな行為
`06に上演した同公演のリーディング版。
開場時はスズカツさん舞台のいつものナンバーでお出迎え。
Bar特有の開放的なスペースから聞く話はゆったり感あり、聞いてて心地よく、見て聞いて連想する極自然な行為と、曲者揃いの役者さん達。
静かに佇むだけで声の演技に充分惹き込まれた。
落ち着いた彩明度の舞台同様、照明効果が良い。役者の立ち位置というのか、椅子の設置の仕方も面白かった。

ネタバレBOX

独りぽっちの青年の心理と、対照的にのびのびした感じの友人、男親のオープンにしない愛情、もう独りの父親とも言える存在の弁護士。

静寂な中で小さな喜びや、分かち合う気持ちが美しくみえ、以前の舞台見た時とはひと味違った印象を持った。といっても、その時の日記読み返したら「良かった」しか書いてないんで、記憶が薄らいでいるけど‥(苦笑)

良い公演を見られて幸運。
エッグ

エッグ

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★

熱狂する国民
一般大衆の流行、熱狂、行事。ネットでの情報や呟き。過去の歴史と個人の経歴、話す人と口をつぐんでしまう人。
前半を覆う今日的な内容から後半の芝居変化に移るまで、ずっと話に惹き込まれた。

毎公演事にカーテン使いが面白くなってきている。
ただ、終りの締め方はもうちょっと手を加えてほしかった気もする。
段差のない前方席で見たが、所々見え辛かったのが悲しかった。

ネタバレBOX

映像解説のエッグの黄身と白身を分けて〜は、体外受精等のイメージ図を彷彿とさせ、詩的な言葉使いは今回は音楽面で主に聞かれた気がするが、セリフでも聞いてみたかった。
妻夫木さんは「キル」や「南へ」の時より声が太くなってセリフが聞こえやすかったが、なぜか役柄としてはあまり印象に残らなかった。
仲村さんの肉体美に目を奪われ過ぎたのかもしれないw。
浮標(ぶい)

浮標(ぶい)

葛河思潮社

世田谷パブリックシアター(東京都)

2012/09/20 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★

前回KAATで観劇
震災前の昨年、横浜で観劇。
その後、震災を経験していた為か、昨年よりもより一層、生命について追求しているような舞台だった。

ネタバレBOX

快復の見込みは望めないが、妻の生きていたい、夫の生きていてほしい、と言う願いが強く出ていたように見えた。
不変的愛情物語。
阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ

阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ

アミューズ

本多劇場(東京都)

2012/09/21 (金) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★

解決しそうで解決せず、人生は続く
絶望までは行ってないが、どん詰まり感ある日常から抜け出せず、かといって劇的な事が待ち受けている訳でない、と思って毎日過ごしてる様な人々。空模様は終始雨。生きる事への閉塞感、モラルの矛盾もごちゃ混ぜになる中、出産を選択した夫婦がこの話の救いにも見えた。
演出の河原氏曰く「北関東のツインピークス」と赤堀さんに告げたようだが、それ聞いてら、さもありなん、と思った。

本多サイズの舞台映えしたセットと冒頭の映像はかっこよかった。

ネタバレBOX

スナックのママの、ジャスコで遭遇した目の前の女の人の背中に虫がはり付いたて話って、他の舞台(夕立)でも話聞いたな。鉄板ネタなのかな。吉本さんの話芸につい笑っちゃったけど。
満月の人よ

満月の人よ

トム・プロジェクト

紀伊國屋ホール(東京都)

2012/09/22 (土) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★

見終わって心地よい充足感
キーワードで天狗の神隠しがでてくるが、誰がどのように神隠しにあったのか、等の謎ときのお話ではありませんw。
言葉では言い表せない夫婦の愛情と、その土地の風土から織りなす方言が聞いてて心地よくなる。舞台が九州のため、子供の時にそこで育った経験ある自分としてはちょっとだけ郷愁にかられた。
舞台が郷里でなくても見終わった後、他者への慈しみが増していそうな良い舞台だった。

ネタバレBOX

多少、家族に自分勝手な早苗さんは、根は人情に厚く竹を割ったような判りやすい性格が岡本さんの役柄にハマってました。
非家族【ご来場誠にありがとうございました】

非家族【ご来場誠にありがとうございました】

オーストラ・マコンドー

サンモールスタジオ(東京都)

