【2月27日まで上演中】夜を治める者《ナイトドミナント》
お布団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/02/11 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/13 (日) 13:00
3ヶ月前のワークインプログレスの時は冒頭で示される「古典作品の人物の名前を使っているが全く違う物語(大意)」を鵜呑みにしていたからか「ハムレット性」はあまり感じなかったがこちらの前半の「ハムレット性」たるや!(驚)
(ワークインプログレスより上演時間が25分ほど長くなった影響もあるか?)
それでいながら中盤あたりからパンデミック系に転じ、場ごとに投射される字幕などの印象からか、どこかゲームじみた感覚になるのがまた面白い。
そう言えば以前観た何本かも含めて前半は原典に(比較的)忠実、後半でガラリという基本形は変わらずか?
恋のすべて【2月11〜12日公演中止】
(株)モボ・モガ
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2022/02/11 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/02/17 (木) 14:00
1930年代終盤のアメリカを舞台にしたラブコメミュージカル。
どうなるのかあれこれ想像させてからのオチもエピローグもなるほど納得なウェルメイドなのはさすがベテラン鈴木聡脚本。
時代設定による印象もあるが1950年代後半から1960年代前半頃のハリウッド製の、例えばジャック・レモンやモンローが出ていたような洒落たコメディに通ずる味わいがあったようにも思う。
また、あの時代に関するネタが複数あり、知っているとニヤリあるいは納得できるのも巧い。ちなみにσ(^-^) が観た回の客席の反応から推察するにクライマックスの「アレ」をご存知なお客さんは少数か?
あと、仙波"師匠"の生演奏を20年ぶりくらいに聴けたのも嬉しかったし、石田ニコルの歌の上手さに感心。
アルプススタンドのはしの方
稲村梓プロデュース
サンモールスタジオ(東京都)
2022/02/09 (水) ~ 2022/02/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/02/12 (土) 13:00
ベタな言い方をすれば「青春丸出し」(笑)だが、各人物が次第に応援に身を入れて(身が入って?)ゆく姿は羨ましく感動的。映画化されたものを観ていたこともあり「あー、そうそう、そうだった♪」な部分も。
また、スタンドでの状況しか見せていないのにグラウンドの様子が見えるような気がするのはやはり巧いよなぁ。
いつかあの暑苦しい(笑)厚木先生が出て来ない原点(←この場合はこっちだよね)である高校演劇版も観たいと思う。
悪魔と永遠
東京夜光
本多劇場(東京都)
2022/02/05 (土) ~ 2022/02/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/09 (水) 14:00
座席I列6番
酔った勢いで行きずりの女子高校生に誘われて心中未遂事件を起こし自殺幇助などの罪で服役した主人公のその後の人生。
途中、主人公が見る少女の霊が表すものが何であるか霊自身が主人公に示唆するのが秀逸で、ここから本作の解釈がぐっと深いものとなり観た者により受け取るものが異なりそう。
観る角度によって見えるものが違う(客席の位置とか具体的な意味ではない)と言うか光のあて方で色が変わると言うか、観る者の経験・身上/心情が大きく作用して、ある意味「観劇者自身を映す鏡」と言えるのではあるまいか?
『銀河鉄道の夜』
楽園王
サブテレニアン(東京都)
2022/02/02 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/02/02 (水) 15:00
原作準拠の部分を現代パートで挟んだ層構造。
3年前の初演時には気付かなかったが、つまりこれは賢治が書いたジョバンニの旅を追体験した現代の「もうひとりのジョバンニ」の物語ではないか?(ネタバレBOXに続く)
ガラテアの審判
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2022/01/20 (木) ~ 2022/01/26 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/01/22 (土) 14:00
隣家の少女を殺したアンドロイドの裁判を描いた法廷もの。好きなだけに比較的によく観る範疇の一つではあるが、被告人がアンドロイドというSF的要素が加わったのが新鮮。(以降、ネタバレBOXへ)
恋愛論
動物自殺倶楽部
イズモギャラリー(東京都)
2022/01/11 (火) ~ 2022/01/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/01/12 (水)
なるほど確かに鵺的とは別ユニットの作品で、「裏・鵺的」どころか鵺的とは真逆な作風。(個人的な感覚だが「裏・○○」というのは元のものと何かしらの接点がありつつ違う視点で描いた……という場合で、「真逆」は接点など無きに等しく何もかもが反対、みたいな)
たとえば序盤は「ドロドロ」な状況だが、鵺的のドロドロは観客としても身につまされるようなものなのに対してこちらは傍観者的にニヤニヤしてしまう、みたいな。
それ以降も演者の現実を徹底的に茶化した人物設定により序盤はクスクス程度だった客席が声を上げて笑うほどになるタガの外し具合なども鵺的では決してありえないことで、良い意味で予想に反した感じ。
で、事前情報通りにルッキズムを芯に据えた「小劇場奇譚」、メタになるところまで含めて個人的には好みのタイプで、良い観劇初めとなったのであった。
ところでイズモギャラリー、年末は「くまゆか無双」だったが年始は「あちこ無双」じゃねーか!(嬉)
セーラー服を溶かさないで
CACHU!NUTS
イズモギャラリー(東京都)
2021/12/22 (水) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「くまゆか無双」であんなトコやそんなトコを目撃できるという事前情報は得ていたが他の面々のあんなカッコやそんなカッコもなんて聞いてないぞ!(爆) それに明るいスケベだし何と俺得な公演!(爆)
そしてこれだけの内容を60分余に凝縮した中嶋脚本おそるべし!
