たからの観てきた!クチコミ一覧

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泣き方を忘れた老人は博物館でミルとフィーユの夢をみる(爆撃の音を聞きながら)

泣き方を忘れた老人は博物館でミルとフィーユの夢をみる(爆撃の音を聞きながら)

おぼんろ

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2013/04/06 (土) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

底が浅い
ここでの評価は高いのですが。

ネタバレBOX

粗筋は多くの方が書きこんでらっしゃいますので割愛します。物語の軸はミルとフィーユの二人の場面だったような気がします。

博物館にやってきた老人はここで『ゆめみるふぃーゆ』という芝居を観るという劇中劇ですが、その構造は3重になっており、多くの伏線が拡散され終盤では見事に回収されていましたが、主軸となるミルとフィーユの物語の底が浅く、見応えはありませんでした。

2人の間のファンタジーやフィーユの涙を乾かす役目を担うミルの道程が描かれていたなら、また違ったと思います。あくまで、ここでの老人はミルとフィーユの物語に観客を誘う役割しかありません。だとしたら、その誘った先の物語に脚本の熱量を注ぐべきと感じました。

それでも40分という短い公演時間で劇中劇を構築させるのは大変なことだとお察しします。次回も頑張ってください。

太陽よ、汝は動かず

太陽よ、汝は動かず

異魂

OFF OFFシアター(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

伸びしろに期待
新妻が、夫の家族との生活を通じて嫁になる様子が上手く描かれていたと思います。

ネタバレBOX

ドライな妻と自分勝手な夫家族+αの鉢合わせから始まる冒頭は、とてもドラマチックでした。最初は我が儘でイヤな奴だった鬼嫁が、北風と太陽作戦で夫家族の追い出しに成功するものの、一抹の寂しさを感じる結末までの展開は説得力があり見事でした。良く考えると夫が一番無責任で、腹立たしく、陽子の今後が思いやられますが、実家族に恵まれなかった陽子が、新たな家族の一員となって、夫を尻に敷いて、しっかりまとめて行くような気もします。

頼りない兄弟と父親が陽子に懐柔されていく様子が、上手く描かれていました。施設職員の傷害問題や売れない舞台俳優の苦労話など、信憑性溢れる設定も良かったです。

演出では、狭い舞台で大掛かりな転換など、意欲的な取り組みが見られました。いくつか、大事な場面で見切れが大きい気がしました。挿入歌の中島みゆきの曲は作品のイメージにピッタリでした。女性の力強さが端的に表現されていたと思います。

演技も素晴らしかったです。複数の役を演じる方も、演じ分けが見事でした。特に父役が良かったです。昔の優しい父親を好演していました。陽子役は、心情の変化を上手く表現していたと思います。一見、筋が通っていなくても、女性として気持ちの変化が理解出来ました。

サンダー役はとぼけた感じが絶妙でした。長男役との刑事ドラマの掛け合いは不発な感じがありましたが、ハズしている様子も面白かったです。犬と母と太陽役は、多才な印象です。芸達者な役者陣の中でも、力強さが際立ち、タイトルを象徴しているようでした。

家族の物語の中で女性の強さが語られており、見ていて気持ちがいい作品でした。今後の活躍に期待します。

スタッフの皆様にはご迷惑をおかけしました。下手側の席しかなくて、沢山のお客様の邪魔になってしまったので、もう少しフォローして貰えたら嬉しかったです。または、入口側の立ち見でも良いので、配慮頂けると助かります。

巣鴨バスターズ

巣鴨バスターズ

劇団S.W.A.T!

「劇」小劇場(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

スカッとした瞬間
巣鴨バスターズの3老人が迷惑な乗客をやっつける場面で思わず拍手をしました。

ネタバレBOX

電車内のセットが素晴らしいです。そしてホームではそれなりに人が動く様もリアルで感心しました。物語はベタな内容ですが、とても共感が持てました。迷惑な乗客ごもっとぶっ飛んだ設定でも良かったような気はしましたが、とても楽しめた舞台でした。
知恵と希望と極悪キノコ

知恵と希望と極悪キノコ

LIVES(ライヴズ)

シアタートラム(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

タイトルの意味
主役は極悪キノコでも仮面ライダーでもありません。6人の毒キノコ!