2012/09/13 (木) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

公演期間が短い
戦前の実在した場所。その当時の人達にすれば、もう80年なのか、まだ80年なのか。決して故郷を捨てるわけではない。必要に迫られた選択はいつの時代にもある。
各々訳あって暮らす場所が無くなり、帰らない、帰れない覚悟を持った上で移民として海外の新天地で生きる決断をし、故郷を去ろうとしている4人の男女の姿。
3日間足らずの出来事。
多くを語らずとも、沈黙という行動でも気持ちは伝わる。
メトロで見せる月船さんが「動」なら、今作では「静」を全面に出している。

港から聞こえる優美な汽笛。この選択は決してこの世の終わりではない、彼らの道程に光輝を見いだすのはかなり先だと思うが、ゆっくり動き出した4人の「生」の息遣いが存分に伝わるいい舞台だった。約90分。

ネタバレBOX

その当時の女性の下着姿って、木綿のシミーズ(スリップ?)の様な気がするが。

家長にあたる男、アキノリ。起床時には太陽に向かい、一日の無事を祈り念仏を唱える。自ら喋り出す事はあまりないが、新天地には希望を持っているよう。着慣れない一張羅を人前でなんとかしっかり着ようとしたり、手際は悪いがシャツの下線を合わせ、ボタンをきっちり確認する仕草にその当時の真面目な日本人の姿が想像出来る。そんな彼が見せた最後の取り乱し方はひたすら悲しく切ない。
フサエ。冒頭彼女がつぶやく一言から物語が始まる。朝になれば、普段と変わらず家族に接する。オオギが入った事により、それまで忘れようとしていた、不注意で亡くした実子の存在を思い出す。凛とした佇まいが前半の姿なら後半は脱力、放心、惜別、悲しみ、と無力に尽きた表情が、見ていて何ともツラく重い。でもそんな顔も美しかった、と思うのは酷い事なのかな。
トカチ。息子。生まれた時から実の親の顔を知らない、アキノリの家の納屋で知り合う。若いからか、家族の中では文字が読める。行く宛がないから一緒にいる感じだが、時代が変わっても彼の様な無気力さと女性に対する勢いに似た無謀な覚悟が見える若者って今に通じてる。悪い事は出来そうにない一線が見えた性格と態度が良かった。
オオギ、監督者から勧めらて加わった女。身体一つで女の商売をしていたため、色々あけっぴろげ。フサエの息子に話かけてる様子は、彼女も子供であり女親でもあり、優しい表情だった。終盤、フサエとの言葉を考えながら話す場面はとても良い場面だった。

彼らは日本に居るうちに、家族写真撮れたのかな。
公演期間が短いのが残念、同じ規模で是非再演してほしい。
亀、もしくは・・・。

亀、もしくは・・・。

札幌座

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/09/14 (金) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

満足度★★★★

不気味かと思ったらなかなかユニークな展開もあり
初見。
劇団構成を一新、劇団名も改名し、役者も北海道在住の劇団演出家達が集合して上演した今作。出演者全員演技が達者だった。
なんだろうなー、文化都市に根付いている劇団の大らかさ、みたいなのが見ていて心地よかったです。

頑丈な扉と壁、天井にはスピーカーがある病院の一室で繰り広げられる60分。
タイトルとあらすじ読んだら、なんか不気味な雰囲気かも?と思っていたら、誰がどこまで真実を話しているのか、時折緊張感に襲われそうになるが所々にゆるーく笑える部分もあり。見ているだけでヨダレが出そうな美味しそうな場面の会話は何ともユニークでした。

ネタバレBOX

冒頭、部屋には一脚の椅子と片隅に拘束衣。医師と看護士が部屋にいるがその医師に穏やかに語りかける看護士はどうやら同性愛者らしい。それとない彼の告白に戸惑う医師。
ひとまずその場から離れる看護士の後に紹介で実習にやってきた医学生登場。医学生の登場に戸惑いつつも状況を把握した医師は、医学生に危険な患者の存在を告げそのまま退室。入れ替わるように看護人が現れるが医学生を患者と思い、「自分は亀だ」と説明した途端、「いや、俺も亀!」と医学生と看護士の間でどちらが本当の亀なのか、身体のぶつかり合いが繰り広げられる。大騒ぎでドタバタしつつ看護士退室後、そこへ第三の男登場。
男は医師こそが患者だと告げたため、困惑する医学生、男は医学生に拘束衣をまんまと着せるが、会話の内容からどうやら冒頭の医師が言ってた危険な患者ってもしや‥!? で、恐怖にジタバタする拘束衣の医学生。

