真っ赤な真っ赤な物語
ももいろぞうさん
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/01/17 (木) ~ 2008/01/20 (日)公演終了
満足度★★★
ウラミはありつつも満足
主人公がかなり裕福そうなので今一つ感情移入できないとか、欲を言えば主人公の4人の分身をもう少し活用して欲しかったとかのウラミはありつつ、オープニングのタイトル・クレジット場面のダンスや、主人公の娘が持っているぬいぐるみの表現及び劇中でのポジションなどが良くて満足。
MiSTAKE
劇団伍季風 ~monsoon~
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2008/01/11 (金) ~ 2008/01/15 (火)公演終了
満足度★★★★
両バージョンが互いに補完し合うシカケ
中心となる役が男性か女性か(&演出が女性か男性か)という違いだけで同じ脚本であるというのに両バージョンが互いに補完し合うという脚本のシカケが面白い。
残魂エンド摂氏零度
芝居流通センターデス電所
ザ・スズナリ(東京都)
2008/01/11 (金) ~ 2008/01/14 (月)公演終了
満足度★★★
人間同士のつながりが希薄となった世界
18ヵ国にまで減ってもまだ戦争が続き、人間同士のつながりが希薄となった世界を描いた近未来もの。
アンドロイドに依存して精神的に引き篭もっている主人公が初めて自らの意思によって他者に接しようとする姿が爽やか。
目を見て嘘をつけ
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2008/01/10 (木) ~ 2008/01/16 (水)公演終了
満足度★★★★
ちょっぴり切なくもハッピーな幕切れ
誰もが持っていて、普段は覆い隠している「もの」のごく薄い表皮がピッと破れて一部が露見してしまう「とき」が上手く表現されていて、それでいて基本的には楽しく大いに笑えるし、ちょっぴり切なくもハッピーな幕切れにはホロリ。
トーキョーより行先不明の穴に落ちて08
ACTOR’S TRASH ASSH
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2008/01/11 (金) ~ 2008/01/14 (月)公演終了
満足度★★★
戦争の不気味さと、ラストの開放感
近未来、日本から独立した東京から「穴」を通って脱出しようというゲリラたちが中心の物語。前半の閉塞感や中盤での迫り来る戦争の不気味さと、ラストの開放感の対照が印象的。また、「穴が開(ひら)いた」時の照明効果が特に見事だし「地底人」の表現も楽しい。
カゴツルベ
少年社中
吉祥寺シアター(東京都)
2008/01/09 (水) ~ 2008/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★
雪のシーンの美しさは圧巻
格子にキャスターを付けたシンプルな装置や和洋折衷の衣裳など舞台美術が面白い上に終盤での次郎左右衛門とカゴツルベがシンクロした殺陣のアイデアが良く、その後の積もるほどに降り続く雪のシーンの美しさは圧巻。
サバンナの掟
柿喰う客
シアタートラム(東京都)
2008/01/05 (土) ~ 2008/01/06 (日)公演終了
満足度★★★★
まるで別作品のような味わい
前年の『女体カーニバル』でのバージョンとはステージが広くなり装置も一新したのにはとどまらず、配役までガラリと変えてまるで別作品のような味わい。
また、不幸な出会い方をした一組の男女の悲恋物語(?)としての側面も読み取る。
キル
NODA・MAP
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2007/12/07 (金) ~ 2008/01/31 (木)公演終了
満足度★★★★
あれこれまとめて存分に楽しむ
妻夫木聡は、事前に聞いた通り声は傷めていたものの予想以上の好演。
実は初演・再演を観ていないのにもかかわらず、堤テムジンを想像しながら観ていたのだが、それとは異なるいわば妻夫木テムジンを体現していて感心。
広末涼子も「あんな発声で大丈夫なのか?」と思ったものの、後から聞いたハナシによれば、かつての羽野晶紀に近かったそうで、演出意図だとは…
内容についても、予備知識がないとワカランなんてことはもちろんなく、帰宅後、チンギス・ハーンについてちょっと調べた結果、予備知識があればもっとわかるなんてこともなく、いかにも野田流な言葉遊び、いろいろと工夫された装置・衣装、そして個性がそれぞれに発揮された演技を存分に楽しむ。
お台場SHOW-GEKI城「音小僧と殻少女」
グワィニャオン
フジテレビメディアタワー マルチシアター(東京都)
2007/12/29 (土) ~ 2008/01/03 (木)公演終了
満足度★★★★★
まさにグワィの真骨頂
オリジナル版を観ているものの、バランス良く再構成されているので、微妙な違いは感じつつも割愛された部分には気付かず。
内容的には笑いあり涙あり(とはいえアレはオリジナル版同様ちょっと卑怯かも?)そしてアクションまでありとまさにグワィの真骨頂…って、これはオリジナルからしてそうなので当然といえば当然か。
Speak of the Devil LOVE STORY
劇団S.W.A.T!