ネタバレBOX

売れない役者とキノコ軍団のエピソードに実感がこもっていました。最近のライダー物の内容が複雑化している時流も捉えており、着眼点が良かったと思います。ジャンケンのみでメンバーを選ぶアイドルグループも面白かったです。

使い捨てのキノコ団に自分たちの姿を重ねる所が印象的で、戦闘員Aの最期の台詞が泣けました。悲哀と卑猥の聞き間違いも面白かったです。照明さん達が本場の博多ラーメンを食べに行くエピソードは面白かったのですが、核となる話の筋と関連が薄く、突発的な感じもありました。

あと、戦闘員の失敗がCに集中していたのが気になりました。Cに腹がたちますし、監督の戦闘員シーンのカットが暴挙にも思えました。脇が立ちすぎる感じもあり、少し散文的な印象ですが、ドタバタぶりは良く伝わりましたし、展開は面白かったです。

演出は、広い舞台を余すところなく使い、制作のドタバタが存分に表現されていたと思います。特に、昔を懐かしむ場面などでスムーズに場面変化するのが素晴らしかったです。また、序盤の制作会見中、下手で戦闘員達がずっと踊るなど、細かな演出も楽しかったです。ただ、喫煙所の横の自販機に行くのに、喫煙所方向ではなくトイレ方向に出て行ったのは気になりました。聞き違いでしたら、すみません。

演技は、6人のキノコ団だけでなく、他の役もそれぞれに個性が出ていて面白かったです。監督は目つきが変わるのが面白かったです。JKPの3人も可愛く、キノコ団に勝利した後のガッツポーズが面白かったです。ざます婦人の女優さんは立ち居振る舞いが良く、終盤に夫に惚れ直す場面が面白かったです。戦闘員達は、少し他の役に喰われた感じがありましたが、小物感が良く出ていました。

キャストが多く、豪華で歌あり踊りありの楽しい舞台でした。スタッフワークも良く、楽しく拝見しました。

東京ノーヴイ・レパートリーシアター第9シーズン

東京ノーヴイ・レパートリーシアター第9シーズン

TOKYO NOVYI・ART

東京ノーヴイ・レパートリーシアター(東京都)

2013/02/01 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

賢治童話2本立て
椅子も良いし、素敵な劇場ですね~

宮沢賢治の世界観が良く現れた舞台だと思います。独特の演出でスキがない感じでした。

ネタバレBOX

1本目の落語は、頑張っている感じが良く伝わりましたが、素人くささも感じました。高座ではなく、舞台床で見下ろす形に違和感があったこともありました。客席も横長で特殊だったので、落語の長所が出ていなかった気がしました。特に、小咄は客いじりが不発な印象です。色んなドングリの演じ分けは良かったです。オチは小粒な感じがしましたが、賢治らしさが残って良かったとも思います。

2本目の演劇は人形や衣装が独特で良かったです。人形の素朴な表情が世界観にあっていて、動きも見事でした。右手しか動かせないので、左側に動く時は顔が腕の陰になってしまうのが残念でしたが、あまり気になりませんでした。鹿は6頭がそれぞれ個性があって良かったです。特にお面や吹き流しを使ったのが面白かったです。

演出がロシアの有名な方とのことで、鹿の衣装や表現に独特の雰囲気を感じましたが、賢治らしさに合っていたと思います。並んでピョンピョン出入りするのが、スゴく可愛かったです。

落語、演劇ともにお囃子が素晴らしく、色んな音を豊かに表現していたのが良かったです。演劇の時は、角をつけて鹿になっていたのも微笑ましかったです。
全体的に静かで、せりふ回しも丁寧で、ゆったりと時が流れる感じが心地よい舞台でした。静かな中に不思議な感覚やおかしみが感じられて、宮沢賢治らしさを感じました。小規模ながら、上質な舞台を見せて頂き、ありがとうございました。

