遠吠岬は夕曇り【ご来場ありがとうございました!】
劇団ぺブル(ペブル・グラベル)
中野スタジオあくとれ(東京都)
2012/03/30 (金) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
会話・台詞が巧みで楽しい
ストーリーがしっかりしている上に細かいくすぐりや「島言葉」なども含め会話・台詞が(演技と相俟って)巧みで楽しい。
がしかし、小劇場芝居としては暗転が多く長めなのが珠に疵か?
あと、冒頭、誰がどんな役だかワカらないうちの回想的シーンが初めて本作を観る身には理解し辛いのも疵?
一方、地方の港町の定食屋を再現した装置は(メニュー単価が高いことを除き(笑))見事で、下手側壁に貼ってある観光案内は終演後にじっくり見ることを推奨。
上演時間120分
ボーダー・ラインブレイカー
ハチビットプラネット
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2012/03/28 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
旗揚げ作の路線ふたたび
「地球によく似た星の紛争中の国の出来事」ということで、一目惚れした旗揚げ作品『朝焼けのパレード』路線ふたたび、なのが嬉しい上にいくつかのアメリカ映画(ネタバレBOX参照)を彷彿とさせて頬が緩む。
ホント、設定の巧いこと!
また、「赤石さん」の「外国人が話す言葉」という設定の「翻訳的な」感じも◎。
ただ、以前ほど特撮・アニメ関連のネタが出て来ないのがちょっと残念?
なにもいらない ―山頭火と放哉
劇団俳小
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2012/03/21 (水) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しく、勉強になりましたぁ
いくつかの句を知っているだけだった2人の俳人について改めていろいろ知ることができて「勉強になるなぁ」的な。
また著名人の評伝的な内容をユーモアを交えて描く内容に井上ひさし作品を連想。(著名人の霊がメインに近い役として登場するのも然り)
ジョギリ婦人
芝居流通センターデス電所
「劇」小劇場(東京都)
2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
観応え充分
「司法制度の弱点と私刑の是非」「罪と赦し」などによって土台をしっかりさせたストーリーをスプラッタ+心理ホラー+サム・ペキンパー風味で調えて観応え充分。
楽曲については歌の伴奏がピアノだけなので却ってミュージカル度が強くなった感じ?
「ホテルニューパンプシャー206」(3月)
劇団6番シード
Geki地下Liberty(東京都)
2012/03/22 (木) ~ 2012/03/27 (火)公演終了
満足度★★★★
さすが4演目
4演目だけに前半のドタバタ気味から中盤でライトミステリに転じ、謎解きを経て絶妙な所に落とす全体の構成がイイ。
が、ビデオカムは液晶モニター付きにすべきだし、それより薬莢が落ちているならオートマでなくっちゃ…。
とはいえ録画内容を見るシーンの見せ方、会場の使い方(あそこを劇中の入口にするとは!)なども良く、田代と理香のメイクも楽しい。田代が時としてローワン・アトキンソンに見えたとか見えなかったとか。(笑)
七人の白雪姫~同時上演 七人の桃太郎~【満員御礼の中、無事終演致しました!】
X-QUEST
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/23 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
トクナガワールド絶好調
童話、お伽噺、神話のSF風翻案にナンセンスコント(!)や殺陣・ダンスを取り合わせ、時事ネタや言葉遊びをまぶしたスタイルはもはや独壇場か。
また、アラフォーも少なからずいるのに身体の動きがシャープでキレイ。
もはや様式美の域かも?
終末は、星の煌めく車窓から
United Artists 1八や
劇場MOMO(東京都)
2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤での作品世界の広がりようには度胆を抜かれる
終焉が近いとされる世界でのクライムサスペンス、ではありつつ笑いも多く、しかも怪しい人物がコメディリリーフとは珍しいと思っていたらどんでん返しがあり、サスペンスとしては詰めが甘いと思う間もなく驚愕の大オチに。
しかも仏教、聖書、銀河鉄道(999&賢治)と何でもアリで、終盤での作品世界の広がりようには度胆を抜かれる。
夏への扉
雀組ホエールズ
OFF OFFシアター(東京都)
2012/03/21 (水) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
極めて日本的なタイムスリップもの
タイムスリップ系ながら、ある不正が正されたりしないあたりはいかにも日本的?
一部クドいほどアクの強いキャラもいて、どちらかと言えば商業演劇系の演出ではないかと推察したりもする。
なお、先述の1人を除いて各キャラの造形が良く、中でもアリスの忙しウサギ的な人物は秀逸。
小田急線で会わせに行きます
ジェットラグ
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
ベッドシーンに入浴シーンに
不仲で疎遠だった対照的な姉妹の物語。
奥手の姉の恋愛ネタが微笑ましく、どことなく単館レイト上映の映画に似たムードが懐かしい。
それにしてもあのベッドシーンったら、コントすれすれだし…(笑)
春風
年年有魚
駅前劇場(東京都)
2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
構成・配分がステキ
全体的にはユーモラスな中、織り込まれた2つの事柄がちょっぴり切なくて引き締めている感じ。
そしてその2点によって「家族の絆」的なものが浮き上がってきて、そんな構成・配分がステキ。
オルフェゴッコ
双数姉妹
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了
満足度★★★★
オルフェウスの神話
まさしくオルフェウスの神話のまま。
それを実に巧みに現代版(でもないか?)に翻案し、インプロらしきパートも交えて膨らませて独特の味わいあり。
主人公の秘書が飲む珈琲の杯数から、悠久の時の流れを感じさせるのもイイ。
二十三世紀
sons wo:
プロト・シアター(東京都)
2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
ヤな未来だねー!
