次郎長サンダーロード
劇団 EASTONES
ザ・ポケット(東京都)
2011/03/23 (水) ~ 2011/03/28 (月)公演終了
満足度★★★★
まとめ方が実に見事
子分がまだ2人だった若き日の次郎長のエピソード。
次第に緊張感が昂まり大立ち回り、な王道的流れはもちろん、クライマックス直後(劇中では8日後)の場でのまとめ方が良く、全体が落ち着いて終わる感じなのが実に見事。
また、不良少女たちの衣装が愉快。
お散歩
東京タンバリン
西荻窪の町じゅう(東京都)
2011/03/23 (水) ~ 2011/03/28 (月)公演終了
満足度★★★★
クオリティ高し
西荻窪の街を取り込んだ3パートの芝居の合間…というより次の会場への移動がてら地図を見ながら街歩きができるというユニークな企画。
芝居自体も第三幕で思わぬ真相が明らかになる凝ったスタイルだし街歩きにもオプション企画があるなどクオリティ高し。
〆(しめ)
自転車キンクリーツカンパニー
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★
今一つスッキリしない
じてキンでは異色の部類に入るゾンビを描いたコメディ。
最終的な落としどころが「まさか」と危惧したものではなかったのは幸いだが、判断を観客に委ねた「逃げ気味」なもので観終わってのキモチが今一つスッキリしないのが残念。
《全公演無事終了いたしました!ご来場ありがとうございました!!!》シコんでいこう!《初演映像UP!!》
アリー・エンターテイメント
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/03/22 (火) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★★★
充ち溢れる「芝居LOVE」なキモチ
前半はコミカルながらトラブルの素が判明して以降は名台詞続出で「芝居LOVE」なキモチが充ち溢れる。
また、この時期だけに「芝居は何のために上演するのか」が胸を打つ。
なお、観ていて一部初演のキャストが目に受かんだりも(懐)。
オペレッタ 黄金の雨
ピーチャム・カンパニー
タイニイアリス(東京都)
2011/03/18 (金) ~ 2011/03/28 (月)公演終了
満足度★★★
バランスを失した感無きにしも非ず
逸材を見出した戯作者をタテ軸にクラインの壷の如くシームレスにリンクした劇中劇と劇中現実を絡める構造がイイが、いろいろと盛り込み過ぎた上に劇中劇の比重が大きくバランスを失した感無きにしも非ず。
一方、いかにも「芝居小屋」な美術は特筆モノ。
怪盗ルパン 竹久夢二の双曲線
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/03/19 (土) ~ 2011/03/23 (水)公演終了
満足度★★★
月蝕歌劇団の真骨頂
レトロかつ大仰な「見世物」的アヤしさ・胡散臭さ満載な昭和中期の少年向け探偵小説のオトナ版的オモムキは月蝕歌劇団の真骨頂。
また、予想通り夢二、ルパン以外にも有名キャラ(あるいはそのモデル)が複数登場してウケる。
劣る人
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/23 (水)公演終了
満足度★★★★
“「静」のelePHANToon”の極致
1箇所を除いて大きな事件は起こらず、むしろ静かに進行するにもかかわらず、綱渡りをしているような、少しでも気を抜くと大怪我をしそうな張り詰めた感覚によって目を反らさせないのは“「静」のelePHANToon”の極致。酔った、酔いしれた。
【ご来場・自宅での鑑賞 ありがとうございました】大空襲イヴ
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2011/03/18 (金) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
笑いを生み出す手腕に感服
「この人たちも翌日には…」という感慨はほとんど無く(爆)、いくつもの歯車たちを見事なまでに食い違わせて笑いを生み出す手腕に感服。
また、このような状況下につき装置、照明、衣装など最小限にとどめてあとは演技で補う「想像力刺激演劇」で見せる心意気やよし。
紅い華のデジャヴュー
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/03/10 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
懐かしく観る
南方の民間伝承のような物語、以前「6C祭」で観た時のことなど懐かしく思い出しつつ観る。
黒い紗幕で表現した岩肌や打ち寄せる波の跡が残る砂浜(あるいは波そのもの)を想起させる床の模様など舞台美術も◎。
Around my world~私の中の斉天大聖《《全日程終了!ありがとうございました!》》
GAIA_crew
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/03/17 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
「フツーに面白い」レベル
漢方薬局店主が実は…な設定、二段にした舞台の使い方、憑かれた者と憑いた者の台詞・動作がシンクロする演技、衣装・メイク、そして物語、と個々は良く出来ているのにそれらが集まった全体が「フツーに面白い」レベルなのが何とももどかしい。
カラスの国
サスペンデッズ
シアタートラム(東京都)
2011/03/17 (木) ~ 2011/03/23 (水)公演終了
満足度★★★★
夢の中のようなシュールな感覚
控えめな照明によって様々な表情を見せる装置から舞台となる「宿」が自ら意思を持ち、各人物に「忘れていたこと」「忘れてはいけないこと」を思い出させようとしているかに見えてくるのが舞台表現の妙。
また、全体的に夢の中のようなシュールな感覚に仕上がっているのも好み。
ラブリー、ラブリー! 【3/21 18~追加公演決定。当日券あります】
てにどう
シアター711(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★
過度の期待が裏目に
高圧的で傲慢、喚き立てるばかりで感情移入しにくい主人公が、友人を陥れてまで保身を図るのは致命的。
また、その友人がそこまで主人公に尽くす理由も見えず、半ばにして醒めてしまう。
勝手にレイ・クーニーばりのファルスを期待したのが失敗の素か?
