鴨川ホルモー
アトリエ・ダンカン
吉祥寺シアター(東京都)
2009/05/15 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了
満足度★★★
確実に、驚くほど、進化している
繰り返しだけど、初日と中日と千秋楽で、著しく芝居のレベルが
違っている場合、チケット代金は同じなんだから、
不平等で、そういう姿勢は極めて失礼なカンパニーと思っている。
本番を通じて稽古をして、公演後半にやっと出来上がるってね。
じゃぁチケット代も、毎日100円づつ高くするとか、
前半はパンフレットを付けるとか、誠意を示していただかないと。
とは言うものの、そんなことで興行形態が変わるわけでもないので・・・
素直に観劇してました。
いやいやビックリ、確実に、驚くほど進化しているのだ。
なんだか、テンポがいいなぁ、キレがいいなぁ、
変わったなぁと思い、
前半、脚本の一部が削られたか、演出が見直されたかと思っていたら、
上演時間は変わらないし、見覚えのあるシーン。
つまり役者の芝居が上手くなっている、
体に染み入ってきているのだ。
時間と共に役者さんの阿吽の呼吸で、時系列を表現できるってのは、
やっぱり数こなさなきゃだめなんだろうな。
話がわかっている視線での観劇なので、驚きや発見はないけど、
やっぱりね、あらすじというか、映画なり本を読まずして
この作品を見ても、半分くらいしか理解できないと思う。
映画の公開は終わっちゃったけど、なにかしら情報を得てから
観劇はしないといけないだろうな。
そういうこと、チラシやサイトに正直に謳ってない部分は、
潔くよくないというか、不親切というか・・・
間口の広い作品なので、これからも
役者を代え切り口を代え、いろんなバージョンで上演していって欲しい。
青春作品の傑作なのだから。
ハナウタ日和
IOH
シアター711(東京都)
2009/05/27 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了
満足度★★★★
なんとリピート!
いろんな作品を見たいから、金銭的な問題以上に、
時間の問題で(!)なかなかリピートって出来ないんだけど、
この作品の印象は自分の中に、後から後から、どんどん沸いて来て、
リピートしました。
ストリートプレイで2回目って、
冷めた目で見るというか、粗探しのような、下品な視線を
持ってしまう修行の足らない自分でですが、
なんと素直に見れたことか。
この家族、前回よりも、ぐっと絆が強く感じられ、
一層芝居に膨らみをもたせている。
前回よりも多い、5回も95分の上演時間中に涙しました。
基本的に、初日から芝居が変わることは、
否定的です。
だから、この作品も、前のほうが良かった、
とは言いたくないけど、
さらに進歩している。
悔しいけど。リピートしてよかった。
千秋楽に行きたいなぁ
でもチケット買えないだろうな
『田所治彦一人舞台 message
N.E.Sプロダクション
タイニイアリス(東京都)
2009/06/01 (月) ~ 2009/06/01 (月)公演終了
満足度★
ひとり芝居ではなく、ひとり舞台
新宿2丁目のド真ん中、夜9時から開演・・・・
ひたむきに歩いて劇場へ行きました。
ひとり舞台なので、いわゆるワンマンショーなんですよね。
お芝居あり、お歌あり、って感じで。
千葉県出身の若者が、沖縄への慕情らしきことを
学芸会のように、お披露目している。
まぁチケット代も安いし、いいんじゃないかって程度ですが、
いただけないのが、「戦地の跡へ行きたいからカンパして」って
おひねりを強要しているところ。
決してタイトルにあるようなメッセージや、
地に足がついたところがないにもかかわらず、
ファッション的に反戦のようなことしか言ってないにもかかわらず、
(それさえも、微妙ですが)
これは、よくない。
こういう子が、戦地とかに行って、
日本に迷惑かけるんだろうな、
イラクで拉致されちゃった若者みたいに。
歌は下手、芝居はメチャメチャ、
構成も脚本も、ひっちゃかめっちゃかだけど、
芝居(公演)を打つという姿勢は、若いのに大したものです。
自主興行か、スポンサーがいるのかはわからないけど、
夢物語じゃなくって、実行する、実現する行動力は、
最近の若者にしては、なかなかの骨太。
でも若いのに、劇場借りて興行打ってるってことは、
どっかの金持ちのご子息なのかな、彼。
それともタニマチ???
