死ぬ気はなかった。
新宿公社
小劇場 楽園(東京都)
2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/25 (木) 19:30
価格2,800円
不時着した円盤に搭乗していた異星人を保護し研究している施設の総務課の女性たちを中心にした物語。
番外公演だけに新宿公社らしからぬドタバタ気味のSFコメディがコペルニクス式転回を経て本格SF(星新一や広瀬正の短編に通ずる味わいか?)となりさらに意外なオチがつく異色作であり「へぇ、こういうのもアリなんだ」的な佳作。
ミラクル祭’19(ミラフェス’19)
新宿シアター・ミラクル
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/04/20 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/20 (土) 20:00
価格2,500円
【A ver.】
「ペルソナ・サークル」
演劇ならではの手法を使った映像化不可能作品。「ミステリーにおけるある手法を演劇に応用したらどうなるか?を考えた結果が本作」、と後から伺って大いに納得。
なお、鬼フェスでの初演とその後の「ディレクターズカット」版の自分の「観てきた!」コメントを再読し、「考えすぎでは?」と過去の自分にツッ込む。(爆)
そういえば、この手法を突き詰めるとアガリスクの「エクストリームシチュエーションコメディ(ペア)」になるのでは?とも考えた。
「海月は溶けて泡になる」
幕開けに提示される状況こそコミカルであるが、それが次第に人と人との繋がりとは何ぞや?という哲学的なテーマに変容してゆくのが面白い。
その展開から逆に考えると何とまぁ巧い状況設定であることよ!
なお、この2編のタイプの異なる作品の組み合わせにオフィス上の空「1つの部屋の……【黄チーム】」を想起。
いつもの致死量
こわっぱちゃん家
王子小劇場(東京都)
2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/24 (水) 19:00
価格3,500円
舞台美術家を擁しているだけに会場に入った途端に「そう来ましたか」と思う装置で語られるのは3つの流れが併行して進みながら最終的に1つにまとまる物語。
まずは登場人物が皆マジメと言うか真っ直ぐと言うかで、しかも物語の中で生きている存在感があるのがイイ。
が、世の穢れを知らない若者(=こわっぱ?(笑))が理想を語っているような気もして穢れてしまったオトナとしてちょっと眩しい。
いやしかし、だからこそ「そうあって欲しい」「こんなだったらみんなが幸せになれるのでは?」な優しい世界がステキ。
また、劇中で1回時が跳ぶがそのことを会話からすぐに観客に伝えるだけでなく、その「跳んだ間」に「変化」が起きていることを早い段階で見せ、「その原因」が何なのかすぐには明かさないことで観客の興味を引っ張るのも巧い。
あと、ところどころ定番的と言うかベタと言うか既視感のある台詞もあるが、それが借り物っぽく浮いたりせず、ちゃんと話の流れの中で活かさているのもワザだね。
H&ERO
Peachboys
シアター711(東京都)
2019/04/23 (火) ~ 2019/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/23 (火) 20:00
価格2,200円
いつもながらの「いいオトナのホンキの悪ふざけ」。
もしも観ている途中にふと我に帰ったら「今、自分は一体何を観ているんだ?」な疑問に囚われる(爆)かもしれないが、そんな余地を与えないほどに数々のネタが押し寄せてくる。
パロディで実在の人物やマンガ、アニメ、ゲームなどのキャラが数々登場するが、マジで似ているもの・演劇表現として似せているもの・決して似てはいないがイキオイでそう見えてしまうもの(笑)などパターンが様々なのも面白い。
本作に限らず毎度のこと(爆)ではあるが、パロディのヤバさ加減はカカフカカ企画と双璧を成すのではないか?(笑)
「まさかのアレ」を伏線に使うクライマックスからのタイトルをキメるきれいなオチと思いきや、さらにもう一段落とす「三段締め」も見事。
「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」
マチルダアパルトマン
すむぞう外苑前スタジオ(東京都)
2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/20 (土) 14:00
【ばいびー、23区の恋人】
東京23区に1人ずついる恋人に別れを告げに行くという女性と彼女を案じて同行するその友人のロードムービー的物語。
いや、ほとんど室内での別れ話だけなのに設定ゆえかロードムービーっぽい印象で受け取ってしまうのは不思議。池亀マジックか?
