別役実の二人芝居二本立て公演
新宿サニーサイドシアター
こった創作空間(東京都)
2007/06/11 (月) ~ 2007/06/14 (木)公演終了
満足度★★★★
「いかにも別役実」な会話劇
言葉によって反論を封じ徐々に相手を追い詰めてゆく「受付」、論旨よりも言葉尻を捉えて進む「トイレはこちら」ともに「いかにも別役実」だが、片やちょっとコワく、片やユーモラスというコントラストもあって楽しい。
ワンマン・ショー
森崎事務所M&Oplays
シアタートラム(東京都)
2007/06/07 (木) ~ 2007/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
倉持裕テイスト全開
冒頭から夢の中のようなもどかしさがあり、その後も変幻自在さ満載で倉持裕テイスト全開。結果を見せておいて後からその前の場面を見せることによる、バラバラだったピースが次第に組み上げられて行くような構造が秀逸。
ヴェニスの商人?
立川志らく劇団・下町ダニーローズ
アイピット目白(東京都)
2007/06/05 (火) ~ 2007/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★
時間モノが好きな身として楽しい
タイムスリップ関連では微妙な部分もあるが時間モノが好きな身として楽しいし、「肉親愛」を盛り込みハッピーエンドとなるストーリーは悪くないし、創作落語チックなくすぐりや懐かしネタにはツボを突かれたし、一見ラストシーンかと思わせた後にオチを付けるアイデアもイイし、期待の出演者たちもそれぞれ良かったし、ということで満足
明日。 私 結婚しますっ
Premier☆Million☆Carats
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2007/06/01 (金) ~ 2007/06/05 (火)公演終了
満足度★★★★
コメディと泣かせの対比が鮮やか
前半は、というよりも大半はほとんどドタバタ系コメディながら、亡くなった母がCDを買ってきた時のエピソードが出るあたりから人情噺風となり、家族の絆で泣かせるその対比が鮮やか
象牙の塔へ
crew
pit北/区域(東京都)
2007/05/31 (木) ~ 2007/06/05 (火)公演終了
満足度★★★★
正攻法の作品
ダンスやアクション、ギャグやパロディ、ケレン味などを一切排した正攻法の作品だが、戯曲と演出そして役者の演技そのものの魅力によってかなりひきつけられる。いずれも若手だというのにというのに大したモンです
slow
少年社中
ザ・ポケット(東京都)
2007/05/30 (水) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
一条の光明を見せて終わるのが巧い
「人の心の弱さ」につけこんだ(?)ある人物の思惑通りにコトが運んでしまったことが判明してちょっと雰囲気が重たくなる中、「誰かが傍にいること」という一条の光明を見せて終わるのが巧い
西遊記~Psych-you-kick~
スーパーグラップラー
新宿シアターモリエール(東京都)
2007/05/31 (木) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
濃縮還元100%感動
「力」というものの使い方とその使い手の「器」や、妖怪と人(=主義主張の異なるグループ同士の隠喩?)の共存方法など、テーマが深い上に密度の濃い終盤に感動
「THE MASTER」 back agein
ACファクトリー
シアターサンモール(東京都)
2007/06/07 (木) ~ 2007/06/07 (木)公演終了
満足度★★★★
「たいせつなこと」を非常にわかりやすく
たとえ正しい力であっても抑止力を失って使いすぎればそれはもはや正しいとは言えない、と読み解くべきか、自らの力を過信して自然の摂理まで乱す人類への警鐘、と読み解くべきか、いずれにしても天使とサタンをメタファーとして「たいせつなこと」を非常にわかりやすく楽しく語っているのがイイ
就職戦線大波乱 忍者養成アカデミー
Team AZURA
サンモールスタジオ(東京都)
2007/05/31 (木) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
三段階に変化する構成
出だし(から中盤まで)こそコメディだけれど、それが次第にハードな方向に転じて行き、一転して感動で締めくくるという三段階に変化する構成が巧く、現代社会へのメッセージも込められているのが○
5年生のはなし。
RUN BEAT
OFF OFFシアター(東京都)
2007/05/30 (水) ~ 2007/06/05 (火)公演終了
満足度★★★
結末がイイ
コミカルではあったが、母を殺したことを周囲の人々と共に隠そうとしつつも気持ちから拭い去ることのできない犯人の心情が挿入され、「たとえ時効が成立しても罪そのものがなくなるのではない」という結末がイイ
スミカ
かやくごはん
「劇」小劇場(東京都)
2007/05/29 (火) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
しみじみとした優しさ
全体的にユーモラスな中、故人あるいは人の死というものに対する登場人物それぞれの想いが見え隠れしてしみじみとした優しさが漂うのがイイ。
また、途中で出てくるリンゴのエピソードから繋がったラストも巧い。
ツグノフの森
G2プロデュース
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2007/05/18 (金) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★