最初は舞台設定から、壊れかけのアンドロイドたちかと思っていたけれど、会話(と言えるのか?)内容から察するに人間のようで…。
さらに照明の色合いから、外は西部劇でお馴染みの乾いた草の塊が風に吹かれて転がるアレ的な気もして。
そうすると早口で無機質な感じの台詞回しも「未来語」のように感じられて、H.G.ウエルズの「タイムマシン」の遥か未来なども連想してしまい、暗澹たる気持ちになったのさ。
ワカモノはもっとアカルイミライを夢見てくれぃ!(笑)
(以上誤読含む私見)
岡田あがさ リーディング公演「INTIMACY」【閉幕しました】
オーストラ・マコンドー
CCAAアートプラザ ランプ坂ギャラリー ランプ3(四ツ谷)(東京都)
2012/03/24 (土) ~ 2012/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
組み合わせの妙
片や小説・映画からインスパイアされた愛に関する考察、片や(ダークな面もあるが)童話がベースということもあってか岡田あがさ「INTIMACY」は直線的、佐藤みゆき「くちづけ」は丸みをおびた感覚と好対照。
まさに組み合わせの妙。
囁く夜と飴玉のいくつか
スミカ
百想(re:tail別館)(東京都)
2012/03/14 (水) ~ 2012/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
会場との相乗効果
メルヘンチックだったりミステリアスだったりな味わいが会場の落ち着いた雰囲気と相乗効果をあげて作品世界に没入する(ってか「いつしか引き込まれていた」的な)。
短編オムニバスということでちょっと漱石の「夢十夜」を連想したりもして。
ところで1編目の王女は死んでいるワケではないですよね?(←M0がアレなので、つい…)
Wブッキング
ウカレコーポ
Blue-t(笹塚)(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
黒ver.
女流作家2人の盗作疑惑、思いがけない真相もさることながら、劇中設定通りの喫茶店での上演にピアノの生演奏付きとはオシャレ。
女性キャストが逆で異なる演出のもう一方も観たかったなぁ、想像がつかないもの。
母語を醸す
カトリ企画ANNEX
日本基督教団 巣鴨教会(東京都)
2012/03/18 (日) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
本編、座談会ともに楽しむ
谷崎潤一郎の「お国と五平」をテキストとした劇作家によるリーディング公演。
美談とされがちな仇討ちの裏にあるものを皮肉な目で明らかにした本編、戯曲と台本の違いや劇作の裏話など聴けたアフタートークとも楽しむ。
で、現代に翻案するなら兄嫁と弟だよね。
A MIDSUMMMER NIGHT'S DREAM
声を出すと気持ちいいの会
小劇場 楽園(東京都)
2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★
狙いはワカるが…
DREAM というよりは NIGHTMARE な落とし方で、あの日の前と後で変わらない事・欠落したものを対比させて際立たせるのには有効だが、元ネタの持ち味を全く殺してしまっているのがひっかかる、みたいな。
3つの題材の取り合わせ・組み合わせ方が巧みなだけにギャップがよりはっきり浮かび上がったのか?(とすれば、狙いにまんまと乗せられたワケだが)
また、女性陣それぞれにいたさせてしまう(爆)のもいかがなものかと…。
ハッピーハッピーブサイク
20歳の国
吉祥寺櫂スタジオ(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
建国の滑り出しは順調で何より
あるクリスマスパーティーの様子を一通り見せてからその裏で起きていたことを見せ、さらにそれらの背後にあったものを明かす構成が鮮やか。
物語的にも「あるある」「ありそー」であったり、どこか郷愁をそそられたりで満足。
建国の滑り出しは好調、といったところで何より。
葵の下
劇団阿佐ヶ谷南南京小僧
座・高円寺2(東京都)
2012/03/16 (金) ~ 2012/03/16 (金)公演終了
満足度★★★
阿佐南ド真ん中
当日パンフレットにもあるように元ネタである「葵上」とはほぼ無関係に繰り広げられる商店街での騒動記、初期の「歌謡芝居」テイストに組体操風なモノまで取り入れて、阿佐南の王道?(笑)
それにしてもこの1ステージだけのために新作を書き下ろすとは…
掏摸―スリ―
サイバー∴サイコロジック
OFF OFFシアター(東京都)
2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★
従来作よりも重厚?
原作ものという先入観もあってか従来作よりも重厚な印象。
そんな中、主人公の父親に対するコンプレックスが前面に押し出されていて非常に共感を憶える。
で、ベッドから父親が登場するホラー映画風のシーンには大笑い。