この不穏さから来る結末にワケが分からなくなっていくが、暗転の後、部屋にチラシと同じ長椅子が置いてある。そしたら奥から何とも美味しそうな香りが‥。
開放された扉から患者、医学生、看護士、医師4人の男が頭に針金ハンガーを被り、奇麗に着席。お皿に盛ったパンとビーフシチュー?を食べながら、そこまでのやり取りを明るく話し合う。まるで子供がお遊びを自慢しあうようだが、でもそこは精神病院の一室。本人達はどこまで自分達が置かれている立場に気づいているのか、はたまた閉鎖した施設内で毎日違う設定をただ楽しいんでいるだけなのか。そのやりとりは妙に明るさがある。
深刻に考えるか、寛容な精神で彼らの行動を受け入れるか、見ている自分の度量が試されているような着地点。
面白かったです。
手話版「天気と戦う女」

手話版「天気と戦う女」

長内まゆこプロデュース

【閉館】(東京都)

2012/09/04 (火) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★

最終日、手話版観劇
当日の観劇スタイルは、歌舞伎や海外舞台公演でおなじみのイヤホンガイド付き。
日常会話程度の手話なら理解出来るため、自分の耳に合わなかった事もあり、イヤホンは結局未使用。
言葉を発しないパントマイムとは違い、豊富な日本語手話に合わせて物語が進行するちょっと少女漫画ぽいハッピーエンド展開だったけど、面白い舞台でした。
乱子の動きの活発な事、デフォルメが効いてて面白かった。
森山さん役の手話、綺麗で読み取りやすかった。流石お天気お姉さん。

ネタバレBOX

気になった点をいくつか。
約50分のスピード感ある舞台だったので、途中から主人公ひかるのヘアスタイルが崩れていき、肝心の顔の表情が隠れて見えるところがあったのが残念。
ひかると乱子が遭遇し暗転に近い形の中、勢いのあるやり取り場面があったが、照明落とした中で懐中電灯を用い二人を照らしていたが、会話が当たり前だが手話なので、自分の座席からでは照明の照らしが追いつかず会話が見えずらかった。二人の立ち位置や照らし方に工夫があればもっと面白く見えたかも。漠然と把握出来たが。

上演前に一般的な諸注意を手話を交えて(この場合は日本語を交えて、か)案内。イヤホン操作に関する事は告げてなかったような気がするが、上演中音漏れセリフがよく聞こえたのでその事についても前もって告げてほしかったかも。
また、乳幼児くらいの小さいお子さん連れの観客の方がいらしたが、お子さんが途中からグズついてしまい、上演中舞台横切り途中退場された。他の公演時でも途中の入退場には見ている方も気を使うのに、スタッフもなぜあんな壁際の奥まった席に座らせたのだろうか。身体の一部を使って会話を楽しむ舞台なのに、肝心のセリフが見えなくなる行動を誘発させたスタッフには今後の公演時に一考していただければ、と思う。
A HALF CENTURY BOY

A HALF CENTURY BOY

久ヶ沢牛乳

本多劇場(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★

最終日ソワレ観劇
もともと興味のある役者さんなので、公演があるのを楽しみにしていた。
それほど知名度がある訳でもないので(失礼!)チケット購入時にも余裕あると思いきや、一般チケットは瞬殺で売り切れたらしい。ゲスト作家陣や日替わりゲストによるモノなのか、売り切れの文字を見た時には驚いた。
内容は、久ヶ沢さんと久ヶ沢ファンによるほぼ感謝祭的な内容。
作家5人による久ヶ沢氏と久ヶ沢徹「達」が演じる、久ヶ沢氏の50年の半生を時系列で描いたもの。
ギャグ(毎回場内熱い拍手と爆笑)、ナンセンス、演じてる人達の修練された技を魅せてくれた舞台。