また、そういう内容ながら単調にならない構成の工夫が巧い。
踊るヤマンバ
昭和芸能舎
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/04/16 (火) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/18 (木) 15:00
座席G列12番
価格3,300円
開演前BGMの懐かしき歌謡ポップスに浸っていざ開演すると冒頭で舞台となる時代設定が1996年と明かされて「あぁ、みんなあの頃の曲であったか」と納得。
そして始まるのはキャバクラのホステスたちを中心とした人間模様、胡散臭い芸能プロダクション社長などいかにも「あの頃」の感覚?(笑)
で、終盤で「あのテーマ」に触れた時に「あぁ、羽原戯曲だなぁ」思うことひとしお。しかも今でもまだ風当たりが強いであろうカミングアウト、1996年という設定だけに主人公の決意の強さが偲ばれるし、その後の反響(劇中では描かれない)に想いが及んで強調されるシカケ……巧いよね。
その主人公のカミングアウト直後の回想シーンも彼女が歩んできた人生を簡潔・端的に見せて巧み。
そしてそこからのフィナーレの選曲も劇中ならびに現実のイマとも的確というかハマっているというか。
お約束的な次回予告も「例のアレ」なんだが、グレードアップ版というか、ちゃんと進歩していて見事。(笑)
組体操でお馴染みの「扇」がキャタピラのように動くのもアッパレ!
SHOOTING PAIN
ピヨピヨレボリューション
王子小劇場(東京都)
2019/04/05 (金) ~ 2019/04/16 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/11 (木)
通し券でRIPEとFRESHをマチソワで観劇。
【RIPE】14:00
プロローグに続くオープニングナンバーで歌とダンスが始まった時点で「あ、モロにピヨレボだ♪」というくらいにライブstyle演劇の特色が前面に押し出される。
コロブチカによる初演版が産み落とした卵をピヨレボがあたため、幼虫(リーディング(未見))、さなぎ(ストレートプレイ)を経て見事に羽を拡げたと言えよう。(卵→幼虫→さなぎ→成虫と変態する生き物は卵をあたためない、とかいうツッコミはご勘弁願います(笑))
また、ストレート・プレイ版を観た時には初演版をかなり忘れていたので気付かなかったが、真相・結末を知った上で観ると序盤から「あぁ、なるほどね」という伏線や真相のヒントがちりばめられており改めて感心。
ちなみにアフターイベントは「ピヨピヨXXXライブ」。
【FRESH】19:30
物語の中心となるマツリが二人一役という「応用編」。
「二人マツリ」は時として心の声と実際の声だったりラストが効果的だったりでなるほど、と納得。
ちなみにアフターイベントは「BANZAIJAPAN踊ってみた」。
Speak of the devil『DJANGO Ⅴ』
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2019/04/11 (木) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/16 (火) 14:00
座席D列1番
価格4,000円
魂を取りに来た下級悪魔が狡い手口を使う悪魔によってピンチに陥った人間を助けることになるという人情噺的人気シリーズ久々の新作(第5弾)。
大筋は毎回同じだが、今回の「被害者」は老人ホームの入居者たちで、その一癖も二癖もあって「くえない」したたかさが(キャラクター設定としてもそれを表現する演技としても)ミソ。まさしくベテランの味を活かした感じ?
