舟をこぐ
project i'nos
シアターブラッツ(東京都)
2010/11/11 (木) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★
こんな引き出しもお持ちとは…
思いっきりシュールで確かに「ナンセンス」。
どちらかと言えば「Don't think, feeeeel!」的だが、「モノリス降臨前の未来人たち」(←この表現がどこまで伝わるだろうか?)のように思えたりもして。
それにつけても門肇、SPIRAL MOONともパーマ企画とも『隣人13号』とも異なるこんな引き出しも持っていたとは…。
マドロス豹十郎
ひげ太夫
テアトルBONBON(東京都)
2010/11/10 (水) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★★
毎度ながら見事
毎度お馴染みの亜細亜英雄活劇、今回はスパイスの特徴の演じ分け(!)に始まり、ロボやロックスターの表現、それに「回るアレ」が特にツボ。
また、NG集のアイデアも「そう来ましたか!」で、よくまぁ思い付くものだと感心。
死なない男は棺桶で二度寝する
ポップンマッシュルームチキン野郎
劇場MOMO(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★★
従来パターンのち新境地
今度はSFっっ!!!
「あの人」をあんなことにしてしまったりもする前半のナンセンス具合は従来通りながら、ある能力(?)を持った男の孤独を描きハートウォーミングに着地させる後半はK尾S治かCャラメルBックスか、みたいな新境地。
新おとぎ夜話
Jungle Bell Theater
ART SPOT LADO(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/09 (火)公演終了
満足度★★★★
こういうの、好きなんだなぁ
「西遊記の宗像教授的考察」ないし「知的こじつけ」(笑)、沙悟浄は日本で河童の妖怪になったとか、桃太郎と陰陽五行説の関係とかを最近耳にしたので非常にタイムリー。
「趣味に走ったので難解かも」との浅野主宰の前説とは裏腹に解りやすく大いに楽しむ。
乱歩の恋文
てがみ座
王子小劇場(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
構造、語り口なども含めて見事
評伝戯曲な餡を乱歩的世界(どんでん返しまであり)という皮で包んだ傑作。
十代に乱歩を読み漁った身にとって引用された複数の作品もすぐにわかって嬉しく、昭和臭と見世物小屋的胡散臭さ(笑)満載な上に変幻自在で様々な場を表現する装置もまた見事。
そのとき橋には誰もいなかった
オーストラ・マコンドー
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2010/11/06 (土) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★★
総合芸術っっ!!!
広重の東海道五十三次の日本橋のようであり他の箇所も表現する装置、詩的な台詞、生歌、映像、音響を使って語る愛の物語、やはり演劇は総合芸術であると再認識。
また、タイトルの意味が明かされる終盤のシーンはトリッキーで、まんまとしてやられる。
点点
みどり人
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2010/11/06 (土) ~ 2010/11/08 (月)公演終了
満足度★★★
最終場の気まずさが印象的
父親が転勤族で転校を繰り返した「良さん側」な身として、最終場の気まずさが(アレは他の要素の方が強いんだが)心にチクチク刺さるよう。
また、良さんの去り際にケン・ソゴルを連想。まさか良さんは未来人だったワケではあるまいな?(笑)
【御礼】男子衝動
少年マドンナ
planB(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
韓流フィルム・ノワール的で硬質な世界
コンクリートブロックやコンクリート打ちっ放しのこの会場の特質に水槽と机のみとか1灯や2灯だけという照明も加わって韓流フィルム・ノワール的で硬質な世界観を最大限に表現していたと思う。
が、終始控えめの照明と残響の多い空間での大声の台詞により、観る側に少なからざるストレスを与えていた気もする。
女神の失脚
村松みさきプロデュース
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/11/04 (木) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★
村松みさき、おそるべしっっ!!!
130分の長尺だが、ヤマ場に到るまでの歩みをクロニクル的に見せる前半のテンポの良さもあって体感的にはさほど長く感じず。(お尻はイタかったけれど)
で、前々作『軍艦島』にしても本作にしても終盤で人の心のどす黒い部分を剥き出しにして見せるのがコワい。村松みさき、おそるべしっっ!!!