ネタバレBOX

作家の名前は記載されてたが、誰がどの部分の作品等は明記なし。
12歳、超能力ブーム、友人と超能力研究所に押し掛けて勝手に中に入ろうと警備員と一悶着。そこで後の結末に大きく影響する一人の少女が登場。永野さんと辻本さんの双子、妙に可愛くて似てた。
17歳、ダンサーオーディションに挑むため、バイト生活始める。入ってすぐ店長になってしまう。覚えやすい名前なのに全員間違って覚えてしまう為、毎回頭抱える。
26歳、バブル全盛期。ある事で病院にいくが。←ここら辺、周囲の環境に疲れてあまり集中して見ていなかった。医者と看護婦(師)とカレー。
30歳、友人から結婚相談を受けるが、その別れたい彼女=ヨウコはどう見てもおっさんが女装している姿にしか見えない、そのうち、同じ格好の女性がもう一人現れるが友人には女性の方が見えない。はてさて、どーすりゃいいの。
45歳、AD。テレビ局でバイトしてる。ちびっこなM輪さん‥。
転換の際、数分の映像がつなぎとして導入されていたが、その登場人物達がここで物語として登場。オーディションで落とされ続け、ダンサーになりきれず燻っている久ヶ沢さんを明るく蔑む仲間たち。が、なんとオーディションに合格したので今からべガスに行く!と仲間から旅立って行く。
平田さんの大雑把でもダイナミックな葉加瀬氏もどきに大笑い。
日替わりゲストはここで登場、この回はラーメンズの小林賢太郎氏。久ヶ沢氏と同じ衣装で現れた賢太郎氏に場内割れんばかりの大拍手!
登場時から久ヶ沢氏の一挙手一投足を完璧模写し、更に場内沸騰。
久ヶ沢氏による一分で解説するナウシカ(実際には13秒で終了)と楽屋落ちのネタ。あれやこれや難題を突きつけられたが最終的にゲスト出演者はオーディションの審査員で久ヶ沢さんも無事合格、というオチ。
もともと好きな組み合わせなんで見ていて面白かったけど、セリフが聞き取れない程の拍手する人が近場にいて、盛り上がり加減に妙に引いて見てしまった感があり。こればかりは座席運が悪かったと思うしかない。
50歳、オーディション終了時から、かつて超能力センタ—の少女が登場、お告げのような会話から目まぐるしい急展開の結末へ。久ヶ沢氏は中世ヨーロッパ風コスチュームで登場。
縁の下の力持ちとしてステージを支える無くてはならない存在で〆。

カーテンコール三回、場内明るくなっても帰ろうとしない観客。久ヶ沢氏根負けして衣装のまま4回めの登場、正座して感謝、小ネタ挟みバミリ剥がしながら、最前列のお客に渡したり。日替わりゲストも個人的に縁のある方に出てもらった、交渉も自分でやったもんだから大変だったりして云々、感謝〜、話がダラダラ続きそうな所を私服に着替えた賢太郎氏や辻本氏達に呼ばれ、完全に幕。

作品により、漠然と担当の作家がわかったようなそうで無いような。
平田さんは別格として、かつてのサモアリメンバーにも出てほしかったと思ったりして。久ヶ沢さんの魅力と破壊力抜群の舞台でした。
ナイアガラ

ナイアガラ

劇団HOBO

駅前劇場(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

良作
全員脇役なのに全員主役のような存在感。人柄が顔に表れ、それが重く受け止めるような話でもあるのに、人生の洒脱さと充実さが溢れている。
喰始さんの隠れた重鎮ぷりの達者な演技も可愛い。
社長の選択は、ある意味、偽りのない行動によるモノなんだろう、抱える思いが少しでも軽くなればいい、と願う。
いい舞台だった。

東京福袋

東京福袋

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2012/09/02 (日) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★

パフォーマンス袋 4日め観劇
登場順とタイトル
1)吹越満 フキコシ・ソロ・アクト・ライブ『スペシャル』より
 「稽古が必要な大変な作品」と「稽古が必要ない楽な作品」の2つ
2)山田広野『山田広野の活弁天国』
〜〜休憩10分〜〜
3)近藤良平『ハレ』
4)3軒茶屋婦人会『3軒茶屋婦人会的音楽会』

