トリツカレ男
演劇集団キャラメルボックス
赤坂ACTシアター(東京都)
2012/02/16 (木) ~ 2012/02/29 (水)公演終了
満足度★★
やはり今回も…
初演時同様、物語に入り込めず。
どうやら主人公の気持ちはワカるが「共感できない」のがその理由らしい。
そしてそれは主人公の考え方や行動が「もし自分がその立場だったら」やりそうなことだから(=自分を見るのはイヤだから)かも?
もっとその時はロマンティック【キャスト紹介動画配信中!!】
劇団†勇壮淑女
ザ・ポケット(東京都)
2012/02/21 (火) ~ 2012/02/26 (日)公演終了
満足度★★★
「ザ・三題噺」
「女子高コーラス部」「サーカス」「女性怪盗トリオ」の「ザ・三題噺」な感じ(多少無理な感じが漂うことも含む)で、ファンタジックながらブラックな含みのある終わり方が独特な余韻を残す? なるほど確かに散歩道楽チック。(…って、そんなに観ているワケではないが)
なお、冒頭のコーラス場面の各人の表情がいかにも、でニヤリ。
ヘッドライン×デッドライン ダッシュ
劇団東京都鈴木区
遊空間がざびぃ(東京都)
2012/02/21 (火) ~ 2012/02/23 (木)公演終了
満足度★★★★
イキオイで駆け抜ける
いささか強引な部分もないではないが、イキオイで駆け抜ける感じ?
また、業界を目指す若者に先輩たちがさりげなくエールをおくる内容が現実とラップするようで(ズルいけれど(笑))ステキ。
セルフポートレート
colorchild
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/02/15 (水) ~ 2012/02/21 (火)公演終了
満足度★★★★
映像化された画面が見えるよう
諸般の事情により初演(未見)に沿った演出になったとのことだが、お得意の「想像力刺激演劇」の手法で見せる海洋冒険譚はその演技から映像化された場合の画面が目に見えるよう。
なお、今回のツボは序盤での伝声管を使った会話の表現や「ライトセーバー」(!)などの小ワザ。
僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】
Minami Produce
新宿眼科画廊(東京都)
2012/02/11 (土) ~ 2012/02/21 (火)公演終了
満足度★★★★
B:彼女との別れにおける考察
Aの「出会い」に対して「別れ」の考察であることからあれこれが対照的。なのでAでの「誤った記憶」側の話かと思うとそうでもなく、パラレルな世界の層はどんだけあるんだ?みたいな。
が、終演後に実は世界はA・B・Cの3つと聞いて驚いたり納得したり。ものの見事に謀られた感じはむしろ爽快。
AB両サイドを観てさらにそれを知った上でもう一度観るとまた新たな見方ができるんだろうなぁ。
レッドライン
劇団BOOGIE★WOOGIE
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/02/17 (金) ~ 2012/02/21 (火)公演終了
満足度★★★★★
やはり名作
内戦により暫定国境線で家を分断された一家を描いたコメディ。
がしかし中盤以降、家族や兄妹など肉親の繋がりに焦点を絞り、感動の結末に導くのが巧み。
また、観終わって今なお分断されている国に自然に想いを馳せる。
やはり名作、折に触れ演を重ねて欲しいと切に願う。
熱の華
セカイアジ
OFF OFFシアター(東京都)
2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了
満足度★★★★
まさに「シュールな昼ドラ、不条理な火サス」
女性失踪事件が中心だが、事件そのものよりも各人物に重きを置いてドラマ性を盛り上げるスタイル。
また、キーアイテムとなるモノが劇中で語られる以外に持つ意味を妄想すると作品世界の奥行きがグッと拡がる感じ。
時制の表現方法や幻想シーンの照明も◎。
僕らの心象風景における、いくつかの考察【公演終了いたしました。ご感想お待ちしております。】
Minami Produce
新宿眼科画廊(東京都)
2012/02/11 (土) ~ 2012/02/21 (火)公演終了
満足度★★★★
A:彼女との出会いにおける考察
なるほど確かに「心象風景」…でありながら考えようによってはパラレルワールド、あるいは過去に戻って「あの時ああしていれば…」を実行する時間モノの変奏ながらSF臭を消して見事。
主人公の「僕」が、哲学的な事を言う飼い犬(!)に導かれて辿る、スレ違い続けた女性と知り合うまでの記憶の旅路、いくつになっても浪漫を捨てられない男衆(σ(^-^) を含む)にはハート直撃か?