まぁ2000円のチケットくらいは買ってあげるから、
こういう遊戯は劇場の中だけにしてもらい、
偏った反戦思想のもとで、国外には出ないで欲しい。
役者として大成するには、
もっと、やることあるだろうに。
ハナウタ日和
IOH
シアター711(東京都)
2009/05/27 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了
満足度★★★★
素晴らしい風景
ご縁があって観劇、予備知識ありませんでした。
とっても素晴らしい出来栄えでした。
キャラクター設定、演技陣の芸達者ぶり、そして舞台美術の工夫。
とても密度の濃い100分でした。
泣いて笑って・・・お芝居の基本が全て凝縮した、
安定感のある作品。この集団はタダものではない。
十分、紀伊国屋や本多劇場でも通じる内容と言えましょう。
残念なのは、この劇場。
映画館の後だから、椅子は心地いいのだけど、
互い違いにはなっていないし傾斜もない。
少し上のほうにスクリーンのある映画なら問題ないけど、
足元から世界が広がる舞台では、ちょっと・・・
これだけの作品でなければ、まずストレスに襲われるでしょう。
妹のフィアンセ役の人が、特に良かったですね。
人の良さ、素直さが、にじみ出ている。
こういう観客の視線にたったであろう、製作者のエゴだけが
前面に出る構成でない作品って、
簡単そうで、以外と貴重なのかも。
流れ星
東京セレソンデラックス
シアターサンモール(東京都)
2009/05/20 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
満足度★★
3回位、寝てしまいました。
高級レストランでしか食事しない有閑マダムが、
「あたしって、庶民的な物や、若者に人気な物にも、
広く興味がありますわよ」
「こういう物も、個性があって美味しいわよね」
って感じで、
ラーメン屋や牛丼屋に派手な服を着たり、厚化粧で来ている姿って
時々見かけますよね。
「今の人たちって、こういう物が好きなのね」って、
感じで、
例え行列が後ろに控えていようとも、回りの人が、そのキツい香水に、
迷惑顔をしていても、涼しい表情でマイペースに、
席でゆっくりしている、オバサマ(および、その予備軍)。
この作品って、マサに、そんな感じである。
いつものセレソンワールドの中に、
気まぐれであろう、大御所の「うつみミドリ」と付き人「山田まりや」が
加わっているのだが、どうも世界が一つになりきれていない。
うつみミドリに遠慮しているのか、うつもミドリがペースを変えないのか、
非常にアンバランスさを感じました。
うつみミドリが光る芝居(商業演劇)にするのか、
セレソンワールドに、うつみミドリがお邪魔するのか、
ちゃんと方針が一つになっていないから、
こんな、舞台の上の方の自己満足的な仕上がりになっているのだろう。
劇場を先に押さえているからとは思うけど、
劇団でありながら再演ばかりを上演している劇団って・・・
四季でも3年に一度は新作を上演しているのに、
小劇団でありながら、これって・・・
当然、「歌姫」「夕」と年々パワーダウンしており、
マンネリというか非常に荒く雑な仕上がりさが、
否がおうにも目に付く。
後半30分、ちょっとだけ見応えのある内容になりますが、
そこまでの90分は、ダラダラして、
3回位、寝てしまいました。
何より、「泣ける、泣ける、涙必須」みたいな、
触れ込みが強すぎる!
少なくとも、「歌姫」「夕」を見ていると、
その泣かせのレベルには遠く及ばない。
宅間氏が忙しくなっちゃったんだろう、
「スマイル」も好評放映中だし。
もう、小劇場にいる必要もないだろうから、
商業演劇に行くか、映像の世界に集中するか、
儲かりもしない小劇場公演は興味がないんだろうな。
こういう、いい加減な、情熱が感じられない姿勢は、
大変退屈である。
鴨川ホルモー
アトリエ・ダンカン
吉祥寺シアター(東京都)
2009/05/15 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了
満足度★★★
似て非なる作品
原作、そして映画は、近年まれにみる傑作だった。
映画なんて20年ぶりと言ってもいいでしょう、2回連続で
見たほど面白かった。
「これ、どうやって舞台にするのだろう?」と疑問に感じてはいた。
「文章でも映像でもない形で、表現できるのだろうか」と
少々の懸念はあったけども、
その予想は的中し、
「鴨川ホルモー」の世界とは似て非なるもの、
登場人物や設定を利用した、別の作品となっている。
青春群像劇にフォーカスしているだけとなり、
この作品を期待している僕には、とっても物足らない内容だった。
しかも、やっかいなことに、この特殊な世界が背景にあるので、
事前に予備知識がある程度なければ、しんどいだろう。
初日であり、初舞台の出演者が多いとはいえ、
台詞は拙いし、芝居は下手なんだけど、
「春のめざめ」に比べれば、とっても好感の持てる、
爽やかさと、すがすがしさは伝わった。
これは手垢のついていない若手ならではの、
武器というか特権でしょう。
主役の石田は、映画では、とってもオーラの強いスター感のある、
存在感ある役者だなぁと思っていたけど、
舞台では、びっくりするほど背が低く(!)、
普通の若者で、それほど目立っている感じではなかったなぁ。
初舞台だから、これから良くなっていくのかな。
舞台は暗転が多く、上演時間2時間40分。
間延びしているシーンも多く、きっちり詰めれば2時間以内に
なるのじゃないかなぁ。
メインのホルモーの試合のシーンは殆どないし。
ダラダラ感が惜しい。
客席に、映画に出ていた、双子の斉藤慶太(祥太かなぁ)が
いましたが、白い大きいな帽子を被ったまま観劇。
(夜なのにサングラスしていて、そんなスターか、お前は!)
