じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー

下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー

第27班

王子小劇場(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/26 (土) 14:00

突飛な設定もありつつ、それを絵空事ではなくそれなりに「あるかも?」と思わせる(笑)のが見事。そしてその設定を最大限に活かしてカフェの常連客とその周辺の人物が縦糸・横糸となって織り上げる恋愛系物語……コミカルな中にハッとする/刺さる部分を織り込んで巧み。
そう感じたのは登場人物名が一般的な名前でなく物語などのタイトルであることから。それぞれの「ドラマ」を無意識的に読み取っていたことによるのかも。

白片つぐつぐ

白片つぐつぐ

アナログスイッチ

駅前劇場(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/22 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/21 (月) 13:30

大正時代、朝鮮半島に渡り植林事業を行う傍ら朝鮮半島の陶磁器と木工を研究紹介した浅川巧を主人公に据えて当時の日本人(一部?大半?)の朝鮮人に対する意識を描いているが、昨今のレイシズム批判になっており、真摯なテーマをユーモアを交えて描く作風に井上ひさし作品を連想。今の世にも通ずる秀作、感服!

2番目でもいいの♡

2番目でもいいの♡

劇団ズッキュン娘

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/03/24 (木) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/03/25 (金) 19:00

座席D1列05番

2014年の初演両キャスト、2015年の再演に続き通算4度目となるが待子が身勝手に感じられなかったのは改訂のためかこちらの意識が変わったためか?
クライマックスの論戦は妻・不倫相手としてのそれぞれの愛に説得力がありどちらも悪くないように感じてしまう。
そしてそれはつまり不倫をしたシゲちゃんが悪いということで、男性観客として居心地が悪いったら……(笑)
また、この会場・この料金ゆえのキャスト・衣装・装置・照明効果なども見事。ただ、小劇場系観客はもちろん、アイドル系出演者のファンにとっても8000円という価格はハードルが高かったようで空席が目についたのは残念。

石を投げる女がいて

石を投げる女がいて

ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/25 (金) 14:00

座席8列5番

あらすじに暗示されているように不穏な方向に向かうが一難去る。しかし真髄はその後ではないか?
実際にあった事件等を想起させる出来事が次々に起こりしかもそれまでのトラブルのように単純でなく真相も藪の中。ある共同体が壊れてゆく過程を見せられているようで居心地が悪かったなぁ(褒めてる)。これ、堤さんのダークサイドなのでは?(笑)
なお、ラストシーンで星新一の「おーいでてこーい」を想起したりも……(爆)

ネタバレBOX

想起した実際の事件は連合赤軍やオウム真理教関連のあれこれ。
粗末な人たち 新宿編

粗末な人たち 新宿編

モミジノハナ

雑遊(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/24 (木) 14:00

あくまで喩えだが、舞台上方に大きく厚いガラス板が吊り下げられていて、人物が台詞を発する度にピシッとかミシリとか音をたててヒビが入ってゆき終盤でついにヒビと重さにより大音響とともに砕け散る、みたいな。
しかもその後ある人物の台詞によって破片が地吹雪の如く舞い上がりトゲとなって台詞が向けられた人物に刺さってゆく、的な。よって傍目に見る分にはカタルシスさえある(!)が、そんな状況下に身を置いたらさぞかし怖かろう……(笑)
また、前の場の状況や台詞の一部をそのまま取り込んで次の場に移転する演劇的手法、好きなんだなぁ。さらにそれぞれタイプが異なる4女優の「競演」、眼福でもあった。

赤き方舟

赤き方舟

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/20 (日) 14:00

座席D列11番

連合赤軍の実在したメンバー5人に創作人物1名を加えて描く事実を基にしたフィクション。
「半世紀ほど前の事実を下敷きに現代を描いた」と言われたら信じてしまいそう。もちろんあの当時だから、な部分もありつつそのまま今に通ずる台詞もあり愕然。
が、考えてみるとドキュメンタリーや評伝芝居ではないのだから創作要素も多分にあるワケで、書き下ろし新作であるからには作家は現代の人であって、劇中人物が交わす会話がイマの情勢を反映したものになるのはむしろ当然ではないか?……なんてことも考えた。
また、「今の世の中を少しでも良くしたい」という理想の下に結集しながらも結果的に人殺し集団になってしいまうことに新撰組との共通項を見出したりも。とはいえ、あの若さで社会のことを真剣に考えていたと思うと隔世の感ひとしお。
あと、「(自分が思うところの)より良い社会にする」という理想を掲げて活動するも、思うように進まない苛立ちやストレスがひしひしと伝わってきて、その気持ちに共感したりも。

