じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/28 (木) 19:00

東福生駅前で数人の男を叩きのめし自ら110番通報して逮捕された熟年ボクサーが心理カウンセラーに語る半生。
休憩前の75分は「昭和史のある一部」をクローズアップする感じで世代的に頷くことしきり。
休憩後の70分は主に「都落ち」してから福生に戻った主人公の日々を描いており、そのほろ苦さに力石徹を喪った後の矢吹丈を想起。
従来のグワィニャオンとは異なる作風ではあるが、西村さんが えにし に書き下ろした「クラゲ図鑑(2017年)」に通ずるものがあるか、などと思った。

『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/28 (木) 15:05

雨の日に友人に自己の著作(と未完の原稿)を読ませる作家、という趣向で演じられる3つのの短編……ではあるがいずれも寸止めというか「で、それから?」なところで次に進んでしまってもやもやするが、作家と友人の場に戻り「ある秘密」を明かすと共にそれぞれの結末を提示する構造(往年の深夜ドラマ「ハートにS」を想起)が面白い。
なお、昨年の SPIRAL MOON 版は未見。

青春にはまだはやい

青春にはまだはやい

プテラノドン

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/27 (水) 15:00

ファンタジー系(翔んでいるとも言う(笑))な状況から「青春」がクローズアップされてムネアツになるといういかにも笠浦作品な秀作。終盤で最初は丁寧に描きつつ繰り返すうちに短くなるテンポの良さも巧く、こういうの、大好き♪

ネタバレBOX

合宿に集まった高校生たちの世代が違う、というのは劇中で明かされる前に複数のヒント(スマートフォンを知らないとかヒット曲を知らないとか)が提示されるので想像に難くない
そうして状況が見えてくると配役の意味も推測でき。そんな風に観客に「先読み」させる作劇に舌を巻く。
さらに終盤「2024年の彼ら」を訪ねる場で「なぜか覚えている」ことを次第に速度を上げて見せるのも巧い。
平坂村事件

平坂村事件

十七戦地

新宿眼科画廊(東京都)

2024/11/22 (金) ~ 2024/11/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/26 (火) 14:00

昭和38年秋、福岡県の農村で起きた投資詐欺(未遂)の顛末。
石炭から石油への「エネルギー革命」が進行中で佐藤栄作や湯川秀樹が「時の人」であった時代を背景に描かれる騙す者と騙される者たちの「攻防」、どちらかと言えば騙す側に感情移入しつつ思いがけないどんでん返しで終わる運びに感服。
また、詐欺師、(その片棒を担がされる)科学者を筆頭にキャラクター設定と配役も的確で説得力があった。

ドロコン! ~泥沼離婚~

ドロコン! ~泥沼離婚~

ジェットラグ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/11/20 (水) ~ 2024/11/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/25 (月) 13:00

ミュージカル俳優の夫が同じくミュージカル俳優である妻の不倫を理由に起こした離婚裁判を描いた「世界初の裁判ミュージカル(AIによる判定)」。
離婚裁判のあれこれを面白おかしく仕立てて用語などの説明は書記官が「歌う(!)」という内容はもちろん、紅白歌合戦で複数回歌われたような大ヒット曲(や小学校で習った歌など)の選曲と元の歌詞も活かした替え歌ぶりが絶妙。
いやぁ、笑った笑った♪

振り向け!

振り向け!

劇26.25団

OFF OFFシアター(東京都)

2024/11/22 (金) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/22 (金) 14:30

弱者が追い詰められがちなイマの社会を描いた社会派系作品でしんどいと言おうか身につまされると言おうか。ちょっとTBSの木曜か金曜の22時枠のドラマを想起(個人的なイメージです)。
一方、最初は部屋をそう切り取ったかと思ったがシンプルな仕掛けによって多様に変化する装置のアイデアに感心。

「コーヒーが冷めないうちに」

「コーヒーが冷めないうちに」

カワグチプロヂュース

萬劇場(東京都)

2024/11/19 (火) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/21 (木) 14:30

2011年の再演版を皮切りに通算5回目(の筈)となるが連作短編4話の「基本・変奏・応用・そう来たか!」な構成に舌を巻く。
また、5回目だけに内容は頭に焼き付いており、伏線的な出来事や人物で「ああ、これがああなるんだ」と先が「見える」のもまた楽しからずや。
できることなら本作に関する記憶を消してまっさらの状態でもう一度観てみたいが無理だもんねぇ(笑)。
あと、林さんが「あの役」とは……!(もちろん良かった)

虫さされジョアンナ

虫さされジョアンナ

浅川さんの企画

studio ZAP!(東京都)

2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/17 (日) 14:00

事前に目にした感想通り「バカだな~♪」「何やってんだアイツら?(笑)」だらけの90分、いわば「長編ショートコント集」みたいな?
そんな中「あ、そういう連想をしたのか」「この状況ならそれに行くよね」など首謀者・浅川さんのアタマの中が見えるようなところが多々あり、発想の跳び方/跳び具合がオカしかった(←ダブルミーニング(爆))。
あと、カーテンコールでのちょっとした趣向もオマケっぽくて良かった。

Re:もっけの幸いの「もっけ」ってモノノケの事なんだって。知ってる?