つきあたりを見上げれば…【無事に終演致しました。ご来場頂きありがとうございました!】

つきあたりを見上げれば…【無事に終演致しました。ご来場頂きありがとうございました!】

劇団宇宙キャンパス

吉祥寺シアター(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/10 (水)公演終了

満足度★★★★

喫茶店での群像劇
かなりドタバタしている人間模様を描いた作品でした。

ネタバレBOX

喫茶店の買収にヤクザが絡んだり、オカマが登場したりと登場人物が極端な感じもしましたが、コメディ色を強く押し出した舞台だったような気がしました。シマ一番の暴力団が、あっさりと喫茶店を手放してしまうのは、ちょっと違和感がありましたが、めでたしめでたし。で終わりました。
楽しかったです。
【公演終了】喜劇、泡沫(うたかた)煎餅【次回は10月です】

【公演終了】喜劇、泡沫(うたかた)煎餅【次回は10月です】

映像・舞台企画集団ハルベリー

シアター711(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

満点
とぉーっても楽しかったです。下手最前列の端に座っていたら、目の前で胸の谷間を見せられたり、白ブリーフで踊ったり(目の前にポイントが…)、とサービス満載でした
特等席ならアナウンスしてよ~な気持ちでした

ネタバレBOX

とても面白い話でした。良く考えると煎餅さんの好色振りが際だちますが、田舎や昔はありがちな気がします。
2時間近い作品でしたが、展開のスピード、エピソードのバランスが良く、非常に練れた脚本だと思います。序盤、煎餅さんが家政婦の悦子さんを呼び捨てにするのが気になりましたが、伏線になっていて切なくなりました。

唯一、満代が捕まる際に、書き置きを読んだからマフラーだと分かったという流れがありましたが、書き置きの内容に触れなかったので、悦子や絵実には伝わりにくかった気がします。煎餅の気持ちが最も良く現れた書き置きだったので、内容に触れて欲しかったです。

演劇サークルの「田」マーク(デンマーク)がツボでした。早変わりも凄かったです。なぜ半裸なのかはさておき、面白かったです。また、終盤で獄中の満代の独白から背後の幕が覆い被さる場面が印象的でした。ただ、煎餅家の畳が古すぎて、資産家らしさに欠けました。あと、煎餅さんの遺影に黒リボンがあっても良かった気がします。

演技では、煎餅役が印象的でした。自殺の決意を秘めた演技が素晴らしかったです。背筋伸ばしも面白かったです。悦子役の独白も見事でした。親子と明かせなかった思いが切々と伝わりました。満代は、個性的な姉を好演し、幸子のとぼけた感じとのバランスも良かったです。お揃いの青いシャツがキャラを象徴しているようでした。決まりポーズも面白かったです。

東野警部は声がとても良かったです。聞き取りやすく、説得力がありました。演技が固い印象ですが、キャリアっぽいとも思います。滝本役は、パンフレットの内容から口元が気になりました。前歯をしっかり見せる場面があれば嬉しかったです。薄井役は、三枚目役にピッタリでした。早変わり後、警官の衣装の時に、制服の腰の辺りが乱れていたのが気になりました。ベルト位置が決まっていない印象です。

西岡役は、微妙なウケのギャグが面白かったです。弱気にならず、押していって欲しいです。田嶋役は、重量感がある演技が良かったです。せんとくんは位置も抜群でした。腹踊りの場面で、もう少しせんとくんが活き活きと動くと良かった気がします。絵実役はしっかりした感じが良かったです。

藤沼役は吐きすぎな印象です。フリでも吐きかけられるのはイヤでした。シェークスピアの時のメイクは面白かったです。餅子役は体を張った演技が良かったです。ムギュは、場所があれば、男性の前でやってあげた方が良い気がします。

技術では、餅子の足音がズレてしまったり、スモーク機の調子が悪い印象でした。ここぞという場面では問題なかったのは流石です。
スタッフワークも良くて、楽しく拝見しました。席を探すときに参考に座って下さったり、親切な方が多かったです。ただ、小さい椅子で前が詰まっていると、約2時間は辛かったです。良くできていますし、もう少し大きい舞台で見てみたい作品でした。

Re-Birth

Re-Birth

劇団龍門

劇場MOMO(東京都)

2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★

コメディらしい。
前説の話しではコメディ99%らしいのですが、

ネタバレBOX

ある警察官の暴走から追われることになった、その息子が逃げ込んだ先はオカマバーでした。そこで巻き起きる人間模様を描いた作品でした。

全体的にユルーイコメディでしたが本来の[愛は地球を救う]というテーマがはっきりしない脚本でした。ですから、元警察官が何故、地球を救う為にオカマになったのかが、はっきりしませんでした。