大きなポニーテールをした女性の方も含め、
こういうのって後ろの方への配慮がなさ過ぎると思います。
前のめりにならないでくれって注意を時々劇場の方はしていますが、
そういうことも場内アナウンスでしなきゃいけなくなっているのでしょうか。
特に舞台に出ている人の、こういう観劇マナーって、
よくないですよねぇ。
セレブ気どり
(有)パン・プランニング
あうるすぽっと(東京都)
2009/05/09 (土) ~ 2009/05/17 (日)公演終了
満足度★★
とっても痛々しい・・・
最初、四季「夢から醒めた夢」の世界かなぁって
思っていたら、全然違いました。
米米クラブも出ているから、そういう世界かなぁって
次に考えましたが、それも違いました。
単に「面白そうな」素材なものを自己満足で集めただけの、
お披露目会のような公演でした。
毒と皮肉と滑稽さが積みあっているような題材ではあるのに、
こう見ていて、とっても痛々しい。
無理してカラ元気で頑張ってますよ感な空気があり、
空席だらけの客席が、それに輪をかけて、
さっぶーい雰囲気を演出しておりました。
最も中途半端感が強かったのが、
少年風な役回り?なのか半ズボン姿で、かわいくふるまう
4人の男性の濃いスネ毛と溢れるワキ毛。
ファンタジーの世界だし、こういうことは役作りとして、
ちゃんと剃りましょうよ。
なんか汚さというかエグさって、こういうところから出てくるんですよね。
ただ、歌とダンスは平均点以上。
この劇団は、何がいったいしたいのだろう???人数も多いのに。
企画と方向性さえ間違えなければ、
結構悪くないと思うんだけど。
女の子達の、健康的なお色気や、
ルックスも粒ぞろいだったし、
男の子達も、爽やかな笑顔が光っていたし、
妙な手垢のついていなさそうな、純粋さは感じられました。
雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2009/05/06 (水) ~ 2009/05/30 (土)公演終了
満足度★★★★
異種決戦!宝塚の一本勝ち!
宝塚(鳳蘭)と、元四季(三田和代)、アッカーマン(中川安奈)、そして
蜷川ワールドが四つ巴となって、がっぷり絡み合い、
非常に濃い世界が繰り広げられた結果、
宝塚・鳳蘭の一本勝ちとなったと言えよう。
非常に見応えのある作品である。
量産しすぎて、もう何を上演しても蜷川節になって食傷気味だったんだけど、
この作品は、
あくまでも蜷川カラーはベースであり、
その上に実力派の役者陣が、それぞれの得意技を出して
緊張感と高級感漂う、約3時間。
カーテンコールの挨拶の余韻も含め、
「これぞ、演劇」な出来栄えとなっていた。
コクーンの舞台を全て覆った、
豪勢な舞台装置さえも、
鳳蘭が真ん中に立てば、すっかりオーラで
空間を全て隠してしまう。
三田和代の怪しげな秘力は、
おとぎ話的な設定さえも、真実にしてしまう。
そして、アッカーマンの元で修行を積んでいる
中川安奈の狂気は、圧倒的。
みな素晴らしいのだが、
この中で、主役なのに殆ど出番のない鳳蘭が、
存在するだけで、目を釘つけにする、あの存在感が、
最も印象的。
真琴つばさは、スーザンでは魅力があったけど、
今回は、まんま宝塚口調で、非常に芝居が臭い。
なんで配役されたのか、よくわからないウェンツは、
四季にもいたはずなのに、
まるっきし舞台に溶け込めず、浮いた存在。
あれは、かえって邪魔。
高橋洋にでも、やらしときゃよかったのに。
古谷一行はじめ、ベテラン男優陣は、
メインの女性陣を惹き立てる、とっても包容力のある芝居をしていて
これはこれで見事。
役者がしっかりしているからか、
見劣りするのは蜷川の演出というか構成というか。
ホント、何をやっても同じ演出なんだなぁ。
あれが蜷川節だから、と言われれば
仕方ないんだけど。
今回、初めてコクーン2階最前列(左サイド)に座りました。
この席、視界に柵が入ってくるんだよな。
若干見切れもあるし。
S席1万円の席です。
