『442』
SPPTテエイパーズハウス
練馬文化センター(東京都)
2010/11/27 (土) ~ 2010/11/29 (月)公演終了
満足度★★★★
145分を感じさせず
第二次世界大戦中の米軍日系人部隊を中心に描いた音楽劇。
戦後の穏やかな授勲パーティー場面から入り、マンザナ収容所などを経て激戦地の様子に到る流れが巧みで、ピアノトリオ+3管(tp.tb.sax)のセクステットの生演奏や合唱などもあり145分の長さは感じず。
なお、ヒロイン(の精神)が祖母(の肉体)に乗り移り戦時体験をする設定に『ザ・ウインズ・オブ・ゴッド』を連想。
ハロースクール、バイバイ
マームとジプシー
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
「きらきら、きゅんっ!」
女子中学生たちのいきいきとした会話の中からみずみずしさがほとばしるさまに中原俊監督の『櫻の園』(90年版)を思い出す。
本編部分を試合場面で挟み、それは試合中に胸中を去来するものか、彼女たちの結束力の元か、などと思わせるのも上手い。
なお、投稿タイトルは勝手に思い浮かべたキャッチコピーで、もう1つは「思い出の宝石箱やぁ~!」(笑)
THE ANONYMITY
グーフィー&メリーゴーランド
アイピット目白(東京都)
2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★
体感時間が長めなのが珠に瑕
題材自体は面白く観応えもあるが、全体の流れがメリハリに欠けるため実時間125分が150分くらいに感じられてしまうのが惜しい。
また、アプローチは異なるが長年続いたラジオ番組の打ち切りという主題が夏のM.O.P.最終公演とカブったのもイタい。
この手にあまる「私」の体とエンジンと【ご来場ありがとうございました】
みきかせworks
Darts&billiard BOOMERANG(東京都)
2010/11/26 (金) ~ 2010/11/27 (土)公演終了
満足度★★★★
すっかり良い(「酔い」?)気分
リーディング系の通常公演とは違ったスタイルで、という「みきかせmeet's」公演、今回は2人の女優(名嘉友美、兵藤公美)の2人芝居にジャグラーでもあるKojiKojiMohejiによるガイタ・ガレーガ(スペイン・ガリシア地方のバグパイプ)の生演奏が絡むという…。
芝居は友人、姉妹、職場の同僚などの会話スケッチ集な感じで、リアルとデフォルメの匙加減が絶妙。1つのパターンを見せた直後に役割が逆転したやや違うバージョンを演じたりするのも面白い。
そこにガイタ・ガレータ(と金属製のリコーダー的なもの)が、BGMやブリッジとして入るばかりでなく、時には会話に割って入ったりもしてさらに面白く、しかもダーツ&ビリヤード・バーでアルコホルを嗜みながらということもあり、すっかり良い(「酔い」?)気分。
THE HONEST VILLAGE
ジーモ・コーヨ!
OFF OFFシアター(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
現実と芝居の関係にまで思いが及ぶ
嘘をつくと「バスターズ」に摘発される「正直村」を舞台にした物語。
コトの真相が明らかになる終盤では現実と芝居との関係にまで思いが及びニヤリ。
また、その「場所」や「ある人物」の見せ方が、生の舞台ならではの「嘘」なのもイイ。
Ⅰ・D‐イド‐
梅酒が好きだな
d-倉庫(東京都)
2010/11/26 (金) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽系未来活劇として及第
よく考えるとツジツマが合わない部分や投げっ放しの部分がいくつかあるが、破滅的SFではなく救済型の結末であり、全体も不毛の争いを終結に導く流れであることに好感を持つ。
また、手持ちの武器デザインも良く、娯楽系未来活劇として及第。
真魔界転生
劇団キリン食堂
俳優座劇場(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
原典超え?
創作による続編だが、単なる焼き直しでなく夫婦愛・親子愛を語り復讐の連鎖の無益さも説くなど原典をベースに発展させたのが上手い。
むしろそれらの要素により原典よりも深く、表情が豊かになったようで、かなり満足。
【ご来場ありがとうございました!!】パーフェクト超人の憂鬱
劇団 THE☆メンチカツ成
APOCシアター(東京都)
2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★
独特のユルさあるもメリハリに欠ける
独特なユルさがあって可笑しいが、メリハリに欠けてぐだぐだ気味な憾みあり。
しかも残響が多い空間ゆえ台詞が聞き取りにくくストレスも感じてしまう。
一方、ここの空間の使い方も含めた舞台美術がイイ感じ。
夜のジオラマ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2010/11/19 (金) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
オリジナル全長版も観てみたい
上演時間120分の時間SFということでやはり異色作。
初演も観ていたが概要しか記憶になく、キャストも変わっているので新鮮な気持ちで観る。
その結果、時間ものとハード気味ファンタジーの巧みなブレンド具合を再発見したりもする。
また、機会があれば「オリジナル全長版」も観たいが無理だろうなぁ。
幽霊探偵
ZIPANGU Stage
萬劇場(東京都)
2010/11/18 (木) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★★
エピローグの愛情譚にもホロリ
いろいろな可能性が想像できる本格ミステリーにユーモアで味付けしたあたりに赤川次郎作品を連想。
殺人事件はあるも15年前の出来事である上に、エピローグで語られる愛情譚(これもイイんだ)により緩和されて後味に響かないのも上手い。
架空の箱庭療法
Nichecraft
東中野レンタルスペース(東京都)
2010/11/20 (土) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★★
パート2を熱望っっ!!!