コメディとシリアスが混在しているお芝居でした。
うそつき

うそつき

踊れ場

RAFT(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

意外性に富み、良くできた作品
脚本は、田舎町に現れた男と小さなガソリンスタンドの男女の交流を生き生きと描き、背景の戦争を元に傷痍軍人の生き様や思いを冷静に語る流れに現実味があり、奥行きを感じました。言葉の選び方にセンスがあり、軽妙なやり取りとシリアスな展開のバランスが良かったです。終盤のどんでん返しも秀逸でした。

ネタバレBOX

演出は、最低限の装置で異国の田舎の雰囲気を良く出していたと思います。時々椅子に登って話す場面があり、メリハリが出た印象です。最初はスランプが運ばれていたのが不思議でしたが、最後に伏線だったことが分かりスッキリしました。脚本の鍵を見事に表していたと思います。変に凝らずに、素直に見せてもらえた気がしましたが、作品のコンセプトに良く合っていたと思います。

ナイル役は、演技力、滑舌が良く、舞台の大黒柱になっていました。鳥籠に象が入らないとか、熱い水はお湯とかの場面のツッコミが、間も良くて面白かったです。

板垣役は、都会のお坊ちゃんぽい雰囲気が良かったです。滑舌が課題だと思いました。熱い水の場面は、ナイルのツッコミで現実に戻って欲しかったのですが、直前の感情の高ぶりが残ったのが残念です。難しいとは思いますが、もう少し切り替えがはっきりした方が面白いと思います。

ギーコ役は、ロボット疑惑も納得できる演技が良かったです。劇場が狭いので、大声の場面ではボリュームを少し落としてもらった方が嬉しかったです。耳が痛いし、聞き取りづらくて残念でした。あと衣装が冬物っぽかったので、夏服か人工的な素材の方が良いと思いました。

スランプ役は、とぼけた感じが可愛かったです。オチにピッタリでした。ただ、滑舌は課題だと思います。文字で書くと難しいのですが「港町」が「「ミナ」と「マチ」」に聞こえるように、イントネーションが違った単語があり、時々混乱しました。

初日のためか、全体的に噛みが多く、台詞の流れがスムーズに行かなかった印象です。良い脚本ですし、上演時間も短めなので、少し、スピードを落としてもらえると助かります。回を重ねるにつれ、良くなると思います。
スタッフワークも良く、気持ちよく観劇できました。

ドブ、ギワギワの女たち

ドブ、ギワギワの女たち

ネルケプランニング

【閉館】AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都)

2013/03/29 (金) ~ 2013/04/01 (月)公演終了

満足度★★★

シュールで不条理でした。
とても賑やかで楽しい舞台でした。OLや主婦の不満を過激に表現したら、このような舞台になる気がしました。

ネタバレBOX


表現方法はともあれ、総務課対財務課、社内不倫、業務上横領や婦人会の揉め事など、デフォルメはあるものの面白い展開でした。

演出は、明るい狂気という表現にぴったりだと思います。ダンスやフィナーレの大騒ぎなど、女性ならではの華やかな感じが良かったです。広い舞台を上手く使っており、比較的小柄な女優陣の存在感が大きく感じられました。

ただ、下品とも感じました。濡れ場はともかく設定や流れにも泥臭い感じがあり、本能的な印象を受けました。好き嫌いが極端に別れる作品だと思います。楽しい場面も沢山ありましたが、一番ウケたのが転換トラブルだったのは気になりました。

スタイルがいい女優陣が多く、とても華がありました。演技ではオカマっぽい主婦の佐々木さんが印象的でした。買い出しで揉めるのが面白かったです。ただ、滑舌や発声が悪い方も多く、セリフが聞き取れない場面も多かったです。高いヒールで軽々と動くのは流石でした。転換トラブルの際も出演者みんなで力を合わせて乗り切ったり、応援したい気持ちになりました。

最後は舞台上に雨が降ったり、途中も滑りやすい舞台で、実際に転倒も何度かありましたが、素早く演技に戻る姿は好感が持てました。開演前から暗幕にメッセージが表示されていたり、女性らしい可愛らしさを感じました。スタッフワークも良く、気持ちよく拝見できました。千秋楽に華やかな大舞台を見せて頂き、ありがとうございました。お疲れ様でした。

ソンデネヴァ!