疾風のメ
くちびるの会
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/17 (水) ~ 2019/04/22 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/17 (水) 19:30
座席F列15番
一見シュールでファンタジックに見えるが中心となるのは特殊な「力」を持った主人公が勤務先で不審なことが起こるわ同棲中の相手から別れを切り出されるわ街ではトラブルに巻き込まれるわと踏んだり蹴ったりな受難物語。
同時並行的に進行するそれらの難がリンクしたりしなかったりな構成と、そこから主人公がたどり着く結末が巧い。
また、そこから「ある有名な物語(?)」を連想したりも。(ネタバレBOXへ)
花園 HANAZONO
舞台芸術集団 地下空港
座・高円寺1(東京都)
2019/04/13 (土) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/16 (火) 19:00
座席G列14番
登場人物に後醍醐天皇がいることを知って「歴史もの?苦手かも」と思ったがそれは杞憂に終わり史実とはほぼ無関係、日本昔話から入り能楽に転じ魔女の出てくる(ディズニーがアニメ化するような)西洋童話的展開から一瞬のマクロスを経てスペクタクル、そして迎える大団円というダイナミックで娯楽的な内容で楽しめた。
また、日本古来の色を使った衣装、どこから当ててるの?を含め多彩なテクニックを駆使する照明、ラップやシャンソン風まである楽曲など見どころも多く、満足満足♪
W PLAY
制作「山口ちはる」プロデュース
シアター711(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★
鑑賞日2019/04/14 (日) 14:00
価格3,500円
公演初日に会場のダブルブッキングが発覚して……なショウ・マスト・ゴー・オン系バックステージコメディ。
出だしの状況は菅野臣太朗「仕込んでいこう!」(2008年初演)と同様だが、あちらはそうなるに至った事情と解決への過程を描くのに対してこちらはその後のステージでのドタバタを中心、と内容は異なる(堤泰之「ダブルブッキング」(2008年初演)はそもそも状況から異なる)ので問題はなし。
また、そういう状況の原因があまりにお粗末とか、契約やら劇場webでのスケジュール公表やらで当日まで事態が発覚しないことはないであろうとかは「芝居のウソ」としてギリギリ容認できるが、使用予定の2組がそれぞれ別のルートでチケットを販売し、全日程完売なのに合同公演を行うという解決法はあまりにも無理で容認できない。定員の2倍の客をどう処理したのか?
むしろ両者とも客席の半数程度しか売れていなかったのであればすんなりいったのではないか?(何か聞き落としたか???)
元凶となった人物の落語の与太郎のようなおマヌケぶりやアイドルトリオの設定、ストーカー気味の熱烈なファンの使い方、さらに迎えた本番舞台でのピンチとそのリカバーなど、ドタバタコメディとしてそれなりの出来なだけに、おろそかな一点のために醒めてしまったのが残念。(よって星2つ減点)
「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」
マチルダアパルトマン
すむぞう外苑前スタジオ(東京都)
2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/14 (日) 18:00
【舞い上がれ、レジャーシート】
執筆が滞りがちなラノベ作家と担当編集者、作家をピクニックに誘う友人たちが織り成す65分。
どこかちょっと踏み外したような人物たちが交わす会話がいかにも「池亀三太節」なことに加えてピクニックやレジャーシートが何かの隠喩で実はもっともらしい、あるいは哲学的なことを言っているように錯覚させる(爆)のが愉しい。
しかもラストに清々しさ・爽やかさ(?)まで漂うんだもの、好きだな、これ。
フラッシュバック
チタキヨ
恵比寿天窓.switch(東京都)
2019/04/11 (木) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/13 (土) 18:30
かつてのアイドルトリオが「あの人は今」なテレビ番組で取材されることになり広がる波紋。
ヨナさんの脚本だけに「懐かしきあの頃の輝き今一度」的な甘ったるい青春回顧系になる筈もなく(偏見?)業界裏方・主婦・女優とそれぞれの道を選んだメンバー3人の現在をビター気味に描いてしみじみ。
それでいて「いくつになったって、何でもできるよ」というこれから先へのエールで締めるのが巧み。
しかし今後、現実でかつてのアイドルの今を紹介する番組など見たら「裏はあんな風なのかな……」などと勝手に想像してしまいそう。(笑)
有末剛緊縛夜話第十九夜
有末剛 緊縛夜話
ザムザ阿佐谷(東京都)
2019/04/12 (金) ~ 2019/04/13 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/12 (金) 19:00
価格3,000円
今まで観てきた中では一番物語性が薄く、生の長唄を聴きながら(きちんと長唄を聴くのは初めて)緊縛を観るという趣向。その意味ではライブペインティングやその場で花を活けるパフォーマンスに近い趣き。
そう言えば後半で、宙吊りの女性2人とその間に座った男性を赤い綱で結ぶ「赤い逆三角形」を1つの完成形として示した後に女性を下ろして男性に寄り添うように横たわらせた「もう1つの完成形」として見せたのもライブペインティングに通ずるか?