「劇」小劇場(東京都)
2007/12/19 (水) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★
続編としてはフツーだが、単品としては上出来
悪魔でありながらどこか憎めない、人間に恋をしてその相手を他の悪魔から救ってしまう主人公の設定が巧く、口パクや替え歌でのミュージカルもどきのシーンも楽しく、続編としてはフツーだが、単品としては上出来。
ハリケーン嬢 ~The Queen of EMERALDAS~
スーパーグラップラー
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2007/12/27 (木) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
「ヤラれたぁ!」
前半はどことなく既視感があったが、現実界と小説界の接点を明らかにするところで「ヤラれたぁ!」と思い、以降は評価急上昇。
いざ明かされてみると、オープニングのシーンにちゃんとヒントがちりばめられていて、初めて観る時は当然気付かないのだが、後で納得させられてしまうのは巧い。
さらに安易なハッピーエンドにせず、問題を観客に突きつけて終わるというのも挑戦的。ビターではあるが、ここでも「ヤラれたぁ!」な感アリ。
わが闇
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2007/12/08 (土) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★
「あぁ、こういうのもアリなんだ」
しっとりと落ち着いた感じは「晩年の始まり」(本人曰く)の作品としてふさわしく「あぁ、こういうのもアリなんだ」と。
全体的にはビターテイストだが、ほどよく挿入されているコミカルな場面でバランスをとっているし、終わり方も巧いし、休憩込み3時間半の長丁場もさほど気にならず。
また、劇団、本谷有希子の『偏路』とどことなく共通項があるようにも感じる。
死してなお飛ぶラブダンディー
劇団虎のこ
シアターVアカサカ(東京都)
2007/12/19 (水) ~ 2007/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★
終盤は胸を打つ
『クリスマス…』の主な登場人物の死後の世界を描くという奇抜な発想はいかにも虎のこだし、突拍子もない衣裳デザインやメイクも「あ、なるほどそっちの世界の住人だわ」と納得。(笑)
がしかし表面的にはそんなでも、愛する人を喪ったユキの想い、愛情の深さがクッキリと浮き上がってくる終盤は胸を打つ。
さらに、死後の世界では何故か人間の格好をしている猫のミーコがちゃんと猫っぽく見えるところや、『クリスマス…』の出演者がカメオ的に顔を出すところも良く、かなり満足。
クリスマス・ラブダンディー
劇団虎のこ
シアターVアカサカ(東京都)
2007/12/19 (水) ~ 2007/12/24 (月)公演終了
満足度★★★
「罰当たりな作品」?(笑)
ニール・サイモンの『カム・ブロウ・ユア・ホーン』の虎のこ流アレンジというか、「半分書き直した罰当たりな作品」(当日パンフより)だそうで、ドタバタっぽいところは虎のこ、4組のカップルが結局うまく行くというシャレた結末はニール・サイモンかな?な感じ
お台場SHOW-GEKI城「ワスレモノ」
クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)
フジテレビメディアタワー マルチシアター(東京都)
2007/12/22 (土) ~ 2007/12/25 (火)公演終了
満足度★★★
楽しく鑑賞
夏に上演した『ノモレスワ。』の傍系エピソードを刈り込んで主人公をめぐるストーリーに特化したもので、「あぁそうだった」などと記憶を掘り起こしつつ楽しく鑑賞。また、カーテンコール後のオチは惑星ピスタチオの『破壊ランナー』最終版(99年6月)の「ボーナストラック」を連想
前橋市立南高校演劇部
X-QUEST
サンモールスタジオ(東京都)
2007/12/15 (土) ~ 2007/12/24 (月)公演終了
満足度★★★
新路線への挑戦はまずまず成功?