ソンデネヴァ!

発条ロールシアター

タイニイアリス(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

惜しいんですが、決め手に欠けました。
タイムスリップものにアイヌと東北の文化の謎を交えて物語が展開し、知的な作品に仕上がっていたように思いました。

ネタバレBOX

アンケート項目でお答えします。
最前列に座りましたが、会場は窮屈でした。スペースに余裕があったので、もう少しゆっくり座らせて欲しかったです。幸い、隣が空いていたので助かりました。桟敷席はお尻が痛いので、後半はもじもじする人が多かったと思います。空調は丁度良かったです。

好きな登場人物はウラネシです。クールビューティーな感じが素敵でした。終盤に千世に別れを告げた早川に成長を感じて惚れそうになりましたが、草食過ぎる気がしました。似ているというか、カオリの生き方は好きです。強いなぁと感心しました。老後はカンカイさんみたいな頼もしいおばあちゃんになりたいです。

印象に残ったセリフは、最後の早川の「元気でね」です。きっと縋ると思っていたので意外でした。早川の気持ちが切なくて、涙を誘われました。千世の「楽しかったよ」の返しも良かったです。

お気に入りの場面は、ウラネシがご飯をがっつく場面とチセが跳ね回っている場面です。どちらもとても面白かったです。

タイムスリップの転換が凄かったです。狭い舞台でガラリと変わるので、驚きました。早川は最初から情けなくて、原始時代でチセを好きになる様子を見て、人の外見しか見ない薄っぺらさに腹もたちましたが、ニコニコと順応したり、最後に千世に別れを告げる流れでファンが増えたと思います。良い役所でした。役者さんのイメージにも合っていたと思います。原始時代の人達は野性味溢れる演技が見事でした。

前説でカオリさんが、癖かもしれませんが、手を後ろにしたままお辞儀をしたのが気になりました。観劇回が千秋楽とのことで、キャスト紹介も楽しかったです。スタッフの皆様もお疲れ様でした。

お父さんの背中

お父さんの背中

劇団かさぶた

劇場MOMO(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/04/01 (月)公演終了

満足度★★★

不条理
制作者の狙い通り、「なんか分からないけど面白かった」ような気もします。ただ、瞬間的に面白い反面、全体を通すと、理解を超えていて退屈な場面もあったように思います。

ネタバレBOX

一つの核となる貼り絵画家と息子の人生を辿る流れは良かったと思います。施しを与えた相手に殺される不条理や、結婚式に父の命日が重なる展開は興味深かったです。

ムシズに乗る面々は画家の中の思いが具現化しているように思いました。とても抽象的であり、観念的な話だと思いましたが、もう一方の照子の話は現実社会での事件を連想させ、具体的だったので、ふたつの物語が不調和を起こしていたように感じました。

砂川教授と浅井君の掛け合いは面白かったです。分かりにくいことを予測したとのことですが、消化不良の後味の悪さというか、モヤモヤした感覚の方が強かったです。長々と最前列で寝ていた人ほどではありませんが、花粉症の時期には厳しい作品な気がしました。

演出では、貼り絵作家の作品が貼り絵ではなかった(水彩画?)ようで気になりました。ダンスやムシズ車の動きは良かったです。結婚式の場面は4月か7月か聞き取れなかったのですが、新郎のタキシードが黒だったのが気になりました。式場の係員がジャケットを着ておらず、新婦がノースリーブのミニスカートだったので、バランスが悪い印象です。

ジャケットを脱いだ後のロマンは、シャツが出ていたのが気になりました。最初の画家の服装は、若すぎて合っていないような気がしました。デザインの問題かもしれませんが、ファスナーが開いているように見えて、落ち着きませんでした。