架空の芝居の舞台装置の模型とそれを使った舞台写真に説明文を附した展示で想像力を刺激される。模型と写真を観て想像を膨らませてから説明文を読むとより面白いと気付いたのが半分ほど観てからだったのがちょっと残念なので、パート2を熱望!
のら猫たちは麗しの島をめざす
榴華殿(RUKADEN)
タイニイアリス(東京都)
2010/11/20 (土) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★
「三都市噺」
三題噺ならぬ三都市噺、日中韓三ヶ国が飛び交う芝居にまさにピッタリ。
基本はスラップスティック系コメディでそこに歌や懐かしの「ナンセンス怪談シリーズ」も組み込み、さらにこの会場の雰囲気がそれらを盛り上げて楽しい。
りんごりらっぱんつ
劇団競泳水着
サンモールスタジオ(東京都)
2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★★★
3作品連続リピート
1度観ているだけに、冒頭からもうその先のクライマックスが思い出されて涙目。
以降ひたすら劇中の居心地の良さに身を委ね、終演後の幸福感にどっぷり浸る。
で、気付いてみれば競泳水着は最近の3作品、すべてリピートしていたのだった。
さらに、これまた追加の一人芝居もかわいらしくて満足。
~あの素晴らしい闘争(まつり)をもう一度~≪★バナナ全学連☆≫【劇場版:バナナ学園の闘争】
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2010/11/22 (月) ~ 2010/11/22 (月)公演終了
満足度★★★★
無条件幸福っっ!!!
学祭ツアーのメニューの前に大盛ライブを加えてあんなコトやそんなコトまでやらかす特盛版で、もう「無条件幸福」状態。
ところでダメ出しは公開ゲネのみ?それともネタ?
そんなの俺の朝じゃない!
ライオン・パーマ
王子小劇場(東京都)
2010/11/18 (木) ~ 2010/11/21 (日)公演終了
満足度★★★★
針小棒大系コメディ+人生哲学
無遅刻無欠勤の実直(だが実はアツい)男の最終出勤日の朝の騒動記、針小棒大と言おうか「それをそこまで広げますか!」なバカバカしさに「(人生においての)勝敗とは何か?」な哲学も織り込んで鮮やか。
3分間の女の一生
燐光群
座・高円寺1(東京都)
2010/11/13 (土) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★★
終盤はワクワクゾクゾク
約3分の30の場によって綴る主に2人の女性のクロニクル。
実在の出来事をモチーフにした部分や幻想風の部分が(一見独立したエピソードかと思われたものも含めて)1つに組み上がって行く終盤はワクワクゾクゾク。
が、あの人がああなるとは反則!?(笑)
白夜月蝕の少女航海紀
月蝕歌劇団
風紋(東京都)
2010/11/21 (日) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
続編へも高まる期待
35年前に喫茶店での上演を計画して書かれた高取主宰の処女戯曲で、いわばカフェ公演の先駆け作品。
昭和40年代のあれやこれやで懐かしさ満載の前半から往年の日活アクションのように荒唐無稽な展開となる後半の流れは一般的なカフェ公演のスケールから大きくハミ出している感じで、時に詩的、時にチープだったりもするのがまた好み。
来月の続編も楽しみ!
『三丁目6番地のオズの魔法使い』
CAPTAIN CHIMPANZEE
テアトルBONBON(東京都)
2010/11/17 (水) ~ 2010/11/23 (火)公演終了
満足度★★★
盛り込み過ぎが珠に疵?
原典のキャラの翻案ぶり、時折入るバカバカしいネタ、物語のスケールの大きさと広げた風呂敷のたたみかたなどなかなかに良くできている一方、あれこれ盛り込み過ぎた感が否めないのが珠に疵。
若干整理して2時間弱にまとめればもっとスッキリしたのでは?
星のダヴィデ
劇団YAX直線
ART THEATER かもめ座(東京都)
2010/11/17 (水) ~ 2010/11/21 (日)公演終了
満足度★★★★
旧約聖書とオズの魔法使いの舞台上での邂逅
「ミシンとコウモリ傘の手術台の上での邂逅」ならぬ「旧約聖書とオズの魔法使いの舞台上での邂逅」。
その意外な取り合わせに加えて、あれこれおバカだったりマニアックだったりな小ネタをこれでもかと言わんばかりに盛り込んだ「ショットガン的手法」がユニークで愉しい。
世界は僕のCUBEで造られる
ACTOR’S TRASH ASSH
シアターブラッツ(東京都)
2010/11/17 (水) ~ 2010/11/21 (日)公演終了
満足度★★★★
SIDE-B
いわば「基本のA、応用のB」といったところか。
終盤でバッドエンド気味に推移しながら最終的にハッピーなラストを迎えるのがイイ感じ。
で、『キャプテン・スーパーマーケット』の劇場公開版(日米)とオリジナル(欧州公開)版の違いを連想。