これは、ちょっと問題だなぁ。
バンダラコンチャ ソロアルバム公演「相思双愛」
バンダ・ラ・コンチャン
紀伊國屋ホール(東京都)
2009/05/09 (土) ~ 2009/05/16 (土)公演終了
満足度★★★
こりゃ、テレビだなぁ
テレビで御馴染みの役者さんが、
肩肘こらない話を綴っていって、テレビ見てるみたいだった。
役者さんの芝居も、非常にテレビ的。
詳細はネタばれへ。
映画もテレビドラマの延長程度な作品が、
一般受けする時代。
コントではない、こういう形の演劇って、
ある意味、新しい形なのかもしれませんね。
口当たりはいいけど、何にも残らない。l
お金は払って、見なくて十分。
NHK教育の舞台中継でいいんじゃないかな。
おかしなふたり~千夜一夜物語~
スーパーグラップラー
シアターサンモール(東京都)
2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了
満足度★★★
ふたり、ではなかった
話の後半に入るまで、誰が主役で、誰の話なのか、
ピンと来ませんでした。
台詞の多い、個性の強い出演者が、とっても多く、
何だかバラエティショーみたい。
おかしな人は、たくさんいました!
後半になって、主役であろう男の子が
「俺、JUNONボーイ」って言うから、
あぁ彼が主役なんだってわかりました。
それまで、ヒロインのお兄さんが主役と思ってました(笑)。
でも、結局、この主役のハンサムな男の子と、
ヒロインの小娘は、退屈な二人だったなぁ。
ミュージカルとか演劇とか、なんか銘打っているようだけど、
そういう土俵になんか乗らない、
いわゆるアイドルの卵達のお披露目公演程度の内容。
まぁファンの方々、応援したい方々には、
とっても、わかりやすく漫画チックに描かれているので、
目的は果たされているのではないでしょうか。
男の子はかっこよく、女の子は可愛く魅せてくれてるので、
それでいいのでしょう。それだけだけど。
しかし、この手の企画って
「夢」物語が多いなぁ。
こないだのソラオの世界と一緒。
安易というか、食傷気味・・・
ソラオの世界
劇団たいしゅう小説家
萬劇場(東京都)
2009/04/29 (水) ~ 2009/05/06 (水)公演終了
満足度★★★★
無理やり上演か
小さな舞台空間の中、キツキツに詰め込んで上演したのだろうか、
とっても圧迫感がある構成で、やりづらさが、
強引にも伝わってくる。
役者の出入りも、間口が狭いのか、とっても危なっかしくて
「駅前劇場くらいのスペースがあれば、いいのに」と
2時間強の上演時間、ずっと感じられた。
シアターミラクル(!)のほうが、余裕で広い。
萬劇場って、漫才とか落語みたいな、もしくは
一人芝居を上演するような劇場なのだろう。
20人近い登場人物が、テンポの速い、場面の多い作品を
上演するには、とっても無理があると思わずにはいられなかった。
昨年末に、どこかで上演するはずが延期になったとのこと。
この劇場しか、取れなかったにしても
それにしても、何とかならなかったのだろうか。
これもホスト風な今時の男の子が中心になった作品だけど、
こちらの出演者達は、体育会系というか、
出演者が一丸となって作品を作り上げようという、
熱い力が伝わってくる。
特に主役の男の子は、見事に演じあげたと言える。
単なるチャラ男、ファッション感覚で、
お芝居もしてみました、って第一印象でしたが、
何が何が、骨太で力強い芝居をしていた。
一昔前に流行った、ザ・小劇場的な内容で、
前半は、ちょっと、しんどい部分もあったんだけど、
後半は盛り返し、見応えのある作品に
なっていた。
劇場の狭さもあるのだと思うけど、雑多な感じが否めない。
もう少しだけ、脚本と演出を整理して、
ふさわしい劇場での再演を期待します。
SAKURA cha cha
DIAMOND☆DOGS
天王洲 銀河劇場(東京都)
2009/04/23 (木) ~ 2009/04/30 (木)公演終了
満足度★★★
パニクルーは凄い!
