渾沌鶏~マロカレタルトリ~
BB団
ウッディシアター中目黒(東京都)
2010/10/20 (水) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★
翻案作品にすれば良かったのに
アニキ分であるZ団の旗揚げ公演と同じく源義経を題材にしながらもInnocentSphereの西森英行の作・演出なのでかなりオモムキを異にする。
が、狙いはわかるものの序盤の五条大橋での「事件」を「ニュースを録画したDVDで」観るというシリアス系では違和感を禁じ得ないシーンに醒めてしまい、安宅の関のくだりを人形操りで演じ、式神を使って逃れたとする部分などには感心するも時すでに遅し。
むしろ「SAMURI7」などのように大胆な翻案にすれば良かったのに。
グロリア
ハイリンド×サスペンデッズ
「劇」小劇場(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
折に触れ演を重ねて欲しい
基本的にはユーモラスな中に戦時中の生活・出来事や人々の気持ちをきちんと織り込んで、優しいながらもしっかりと訴える語り口に井上ひさしの昭和庶民伝も連想。
忘れてはいけない、伝え続けなければいけないことを風化させないために今後、折に触れ演を重ねて欲しい。
GLADIATOR-奴隷と皇帝-【ご来場ありがとうございました!!】
劇団三年物語
萬劇場(東京都)
2010/10/16 (土) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★
皇帝サイド
いわば「動の奴隷、静の皇帝」で奴隷サイドと比べると地味な印象だが、重圧に打ち勝とうとして狂気に向かう皇帝を見せてクライマックスの兄弟対決に繋ぐ流れはこちらの方が上か。
いつか両サイドを時系列的に並べた「特別編」があればいいのに。
GLADIATOR-奴隷と皇帝-【ご来場ありがとうございました!!】
劇団三年物語
萬劇場(東京都)
2010/10/16 (土) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★
奴隷サイド
剣闘会シーンや主人公側がチームとしてまとまる熱血系の場面は良いが、最大の盛り上がりになるハズの最後の闘いが意外に淡白で、過剰とも思われる音楽で水増ししているような気がしないでもない。
Tokyo Station
Team Good Speed
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/10/21 (木) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★
設定にやや難あるも総じて満足
豪雨により各線が運転見合わせとなった夜の東京駅での人間模様。
以前観た第2回公演『Jackpot!!』は悪くはないもののどこか借り物的な印象だったが、併行して起こるいくつかの事柄(事件というほどのものではない)をテンポ良く見せ、なおかつσ(^-^) の弱点である「急逝した者が遺した者に想いを伝える」な部分もあったので満足。
ただ、列車が運転を見合わせるほどの「記録的な大雨」であれば「雨の影響で疎らな人影、たまたま駅にいた12人の人々」(←チラシの説明より)なんてことはないどころか大混乱になるハズで、そのあたりの設定はまだ甘い?
東京駅である必然性もあまり感じられなかったし、何で地方都市の駅とか東京郊外の駅とかにしなかったのかな?
三十女
ペテカン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/10/13 (水) ~ 2010/10/21 (木)公演終了
満足度★★★★
特に終盤がイイ
白が基調の装置に照明が映える終盤の「いかにもペテカン色」な夕暮れから「オトナの青春」的な成り行きにドキドキの祭りの夜にかけてのシーンが出色の出来。
また、タイトルを象徴する3人の会話に「実は…」な真相告白を加えたエピローグもイイ。
パジャマと毒薬~忘れられないパジャマ
カリフォルニアバカンス
小劇場 楽園(東京都)
2010/10/20 (水) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★
独特な笑い健在
お得意のトボけた会話が炸裂する初演版にtwitterなどイマ的な要素も加えた改訂版。
再演につき当然と言えば当然だが、限りなく日常に近い状況からホンの少しだけズレることによって生み出される独特の笑いは健在。
星の王子さま
Project Nyx
吉祥寺シアター(東京都)
2010/10/13 (水) ~ 2010/10/20 (水)公演終了
満足度★★★★
モダン・アングラ?
いわば「モダン・アングラ」か?
かつてサン・テグジュペリの原典を読み、何年か前にミュージカル版も観ていたので原作準拠の部分と寺山修司による創作部分を識別できて、より面白かったような。
また、中山ラビ、カルメン・マキらによるショータイム的な部分も堪能。
はばたき
Monochrome Plus
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/19 (火) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★
なるほどバタフライエフェクト
登場人物が桶屋、猫狩り、三味線職人などで、そういう面でも「なるほどバタフライエフェクトだ」、と納得(笑)。
また、g,b,keyのトリオ「QooSue」の生演奏や、役者たちによる生音も効果的でこの規模の会場ならではの演出に満足。
口笛を吹けば嵐
ピーチャム・カンパニー
イワト劇場(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/20 (水)公演終了
満足度★★★★
何故かレトロな味わいも
この劇場を訪れること3回目にして初めて構造を知る。
過去2回とは逆に道路に面した側を舞台にして、かつての入口を人物やテーブル・椅子などの出ハケに使うとは。
また、そのことに驚く通行人が見えたり、夜だったらどうみえるか想像したり、な楽しみもアリ。
内容的には『天井桟敷の人々』にATG映画の風味を加えたよう(←個人の感想です)な感覚に懐かしさを憶える。
いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校
ロロ
新宿眼科画廊(東京都)
2010/10/17 (日) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★
小学6年生シュール風味
一部シュールなところもありつつ、小学6年生らしさもたっぷり。
先日のぬいぐるみハンターの幼稚園もの(そういえばあれもタイトルが長かったな)に続いて観たことで相違点を考えたりと相乗効果もあり、より楽しめたかも?