演技では、画家と沙織が印象的でした。エロスはスタイルが良くて、役にぴったりでした。照明と音響も良かったです。場面の変化が上手く表現されていたと思います。

最後の主宰さんの挨拶が無愛想な感じがしましたが、スタッフワークも良くて、気持ちよく観劇できました。


俺がヤギでもその手紙だけは食えない

俺がヤギでもその手紙だけは食えない

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★

自分には合いませんでした
ここでの評価が高いので期待して観劇しましたが。

ネタバレBOX

あまり笑いもなく、殆どが動きのない会話劇でした。内容も記憶に残らない内容で、20代の若者が20代の自称おっさんのおっさん化現象を小ばかにしたり、応援したりで、薄っぺらな気がしました。
なぜこりっちユーザーが高得点をつけているのか、不思議に思いました。
永遠の果て果て

永遠の果て果て

にびいろレシピ

シアター711(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★

分かりづらい
脚本力の問題だと思いますが、全体的に学芸会でした。

ネタバレBOX

童話の世界に住むキャラクターを読み手と交錯させる劇中劇のような本でしたが観客に伝える能力の薄い内容でした。

何が言いたかったのかのテーマがよく解りませんでした。とちとめのない舞台を観たという記憶しか残りませんでした。
国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

アロッタファジャイナ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

再観劇
見逃した部分もあったのと、解らない話しもありましたのでまた、観ました。
プレビューと違って、演技力がアップしていました。
後ほどネタバレします。

ネタバレBOX

2度観しましたので、もう相関図がなくても完璧に解りました。今回は前の席に大男がいなかったので、物語と役者さんを追うことができたのは嬉しかったです。大柄な男性はなるべく後ろの席にという配慮は難しいのでしょうか?

今回もオサベ役の演技力が目立ちました。あと、最澄役の仏道に入りながらも世情を鑑みる苦悩の表情が見事でした。そして桓武天皇とのからみは、何度観ても泣けました。

小日向さんは、初日と同じように滑舌が課題でした。冷静に観ているとご本人は一生懸命、演じていられたのが解り、好感を持ちましたが、重要な場面で嚙まれると、ハラハラしました。
全体的に役者さんたちが自分の役柄にノッテルようで、見応えがありました。
この分だと、千秋楽が期待できると思います。


シュワロヴィッツの魔法使い

シュワロヴィッツの魔法使い

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2013/03/29 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

引き継がれた命
いつものように、秀逸な演技力で見せたキャスト。後ほどネタバレします。

ネタバレBOX

魔法使いが2人いることが盲点でした。展開に意外性があり、謎解きの要素もあって楽しい作品でした。

最も気になったのは、66人の島民の命が、一人45日ずつセスの命を延ばしていた点です。合計で8年50日になり、9年前という表現がピンと来ませんでした。満で数えるか、数え年かの違いだと思いますが、8年の方が落ち着きます。

また、命の継承は予約が出来るようだし、隣の島には医師になる手段があるようだったので、ローラにも2年分位あげて医者になってもらうとか、何か方法があった気がしました。魔法の制約や条件を明確にすれば、面白い展開が生まれた気がします。あと、笛が暗示めいて出てきた割には、中盤以降触れられず、消化不良でした。

セスが生き残りに選ばれた点や、延命を続けてシンディーと年が逆転する点は素晴らしかったです。最後のセスの旅立ちは希望があり、ウィルの謎めいた存在感も仙人みたいで良かったと思います。細かく気にはなりましたが、着眼点や展開のスムーズさ、伏線の張り方は見事でした。

舞台が島で、海や山の景色が見えないのが残念でした。鶏や牛が沢山いるとのことなので、鳴き声などで存在が感じられたら臨場感が増した気がします。ただ、岸壁側から船縁に肘を付くのが、危なっかしく見えました。ビートが汚い設定でしたが、ゾルも汚めだったので、目立ちませんでした。観劇回では檻が倒れてきましたが、ウィルが上手く支えたので安心しました。

全体的に楽しく拝見できました。


円窓に惑う向こうは蒼天へ

円窓に惑う向こうは蒼天へ

蒼い電波塔の会

武蔵野スイングホール (東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★

細かい所が雑な気がしました。

大正の女性文学者の生き様が生き生きと描かれていたように思います。女性が社会的地位を得るために尽力する様子が力強く感じられました。

ネタバレBOX

脚本は、序盤の青とう社設立から解散まで、参加者の葛藤や決断が上手く描かれていたように思います。大杉と青とう社の面々の関係は知りませんでしたが、性に開放的な時代だとしても、やり過ぎな感じがしました。紅吉の存在意義が分かりにくく、バランスが崩れた気がします。最後に雷鳥が家庭に収まってしまったことで、当時の限界を暗示し、雷鳥が果たし得なかった夢が描かれた点は良かったです。

