りいちろの観てきた!クチコミ一覧

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星影のJr.

星影のJr.

庭劇団ペニノ

ザ・スズナリ(東京都)

2008/08/14 (木) ~ 2008/08/20 (水)公演終了

満足度★★★★

それにつけてもタニノクロウさんの描写力
構成がすごく良くできていて、見終わって感服しました。

枠組みがしっかりしていて、なおかつタニノクロウ氏の描写力が生きた作品だと思います

ネタバレBOX

継続したイメージのなかで、家庭が崩壊していく姿には息をのみました。暗示的なものが数多く使われていましたが、それらが子供の目からみた、正確な描写であることに気がついたとき、この作品の力というか底恐ろしさを感じました。

サナギネ

サナギネ

双数姉妹

青山円形劇場(東京都)

2008/07/30 (水) ~ 2008/08/03 (日)公演終了

両方見るとおいしさ倍以上でした
初演の時には「成体サイド」のみの鑑賞でしたが、今回両方見て、このお芝居の深さがよくわかりました。

世界がすごく広く作りこまれている・・・。

青山円形を手作り感覚で二つに割っただけの成果は十分にあったと思いました。

役者のレベルに高さを感じます。
OBの役者たちの度量も深かったですが、少し前に大量に入ってきた新人たちがすでに戦力として活躍していました。

血が出て幸せ

血が出て幸せ

クロムモリブデン

新宿シアタートップス(東京都)

2008/07/29 (火) ~ 2008/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

観れて幸せ
クロムモリブデン初見、テンポとグルーブ感を持った前半のシーンに惹かれて・・・。後半それがすっとひとつに収束していく緻密な軽さに再び惹かれました。

ネタバレBOX

昨今の無差別殺人に通じるようなシーンもあって、犯人たちの動機などが漏れ伝わってくるたびに感じていた違和感が、この芝居を観てすっと消えた感じがしました。

もちろん、消えればよいと言うものでもないのですが・・・。
僕らの声の届かない場所

僕らの声の届かない場所

空想組曲

王子小劇場(東京都)

2008/07/31 (木) ~ 2008/08/04 (月)公演終了

満足度★★★★

物語の外側の設定の見事さ
舞台自体にウィットと洗練があるので、時間を忘れてみてしまいました。

で、終わってからもう一度舞台を眺めて・・・。

作者の物語に対するスタンスの秀逸さに、改めて拍手を送りたくなりました。

ネタバレBOX

額縁とキャンバスを模した舞台が見事で、演じられる物語はすべてその中の絵に描かれたこと・・・という設定にほさかようさんの非凡なセンスを感じました。

キャンバスの中に封じ込められた物語だからこそ、見えてくる世界があるような気がします。

ちょうど美術館で、どうしてもその前から離れられなくなる絵にめぐり合ったような、そんな感動がありました。
なんせんす

なんせんす

あんぽんたん組合

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/07/23 (水) ~ 2008/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

時代を描く力の向こうに・・・
その時代を繊細に描く力量が、脚本にも役者の方にもあって・・・。

見応えがありました

ネタバレBOX

近江谷さんと大森さんのキャラメルボックスつながりの演技、すごく滑らかでさすがでした。

こういう時代の切り取り方をしたお芝居、久しぶりにみました。で、その先にあるある種の普遍性もしっかり表現されていて・・・。

良い役者が台本にめぐりあうと、こういうクオリティが生まれるのですね・・・。
アリス

アリス

じゅんじゅんSCIENCE

吉祥寺シアター(東京都)

2008/07/10 (木) ~ 2008/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しい!
精度の高いからだの動き、創意溢れる振り付け・・・。
で、なによりも楽しい。

世界に引き込まれ世界に遊ぶことができた。

終わって欲しくないような至福の時間の連続でした。

みみ

みみ

東京ネジ

アトリエヘリコプター(東京都)

2008/07/10 (木) ~ 2008/07/17 (木)公演終了

満足度★★★★

積み重なるシーンに・・・
透明感のあるシーンが積もっていくうちに気がつけば主人公の少女時代から現在までを俯瞰していて・・・。
まんまと、舞台にとりこまれてしまいました。
客演の役者たちにも十二分の力があり、物語の展開にも興味を惹かれて
時間を忘れてみてしまった。

芝居が終わって拍手をした後に、なにか抜けていかずに残るものがあって・・。これも、個人的にちょっと不思議な感覚。

東京ネジは初見ですが、しっかりと気になる劇団になりました。

父親がずっと新聞を読んでいる家庭の風景

父親がずっと新聞を読んでいる家庭の風景

あひるなんちゃら

サンモールスタジオ(東京都)