Re:もっけの幸いの「もっけ」ってモノノケの事なんだって。知ってる?

劇団ヘロヘロQカムパニー

TACCS1179(東京都)

2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/16 (土) 13:00

初演は観ていなかったが、とても懐かしい感覚に囚われた。もののけ/妖怪など「人ならぬ者」が多数登場するファンタジック・アクション抗争劇(?)、以前はよく観ていたもんなぁ。(例:DearMyFriend「SLeeVe~スリーヴ~」(2006年))。
で、コミカルな導入部から次第にシリアスに転じ、終盤には感動要素まで配した構成が巧い。
あと、もののけたちの設定も面白かった。

ネタバレBOX

ただ個人的には「フィクションなんだから唯も救ってよ」な感無きにしも非ず。
何も変わらない今日という日の始まりに

何も変わらない今日という日の始まりに

劇団皇帝ケチャップ

浅草九劇(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/15 (金)

昼に【Sunrise】、夜に【Horizon】を観劇。
5年前の初演版の基本設定は保ちながら登場人物などを改変したリニューアルで「準・新作」みたいな? そして初演版もビターだったが今回はそれにも増して悲観的な印象。
そんな中、以前亡くなった関係者の霊を登場させ彼女が見えるか見えないかで他の人物の「死」を暗示するのは上手いし毎回ながら「会話のアソビ」に舌を巻く。

ネタバレBOX

なお、本作での「不老不死」とは「どんなことがあっても死なない不死身」とは異なり、「老衰死などはないが、例えば全身打撲や失血などによる死はある。さらに薬(?)により人工的にそうしているので薬が切れれば死ぬ」ということを踏まえていないと観ていて混乱するかも?
栗原課長の秘密基地

栗原課長の秘密基地

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/14 (木) 14:00

2013年のULPS版ではいかにもフィクションと感じたが2019年のSPIRAL MOON版初演は実際にありそうに思え、今回はさらにそれより辛辣に感じた。
特に後半で自分の利や保身のためにエゴをむき出しにする見苦しさ・みっともなさは強烈で最近の「おかしな政治屋」たちの言動を連想。
書かれた当時(20年以上前)にはほぼ絵空事だったであろう本作が現実を想起させるようになるとは何ともはや……(白目) いや、当時からやはりそうだったのか?

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

waqu:iraz

スタジオ空洞(東京都)

2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/12 (火) 19:00

勝手にキャッチコピーを付ければ「浮世に喝」か? とかく生き辛いイマの世のあれこれを指摘し時には対応策を提示したり。それを17曲に及ぶ楽曲にのせての90分、リズミカルで観易い。
楽曲にはラップも多く、そんなあたりが「シン・waqu:iraz」みたいな?(笑)
また、事前情報にあった waqu:iraz 3人のみによるパート、内容、表現とも圧巻。使用許可などに尽力された武井さんに賞賛を惜しまず。

つきかげ

つきかげ

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/08 (金) 14:00

前作「白き山」の5年後、晩年の斎藤茂吉と妻や息子・娘たち、編集者を参考にしたフィクション。一言で表現すれば「ハード&ビターなホームドラマ」で認知傾向が出始めた茂吉の姿が痛々しいが彼を支える家族らの姿(家族愛的なもの)や漂うユーモアに救われる。
それにしても茂吉役の緒方さんを筆頭に配役/役作りが的確でリアリティを感じるというか引き込まれるというか。
また、中学生時代にどくとるマンボウシリーズを読んでいたためある場面で頷くことしきり。

枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

はらぺこペンギン!