演出は、オープニングから、室内と外を足袋のまま上がり降りするのに違和感がありました。最後の場面で雷鳥の足裏が汚れていたのは残念です。また、オープニング後のハケがバタバタうるさく、舞台の建て付けが悪い印象です。特に振動で舞台中央の鏡が揺れたり、中盤で酒瓶が鳴るのが気になりました。

序盤の手紙の場面から酒盛りの場面まで、舞台壁際に湯飲みが転がっていたり、中盤で座布団が机に掛かっていたのも残念です。10代の役の飲酒も気になりました。ラストは楽しくお喋りする女学生より、社会的に地位を得た女性像の方が良かった気がします。最初の場面と変わりなく、雷鳥が目指したものがぼやけた印象です。

雷鳥は、母になる前後の演技の違いが見事でした。紅吉とのラブシーン後に着崩れが直せないのが残念でした。ブラヒモも興ざめです。野絵、智恵子も印象的でした。紅吉は難しい役所を健闘していたと思います。

衣装は良かったのですが、奥村の最初の着物は死に装束みたいでした。紅吉は丈が合っていないような気がしました。証明は左右のスポットで役者の影が見えるのが気になりました。

パンフレットは力作ですが、大正風にするか、舞台衣装を描いて貰えると助かります。解説は誤字脱字が目立ち、内容も的外れ感がありました。雑誌がテーマなので、残念でした。細かく気になる点はありましたが、流れは良かったと思いますし、2時間越えの大作を作り上げる実力はあると思います。時間を忘れて楽しめました。
PADMA vol.4「禅 -ZEN-」

PADMA vol.4「禅 -ZEN-」

Performance team PADMA

ウッディシアター中目黒(東京都)

2013/03/29 (金) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

禅ティスト
オープニングから和の衣装で太古の音など禅をテーマに劇場いっぱいに鳴り響きました。

ネタバレBOX

前回同様、アクロバット、マウンテンバイク、ダブルダッチの熱いパフォーマンスは所狭しと繰り広げられました。役者の熱量はすごく感じられましたが、劇場が狭い分、ダイナミックさは少なくなったように思いました。

特にマウンテンバイクでのショーは滑走が出来ない分、パフォーマンスが小さく、ちょっと残念でした。

スタッフワークでは受付、音響、DJ、特に映像と証明が素晴らしかったです。また殺陣の演出も素晴らしかったです。
頭を働かせずにただただ、楽しめ、観客はノリのりでハイテンションでした。
楽しかったです。

国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~

アロッタファジャイナ

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

色んな意味で、大作でした。
そして、私の前の席はブロック一の大男でした。もう慣れました
大作すぎます…終演は21:45でした。

ネタバレBOX

人物の名前が分かりにくかったので、パンフレットに相関図があると助かると思いました。

舞台装置を用いず、布や役者の動き、照明で、朝廷から蝦夷の村まで場面展開していたのは良かったです。客席通路の使い方も、大きな動きが感じられました。場面ごとにストップして解説が入ったので、とても良く分かりました。

和睦の狼煙をあげる兵士に矢が刺さる場面などで音響がズレたり、最後の場面で話しているグループに照明が入らなかったり、少し残念な場面もありましたが、大半は良かったです。特に、朝廷の場面は照明の効果が素晴らしいと思いました。

役者さんは、何役もこなす人が多く、演じ分けが見事でした。特にオサベ役は髪型や衣装だけでなく、演技も分けていたので素晴らしかったです。前の役に戻った場面も見事でした。全体では、やはり最澄役が印象的でした。陽射に出会った頃と仏道に入った後の立ち居振る舞いが変わる様子が見事でした。

桓武天皇も良かったです。死後に嵯峨天皇の肩に手を置く場面が印象的でした。陽射は本当に綺麗でほれぼれしました。泰範役との演じ分けも良かったです。種継?と薬子の高い高~いの場面が面白かったです。アテルイが、堂々としていて立派でした。処刑の場面は涙を誘われました。