【終了!】B4 paper books【ご来場ありがとうございました!】
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/09 (火)公演終了
満足度★★★★
黒の章
確かにこちらの方が黒い…どころか「漆黒の悪夢」な感覚。
また、白の章が直球で黒の章は変化球といったオモムキ。
なお、両編共通の「シュルレアリスム宣言」の配置から白→黒の順の方が収まりがいいように感ずる。
【終了!】B4 paper books【ご来場ありがとうございました!】
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/09 (火)公演終了
満足度★★★★
白の章
白でありながら「どす黒い」感覚なので、「黒はさぞや…」みたいな(笑)。
中心となる2編が内容は異なるものの「断罪」「描く男と描かれる女」という共通項があり、あたかも2人の作家の競作のような印象。
~あの素晴らしい闘争(まつり)をもう一度~【★早稲田全共闘Ver.☆】
バナナ学園純情乙女組
早稲田大学学生会館(東京都)
2010/11/06 (土) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
まさかの上空(笑)
前週の某学祭での逃走劇のような大ハプニングはなく、到っておとなしい(←あくまで相対的)感じ?(笑)
しかし、前後左右には気をつけていたが、まさか上空からの攻撃(?)があろうとは。(爆)
海援隊ヨリ・・・~いつも隊士達に吹く風は英雄と言う名の潮風~2010version
夢援隊Company
明石スタジオ(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★
背後から龍馬像がくっきり
四演目にして初見だが、本作を元にした『セピア色した風の中で』を観ていたのであれこれ納得。
亀山社中時代から龍馬の死までの期間を海援隊士を中心に描いた群像劇だが、その背後から龍馬像がくっきり浮き上がるのが上手い。
今がいつかになる前に
空間ゼリー
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
生々しいったらありゃあしない
写実的な装置も相俟ってやたらに生々しく、児童たちにホンキで腹を立てたり、ある場面ではバレないかと我がことのように肝を冷やす。
が、静かな(むしろ腰を引き気味の?)熱血教師や、誰もが哀しみを抱えていることを示唆する終盤で浄化される。
FLY AWAY
Taktstock produce
ワーサルシアター(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
笑劇の王道的作品
とっさのごまかしで事態がより混乱する笑劇の王道的作品なので大笑いな上に「隠し場所」「窓から顔」など題材や見せ方に工夫もあって楽しい。
そういえばこの劇場でここまで建て込んだ写実的な装置というのは珍しいかも?
アラハン
ACファクトリー
シアターサンモール(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★
全体バランスを微妙に失した感あり
春の『あらはん』とはモチーフだけが共通で、ストーリーがことなるばかりでなく、アクションとコメディの比率や諸設定をもがらりと変えての15周年記念公演第2弾。
女郎宿のショータイム(のリハ)場面にエアリアルを取り入れるなど記念公演だけに豪華な一方、その直後の笑いを取るパートが若干長めで全体バランスを微妙に失した感あり。
結果、130分級の大作になっていたが、シリアス側に重点を置いて整理し、2時間弱にまとめた方がスッキリしたのではあるまいか?
図書館的人生 vol.3 食べもの連鎖
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2010/10/29 (金) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
前菜・魚料理・肉料理・デザート
今回で3度目の短編集、過去2回とは異なる連作風で、各編のタイトルに前菜・魚料理・肉料理・デザートと添えられているように、プロローグとエピローグを伴う中編2編、な構成。
肉料理の内容を受けてのデザートが一見あっさりしながらも深いこと!
俺の屍を越えていけ【無事に終了しました】
七里ガ浜オールスターズ
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2010/11/01 (月) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★
前半と後半の対比が鮮やか
70分間のリアルタイムで描く「ある会議」の内容。
決断を回避できないかジタバタするユーモラスな前半と、熱血&感動系に転ずる後半の対比が鮮やか。
また、観逃した過去の配役や今回の中でのシャッフルなど思い浮かべながら観て面白さ倍増。
どんぐりシンフォニー
春の日ボタン
小劇場 楽園(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★
連作気味なオムニバス
毎度お馴染みの(?)各編がリンクする短編オムニバス、今回はさらにリンク具合が密接に。登場人物が複数のエピソードに登場して短編オムニバスというよりは連作短篇集と言った方が的確か。(いや、「連作短編」は主人公が固定の場合?)
で、同じ人物でも2度目以降に登場する時は別の一面を見せて「あぁ、そういう風にもつながっていたのね」などと思わせたりするのも巧い。
『狼少年 ニ 星屑 ヲ』
おぼんろ
スペースTRE(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
ビターテイストの「オトナのための童話」
観ながら漠然と「貧民街育ちでそこから這い上がろうとするがなかなか報われずに悲劇を迎える」的な往年の(モノクロ時代の)ヨーロッパ映画を連想し、切なくも美しい終わり方からビターテイストの「オトナのための童話」な印象も。
その童話的な印象は内容だけでなく、出演者が皆フェイスペインティングをして動物の耳のカチューシャを付けている(開演前に目にした時は「チープな和製SターWォーズ」に見えた(笑))ことも一因?
また、ルデコ地下のこのスペース、非常に手狭なこと、よってかなりの少人数なこと、靴を脱いで入ること、などからホームパーティーのような親近感があり、前説(これも親しみがあって◎)の時など客からツッ込みが入ったりして非常にフレンドリー。
「手作り感」満載の小道具などもその親近感にプラスされていたか。
さらに、子供時代の表現として小さな人形のような身体を首からさげて実際の身体は板の奥、なんてことをやったり、W星Pスタチオのように人間を手で表現して(チョキのカタチにして2本の指を脚に見立てる)引いた画を見せるなんて手法を用いたりして、それもまた楽しい。