まるでクリスマス大感謝祭状態で1日早くクリスマスプレゼントをいただいたような感覚になり、自分でも自分にプレゼントとしてポストカードセットも購入。(更爆)
早くも次回公演への期待が鰻登り。(笑)
『脱兎を追う』
楽園王
d-倉庫(東京都)
2021/12/21 (火) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
【白組】
ダブルキャストの場合、一方がオーソドックス、もう一方が応用編であることが多いと予てより思っているが、本作は白組が応用編か?「あの部分」がまさかの「あんなキャラ」とは何と大胆な!(笑)
もちろんそれ以外にも相違点はあり、どちらもそれぞれの個性が出ていて面白かった。満足満足♪
『脱兎を追う』
楽園王
d-倉庫(東京都)
2021/12/21 (火) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
【黒組】
深夜、脚本執筆中の姉に起きた妹がある提案をすることから始まる物語。
序盤からメタ要素ありある落語を連想させる理屈ありで引き込まれる。そうしてあれこれあっての最終場はメビウスの環を思わせるもので「あー楽園王だなぁ」みたいな。白組はあのあたりが変わるのか?などと考えつつ観たりもして。
マンホールのUFOにのって
マチルダアパルトマン
OFF OFFシアター(東京都)
2021/12/22 (水) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
時にナンセンス、時にシュールな短めの場をたたみかけるテンポの良さ(もしかしてその場のことを深く考えさせない策略?(笑))で語られるのは大学生の「青春期」と時を隔てた後日譚。あは、あは、あはは。と笑いながらも最後は切ない余韻が残ってイイんだなぁ。
溺れるように走る街
吉祥寺GORILLA
劇場HOPE(東京都)
2021/12/09 (木) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
物語の軸となるのが芸人コンビがパーソナリティを務める深夜のラジオ番組なだけに舞台美術、照明効果とも「夜」のイメージが前面に出ており、ラジオ局のスタジオを再現しているような装置も含めてそれだけで一見の価値アリ。劇場HOPEの舞台後面の壁って初めて見たかも?
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
BABEL
演劇企画 heart more need
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
観ながらタイトルとの関連で「もしも人間が思い上がって神の場所に届く塔をなどと考えず、同じ言葉を使っていたら……」などと思ってしまった。
カナリヤ
日本のラジオ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/11/18 (木) ~ 2021/11/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
カルト教団のメンバー(幹部から新人まで)に時々取材するライターが絡む会話劇。
世間を騒然とさせたある事件の前日譚的ではあるが、教団メンバーも(1人を除いて)ごく普通の穏やかな人に見えるのが不気味。(一見マトモそうながら過去があったりもするが)
IN HER THIRTIES 2021
TOKYO PLAYERS COLLECTION
サンモールスタジオ(東京都)
2021/11/17 (水) ~ 2021/11/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
冒頭、舞台に登場した30代の「私」たちが20代での主な出来事を確認しあうのは「IN HER TWENTIES」を観ていない観客への前提提示でもあろうが、「IN HER TWENTIES」初演も観ている身には「あれから10年なんだ」と思わせるものにもなり、10年という歳月を実感させるシカケとして極めて有効。
Jeanne
鬼の居ぬ間に
「劇」小劇場(東京都)
2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
異端審問パートの(細部はもちろん異なるが)芯となる部分に「ジーザス・クライスト・スーパースター」のピラトの審問と通ずるものを感じたり。そしてここに限らずキリスト教に造詣が深いか否かで受け取り方が(どころか理解度も?)異なるのではないか?とも。
夜から夜まで
劇団競泳水着
駅前劇場(東京都)
2021/05/12 (水) ~ 2021/05/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
コクのあるオトナの恋愛(性愛?)群像劇。人物設定にしても彼らの関係性にしてもオーソドックスなものからいかにもイマっぽいものまで多彩でそこにコメディリリーフも配したのはさすが。
ここ1年ほどの間に観た芝居でコロナ禍の影響を取り入れたものはもちろんあったが、演者がマウスシールドをしているとかその程度の「察してね」レベルだったが、積極的に物語に取り込んだのはσ(^-^) が観た範囲内ではこれが初ではないか? 逆に言えばコロナの影響がなければ違う展開になったかもしれないと言えよう。
太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
女性解放運動の闘士(?)たちとその周辺。各人物が出入りする「庭」での言動からそれぞれの考え方を浮き彫りにし、観客に分かり易く伝えるシカケが鮮やか。
そうして「女性に対するああいう感覚の男、未だに脈々と受け継がれているな」などと観ているうちに、最近の出来事そっくりの内容や近い将来なりかねない事態などが描かれて慄然。
また、「鳥」や「風」での隠喩も巧い……とか言いつつ、それらを読み取れたかどうかは怪しかったりするが。(←最近こういうのが多いσ(^-^) である(爆))
お父さんゲーム
劇団天動虫
シアター711(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
あるコンプレックスから亡父の通夜さえスルーしようとした二女を中心にした一夜の顛末。場合によっては重くなるかもしれない題材をポップで賑やかに見せるのがここの特徴か。
また、有名童話の「知られざる結末」の引用もあるのでそちらを読んだらまた新たな気付きがあるかも? なお、当日パンフレットの「人物相関図」もありがたい。