マリーバードランド

マリーバードランド

やみ・あがりシアター

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/18 (金) 14:00

座席F列9番

南極で執り行われている結婚披露宴が想定外のトラブルで続行不能状態に陥るが列席者たちの事情により何とか続けなくてはならず……というショウ・マスト・ゴー・オン系コメディ。
打開策が次々と失敗する中から各人物の個性(純粋だったり打算的だったりなど)がくっきり浮かび上がるのが巧み。また、「あの曲」を使った(内容が意味するものも含む)落とし方が絶品。
会場を披露宴会場に見立ててそのようにしつらえただけでなく、当日パンフレットの配役表を「席次表」にした意匠もイイ♪

ネタバレBOX

終盤のある時点からの喧騒と静寂の逆転、そしてそこで発せられる台詞の意味とそれを裏付けるように「あのアイテム」を見せる手腕に脱帽。

また、結婚式(本作の場合は披露宴)の最中に男が現れて花嫁を連れて逃走する(本作ではその場に居残る)という状況にサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」を流すという「記号」がいまだに通じる(元ネタは1967年のマイク・ニコルズ監督、ダスティン・ホフマン主演の映画「卒業」)ことにちょっとオドロキ。(さんざんオマージュやらパロディやらで「語り継がれて」いるからか?)
Melancholic Burtons

Melancholic Burtons

飛行天幕

雑遊(東京都)

2022/03/16 (水) ~ 2022/03/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/17 (木) 14:00

1年の大半を旅して過ごすバートン家の人々と少年期に知り合い何度か時を共に過ごした男の回顧譚。ファンタジックで切なくどこかノスタルジックでもある寓話的味わいは一言で言えば「オトナのための児童文学の舞台化」、旅団から飛行に変わっても「天幕テイスト」は変わらず、でステキ。
そう言えば舞台美術も「あぁやっぱり!」な天幕テイストで客席に入った途端に頬が弛んだ。
また、「魔法」や終盤の時の経過の演劇的表現もイイ。
さらに得意の(笑)対面客席で白いマスクでは目立つだろうと受付で黒いマスクを配る心遣いに感服。

プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/10 (木) 14:00

【B version "Music"team】
、事前情報通り前々日に観た A version と演出(や装置)がガラリと変わり人物造形まで違う(たとえばコメディリリーフがAではロバートでBではクレアだとか)ことに「これが演劇の多様性というものか!」と感服すると同時に観た2つの version とさらに異なる C version も同時に稽古をつけていた谷さんに驚愕すると共に一人の演出家でさえこれだけ違うものが創れるのだから他の演出家だったらどうなるだろう?と思う。
「4人の役者と最低限なら椅子とテーブルだけで上演できる」と谷さんもツイートしていらしたので、いろんな演出で観てみたいとも思った。

プルーフ/証明

プルーフ/証明

DULL-COLORED POP

王子小劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

【A version "Hip"team】
本作を観るのは通算で4回目となるが、15~20分の場を重ねるスピーディさに程よいスリルと笑い、さらに途中に休憩を挟むツクリなどによって2時間超の上演時間を感じさせない。そして第一幕・第二幕ともラストの切れ味が心地よく、やはり良くできた戯曲だな、と思う。そして今回は3つのバージョンでかなり演出が異なるようで「あの人はここの部分をどう表現するのだろう?」などと想像/期待しつつ観た。諸事情でCを見送ったのが悔やまれる。
【補足】戯曲だけが良くできているのでなく、演出・演技も良かったのは言わずもかな。

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

劇団肋骨蜜柑同好会

小劇場 楽園(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/06 (日) 15:00

2年前に出現し悪臭を撒き散らす怪鳥対策に取り組む田瓶市職員たちだが目撃者によって怪鳥の特徴は異なり……な最近の怪生物系サスペンスの様相で始まりながら物の見方/見え方などという哲学(?)っぽい方面や民俗学・神道などに触れ、とり・みき、諸星大二郎などの伝奇系作品にも通ずるという変容を為す。それでいて終盤にはアクション(?)まで盛り込んで娯楽要素も失わないという怪作にして快作。好きだなぁ、こういうの。

光垂れーる

光垂れーる

ぽこぽこクラブ

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 14:00

座席I列5番

寿命を全うすることなく急逝した者と遺された者それぞれの想い、というテーマは好みの1つなのでハマる。また、同じテーマの好きな(そして映画化もされた)小説に通ずるだけでなく、ある風習/言い伝えも知っていたので「そう来るか」感ひとしお。
さらによく存じているお二方の役どころが「いかにも!」でニヤニヤ。あと、古い障子戸やらレコードやらあれこれコラージュした美術も好み。
ただ、聞き間違いかもしれないが、歌のシーンの後に「ご拝聴ありがとうございました」と言っていたのがひっかかった。謙譲表現の「拝聴」を相手に対して使うとは……。

