りいちろの観てきた!クチコミ一覧

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屋上のオフィス

屋上のオフィス

あひるなんちゃら

王子小劇場(東京都)

2007/05/04 (金) ~ 2007/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

あかるくすてきで不条理で・・・
あひるなんちゃら初見。ただし黒岩三佳さんはMCRなどの舞台で拝見したことがありとても気になる女優さんでした。

この公演は無料公演とは思えないほど創意工夫がいっぱいで・・・。、
声を出して笑うというのではなく、心のなかでくすっと笑うような仕掛けがたくさんありました

なにか麻薬のような魅力を持ったお芝居で、気持ちよくはまったというか、気づいたときには役者達の手のひらの中だったというか・・・。

他にない表現力をもっている劇団であることはまちがいありません

ネタバレBOX

すこし早めにいったら、場内に椅子がまばらで、先客のすわりかたもランダムというか・・・。でどこが良いですかときかれて指定した場所に椅子を持ってきてくれるのです。このあたりから屋上の雰囲気が作り出されていてうまいなぁ・・・と思いました。
客入れの音楽にしてもモーツアルトのコンチェルトに時々ゴジラの鳴き声やキングギドラの放射線の音が混じるし・・・(ある意味屋上の雰囲気・・・)

3人芝居の形態も、黒岩さんがぼけて関村さんがつっこみ根津さんがからむということで見事に機能しておりました。


ドラマ進化論 (ベータ版)

ドラマ進化論 (ベータ版)

北京蝶々

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2007/04/27 (金) ~ 2007/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

追い込まれ感を感じさせる力
短い上演時間ですが、急ぐ部分もなく、一方で十分な厚みのあるお芝居でした

表面的にはあやうい印象を与えるテーマですがその分観客をあきさせないし、内側の作劇が非常にしっかりしていて観客を引き込むというより観客をなにげに追い詰めていくような部分さえあります。

役者達の演技にもうまさを超えたしなやかさがあり、この劇団の力量を感じました。
音の使い方もうまかったですね・・・。テーマを崩さないウィットあふれる台詞(笑い)も心地よかったです。

これでβ版だそうですから、5月下旬の本公演(?)はまさにおすすめになりそうです。

ネタバレBOX

ひとつだけ惜しいと思ったのは最後の暗転の部分、メタ重層構造の外側を見せるという風にも理解できるし場面転換の都合もあるとは思うのですが、闇の時間が長すぎる気がします。
そこまでしたたかに作り上げてきた舞台の緊張感が、闇にすいこまれるように消えてしまって・・・。
場面転換の後の舞台装置は悪くないのですが、これだけ切れのよい芝居をしてきて、最後に見せるタイミングが悪いと、最後のシーンが付け足しのようになってしまいます。
昔離風霊船が「赤い鳥逃げた」でやったような屋台崩しで一気に見せてくださると歴史的な舞台にもなりえる作品かとは思うのですが、そこまでいかなくても、もうワンタイミング早いとぐっと来たと思うのですが。
そこがちょっと惜しい・・・。

役者たちは力技で一気に観客を封じ込めるだけの力をもちながら、ゆったりと真綿で締めるように観客達を追い込んでいく演技・・・
女優陣のなかでは帯金ゆかりさんの持つ華のようなものに目を奪われましたが、一方である種の狂気と現実を繋ぎとめるアンカー(碇)のような役割をしっかりと演じきった鈴木麻美さんに役者としての底力を感じました。
コンフィダント・絆

コンフィダント・絆

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2007/04/07 (土) ~ 2007/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

三谷幸喜の新境地
あまりのチケットの取れなさに半分あきらめていたのですが、毎日10時からPiaに電話をして6日目にキャンセル待ちナンバーを取得できて・・・。で開演15分前に並んでどきどきしながら待って・・・。
チケットを買えたときには本当にうれしかったです。

芝居は白旗を揚げるしかないほどすばらしかったです。役者の安定感は群を抜いているし、それぞれが絶妙な強弱で舞台に陰影をつけていく。前半が終わるころにはアトリエの雰囲気に取込まれていました。