ALTER BOYSが成功したおかげか、
その時に見たことのある出演者達が、大きな銀河劇場の真ん中で
チマチマ躍らせてもらえていた。
客席はガラガラです、舞台を大きく前のほうまで張り出していたが、
彼らのダンスは、とてもテクニックはあるのだろうが、
大きく見せる動きではない分、非常に間延びした
印象が強かった。
博品館がホームグラウンドのようで、
そこと比べたら、この空間をつかいこなすことは
難しいのだろう。
太鼓とか尺八とか、いろいろバタバタやっていたんだけど、
凄いんだか、上手いんだか、よくわからない。
派手目な楽曲を大げさに演奏すれば、僕のような
素人には何でも上手に聞こえちゃう。
まぁお金を払ってまでは聞きに行かないけど。
そんな中、ハっと思うような動き、一瞬たりとも目が話せない、と
いう言葉にふさわしい動きを魅せてくれたのが、
パニクルーにいた(在籍中?)の植木って人の踊り。
ALTER BOYSの時も存在感が強かったけど、
今回も彼だけが目立ている。
DIAMOND DOGSが主役だから、
きっとオーラ消して、控えめに演じているとは思うけど、」
それでも目立つってのは、彼がすごいのか、
他が地味すぎるはか・・・
彼自身の見た目がシャープな感じでもなのに、
なんとも素晴らしい動き、これは価値がある。
もう一人、やはりALTER BOYSに出ていた
マンマミーア良知真次。
当日、配られたチラシの殆どが、
マンマミーア良知真次の関連作品ばかり。
なんで、急にこんなに売り出されたのだろう。
AAAと競演したり、屋根の上~にも出演、いやいや大したもんだ。
東宝芸能に在籍しているようだけど、
いいマネージャーがついたのだろうな。
特に何かがキラっと光るところは、見当たらないけど。
普通のハンサムなお兄ちゃんレベル。
四季にいれば舞台の真ん中に立つ機会もあるかもしれないけど、
外の世界じゃねぇ。
自分の実力と勘違いせずに、マネージャーへ感謝しながら
がんばってもらいたいものです。
ミュージカルスターは夢を見る
劇団とっても便利
博品館劇場(東京都)
2009/04/22 (水) ~ 2009/04/26 (日)公演終了
満足度★★★
ザ・小柳ルミ子!
小柳ルミ子って、素晴らしいエンターテイナーだなぁと
歓心しながら見ていました。
まず舞台の上に立っているだけで華がある。
これ、大事でしょう。
小さな博品館の舞台から溢れ出るほどの大きなオーラ、
ゴージャスな衣装に負けない立ち振る舞い、味のある歌、踊り。
全てルミ子節ではあるけども、とっても小気味よい
出来栄えとなっていた。
よく、こういう小さな企画に、ルミ子は出演したなぁ。
「アニー」が上演されている時期なのに。
大きな劇場の脇役より、小さな劇場の主役のほうが、
やりがいがあるのだろうか。
ギャラより芸?
相手役というよりは、ルミ子の休憩および衣装替え時間の
場つなぎに、LKシンバ宇都宮君は大車輪。
確か、お医者の息子、宇都宮君は、
大学教授の息子、井上芳雄と芸大の同級生なんだよな。
お歌の才能も、家柄が大事なのでしょう。
舞台装置は殆どないけど、ルミ子自身がセットみたいなものでもあるから、
余分な装置は、厚化粧になっちゃうから、これでいいでしょう。
正直、話は退屈、楽曲も平凡、特に目新しいものはないけど、
こういう企画で、こういう小劇団に、
スター小柳ルミ子が出演して、そして作品として仕上がったことが
拍手に値するとしか言いようがない。
制作の人(座長さん)の力でしょう。
なんだか演出家や制作の方々のご苦労が、
作品を通じて伝わってくるところが、痛いところ。
Little Alice ―少年アリスの時間割―
ルドビコ★
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2009/04/29 (水) ~ 2009/05/05 (火)公演終了
摩訶不思議な、公演(興行)
僕には理解しがたい世界である。
これは、何じゃろうか???