各自20〜30分のパフォーマンス。もっと見たい!と思ったら時間切れで終わり。面白かったけど、もっと見たかった。けど、値段を考えれば見られただけでも贅沢か。
最後は全員のカーテンコールもなく、照明ついて終わり。
んー、なんかあっけない幕切れだったかな。
当日はリニューアルした劇場内の後方中央席から観劇。見やすかった。

ネタバレBOX

チケットの売れ行きが良かった日らしい。
以下、名称のみで
1)吹越満
女性の部屋に訪れた男、彼女がシャワーを浴びている最中に部屋の中を探索、物色している様子をピン芸?で演じていく。スクリーンに部屋の小物から猫、救急箱の中の危ないお薬から自分の身につけた頭のアレに至るまで、名称が単体で流れるように映し出され、逃亡するまでの過程をよどみなく魅せたシンクロ芸。
楽な方は、口からエクトプラズマみたいな物が出てくるショートアクト。もっと見たかったよー。

2)山田広野
名前と活動内容は聞いた事あったが、初見。
活弁写真に合わせて時代劇やりたいが、お金かかるため、予算400円で出来る事をやる、で始まったのが春画の一部分に合わせて活弁、タイトルが「盲獣vs一寸法師」だったかな?男女の絡みの一部始終を一寸法師が見ていたけど、最後はガマカエルに食べられたとさ。
他、結婚式の夫婦紹介ビデオを制作している、結婚式直前まで作っているので、完成は式当日になってしまう、実際上映されると列席者から怒られる。怒られてる自覚はあるようだが今回は特別にそれを上映。
‥どこで楽しんでいいのか分らなかった。話芸とか一芸に秀でて凄いとは思うけど内容がチープな映像やらで、酷すぎる事を楽しめってことだったのかな?もっと小規模でお酒飲んで見ながらの方が楽しみ方も違ったのかも。私には合わなかったので、これからも縁がないと思う。

3)近藤良平
ギターは松本じろさん。良平さんはピアノ、ギター、ハーモニカ、笛の演奏。
ジプシーキングス風やフォークソング風とノリの良い演奏、歌詞の内容も芸劇のリニューアルについて。
自分の中で前の演目のダメージが尾を引いていたのでここで復活したw。
「踊らないよー」と言いつつ、最後にはビシッとカッコいいダンスをキメてくれました。カッコ良かったー!

4)3軒茶屋婦人会
タキシード姿の大谷さんと深沢さんが婦人会のキャラ同様、にこやかに登場。あれ、篠井さんは?ドラマのロケが押しててまだ来てません!と。
あらあら(英介さんが)トラム休演日だから今日にしたのに、忙しいのねー。やーねー、大谷さんだって相棒があるじゃない。私のは終わり際に犯人連行するだけだからそんなに時間かかんないのよー、とかなんとか。
ステージ上で英介さんの携帯に連絡入れるが留守電、皆で「待ってまーす」とメッセージを残すも、結局お見えにならず。
変わりに英介さんの謝罪FAXが芸劇に届いて皆の前で音読あり。
待っている間、大谷さんと深沢さんによる2人のビックショーというか漫談というかトークに演奏にアドリブ全開でハプニングを楽しませてくれた。
どーするどーする?と言いつつ、良平みたいにピアノ弾けないわよ!
あたしだって歌の指導したりしてちょっとだったら弾けんのよ、公演が決まってから平尾昌明音楽教室で練習したんだから!2人だけでもやるのよ!と、大谷さん、老眼鏡装着のウクレレ演奏、深沢さん、ピアノ演奏によるそれぞれの歌披露、流石に上手。全部で5曲だったかな。
深沢さんが40代になった時から3軒茶屋婦人会の活動が始まったが、あっという間に50歳、時が経つのは早いわねー、アンタ達もよ!
NHKの音楽番組?夏木マリさんのバックコーラスで3人で出演、(婦人会で)細かく振りとか工夫し音楽監督からもok出たのに、実際にはどっか外国の映像だけで本人達は画面には映ってなく、単なるオッさんのコーラスになってしまった話。
来年春G2氏演出による舞台予定している、大谷さん還暦の年にヴァニティーズ再演するよ、等告知。
最後は大谷さんの側転あり、二人してダンスありでハケながら幕。
楽しかったけど、やっぱ英介さんも出てほしかった。
背水の孤島