個性的な出演陣
最近になって「苦手なのでは?」と自覚した「細かなエピソードを積み上げて全体を構成するスタイル」なので入り込めないまま徒に時間が流れてしまったが、個性的な出演陣の演技によってそれなりに楽しむ。
軍鶏307
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2007/05/20 (日) ~ 2007/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ほぼ完璧な重量級感動作
戦争が人々の心に遺した深い傷を生々しいまでにえぐり出してまざまざと見せつけるというハードな作品ながら、ほど良く笑える部分を絶妙のバランス・タイミングで配して緩和するというテクニックもあって、グイグイとひきつけられる。
犬は鎖につなぐべからず
ナイロン100℃
青山円形劇場(東京都)
2007/05/10 (木) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
ケラによる岸田國士リミックス
たとえばモーツァルトの複数の有名曲を抽出してドラムンベースで繋いだリミックスの如く、大正末期から昭和初期の戯曲の独特の雰囲気にいかにもケラなくすぐりをまぶして楽しい。
ドラマのつくりかた
ZIPANGU Stage
萬劇場(東京都)
2007/05/11 (金) ~ 2007/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
変形タイムスリップ+家族の絆
30年後の人物の魂・意識が時空を超えて現在の人物に憑依するという発想がユニークで、途中で観客が持つであろう疑問(タイムパラドックス関連など)をタイミング良く登場人物に質問させて答えを導くというのも巧い。
幕末異聞 黒魔天狗
アブソリュート・ゼロ
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2007/05/17 (木) ~ 2007/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽作品として上出来
虚実取り混ぜ(ただし虚が9割以上?(笑))人造人間まで登場する裏幕末史。正史とツジツマを合わせたり、意外な黒幕が判明したりしつつ、どこに落とすのか?な興味で最後までひきつけられる。
また、無国籍・無時代的な衣装や小道具もセンスが良く、娯楽作品として上出来。
私を土星に連れてって!
オデッセー
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2007/05/11 (金) ~ 2007/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
締め方が素晴らしい
98年に1999QUESTでの再演版を観て気に入っていただけに若干の不安はあったがそれは杞憂に終わり、ほぼ忠実に98年版を再現していたのが嬉しい。特にラストの締め方は素晴らしくて今回も感動。
スイーサイズ・ハイ
UNITレンカノ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2007/05/18 (金) ~ 2007/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
コメディかと思いきや…
とあるビルの屋上で偶然にも自殺志願者が5人も鉢合わせしてしまう、というシチュエーションからすでにコミカルなのにもう1つ別な要素まで上乗せされてさらに笑える前半からやがてハートウォーミング系に転じ、しかしそのまま安易でありがちなハッピーエンドへは向かわずに、前半でちりばめた伏線をキッチリ活かしたミステリー風味のパートやハードでヘヴィーなクライマックスを経て泣けるエンディングへという、盛り沢山でゼイタクなツクリを通して謳う「自殺批判」と「幸福な最期のときの迎え方」。
若干粗削りな部分もあるし、前半をもう少し整理すれば申し分ないが、個人的には推します。お時間がありましたら是非!
道化者の茂木君 -Do? kemono no Mogikunn-
ノアノオモチャバコ
サンモールスタジオ(東京都)
2007/05/09 (水) ~ 2007/05/13 (日)公演終了
満足度★★★
スタイルが独特
まさにおもちゃ箱をひっくりかえしたように細かい場が沢山提示されて、それらが暗示的なストーリーを構成するというスタイルが独特。
その一方、ピースが細かすぎて組み立てられないパズルのような感覚もあり、また、抽象的なだけに観る側の解釈に委ねられる幅が大きくて、観客それぞれ受け取るものは異なるかなぁ、などとも思う。
燃えてサムライ~FINAL BURST~
劇団ヘロヘロQカムパニー
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2007/05/09 (水) ~ 2007/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
メッセージ性と見せ方で満足
復讐のためとはいえ過去に人を殺めるという過ちを犯した主人公が、生き抜いて殺させないことでその罪を償おうとしているという設定ならびに「殺すな、そして殺されるな」という台詞に始まり「殺すな」で終わるところに強いメッセージ性を感じる。
また、映像で始まりそれがライブアクションと同期・融合する幕開けとか、歌をバックに曲のスローな部分は動作もスローモーションで見せるクライマックスの殺陣とか見せ方のアイデアも良く、満足度はかなり高し。