ホテルロンドン
国分寺大人倶楽部
王子小劇場(東京都)
2011/02/23 (水) ~ 2011/02/27 (日)公演終了
満足度★★★★
冒頭からいきなり R-15(笑)
ラブホテルの3つの部屋(うち1室は管理用に使われている)での一夜を描いた作品、初見であった昨年10月の『ストロベリー』同様にかなり写実的な印象。(部分的にはコミカルであったりいかにもフィクションであったりはするが)
まず、印象的なものを列挙すれば…
・若いシゲル(加藤岳史)と人妻カスミ(清水久美子)のジェネレーションギャップならびにシゲルの「甘えっぷり」
・高校時代の担任セジマ(信國照彦)と訪れた短大生ハルカを演ずるハマカワフミエの「19歳ぶり」と、その部屋に呼ばれたフィリピーナのマッサージ嬢ジニーを演ずるえみりーゆうなの「カタコトの日本語」
・ロンドンにいる筈のアズマ(東谷英人)が帰国していたばかりか指輪を贈られて号泣するピンク(佐賀モトキ)の「オトメ心」
ピンクの場合はそこまでがはすっぱに見えるだけに実は純情可憐なオトメ、なギャップにかなり心を揺さぶられる。
先日の『ロクな死にかた』でもそうだったし、最近は ♪じゅんじょなオトメご~ころ~ (はぁと)(はぁと)(はぁと)♪ 系に弱いのか?(爆)
また、台詞の音量、照明のトーンとも控え目で「深夜」の雰囲気が非常によく出ており、そこで交わされる会話(特にピロートーク的なもの)もリアル。
なんでも会話の一部は河西主宰の実体験からのものだそうで、そりゃあリアルなワケだ。(笑)
その会話に出てきた
カスミ「ねぇ、この曲なんだっけ?」
シゲル「別れの曲?」
カスミ「それじゃなくて…」
シゲル「じゃあ月の光?」
を受けて、後で「月の光」「別れの曲」「トロイメライ」を順に流すのもイイし。
さらにネタがネタだけに眼福多し。(爆)
ってか、冒頭からいきなり R-15 的だったりして。
これ、中高生に20円(!)で見せてイイのか?(笑)
偽善者日記
荒川チョモランマ
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2011/03/05 (土) ~ 2011/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★
コロリと騙される快感
いくつかのツッ込みどころはあれど見せ方やアイデア、演技など随所にキラリと光るものがあるなかなかに良くできた家族の物語……と思って観ていたが、終盤のコペルニクス的転回に仰天。
タイトルの意味を探りながら観ていた大半の時間を返せェ!(笑)
『ハコネコ』
ポムカンパニー
遊空間がざびぃ(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/20 (日)公演終了
満足度★★★
「ダーク」ではなかった
事前に「ダーク」との感想を目にしたが、ある台詞から早い段階で状況を読むことができ、是枝裕和監督の『WonderfulLife』(あるいはディッケンズの「クリスマス・キャロル」)の変奏として安心して観る。
とはいえ大半を占めるシリアスな状況には胃が痛くなるような気も。
解ける/恍ける
セカイアジ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/03/17 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★
千差万別の見方がありそう
謎が謎を呼び多くは謎のまま終わるスタイルで解釈の余地が非常に大きく十人十色どころか千差万別の見方がありそう。
その一方でタイトルに含まれるトボけた笑いもあり、全体の印象は洋モノを翻案した昼メロの如し。
それは鯉幟柄を配した古風な(元?)喫茶店を表現した美術の影響も大きいか?
愛する生活REMIX
武田浩介作演出作品
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/20 (日)公演終了
満足度★★★
捨ててしまったものでもまた拾えばいい
現実パートは会話を筆頭に非常にナマナマしいが、心象的なパートのシュールさと「余白」部分の大きさから観る時のコンディションによって印象が異なりそう。
で、震災から間もないという状況ゆえ、ねっとりとした不安感に包まれるが、「捨ててしまったものでもまた拾えばいい」(大意)という終盤の台詞に救われる。
凄い金魚
ラッパ屋
座・高円寺1(東京都)
2011/03/10 (木) ~ 2011/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★
初演に思いを馳せる
前作『YMO』とはかなり異なるのも道理、15年前に初めてラッパ屋に接した時の作品。
しかしこうして改めて観ると喜劇としての完成度も高く、三十代半ばにしてこれを書いた鈴木聡の才能に感服。
また、当時は今よりずっと若かったメンバーの演技に思いを馳せる。
夏への扉
演劇集団キャラメルボックス
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2011/03/05 (土) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★★
駆け足的な印象が払拭できず
レトロSF+ヒューマンドラマというお得意パターンの1つではあるが、2時間余の尺におさめたために駆け足的な印象が払拭できないのが残念。
一方、キーパーソン(?)的なアレをあんな表現にして一部ストーリーテラーの役割も担わせたアイデアは◎。
人形の家・解体
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/03/15 (火) ~ 2011/03/17 (木)公演終了
満足度★★★
闇鍋の如き取り合わせの妙
タイトルに「解体」と謳う通り原典の面影は無きに等しく登場人物に名を残すのみだが、二組のノラとヘルメルの関係性や、昼メロ系から古典的心中もの、歌謡芝居に有名マンガ家トリビュート(?)までごった煮どころか何が出て来るかわからない闇鍋の如き取り合わせの妙は面白い。