また、最初に1つだけだった蝋燭を1つずつ増やしてゆく演出に万燈会を想起し、やがて炎のゆらめきからかそれらが水に浮かべられているように、あるいは洞窟内にいるように幻視したりも。
ピール・スロウリー(アンド・シー)
サムゴーギャットモンテイプ
スタジオ空洞(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/12 (金) 14:00
価格2,100円
楽日2ステージを残すのみとなった現時点では遅きに失した感があるがまず最初に……
時事ネタがあるので今が旬と言うか、このままの形での再演はないであろうから、観ようか迷っている方は是非とも!(似た事例はまたあるかもだけれど(毒))
では本編。
一言で言えば「ゲス&クズ見本市(爆)」。
若手実業家がクルーズ船の1フロアを借りきって開いたパーティーでの人間模様、成功者(成金?)あるあるで既視感のあるキャラたちが既視感のある行動をとる「王道」で、各演者の成りきり具合と全ては語らぬ切り方が見もの。
その王道ぶり(笑)では題材こそ違うが劇団鋼鉄村松「息つぎがうまくできない。」と相通ずるものがあり、いずれも「この団体・作家・演者がそういうのを演るのか」的な意外性(?)があり、その上で上々の出来具合なのがイイ。(あ、笑いもふんだんにあるというのも共通項か)
そう言えばサムゴーのソリッド公演って、第一弾のゾンビ的な騒動が起きている東京から少し離れた山村(?)の話も第二弾の日本家屋を舞台にしたホラーも今回の成功者パーティーも皆いくつもの「お約束(あるあるネタ)」に則っているのね。
第四弾のネタは何だろう?(早くも期待)
息つぎがうまくできない。
劇団鋼鉄村松
テアトルBONBON(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/10 (水) 19:30
座席H列12番
価格3,500円
若ハゲで恋愛から遠のいていた主人公(身体的なコンプレックスを持っているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」に通ずる?)が上司に連れられてキャバクラに行ったことから始まる恋の顛末。
ベタで既視感満載、周囲の人々が主人公を応援し過ぎ、そもそも登場人物がみんなイイ人(一見そうでなくとも実は……も含む)、などの問題(?)はあるがそれらの要素に無理がなく御都合主義的な展開ではないし、そもそも王道とはそういうモノだろ、と思うのは「どうせ作り事なんだから幸せな気分にさせてくれよ」主義のσ(^-^) だからか?(反語)
喩えばロブ・ライナー監督がトム・ハンクスを主演に迎えて撮った映画(バブルさんの狙いとしては月9ドラマとのこと)のような味わい、とある名作を引用した比喩的表現、タイトルが意味するもの、登場人物それぞれの見せ場、モノローグの詩的な美しい言葉遣いなどあれこれ巧みだし、敢えて言おう「傑作である」と。
この夜の外は真冬に戻ったような寒さだったが、心がほっこりあたたまったわ。(秘技・ベタ返し!(爆))
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/04/09 (火) 19:00
座席E列16番
【黄】3ステージ目
Aga-risk Entertainment「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」
いわば2段ロケット。定番ファルス的な前半が1段目でホイッスルによる中断で第2段に点火、ブーストして勢いがさらに増して行く感じ。(1段目が置き去りになるところも似ているか?(爆))
また、「こういう役どころはこの人」なスターシステム的な的確な配役もさすが。
あと、「あのアイテム」で以前から観続けてきた観客に目くばせをするのもイイ。(笑)
それにしてもよくまあこんなことを思いつくもんだ。次はどんな奇策で来るんだろう?