ネタバレBOX

彼岸と此岸が混じり合った世界で生者と故人が交流するという設定は赤川次郎の「夢から醒めた夢」も連想させるが、それよりも梶尾真治の「黄泉がえり」に近い。それでいて全く異なった物語なのが巧み。
また、故人との/故人同士の結婚が出てきた時に冥婚を想起しており、終盤で「赤い封筒」が出てきたので「あぁ、やっぱり!」と。
あと、第一幕終盤の妖怪たちの衣装・メイクも見事。
THE LAST SHOW

THE LAST SHOW

制作「山口ちはる」プロデュース

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 14:00

座席I列4番

とある葬儀場、間もなく始まる葬儀には「ある秘密」があり……という(お約束的な?)状況から始まり大いに笑わせるが、終盤で伏線を回収しながら「イイ話」にまとめるのが巧み。それにしても山崎さん、葬儀ネタがお好きなのかしら?(笑)

君に会いたい

君に会いたい

しゅうくりー夢

ザ・ポケット(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/03 (木) 19:00

座席I列4番

元公安の刑事居在家が主人公の犯罪サスペンス最新作(3作目)だが今回は従来以上に登場人物それぞれにしっかりとドラマがあり居在家は狂言回しの役どころ。そうして描かれるのは人の多面性や家庭内暴力が引き起こす悲劇、愛など盛り沢山でシッポまで餡の詰まった鯛焼きの如し。
そんな風に最後まで緊張を維持して観客を惹きつける展開の一方、人物同士の関係が偶然も含め近すぎる感が無きにしも非ずだが、不自然さや強引さはなく「芝居のウソ」の許容範囲内に留めているのもまた上手い。
次回公演(1年後)はハートウォーミング路線のようだが、さて、居在家シリーズ第4弾はいつかあるのか?

サブジェクション【初日延期・3月2日初日】

サブジェクション【初日延期・3月2日初日】

リブレセン 劇団離風霊船

雑遊(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/02 (水) 14:00

とある劇団の劇場入りの日、雑遊(らしき劇場)の舞台には何故か家族が生活していて……な不可解な状況から始まるバックステージ系物語。1994年以来4度目の上演とのことだが物語の芯となる部分はむしろイマの演劇界の状況まんまで得心。
また、演出の伊東さんによる改訂もあるそうで、より現実に即したと言うか、メタフィクションの度合いが増したと言うか、「第四の壁」が薄くなったのではなかろうか? 個人的にはこういうの、大好き♪ そしていかにも離風霊船らしい「トリッキーでリアル」な作品だと思う。
装置のシカケもここの見どころの一つで、今回も「え、あんな短い暗転でどうやって???」と思った種明かしが終盤であったのも良かった。そのシカケに1998年秋の「もう一人の善き人」を思い出した。

ネタバレBOX

舞台で生活していた家族は初日途中で公演中止になった団体の面々で、その時の芝居をずっと続けていた、という設定がコロナ禍での公演中止による関係者の心痛を想起させ、それで(3度目の)再演を決めたのか?と思ったり。
また、その団体・役者を現実の学生劇団が名前もそのままに演じており、劇中の小屋主役も現実の小屋付きスタッフというのが芝居と現実の境界を薄めてより効果をあげていたのではあるまいか。劇団離風霊船の真骨頂かも。
不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

文化庁・日本劇団協議会

ザ・スズナリ(東京都)

2022/02/23 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/25 (金) 14:00

座席I列5番

d-倉庫の「正午の伝説」フェスティバル以来5年ぶりとなる別役作品、特徴的な「無駄に理屈っぽい台詞」の洪水に身を委ねる。
また、縦型ブラインドのような10センチ幅くらいの帯状のものを天井から床まで垂らして舞台を囲み出ハケを自在にしただけでなく途中でその中のLED(?)を仕込んだ2本をブランコのように使う舞台美術も印象的。

『無表情な日常、感情的な毎秒』2022年2月公演

『無表情な日常、感情的な毎秒』2022年2月公演

エンニュイ

STUDIO MATATU(東京都)

2022/02/25 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/27 (日) 14:00

店長の葬儀帰りのバイトと元バイト、それにその夜も働いているバイトという知り合い同士5人の深夜の居酒屋での会話。構成は一応起承転結あるいは序破急に分けられないでもないが物語性はほぼ無きに等しくいかにも深夜の居酒屋な会話が続く。
その会話は従来に近いが今までは謂わば「会話の放し飼い」だったものが先述の状況によって「柵で囲われた」感? ゆえにその状況に関するものもあるが、今までに語られたネタもあり、「言葉とは?」などの部分はいかにもエンニュイと言えよう。
また、酔っての大声や深夜ならでは(?)の声量をセーブした話し方、さらには多少の倦怠感などまさしく深夜の居酒屋の雰囲気で、中盤で照明が切り替わって以降の演技エリアはまるでそこだけ異なる時空のよう。演技・演出の賜物だね。
なお、終盤のちょっとした「騒ぎ」で感じたカタルシスに既視感があったが、相米慎二監督「台風クラブ」だろうか???