また、劇中の歌たちもステキ。
なお、初演は未見。
「ファイナルファンタジー」「やがて僕は拒絶する」
劇団エリザベス
タイニイアリス(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/18 (月)公演終了
満足度★★★
ファイナルファンタジー
ストーリー性は薄いのに85(+α)分間、観る側の気持ちを引っ張り続けるのが何ともフシギ。
それは手法と演技、そしてちりばめられた謎によるものか?
本作とは真逆でストーリーものでこちらの謎解きもあるという『やがて僕は…』も観たくなったがもはや手遅れ。
なお、ストーリー性の薄さゆえ、舞台を初めて観る方には向かないかと。
性的敗北
シンクロ少女
王子小劇場(東京都)
2010/10/15 (金) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★
それぞれの落としどころにも納得
2つあるいは3つの異なる会話・独白が、時に同方向、時に逆方向にシンクロする手法が好みだし、内容もやや特殊な部分もありながらイマでは十分にあり得るもので三組それぞれの落としどころにも納得。
さらに平台の組み換えを、最後の場の前だけ1人で行う(大変そうだったなぁ)のもその先を暗示していて◎。
名嘉友美、短距離と長距離で走法を変えてどちらも華麗に走り抜くタイプと見た。
ということで本編は★4つだが、10分を超える開演の押しへの対応の悪さなどで1つ半減点。(★2.5だが四捨五入で3)
ZOMBIE!ZOMBIE!ZOMBIE!
STUDIO HeadZ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2010/10/15 (金) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★
玉石混淆
一言で言えば「玉石混淆」。
意図はよくわかるが「ゾンビ的なもの」にせざるを得なかったために逆にかなりな矛盾も生じたのが惜しい。
が、物語全体は悪くないし、選曲も含めてダンスシーン・歌や擬闘もイイし、細かいくすぐりも好きだったのだ。
お買いもの
東京タンバリン
駅前劇場(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/20 (水)公演終了
満足度★★★★
観たのが4年ぶりとは意外
ステージの形状によるものあり街なかを歩く場面の見せ方や出ハケが面白い。
内容的にも「買い物依存症」気味な人物たちが堕ちて行くのがコワいほどで、どうなるのか引き付けられる。
しかし、ここを観るのが4年ぶりだったのはわがことながら意外。
カズコと、天使
さるしげろっく
テアトルBONBON(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★★
全体構成が見事
1枚の絵にまつわる3話オムニバス。
オーソドックスな現代、ハードな未来、ハートウォーミングな過去、とタイプを異にしたラインナップと並べ方、それにエピローグでキチンと終止符を打ちなおかつ…(ネタバレ回避)…な全体構成が良いので多少のストーリーのアラ(爆)には片目をつぶろう。(笑)
また、カナリア派では観ることができなそうな升ノゾミは一見の価値あり。(もちろん「従来版」もアリ(笑))
ドールズハウス★ご来場ありがとうございました!!!
u-you.company
サンモールスタジオ(東京都)
2010/10/13 (水) ~ 2010/10/19 (火)公演終了
満足度★★★★
トイ・ストーリー舞台版!?
舞台版トイ・ストーリー(特に3?)風ファンタジーからまさかの(事前には予想はしたが「この展開ならないな」と油断していた)ひねりの加わった親子ネタに持って行くとは。
また、終盤の「ある状況」(←ネタバレ回避)の舞台ならではの表現にも感心。
窮する鼠
JACROW
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/12 (火) ~ 2010/10/17 (日)公演終了
満足度★★★★
味わいの異なる3編
「カウンターとボトル棚の狭間」的なノリの「きぼうのわだち」、月9風ながら演り逃げ(爆)の「Loveletter From…」、いかにもここらしい「リグラー」と異なる味わいの3編、いずれも面白かったが、「リグラー」におけるヒントの出し方と「耐えている2人」(謎)の表情が特に印象的。
また、終わってから「wriggler」の意味を調べ、その二重の意味に大いに納得。
ワカチアウ
ジェットラグ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2010/10/07 (木) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★★
予測不能の展開が面白い
オトナの『転校生』(←劇中にも例えで出てくるし、その原作タイトルもさり気なく出てくる)的な流れから急旋回してホラーかと思わせて実は別の「コワさ」を皮肉も交えて描き出す展開が予測不能で面白い。
また、このテの作品のキモとも言うべき「入れ代わり」後の表現も良くて満足。
ウラの目と銀杏の村【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
王子小劇場(東京都)
2010/10/09 (土) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
満足度★★★
現代の寓話?
今回も美しい!
また、幻想的でありながらも妙に現実に即してもいる作風は「現代の寓話」と言うべきか。
「鬼」についてもいくつかの解釈が浮かんだが、なにも1つに限定せず、そのものズバリも含めた複合的なものと受け取るのもアリか、とも思ったりする。