冒頭を筆頭に時折入るラップ風なパートも良きアクセントで◎。
ロボット
劇団三年物語
シアターサンモール(東京都)
2012/02/16 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了
満足度★★★
ロボットものの王道
いかにもロボットアニメにありそうな王道の設定ながら、「敵」に関してはSF大賞を受賞した某映画の設定に通ずる?
他にもロボットものに限らず真珠湾攻撃(!)などの歴史上の出来事も含め(作家が意図した・しないに関わらず)より多くのものと関連付けて観ればその分、より愉しめる?な感じ。
さらに自らを個体として識別し、戦闘データなどから学習するマザーコンピュータや戦闘ロボ、とSFマインドもたっぷりな中、終盤で殉死者1名によって全体を救うナニワ節に転ずるのはいささか違和感が。
(1人の命と引き換えに全体を救う、というある意味安易でもあるパターンは好みではないので)
あと、最終公演ということで思い入れやらサービス精神を盛り込むのも悪くはないが、休憩込み230分はさすがに長過ぎ。
観る側・演ずる側双方の消耗を考えればせめて3時間半を切るくらいにまとめるべきではなかったか?
昆虫美学
角角ストロガのフ
王子小劇場(東京都)
2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了
満足度★★★★
「糖衣錠の毒薬」
キャッチコピーを付けるならば「21世紀版怪談」「糖衣錠の毒薬」「連鎖し増殖する狂気・悪意」といったところか?
見た目はポップだが中身は毒々しいというのはもしかしてルミちゃんそのもの?(爆)
鵺的の『昆虫系』(奇しくも昆虫繋がりだ)と同様に実在の凄惨で血生臭い事件をモチーフにしながら、全く趣の異なる作品に仕上がっているのも興味深い…と言うか、演劇の醍醐味?
また、4ヶ所・5つの部屋をコンパクトに同居させた装置を使い、時として(劇中の)空間を跳び超える手口は今回も健在。それも多用せずに「ここぞ」という時き効果的に使うのがイイ。
ただ、角角を何度か観ているならまだしも、観劇数の多い方でも角角を初めて観る場合、ひく虞が無きにしも非ず、ましてや観劇初心者には「危険」かもなぁ?(笑)
君を好きにできない
コーヒーカップオーケストラ
遊空間がざびぃ(東京都)
2012/02/16 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了
満足度★★★★
「恋愛における真理」?
一見おバカでしょーもない戯画化された可笑しさの中に「恋愛における真理」的なものや一部の人物の成長が見え隠れしたりしなかったり?(笑)
考えようによってはコーヒーカップオーケストラ版『夏の夜の夢』であったりなかったり?…いやそんな大層なモノではないんだが。(爆)
エレジー
ULPS
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2012/02/14 (火) ~ 2012/02/20 (月)公演終了
満足度★★★★
気分は紀伊國屋ホールか俳優座劇場
ユーモラスな中にペーソスが練り込まれるなどいかにもベテランの作品で、その落ち着いた雰囲気も相俟って気分は紀伊國屋ホールか俳優座劇場。
頑固オヤジと気の強い若い女性の取り合わせ(+α)にアーネスト・トンプソンの『黄昏』を連想したりも。
鏡に映らない女 記憶に残らない男
企画演劇集団ボクラ団義
SPACE107(東京都)
2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了
満足度★★★★
ボク団マジック健在
1点苦しい部分があるが、そこに目をつぶれば上出来なサスペンス。
程よくヒントをちりばめ観客に先を読ませて覆し…な展開が巧く、1人複数役・複数人1役など演劇ならではの手法を使いそれを楽屋落ち気味な笑いに応用するのも楽しい。
かくて休憩なし165分の従来よりもさらに長い上演時間も2時間余にしか感じられず。
また、鏡がキーワードな作品だけにOP映像のクレジットも様々な鏡像を駆使してスタイリッシュ。そのデザインだけでも十分にモトは取れる感じ。
(ネタバレあり)
vision
温泉ドラゴン
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/02/12 (日) ~ 2012/02/19 (日)公演終了
満足度★★★★
考えようによっては「逆怪談」?