ホスト風な線の細い男の子達が、
下手くそな歌を歌ったり、バタバタ踊ったり、
棒よみで、くっさい芝居らしきことをしている。
みーんな同じような顔、髪型、ひょろひょろの体型で、
誰が誰だか区別もつかない。
話の筋も退屈なら、舞台装置も、超チンケ。
面白くもない舞台上の出来事を2時間強、
睡魔どころかストレスと戦いながら拝見。
テーマパークのアトラクション以下の、
余興寸劇にも値しないような、訳わからない作品?である。
これ、芝居と思ったら、腹がたってしかたがないんだけど、
何か異種な催し物なのだろう。
500席のスペースゼロは、
日曜日の夜にもかかわらず、ほぼ満席。
公演数も多い。
しかも、シリーズとして上演を重ねているようである。
もちろん、無料公演ではなく、決して安くはない、チケット代金である。
この未曾有の不景気の中、価値を感じて
足を運ぶ人が沢山いるのでしょう。
きっと、こういう世界は、そういう楽しみ方があるのだろう。
僕が間違えて入場してしまっただけで、
(そう、まさに俺がアリス!!)
普段、目にする演劇媒体では、見たことなかった作品でもあるし、
違うジャンルの作品と思うえば、納得。
このサイトも、「演劇・ミュージカル等・・・」となっているし、
「等」にはいるジャンルなのでしょう。
春のめざめ spring awakening
劇団四季
自由劇場(東京都)
2009/05/02 (土) ~ 2009/09/05 (土)公演終了
満足度★★
金八先生は、いなかった
初日に観劇。
縁あってチケットが回ってきたので足を運びました。
劇場内は、熱心な四季ファン(後援会)の方々と、
いかにも関係者風な方々でいっぱい。
黒ずくめな劇団関係者が入り口前にズラっと並んで、
ご贔屓筋に御敬礼。
なんだか、トニー賞に絡んだ。
ブロートウェィミュージカルの日本初演の初日って、
華やかな雰囲気ではなく、なにか独特の空気が・・・怖い怖い!!!
以前から、この作品が日本で上演される時は、
ジャニーズとグラビア系のアイドルで、東京グローブ座(パルコでも
いい)と思っていた。
それが、よりによって、品行方正な四季で、え~って思っていたら、
予想と期待を裏切らない、
優等生が無理無理に不良を演じている、
ちぐはぐな作品となっていた。
見た目が綺麗な若手が、溢れ出す熱気と、ほとばしる汗を
キラキラさせながら、演じて初めて成り立つ作品なのだが、
いつもの、活舌よく、はきはきと、
「大切なのは台詞をはっきりということ」節で上演しているから、
芝居に勢いがないのだ。
シェイクスピアや、ファミリーミュージカルじゃあるまいし。
歌も演歌は歌詞がしっかり聞こえなきゃいけないけど、
活舌よいロックって、これじゃシャウトしないぜよ。
内容は、古い原作ということもあるのだが、
25年前の金八先生の世界。
もう何度も取り上げられたような題材で目新しさは一切なし。
主役を演じていた柿澤って男の子は、
ジャニーズの後ろで踊っていそうな、
ハンサムだけど、ちょっと地味な男の子。
四季での舞台の経験は少ないみたいだけど、
彼は、四季に入る前に、どっかにいたんじゃないかな。
初日だけど、堂々と演じていた。
彼はまぁいいとして、
問題はヒロイン、林って女の子。
お歌は上手だけど、
なんというか決してアイドルの顔立ちではない。
かわいくないと、感情移入ができないんだよなぁ。
小さい劇場で上演するのだから、やっぱ見た目は大事。
外人が絡んでいるから、オリエンタルな顔立ちなら○なのか。
「若手の人が中心になる作品へ不安はないか、
やはりベテランが演じたほうがいいのか」という
質問が、いろいろな媒体で掲載されていました。
「思い切った冒険です」と四季のコメント。
若い子が主役の話なんだから、役者の経験が少ないのは
当たり前なのに、何を話しているんだろう、と。
真面目に、この10代の子供たちの話も、
野村玲子がオンディーヌよろしく演じようと思っていそう。
そして、その思想を支持す四季フリークの方々。
あぁ怖い。
文化の開放、ぜひ、商業演劇にて改めて、上演してほしい。
The Joker
劇団BOOGIE★WOOGIE
d-倉庫(東京都)
2009/04/17 (金) ~ 2009/04/26 (日)公演終了
満足度★★★
これぞ、小劇場のスタンダード
初めて行きました、D倉庫。
布の街の布の道を歩いていくと、古めな街中にある劇場。
昼間行ったから探していけたけど、夜は迷いそうだけど、
ここも、いい感じの劇場。
こういう劇場が誕生していたら、ベニサンもトップスも
閉めるよな。
しかし、東京って、世界一演劇劇場が多いんじゃないか???