たぶん きっと おそらく ゾンビ 

たぶん きっと おそらく ゾンビ 

トツゲキ倶楽部

小劇場 楽園(東京都)

2022/02/23 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/24 (木) 14:00

ある演劇ユニットの最終公演初日の開演数時間前からの出来事を描いた物語。バックステージ系、ゾンビとあと「もう一つの要素(ネタバレBOXへ)」の三題噺的に一見意外な3つの「お題」が上手く融合して見事。
バックステージ系については公演初日数時間前に出演者のうちの1名がまだ来ていないという典型的な状況ながらそこここにこの1年ほどの小劇場事情をちりばめてまさしく「イマの演劇」。
ゾンビ関連ではゾンビたちが巷に溢れつつある(らしい)状況からいかに脱出するか?という「正当ゾンビもの」のオモムキ。でありながらゾンビそのものが登場しないのは宮坂武志監督「大怪獣東京に現わる」(1998年)の如し。
また、ゾンビを登場させないゾンビもの、ということで2017年6月に東中野RAFTで上演されたサムゴーギャットモンテイプ「おうちにかえる・オブ・ザ・デッド」を想起。あの作品内の「東京の状況」が本作にあたるのではないか?などと夢想。
三題噺の残りの一つについては「その類が好きな身には結末が予想できたりする」が、それ自体が楽しい。

ネタバレBOX

結末は「時間ものSF」が好きな身として「電話があった」あたりでピンと来て予期できたが、その意味では「基本に忠実」とも言えるし、「ワカるヤツにはワカる」のがまた巧い、みたいな。
また「前日に行く」ということからヨーロッパ企画の「サマータイムマシン・ブルース」を思い出したりも。
どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

東京にこにこちゃん

シアター711(東京都)

2022/02/16 (水) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/18 (金) 14:00

恋愛シミュレーションゲームをプレイする主人公の(ゲーム内)体験。
初期(?)のPCゲームのチープ感(爆)が随時投影される背景画像のドット絵だけでなく芝居本編全体に漂って愉快。
特に終盤の「あの表現」は小劇場ならではの「開き直り(爆)」でもあり、やったモン勝ちではなかろうか?(笑) こんな風におバカを本気で演るの、好きだなぁ。
作・演出の萩田さんはときメモのプレイ経験がなく想像で創ったそうだが(18日昼のアフタートークより)だからこそ「経験者限定」ではないものに仕上がったのではないか。←プレイ経験のないσ(^-^) でも共感(?)できたのが証左であろう。
また、同じくアフタートークによると本作は「万人にウケる笑い」を中心に時々「一般ウケはしないかもしれないが一部の人には伝わる笑い」を入れたとのことだが、作品全体のタイプとしては、昨年1月のバックステージ系の「さよならbye-bye、バイプレイヤー」が後者で本作が前者かもと思った。

純愛、不倫、あるいは単一性の中にあるダイバーシティについて

純愛、不倫、あるいは単一性の中にあるダイバーシティについて

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2022/02/18 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/02/19 (土) 13:00

座席E列4番

タイトルの通り多様性極まる(笑)イマの恋愛(と少しの家族)事情を浮き彫りにする会話劇。客観的に見る分には納得できるが、いざその渦中に身を置いたら受け容れかねないだろうなぁ、と思いつつ観劇。
1つの場がすぐ次の場で「……ということがあってね」な内容とされるつなぎ方はエッシャーのメタモルフォーゼを想起させ、スムーズな語り口を実現させて巧みで、会話の端々に散見されるウイットもアマヤドリらしさか。
また、登場人物名が「一般的な名前」でなくニックネーム的なもので、その人物の主義主張やバックグラウンドに密接なのか?とも思ったが読み取れずちょっと悔しい。(笑)
「弓道」は実は「求道」ではないか?と思って観ていたし、不倫妻が「さわやか」とはどういうこと?とか、そんなことを考えさせるのも策略なのか?(笑)
なお、本作がお披露目となる新劇団員さんたちもステキで今後の彼ら(とアマヤドリ)にさらなる期待。
しかしこういう長いタイトルの場合は主催者側で早めに略称を決めて公表して欲しいな。(真顔)

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