いわゆる「オトコ所帯に女が1人」系かと思わせておいての意外な展開。
終盤で思わぬ方向に行って唸っていたらさらに驚愕のオチに導かれてギャフン。
途中で「こういうコトなの?」と思ったのは「蒔き餌」で、そこに気をとられていたらもっと大きな罠に気付かなかった、的な。
(以下ネタバレBOXへ)
Tripod
靖二(せいじ)
明石スタジオ(東京都)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/13 (月)公演終了
満足度★★★★
オトナの味わいを堪能
大学写真部時代から10年以上の付き合いとなる気心知れた仲間たちを描きながらも生き方(の選択)の違いなどが浮き上がってくるというオトナの味わいを堪能。
また、男優陣がいずれも「カメラマンっぽい」風貌なことにニヤリ。
ハローワーク
国分寺大人倶楽部
テアトルBONBON(東京都)
2012/02/08 (水) ~ 2012/02/19 (日)公演終了
満足度★★★★
正攻法でありながら同時にトリッキー
少人数の印刷工場での1日を、「あるある」「いるいる」系のネタを絡ませつつじっくりと描いて下地を作っておいて終盤で爆発(?)させ、丸く収まったりそうでなかったりの後に…(自粛)…とは。
なお、一部の人物については他人事としてニヤニヤしながら見ていたが、実際に身近にいたらイラつくだろうなぁ。(笑)
いっぽんの木【終演しました!ありがとうございました】
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
pit北/区域(東京都)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
考えるのではなく感じる作品
文学で言えば小説ではなく散文詩、的な?
長い年月あるいは生命の象徴である「いっぽんの木」と点描風に演じられる人の営みの対比を感じ取れるか否かが評価の分かれ目?
起承転結がはっきりした「物語」ではないので、考えるのではなく感じる作品と言えるのではあるまいか。
バックギャモン・プレイヤード
カムヰヤッセン
吉祥寺シアター(東京都)
2012/02/09 (木) ~ 2012/02/13 (月)公演終了
満足度★★★★
シンプルに見えるが含みは沢山
シンプルかつベーシックであるがゆえにもっと小さな友人関係から歴史上の国家のレベルまで当て嵌めて受け取ることができるのがミソ。
なので、舞台上の出来事の「奥にあるもの」を観ると言うかそこからインスピレーションを発展させて自分の中で発展させることができるか、演じられている表層だけ観るか、によって評価が異なるのではあるまいか?
また、時折舞台と客席の「垣根」を超えて人物の心情がこちらの心に飛び込んで来る感覚は3-D映画の如し? 他にもいくつかの台詞が心に刺さったし。
その場に居合わせているように感じる「サラウンド」的なものはままあるが、こういうのはあまりないなぁ…(個人の感想です)
Re;リヴァイヴ -IN THE END-
空想天象儀
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2012/02/10 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★
思わぬ落とし所
山田悠介の小説のような世界でありながら、思わぬ落とし所に持って行くのが巧み。
また、真相を劇中で明かす前に観客に悟らせて優越感を持たせるヒントを提示するのもニクい。
がしかし、ミノルがあそこに送られるのはちょっと無理がないか?
真冬の夜の夢
平熱43度
ワーサルシアター(東京都)
2012/02/08 (水) ~ 2012/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★
ファンタジー気味の冒険活劇として上出来
タイトルや登場人物名に沙翁からの引用を多用している割に内容や役どころに反映されてない憾み無きにしも非ずながら、それを別にすればファンタジー気味の冒険活劇として上出来。
序盤で作品世界に組み込まれたシカケのヒントをさりげなく提示しているのもフェアで◎。