背水の孤島

TRASHMASTERS

本多劇場(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

最終日観劇
東日本大震災の出来事が下敷きにある前半の「蠅」
原発事故から近未来の日本の様子を描いた後半の「背水の孤島」

「蠅」
極限状態での行動、罪の行為と美談の一人歩き、公平と不公平。
やり切れなさのループに胸が詰まる。
「背水の孤島」
後がない日本の状況を、これでもか!と突きつけられて、これまた気が重い。人間ドラマ的な部分が多かった前半に対して、後半は情報が多く、結末もどうなるのかと興味が尽きなかったが、案外予定調和な結末にも感じた。

力の入った舞台作だと思う、舞台セットや役者さんも素晴らしかった。

ネタバレBOX

終盤の拳銃取り扱うシーンのアクシデント、爆笑が止まらないお客さんがいたが、そこまで笑われると煩わしい。
すうねるところ

すうねるところ

梅田芸術劇場

シアタートラム(東京都)

2012/08/27 (月) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★

見ました。
3人の吸血鬼と1人の少年が街のどこかで深夜営業のパン屋を営みながら暮らしているが、少年は彼らが吸血鬼とは全く知らない。
その少年に前で起きたある事をキッカケに変化が訪れて‥。
設定は小さな町の暮らしでのお話、小物アイテムや彼らが暮らしている部屋は雑然としていながらも、どこか整っている。ドラえもんがのび太の机の引き出しから出てくるのが鉄板なら、彼らは洋服ダンスから出入りしている。

開演前には心地よい昭和のニューミュージックのポップスが流れてる。
ファンタジーぽい要素が占めているのかと思いきや、生々流転が出来る人間の幸福な思いが詰まった話。約90分。
他愛無く聞いていられそうなセリフだけど、発せられるセリフは時々美しく胸に響いてくる。最後のアザミの台詞よかった。
見ている方も違う世界に行ってて、一歩劇場出たら現実に戻されたような、不思議感覚の観劇だった。
篠井さんが「おばあちゃん」という日が来るなんてな〜(苦笑)

ネタバレBOX

喰う寝る所に住む所、まさしく寿限無状態のような吸血鬼。
尽きる事のない永遠の生命の為、一生を終える事が出来ない?そんな彼ら吸血鬼を理解し、少年から青年へと成長、そのもとを離れ生きていく決心したマリオ。
旅立つマリオを受け入れ見送るアザミ、こがね、夏彦の3人。
次はどんな世界を体験するのか、それぞれのタンスで希望や不安や憧れとか抱いてそこから消える準備をして終えるが、切ないけど温かい結末だと思った。そういえば、タンスで始まりタンスで終った。

吸血鬼の苦手な物が、ニンニク、日光、といかにもなのが可笑しかった。
IZABELL×高橋いさを『八月のシャハラザード』

IZABELL×高橋いさを『八月のシャハラザード』

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★

最終日観劇
劇団公演初見。
もともと脚本がしっかりしているため、笑って泣けるお話は時代が経っても色褪せる事はない。
が、脚本の良さがしっかり見える芝居なので、演じる側もちゃんとしていないと感動する度合いもやや薄れて見えたところがあったような気がする。
笑わせようとして力み過ぎて多少テンポ悪く見えてしまった所もあったけど、今度はオリジナルの舞台劇を見たくなるこれからの劇団。

川本と雨宮、極端なキャラクターを演じた二人は良い味出ててよかった。

ネタバレBOX

死にゆく人間のほんの僅かに与えられた貴重な時間。
劇団座長の最後の振り絞るように出た雨宮への言葉、主演2人と彼女の最後の絡みの会話は笑えるけど、哀愁漂う良いシーンだった。

面白かったんだけど気になった箇所が数点。
雨宮が亡くなったのに友人達がちゃらけた発言ばかりしてしまうのは、脚本と芝居の関係上、仕方ないとはいえ、もうちょっと救いとなる一言があっても良かったかも。恋人ひとみに対する思いもちょっと弱い。
雨宮の自分が死んだと気づいた時の悲哀みたいなのが薄く見え、もっと驚きとか葛藤みたいなのが見えても良かったんじゃないかな。笑っていいのか、痛感してほしかったのか分り辛かった。
川本と夕凪の絡みがあまり見られなかったせいか、最後の改心?の部分が弱く見えた。そこまでワルではなかったって事かな。
音楽劇 オリビアを聴きながら