2008/07/03 (木) ~ 2008/07/08 (火)公演終了

満足度★★★★

緻密なゆるさに魅せられました。
ゆるい慰安があるような空間にすっと取り込まれて・・・。

その肌触りに心を奪われますが、実はとても緻密なお芝居だと思います。
きめの細かい慰安は観客のこころを開かせる力があるような・・・。

コメディとしても、その背景にある事象の表現としても秀逸だったと思います。

ネタバレBOX

考えてみれば、年金未払いにモラトリア、ニートなど社会現象を背景に持たせてしっかりと芝居をしている感じ。

それが個々にもろにでるのではなく、全体に事象を組み込んでいくやりかたがとても秀逸だと感じました
A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM

A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM

G2プロデュース

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2008/06/22 (日) ~ 2008/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★

さりげなく今様で、シェークスピアも楽しめて
評価はちょっとおまけ気味の4☆だけれど、でもシェークスピアを忘れるほど今様に楽しめて、なおかつシェークスピアもたっぷり楽しめました。

シェークスピアの美しい台詞などが、すうーっと入ってくるところがこの舞台の秀逸なところ。役者も何気にすごく好演で・・・。

よい試みとたくさんの芸に満ちた舞台だったと思います

ネタバレBOX

神田さんの演技の太さというか押しの強さにはびっくり・・・。彼女はとんでもない役者に成長していくかも知れません。

他の役者さんたちも、実は猛者ぞろいで、やや細いトーンの舞台をしなやかに支えておりました。

個人的にはとてもお気に入りの舞台でした。
俺を縛れ!

俺を縛れ!

柿喰う客

王子小劇場(東京都)

2008/06/18 (水) ~ 2008/06/30 (月)公演終了

満足度★★★★

勢いの裏に正確な切っ先
多少ラフな演技やもうすこし詰められるとおもうようなシーンもなかったわけではありません。しかし、舞台に勢いがあり、役者の演技の切っ先がしっかりとコントロールされているので、観客は時間を忘れて見入ることができました。

エンターティメントとしても秀逸ですが、きちんとくみ上げられた概念にも惹かれるものがあります。

パワーが目に付きますが、要所の繊細さもしっかり持った作品だと思います。

ネタバレBOX

男女の区別なく適材適所のキャスティング、うまいやり方だと思います。

玉置玲央や七味なな味、コロといった柿喰う客の役者たちも力のある演技で好演でした。
I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★

厚みのある集団劇から醸成される苛立ちの秀逸さ
戯曲の構造で、個々の苛立ちを見事に表現していく手腕に瞠目しました。役者たちの表現もしっかりと安定して、非常に見ごたえのある群像劇・・・。

舞台上での感覚がまっすぐしっかり伝わってきて、上演時間があっという間に過ぎました。

ネタバレBOX

舞台上の価値観や苛立ちにしっかりとしたバックボーンがあって、それゆえに舞台に身をゆだねられる。

作・演出・役者それぞれにクオリティの高さを感じました
恐竜と隣人のポルカ

恐竜と隣人のポルカ

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2008/05/24 (土) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ぐいぐい引き込む力
後に何も残らない・・・。でも楽しい・・・。

いろんな魅力がしっかりと詰め込まれた作品化と思います。

後藤ひろひとの笑いにたいするセンスのよさが
とてもよくわかりました

ネタバレBOX

「出演者のみ1分間の休憩」など、けっこう演劇の掟破りのシーンもあったのですがそれがまた面白くて・・・


大王演劇の柔軟さをしっかりと楽しむことができました。

また、石野真子のアイドルぶりもなかなか見ごたえがありましたョ。
『誰ソ彼』(たそがれ)

『誰ソ彼』(たそがれ)

ジェットラグ

シアターサンモール(東京都)

2008/05/29 (木) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

満足度★★★★

太い輪郭で描かれた人物、殻が崩れるときの秀逸さ
この芝居のバックボーンには真理があって、それらが役者たちの演技から、しっかりと浮かび上がっていたと思います。又吉の冷徹な視点もさえていました。

役者たちの演技にも、演じるキャラクターをしっかりした輪郭で表現する力があって・・・。

深寅演出も、これまでと違ったテイストではありましたが、エゴン シーレの人物像を見るような強さがあって・・・。くせがある芝居ではありますが、どっぷりはまる魅力をしっかりと内包している。

トークショーも関西テイストで私の好み、
雨が降る中の帰り道、良い芝居をみたとほくほくしておりました。

ガンまげ

ガンまげ

TV TOKYO

紀伊國屋ホール(東京都)