と思います。
この作品、ズバリ、とっても楽しいです。
そして、どれを取っても、全く間違っていない、小劇場としての
スタンダードが出来上がっている、まさにプロの仕事。
お手本ですよ、この仕事ぶり。
100席程度の席数、
3000円代のチケット代金、
2時間以内の上演時間、
エネルギッシュな役者の芝居、
笑いと涙があふれる、わかりやすい筋書き、
役者のナリキリ!演技。
クスっと笑える程度の客席いじり、
くどくならない程度の手前ミソねた。
観客席も一体となる空間の使い方。
邪魔にならない音楽、スパイス程度のダンスシーン。
整ったカーテンコール、適度な余興。
観客を丁寧にお迎えするスタッフ、
そして、役者陣による笑顔と誠意のこもったお見送り。
そうそう、これこれ!!!
日暮里まで足を運んでも、
楽しい芝居を気持ちよく小劇場鑑賞気分を
堪能できるなら、とっても、バリューがある作品!!!
こういう作品の、アラ探しや、深い読みなんか、
するのは超ナンセンスです。
決して、驚きや感動や、後に残るものは何もないけど、
テーマや思想も何もないけど、一晩寝たら全部忘れるけど(笑)
それでいいっすよ。
面白かった、休日の午後のレクリエーションには、ぴったり。
それだけだから、満点は星★3つが最高で。
砂の病
フランス演劇クレアシオン
シアターX(東京都)
2009/04/15 (水) ~ 2009/04/18 (土)公演終了
満足度★★
こういうのが、フランス現代劇?
阿部ちゃんの「熱海殺人事件」以来のシアターX。
ロビーには、阿部ちゃんの大きなパネルが張ってありました。
縁あって観劇しましたが、こういうのがフランス現代劇、ふーんって
感じっすねぇ。
最初は、風刺画なんかに出てきそうな
皮肉たっぷりのシチュエーションなんかがあって
「ウィットに富んだ、シュールな演劇」なーんて、
雰囲気がありましたが、
そういうのは5分のコントの世界では楽しめるけど、
いつまでも続いていて、
だんだん睡魔との闘い・・・気づくと横の方も後ろの方も、
皆スヤスヤzzz。
フランス人の国民性とか民族性とか、
そういうのがわかった上で成り立っている作品なのでしょう。
そんなトレビアーンな世界とは縁遠い僕には、
作品の奥深さ、あるのかないのかわからないけど、
そういった世界観は理解できませんでした。
サラっと表面上だけ見ていると
話は、日本の小劇場で、散々やっているような
話と思うけど。
初日ということもあって、客席は、
フレンチがお好きな、ちょっと上品なご年配の方と、
フランス文学を学んでいそうな若者が中心。
なんとなく体温が低めな様子の方ばかりで、
普段の小劇場の雰囲気(シアターXは、わからないけど)では
ありませんでしたな。
ちょっと自分には場違いでした。
ブロードウェイ・ミュージカル『回転木馬』
天王洲 銀河劇場
天王洲 銀河劇場(東京都)
2009/03/19 (木) ~ 2009/04/19 (日)公演終了
満足度★★
何とも陳腐な・・・
10年くらい前でしょうか、帝国劇場でのロングランを見て以来の鑑賞。
劇場のキャパ、公演回数は確かに少ない。
しかしチケット代金は、12000円と、同等。
(僕はイープラスのハーフプライスで見たけど)
こんなにも、簡素で陳腐な作りにするなら、上演しなければいいのでは
ないのだろうか。
学芸会かと思うほど、安っぽい舞台装置。
セットも出演者(アンサンブル)も少なければ、オケの人数も少ない。
非常に薄っぺら。
前回の帝劇に比べてですが。
挙句の果てには上演時間も削ってしまい、
レミゼのようにテンポがよくなるのではなく、肝心の作品の世界に
入り込む時間や、登場人物に共感する間合いが、
なくなってしまっているから、これは考え物。
こういう古い作品、スタンダードな作品って、その時代に観客を引き込む、
その設定の世界の香りを伝える演出は欠かしてはいけないと思う。
オケの様子が、劇場の、あちこちにあるモニターに
写っているんです。
割と視界に入ってくるのですが。
カーテンコールを盛り上げるのが好きな塩田氏が
指揮者でしたが、
客席の拍手もまばらで、たいして盛り上がらない。
腹を立てたのか、お見送りの音楽もなく、
ポケットに手を入れて、気難しい顔で、指揮台に、
もたれている姿を見せられたときには、
更に幻滅。
宝塚・轟悠の「オクラホマ」の時のような、ご機嫌さには、