音楽劇 オリビアを聴きながら

劇団扉座

青山円形劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/31 (金)公演終了

満足度★★★★

再演作、初見
昨年の初演はバタついてて見られず。
楽曲全て知らずとも、舞台のお話はわかり易く、前半コミカル要素ありなのに、途中から繊細で透明感ある歌詞が歌の上手い役者陣によって歌われる為、自ずと身体に入り込み、沁みてくる。
舞台正面がない円形劇場という音楽メインに当てるとやや不釣り合いに思える小さい劇場で繰り広げられる為、劇場内全体が舞台といって良い。
役者、演奏、踊っている等々、座席によっていろいろな表情を見ることが出来る為、それらも楽しめる。
選曲とストーリー進行が上手く調和されて贅沢で濃密な時間、終盤泣いたら負けな気がすると思いつつ、やっぱり最後にはほろっときた。

天使と雨(傘)とピアノの使い方が印象的。
また森田先生の踊り子アピールも素晴らしかったですw

ネタバレBOX

一組の男と女と女の二つの時間に渡った物語と思えば良いのかな。
文化祭の後夜祭で若き日の彼女にピアノを弾いてもらう場面と、成人した男が勤める建築会社の説明集会のシーン、客席=集会出席者と見立てた所から物語が始まる。その会社で営業課長として勤めていた40代のバツイチ男がメインの主人公だけど、高校生〜学生時代と社会に出て間のなくの若き時代が交互に入り込む為、そこの瞬間音楽劇ではなく芝居の要素が濃く見える。

その若き日の彼女=やよい、学生時代から信念を持ち、反戦運動やらその手の活動が活発化してくる、次第についていけなくなる男、社会人になった時街中で彼女を見かけるが活動グループ内の意見の食い違いから来るリンチ場面に遭遇するが周囲の人と同じようにただ見過ごす。
今の時代の彼女=広美、ヒロイン的な立場になっているが、やよいの行動印象が強く、おとなしめの女性というイメージしか思いつかず。ただ、音楽においてはこの人が居ないと舞台が引き締まらない。儚げで綺麗な歌声と演奏だった。

学生時代に後味悪い別れた方をした恋人、仕事の合間ふとしたキッカケで出会ったピアノ講師、友人と部下、仕事人としては優秀だが人格的にはついていけない元上司、諸々要所要所で存在感を出しているので目が離せない。お芝居なんだけど、一人一人がその場に確実に生きているという当たり前の世界。残念ながら私の周りに羽飾り付けていきなり歌ったり、タップダンス踏んでくれる人はいないが。

ほか、江本さんの仕事女の選択としては有りな生き方だと思う。
森田先生、子供教室開けば一番人気になるんじゃないだろうか。
非凡な生き方も目線を変えれば素敵な人生に思えてきそうな舞台だった。
鎌塚氏、すくい上げる

鎌塚氏、すくい上げる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

おしゃれなコメディ作
倉持さんの舞台セットはよく廻る。そしてよく動き回る(特にアカシ氏)
歌の場面では思わず拍手喝采、気持ちよく笑えて劇場を後にすることができる。楽しかった。

ネタバレBOX

前回は指輪と首飾り、今回はティアラがキーワード。
モトキとセンリの成長を見守るアカシ氏。といった感じかな。
次回作あるなら、また別のご主人に仕えて、月刊執事のBestバトラー死守してほしい。相手のメイドさんを想像するのも楽しいかも。
そん時はタヅルさん、スミキチさんにも登場して貰いたいものだ。
そのタヅルさんとスミキチさんは二人一緒だと、小狡くって小悪人ぷりがより一層際立って良いコンビ。

六角さん、だた万能だけのキャラじゃない、裏側の事情を明らかにする時の迫力良かった。
満島さんの声は舞台だと、もともとかすれ声になってしまうのかな?歌の挿入場面は楽しかった。
田中さんの出演舞台で、あそこまで砕けた楽しいお坊ちゃん役ははじめて見た気がする。
今回も役者さん全員はまり役でした。

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