新宿眼科画廊(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/05 (火) 19:00

何らかのわだかまりが氷解してゆく様を描いた中編2編。個人的な印象で比喩だが従来は色彩がはっきりしたペン画あるいは細密画だったが本作は柔らかい色使いの水彩画、みたいな?
大学時代の先輩の実家売却を担当する不動産仲介業の男が意外な人物と遭遇し、な「枯れる……」は人情喜劇、転勤する夫に帯同するため退職するアナウンサーの父への想いを描いた「ハロー……」は「今様人情噺」なオモムキ。
はらぺこペンギンの「円熟味」を感じた。

~幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ

~幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ

月蝕歌劇団

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/04 (月) 13:30

初の白永主宰脚本による公演にして案内役であるアンポンタン・ポカンの紹介により語られる短編2編。
1編目「夢想カルテ」は高取翁脚本で上演もした「ドグラマグラ(夢野久作)」の「ある設定」に基づくものでいかにもここらしい。
それに対して2編目「さんかくのカド。」はもつれた三角関数の顛末でアングラテイストとは無縁、どころか普遍的な感アリ(若干読めたりもするが)。
従来の延長線上と新機軸の2本立て、「蠍座公演」は今後もこの路線か?

第一回蒸気展覧会

第一回蒸気展覧会

蒸気倶楽部

Paperback Studio(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/03 (日) 13:00

日本のラジオ・屋代主宰が立ち上げたコントユニット(?)の旗揚げ公演。
現実の「あること」に対してシニカルなもの、観客の選択によるマルチエンディングなもの、シュールなもの、あの童話とその童話を「あんな形」で結び付けたものなど多彩だがやはり「屋代さんらしさ(私見)」が貫かれていてニヤニヤ。
早くも「第二回博覧会」が楽しみ♪

My cinema paradise 2024

My cinema paradise 2024

劇団S.W.A.T!

劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)

2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/02 (土) 13:00

【Cチーム】
かくて3チームコンプリート。演者が違って各チームそれぞれ印象が異なることに加えてCチームは若手人気声優役が女性なのでまた本作の新たな面を観た感じ?
いわば基本のA、応用のB、フリースタイルのC、みたいな?(笑)

阻む壁

阻む壁

Oi-SCALE

新宿シアタートップス(東京都)

2024/10/31 (木) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/01 (金) 15:00

男が通勤すべく自宅から駅に向かう下り坂に、ある朝突如「壁」が出現して……な不条理系。ある日、障壁が現れ周囲もあれこれ動き出す、という設定は国家レベルでそれが起こる小松左京「首都消失」を個人レベルにしたオモムキ?(笑)とはいえもちろん展開/内容は全く異なり、また「壁」は人生に出現する何らかの障壁の隠喩などでもない(私見)。
壁に翻弄される主人公やいろんな動向を見せる周囲の人々に共感したりしなかったりするのが本作の楽しみ方かも?
また、A列・B列をつぶしC列からE列の席数を減らして(本来の)舞台前に建てられた「壁」の装置が前作で舞台中央にあった段ボール製の壁をグレードアップしたようでポップかつリアルだし、本来の舞台に置かれたあれこれも含めて舞台美術も良かった。
なお、灰二さんの一人語りで始まり、またそれで終わるのはいつものパターンだが、今回初めてロッド・サーリングやタモリ(あるいはバカリズム)を想起したのは内容が「そっち系」に感じられたからか?(笑)
あと、ああいう舞台装置ゆえ複数の出演者さんが「憧れのシアタートップスでの公演に出演できたのに舞台に上がれなかった」と残念がっているのが(申し訳ないが)微笑ましい。(いや、いずれその舞台にも上がれますって!)

いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した

いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した

チャミチャム

水性(東京都)

2024/10/29 (火) ~ 2024/11/02 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/31 (木) 15:00

放課後の3人の高校生。
前半は「ありそー!(笑)」なあれこれを見せてリアリティを感じさせて(そのリアリティは役者の演技によるところも大きい)から後半の「あれ」をフィーチャーした場に進むのが巧い。
そしてその後半では公演会場の外に面したガラスをも効果的に使う演出に舌を巻く。そう言えばここの公演、3回とも会場の外が見える場所を使っており、次回はどこなのだろう?という期待も膨らむ。早くも楽しみ♪

わが星

わが星

TEP+steps

シアター風姿花伝(東京都)

2024/10/24 (木) ~ 2024/10/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/27 (日) 14:00

ビッグ・バンから地球が星としての命を終えるまでを人の一生になぞらえて言葉遊びも含んだ数人によるリズミカルなラップ風パフォーマンスの後に地球や月などを擬人化して誕生から死までを物語る105分、2011年4月に観た本家のままごと版より20分も長いが冗長感や中だるみ感などなくしっかり惹きつけられる。
また、この回はトラブルにより本来の明かりではなく搬入灯での上演となってしまったが、それでもちゃんと観ることができたのは戯曲の力と演技・演出の賜物か?
なお、トラブル発覚から時間がほとんどなかったであろうにこのようなプランを考案して実行した照明スタッフもスゴい。

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