なりませんでした、残念。
こりゃデフレスパイラルですな。
観客が入らない→セットも出演者も安くしてチケット代を高くする
→リピーターは来ない→ますます観客席は空く→更に損益分疑点を
低くした作品を上演する→また観客が入らない・・・・。
少々投資しても上質な作品を上演しつづけなければ、
ホリプロの自社劇場ですから、劇場に対する信頼感が、
なくなっちゃうと思うのですが・・・。
すいません、また辛口な意見をしてしまいました。
幸せの向こう側
劇団たいしゅう小説家
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2009/04/05 (日) ~ 2009/04/12 (日)公演終了
満足度★★★★
純粋な気持ちに、思わず涙
縁あって、劇場へ足を運びましたが、
正直、全く期待していませんでした。
アリとキリギリスの目立たない方だし、売れないアイドルだし、
アニメっぽい題材だし。
これが、以外や以外、心に響いてきました、泣けました。
最初の20分位は想像を外れない、
三文芝居でしたが、竹本孝之(いやー、わっかいなぁ。もう40代半ば
じゃない、髪も多いし腹も出てないし、往年のアイドルの姿を
守っていた!てか、まだ芸能界にいたんだ!ちょっとビックリ)
が登場したあたりから、グっと面白くなっていた。
この芝居、とにかく役者がまじめに真剣に、役柄に
取り組んでいる、だから感動が伝わるのだ。
確かに、芝居はクサい、台詞はツマる、テクニックからすれば、
全然ダメなんだろう。
だけど、伝わってくるのだ、その気持ちが、せつなさが。
非常に全てのキャストは地味だし、
舞台装置も手作り感満点、
なんともチープな感じがするのに、この感動はなんだろうか。
等身大の思いが、嘘でない思いが、
きっと劇場を温かい空気で包んだからでしょう。
四季や、老舗劇団が、とかくテクニックに走って、
滑舌よく、だの、大げさな芝居だの、無感情な淡々とした芝居、
それが芝居として、あるべき姿と、
メディアやマスコミの力を利用して文化の押し付けをされそうな
昨今。
この作品を四季流で上演なんかしたら、ゾっとする。
こういう作品を、全国公演、芝居が身近でない地域の人に
見てもらいたいなぁ。四季が妨害するか。
難を言えば、あと15分、短くしてほしい。
ちょっと主要な登場人物が多いし、クライマックスも間延びしている。
そして、芝居の代金も、3500円程度だったら
みんなに◎でオススメするでしょう。
Triangle ~ルームシェアのススメ~
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2009/03/27 (金) ~ 2009/04/19 (日)公演終了
満足度★★
彩乃かなみが超カワイイ!
彩乃かなみ、彼女の可憐さにビックリ!!!
「マンマミーア」で吉沢梨絵を見た時と同じ位、衝撃だった。
宝塚のミーマイのサリーは、それほどの印象は正直なかったけど、きっと彼女の魅力は、パルコ劇場くらいの
キャパが合うのだろう。
食事のシーン、ちょっと無茶をして駄々をこねるシーン、
どれ一つとっても嫌味がない。
久しぶりに宝塚卒業生の新生かな。
この作品を通じて見た彼女は、少なくとも笹本玲奈よりは、
井上芳雄とのコンビのサリーは似合いそう。
あ、でも劇場が大きいからダメか???
笹本玲奈よりは、いいと思うけど。
ってことで肝心の作品だけど・・・
ん・・かなり設定に無理はあるし、
どうも話が途切れすぎ。
きっと、蓬莱脚本、宮田演出、井上芳雄の
トライアングルのバランスが、ことごとく合わないのだろう。
等身大の井上芳雄って、
どうにも魅力が欠けるなぁ、芝居が下手なのは仕方ないにしても
自分ひとりが楽しんでいるような、そんな雰囲気。
仲良しのNINOと一緒にキャッキャ出来るのが
嬉しいのだろう、彼の高揚感だけが伝わる。
でも、それは役柄とは別物、役には、はまっていない。
木の実、細川の大人のレビュー、ショーガールの
足元にも及ばない作品であることだけは確か。
そんな大それたこと、よく言ってるなぁと首をかしげ。
しかし、井上芳雄って、演劇界きっての
マネーメイキングスターなんだろうなぁ。
この作品で、この舞台装置で、この規模で、
ライオンキング!より高い9000円。
上演回数も、そこそこ多いのに・・・見事なものだ。