男性6人を中心にした高校演劇部の物語、前半に時折冗長な部分があるのは否めず、その結果2時間10分ほどの長尺になってしまったものの、後半のローラーブレード奪還や本番直前のシーンなどでホロリとさせられたので相殺ってところ。従来とはかなり異なる新路線への挑戦はまずまず成功か?
NoBody,NoParty
演劇集団アーバンフォレスト
SPACE107(東京都)
2007/12/19 (水) ~ 2007/12/27 (木)公演終了
満足度★★★★
中盤に驚異のシカケ
前半はTSBの『ショウ・マスト・ゴー・オン』と同工異曲だが、途中まで進んだところで時を遡り、場面が劇中の舞台に移ってその芝居がどれだけダメダメだったかを前説から見せるというのが斬新。
当然そのために装置の転換もあるのだが、これも見事なもので「あれ、転換前はどうなっていたっけ?」状態。
また、演じられる「ダメダメ芝居」も、前半である程度何が起こるか示されていたので「あ、この先でああなるのね」などとわかってより笑える、みたいな…
こんぱす ~くるっと回って未来を指す~
MK-Box
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2007/12/20 (木) ~ 2007/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★
成長してゆく海援隊士たち
龍馬の死によって動揺し、ぶつかり合い、弱気になったり迷ったりしながら一人前に成長してゆく海援隊士たちを描いており、その姿から「おまんももっとしっかり生きなあかんぜよ」と諭されているような心境になる。
また、勝海舟役に飯山弘章をもってくるのが巧い。実際の年齢差・経験などが演じているものとカブって「海援隊士たちと勝海舟の関係もあんな感じだったのかなぁ」とまで思ってしまう。
貴方と嘘と夜と音楽
Rose Garden
中野スタジオあくとれ(東京都)
2007/12/19 (水) ~ 2007/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★
歌・ダンス・芝居と三拍子揃った秀作
ジャズ・クラブのキャスト(シンガー&ダンサー)たちを描いた粋でオトナな芝居。
歌についてはスタンダードナンバーを中心に「恋人たちのクリスマス」や「年下の男の子」も交えて、しかもオリジナルのアレンジ(多分)が楽しいばかりでなく、歌唱自体もなかなか見事。
ダンスも、なんとこの小屋の舞台に14人もあげてのダンスシーンまで何度かあって、「劇」小劇場に30人くらいあげた秦建日子プロデュースの『月の子供』といい勝負?
芝居パートは、台詞などからその人物の人生経験がにじみ出るようにリアルで、脚本・演出・演技の相乗効果か?
私が出逢った6人のサンタ
YANKEE STADIUM 20XX
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2007/12/18 (火) ~ 2007/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★
評価は真っ二つかも?
座長・夢麻呂のサービス精神が旺盛なあまり本筋以外の部分もたっぷりで、本末転倒とまでは行かないまでも、ワキ道に逸れすぎ(その結果上演時間は10分の休憩を挟み3時間15分)という謗りは免れ得ず、評価は真っ二つかも?
終盤での飛躍した(どころか強引な)論理と、スタートラインまで戻って「すべてなかったこと」にしてしまうというオチは引っかからないでもないが(本筋以外の部分に力を入れているだけになおさら)、オチ前の場に来春父親となる座長の心境がたっぷり練りこまれているのでご祝儀も含めて相殺?