2008/05/21 (水) ~ 2008/05/28 (水)公演終了

満足度★★★★

役者がちゃんと立っている
けっこう疾走感もあって2時間ほどの芝居を飽きることなく見入ってしまいました。なんか、ちょっと高揚感のおみやげまでもらったような・・・

主演の二人のお芝居にはちょっと波がありましたが、他の役者の出来はかなりよかったと思います。

それよりも、なによりもこれだけの役者ひとりずつにしっかりとしたキャラクターがあり、しかもちゃんと演じ切られている。埋没した役者がいない・・・。これってかなりすごいことかと・・・。


他の方も書いていましたが、観客のマナーはかなりすごくて、ホルマリン漬けの標本にしたくなるほど・・・・。

でも、特定の役者を見に来た観客が、舞台を好きになれる良い機会であったとも思えます。
昔ケラリーノ・サンドロヴィッチさんがNylonの公演でやっていたように、パロディっぽく、演劇の観方みたいなビジュアルを作って流してあげるとよかったかもしれませんね。

瞼の母

瞼の母

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2008/05/10 (土) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★

浮いた部分もあったけれど・・・
草彅剛の芝居には場面によってしっくりはまる部分と浮く部分の両方あり・・・・。
後者にあたるの大竹しのぶとの時間は半端でなく秀逸で、そこを観るだけでもかなりの値打ちかも・・・・。

相手役がしっかりからむ場面では草彅も本当に生きる。でもひとりになると舞台から浮く…。難しい役者さんなのかもしれません。でも、彼にしか出せない色というのが間違いなくあるような気がします。

逆にその色を生かすために、豪華な脇役陣が必須だったのかもしれません。

グローブ・ジャングル

グローブ・ジャングル

虚構の劇団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2008/05/10 (土) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鴻上演劇の良いところが再び・・・
かつて、観客の心を震わせた鴻上演劇が再来したような・・・。

役者の真摯さと演出の冴えに時間を忘れて見入ってしまいました。

しっかりとパワーを内包した作品だと思います。

ネタバレBOX

昨今の演劇から見ると、トーンが若干違うというか、人物を描く画素が若干少なめの印象がありました。それは役者の資質ではなく戯曲の構造によるものかと思います。

しかしながら、その分戯曲の仕組みの中で描かれていくものが実に豊潤。演出が冴えにさえます。
鴻上が時代を鳥瞰して指し示すのではなく、時代に喰らいついていくような気迫を戯曲にこめているようで・・・。それが観客を傍観者ではなく、マジにさせていたような印象が残りました。

狂人教育

狂人教育

劇団鹿殺し

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2008/04/29 (火) ~ 2008/05/06 (火)公演終了

満足度★★★★

軽くて豊潤、
寺山戯曲のよさをしっかりと残しながら、スピード感と演技の確かさで、時代の塵を見事に吹き飛ばして見せた舞台かと・・・。

歌やダンスなども役者がよく鍛えられていて、観ていても楽しい。

戯曲の味わいをしっかりと伝えながら、同時にエンターティメントとしても秀逸な作品でありました。

飛ぶ痛み

飛ぶ痛み

キリンバズウカ

王子小劇場(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

満足度★★★★

関係性を空気で語らせる巧みさ
いやあ、期待をはるかに超える面白さで瞠目してしまいました。

役者一人ひとりの演技というよりも、演技の向こうにある、空気というか見えない感情のようなものが見事に浮き彫りになっていく。
笑えるサイコホラーとはよく言ったもので、確かに関西風味の笑いなどもあるのですが、味付けが違う。

舞台の上に見えてくるものが、良い意味で予想を裏切って、最後のシーンではぞくっと鳥肌が立ちました。

Golden Weeeek!!!

Golden Weeeek!!!

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/04/23 (水) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

手作り感の心地よさ
素直に、おもしろくて楽しめる舞台でした。

舞台と客席の距離感や空気がとてもここちよく、役者の演技も、既製品にはない手縫いのような肌触りで感触で伝わってきて…。

贅沢な試みだとおもうし、しかも
ここの番外公演、回を追うごとにどんどん進化しているような気がします。

あなたの部品 ファイナル

あなたの部品 ファイナル

北京蝶々

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2008/04/19 (土) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

空気の作り方が圧巻
もちろん、第二次世界大戦前を知っているわけではありませんが、多分世間は舞台上の空気と酷似していたのではないでしょうか・・・。

あの空気の密度、締めつけられるような感じ、完全に舞台の空気に引き込まれてしまいました。

大隈講堂裏最終公演にふさわしい、すばらしい舞台だったと思います

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