ここからネタばれします

ネタバレBOX

三谷幸喜さん、今回は物語をウェルメイドに導くための伏線や仕掛けをあまりせず、人物を描くことに徹したようにお見受けしました。人物を表現することによって、登場人物の関係性が浮かび上がり、それらの関係性のゆりかごになったアトリエの瑞々しい時間が舞台を包み込むという仕掛けです。

堀内敬子さんがその時代を語るという設定もよかった。語られた時間の瑞々しさは、もう戻らない日々の切なさへとうつろう。
たくさん笑ったのに、シリアス重苦しいタッチのドラマではないのに・・・。自然に涙があふれてしまいました。
男優達の秀逸な演技にくわえて、シーンを蝶々結びにするように歌でつないでいく堀内敬子さんの歌唱力や演技力の勝利かと・・・。

三谷幸喜さんの作品ってけっこうみているのですが、その中でも1~2番を争う傑作だと思います。
今後も三谷さんはたくさんの名作を作り出してくださるのでしょうが、
その中でもエポックメイキングな作品として語り続けら得るほどのクオリディをこの芝居はもっているような気がします



アリスの愛はどこにある

アリスの愛はどこにある

G-up

新宿FACE(東京都)

2007/04/04 (水) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

新谷さんの魅力全開
ちょっと風変わりな空間でのお芝居。
天井が低いので閉塞感が少なからずありましたが
童話の世界という舞台設定にはよい効果がありました。

新谷真弓さんの魅力全開、彼女だからこの芝居が成り立ったとさえ
思えるほど・・・。他の女優さんがやっても重さが増して
ニュアンスが変わってしまったのではないでしょうか・・・
それほどのはまり役でした
桑原裕子さんも自分にあった服を着たような演技で、
見ていても心地よい存在感がありました。
楠見さんも出てくるだけであの存在感だものなぁ・・・。

小宮山実花さんや桜子さんなども含めて
役者達にオーダーメイドで仕立てたようなキャラクターに見えるのは
演出の勝利なのでしょうね・・・。
それにさりげなく答えているように見える役者達の力も
粒ぞろいということなのだと思います。
ほかの芝居なら主役を張れるような役者が
どちらかというと脇の部分で新谷さんが気持ちよく演技が出来るように
芝居をきっちり作り上げている・・・。

実はこの日、マチネで「1999.9年の夏休み」を観て心の中はかなりいっぱいだったのですが、それでも別腹で食べられてしまうほどのクオリティがこの芝居にはあったのだと思います。

1999.9年の夏休み

1999.9年の夏休み

アロッタファジャイナ

吉祥寺シアター(東京都)

2007/04/06 (金) ~ 2007/04/10 (火)公演終了

満足度★★★★

後半から一気に引き込まれます
ちょっと重層的な構造になっているので、前半はひとつずつのシーンをパラに楽しむみたいな感じなのですが、それらのシーンが後半になってしっかりとつながっていくと、あとは一気に引き込まれていきます。

少年たちを女性が演じることにより、登場人物は性別の呪縛から解き放たれ、物語の本質が鮮やかに浮かび上がってきます。

キャスティングも贅沢で見事でした。
少年役を演じた女優たちの美しさ自体が少年の存在に説得力を与えていたし、彼女たちを含め、役者の演技にぶれがないので、観客にとって多少複雑な物語の構造も、最終的には舞台上の豊かさのようなものにつながったと思います。

少年たちだけでなく看護士の女性たちの衣装や演技なども眼福だったし、役者たちの演技に無駄がないので2時間くらいの上演時間があっという間でした

終演後に透明な高揚感が残る良いお芝居だったと思います

「ゼリーの空間」

「ゼリーの空間」

空間ゼリー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2007/03/03 (土) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

精緻な構造にびっくり
ひさしぶりに息が苦しくなるほどの力をもった芝居を観ました。

構造的に非常によく出来ていることにびっくり。伏線の張り方の見事さといったら・・・

役者の技量には多少ばらつきガあったけれど、真摯な演技という意味ではすごく好感が持てたし・・・。

トータルで考えても参りましたといった感じです

ネタバレBOX

踏み切りの音、世界地図、創意に満ちた仕掛けだと思います。

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