小日向さんは、滑舌が課題だと思います。言い辛い名前や名称が多く、言い回しも難しいと思いますが、iPadを持っているのでしっかり見て話しても良かったと思います。解説頼りの場面が多いので、下手でもしっかり伝えてくれた方が助かります。

行表役は大御所のようでしたが、あまり役に合っていないような気がします。話し方がぞんざいで、徳を感じませんでした。また、陽射の発音が他の役と違い、変に聞こえました。

スタッフワークは良かったです。ただ、席への通路が独特で席の振り方も分かりづらかったので、劇場内かドア・通路脇に案内スタッフが欲しかったです。あと、ホール全体の座席表に現在地が書いてあると、分かりやすいと思いました。

大舞台を拝見できて、楽しかったです。最後列でしたが、すぐ側で演じる場面もあり、役者さんの熱を間近に感じられました。


【33ステージ無事終了!】「アフター・トーク 天&地」「とーく・おぶ・ざ・でっど 刻」【大感謝!】

【33ステージ無事終了!】「アフター・トーク 天&地」「とーく・おぶ・ざ・でっど 刻」【大感謝!】

JOHNNY TIME

エビス駅前バー(東京都)

2013/03/23 (土) ~ 2013/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

作品は良かったのですが…
面白いお話でした。序盤の女子会トークから最後のどんでん返しまで、楽しく拝見しました。

ネタバレBOX

脚本では、展開のテンポが良かったと思います。死後の地獄の設定も面白かったです。伏線がしっかりしていたので、ナオとユリの悪事が明らかになる流れがスムーズでした。

ただ、台詞では、2人が、自分たちが死んだのかを聞いた時に明確な答えがありませんでしたが、明らかにしてくれた方がスッキリしました。あと、タカコが同級生だったことを告白する場面では、学校名やクラス、当時のあだなとかを言った方が自然な気がしました。本名を言われてもピンと来ない同級生は多い気がします。この前後でユリとナオの関係が変わらなかったのも不思議でした。

後半はスピード感が遅くなった感じはありますが、他の作品との関連を感じさせる内容で、興味が沸きました。

演出では、限られた空間で上手く動いていたと思います。後半に少し動きが乏しい場面がありましたが、バーの設定が生きていたと思います。対立関係も良く見えました。

ただ、客同士はかなり近づきますし、酔客に近づかれるのはストレスでした。見切れが多かったのも勿体無かったです。オープニングは低予算ながら工夫した様子が感じられました。若い劇団であれば微笑ましいのですが、キャストの年齢等から貧乏くさい気もします。バーでお洒落にというイメージと違和感があり、バランスが大切だと思いました。

音響はミスが目立ちましたし、台詞のリズムが崩れる場面がありましたが、回を重ねれば改善されていくと思います。演技力は素晴らしかったです。3人のお姉さん達のキャラもしっかりしていたし、カズマ役の草食系男子っぷりも良かったです。弱々しく鋭いツッコミが面白かったです。

場所は、あまり劇場には適していないように思いました。アルコールの匂いもダメな人用に、喫煙スペースのような下戸スペースがあると助かります。また、ワンドリンク制であれば飲み物を置くスペースを用意して欲しかったです。グラスに目一杯氷を入れられ、空調も弱かったので、喉も手元も冷えました。時季的に気候が安定しませんが、空調は気を遣って欲しかったです。

客の中には咳が止まらないのにハンカチで口元を抑えない人もいましたし、衛生面が気になりました。バーテンさんは若い女性だけあからさまに親切で愛想良く、不愉快になりました。自分の気持ちに正直な方だと思いますが、客をえり好みする態度は気分悪かったです。劇場スタッフの側面もあることを自覚して欲しかったです。

他の作品に興味を持っても、またあのバーテンと話す位なら諦める客もいるだろうと思わせる失礼っぷりでした。さらにトイレ待ちで開演が10分位遅れましたが、早めに案内をすれば良かったと思います。

作品以外の環境がかなりヒドく残念でしたが、脚本や演技力といった基本的な部分は良かったので、次回作に期待します。


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