ピカレスク・ホテル
ジェイ.クリップ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/12/13 (火) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
設定の妙が可笑しくて切ない
20年以上前のシリーズが復活したのだと言うが、シンプルなホテルの一室を舞台に男女の会話劇というのが何だか新鮮。90分の2本立てというのもコンパクトで丁度良い。1本目は「高校教師がデリヘルを頼んだら元教え子がやってきた」というストーリー。ラッパ屋のおかやまはじめさん、厳格な教師が別の面を素直にさらけ出すのが可笑しい。ハイバイに出ていた内田慈さんが、ここでは素朴そうに見えたマッサージ嬢が次第に主導権を握っていく過程を力まずに見せて素晴らしい。
2本目は「12年も付き合っていて結婚に踏み切れない女と男」の会話。長い付き合いの男女それぞれのこだわりどころとかみ合わない価値観が浮き彫りになってくる。
江口のりこさんのゆるいけど強情な女が上手い。ピアノの生演奏が会話を邪魔せず心地よい。息の合ったテンポの良い会話劇の楽しさを十分堪能させてくれるこのシリーズ、ぜひ続けて欲しいと思う。
エクソシストたち
渡辺源四郎商店
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
まるで井上ひさし作品のよう
丸いちゃぶ台だけのセットなのに、照明で鮮やかに場面が切り替わる。
3.11をあんな風にとらえた作品を私は他に知らない。
どこのクラスにもいる老け顔の小学生。
あとで大学生と知って驚愕した。
突っ立っているだけで、複雑な家庭に翻弄される11歳になっている。
イタコに呼びだされて戻ってきた元夫の台詞の「間」の素晴らしさ。
このテーマ、この構成を選んだ畑澤氏に脱帽。
しかも怪しいエクソシスト達の可笑しさと言ったら・・・。
シリアスなテーマにユーモアを混ぜ込んでくるくるねじって見せる、
畑澤さん、これはまるで井上ひさし作品のようです。
深呼吸する惑星
サードステージ
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/11/26 (土) ~ 2011/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★
最初で最後の第三舞台
観劇経験の浅い私はこれが初めての第三舞台。
いやー、第三舞台ってこういうのだったのか!
ギャグあり、ダンスあり、被り物あり(被り物ダンスが素敵)・・・。
筧利夫のオーラの源泉はここであったかと改めて感じる。
改めて、多くの劇団が第三舞台の後に続いて来たのだと思った。
鴻上さんの手書きの「ごあいさつ」が温かく、心に残っている。
舞台も客席も本当に楽しそうだった。
あ、それから斉藤和義の楽曲を使っていたのが最高!
黄金時代(仮)~【公演終了致しました。皆様、有難うございました。次回作もご期待下さい。】
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2011/11/19 (土) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
ホスピタリティ溢れる超マイペ劇団
久々の夢現舎は、公演チラシからして謎めいていた。
「その風が吹いた時、どこにでもいるような 私が 人を殺めました・・・。」
入口でもらった「立会人」のカードを首から下げて
3つのバラバラ殺人事件の「実況見分」に私は立ち会った。
益田さん、と高橋さんの強力な両輪によって夢現舎は転がる。
──人は何故誰かを殺すのか?
時に殺したくない人まで、殺してしまう
その爆発的なエネルギーはどこから来るのか?
水色のバスタブに自分の居場所を見出した女たちは
凶器が目に入ると、ためらわずそれを手にする。
緊迫した謎解きを、台詞のくり返しがところどころで
堰き止めてしまったのが残念。
相変わらず公演本体に加えて様々なアプローチで
観客にも参加する楽しみを与えてくれる。
公演案内や入場券、座席、アンケートの返送など
全てにアイデアと手間をかけて楽しませてくれる。
その結果、また行きたくなるから効果は絶大!
東京ミルクホールの快傑ハリマオ〜双頭の虎DX〜
劇団東京ミルクホール
SPACE107(東京都)
2011/11/16 (水) ~ 2011/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★
あれ?グンちゃん?!
相変わらずの美し過ぎる男子校、浜本ゆたかのキレのいい動きに加えて
まるでグンちゃんと見紛うような美形がひとり!
バビ市、ちっちゃい顔からまつ毛がはみ出て今度も徹底エンタメありがとう!