なお、事前に(ネタバレではない)感想や紹介を見ていたので「あ、このことか」と納得したり、それらから想像した以上のものであったり、さらには2連勝のディフェンディングチャンピオンの敗北を目の当たりにしたりと楽しさが増したように思う。
Straw&Berry「サイケデリック」
観ながら「あぁ、河西さんだなぁ」と納得するほど河西戯曲のド真ん中。
題材が誰しも似た経験があったり「あんなだったら良かったのに(?)」だと思ったりで共感し易いものである上に小道具や台詞に出てくるものなどで場の「時代」を……いや、時だけでなく台詞にヒントを潜ませておき「作品構造」もさり気なく伝えるのが巧み。
劇中では描かれていない期間の彼らの物語をあれこれ想像する楽しみもあった。
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/08 (月) 19:00
座席D列14番
【青】2ステージ目
鵺的「修羅」
小劇場ネタで笑いをとっておいての本筋はタイトル通り修羅場。その修羅場ぶりは鵺的っぽいが、あまりにも極端な事態であることや一部人物の反応が可笑しく「鵺的流コメディ」のような感覚。従来の鵺的を知っているとより笑える?
小西耕一さんが「小西耕一ひとり芝居」で演ずるキャラそのまんまのようなので、そちらも知っているとさらにニヤリかも。
旧家の姉妹とその配偶者が広い日本間に集まっての親族会議、という構図に高木主宰がお好きだという横溝正史の世界を想起したりも。
かわいいコンビニ店員飯田さん「我がために夜は明けぬ」
登場人物が多く雑然としている上に「実は……」という舞台設定の発想は面白いがそれがさほど物語に活かされていず、二重の意味で「もったいない」。
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/08 (月) 15:00
座席H列15番
価格4,200円
【赤】2ステージ目
シンクロ少女「メグ The Monster」
古い家を舞台にした男女のエピソードが2つ併走し後半でその関係を明かすというお得意のスタイル。
内容的には従来作品ほどシビアー/ビターでなく、むしろ軽やかな感じは「LOVE」シリーズに近い。その意味で「シンクロ少女・入門編」と言えるのではないか?
mizhen「小町花伝」
4編の短編によって1人の女性・小町の生涯(の断片?)を浮き彫りにする構成。小町本人が登場しないものもあるのがまた巧み。
各短編のタイプがそれぞれ異なることに黒澤明監督「夢」を想起したりも。
1編だけ小町との関連がワカらなかったが終演後に関係者に伺って納得。
なお、4編の内容はネタバレBOXへ。
アイドル♂怪盗レオノワール
レティクル東京座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/02/22 (水) ~ 2017/02/27 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/02/26 (日) 12:00
座席I列12番
独裁的な街の支配者によりアイドル活動が規制されたネオ・ナリマスシティで宇宙生命体ファントムの力を借りアイドル怪盗に変身して抵抗する高校生とその周辺の人々……一言で言えば「ラブコメ配合和製アメリカン・コミックス」?
なるほどこれが「L<ライト>エンタメ公演」のノリなのか、娯楽に徹していてイイなぁ。
で、初めて観た「アンテナ(略称)」の時も思ったがレティクル東京座の作品は話の中に大衆演劇っぽいところが時々あると思う。
なお、ラストシーンで音楽が流れ始める前の静寂の間(の絶妙な長さ)が特に良かった。
【勝手にキャッチコピー】「あれ?シアターグリーンBIG TREE THEATERの舞台が狭いぞ?」