ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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マリア

マリア

Straw&Berry

王子小劇場(東京都)

2013/04/17 (水) ~ 2013/04/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

土日の雨で水を含んで落ちた庭の紅い躑躅を拾いながら思ったこと
これは中高生に観て欲しいと思った。

以前に大阪のどっかで
別にカッコ良いと言うほどでもない中途半端な音を鳴らす
それほどカッコ良いとも思えないバンドに
知り合いの女の子たちがキャーキャー言ってる端の方で
別の女の子たちがこの世の地獄みたいな顔をして恨めしそうに眺めていたのを見たときのことを思い出した(苦笑

自分はそのとき、
「この人たちの音に別に良さはないし、
カッコ良いわけでもないと思うよ」
とは彼女たちに言わなかった(逆に「良んじゃない」くらいは言ってたかも。他に言いようがないし、友達感覚なら(苦笑

ただ、その子たちもその男たちのことなのか別の何かなのか
あとでその周りでみてた子たちのような顔をしだして、
「そーなのかな?」
と、ぼんやり思ったことを覚えている(なんとなくだけど

・・まぁ、人生こんなもんだ(苦笑

でも、それを冷静に描くのはなかなか難しい。

同じようなことを繰り返す若い女の子は多いけど、
自分は
「後悔しないで前向きに進めば別に致命的ではないし良い経験になると思う」
と内心思うけど、
それを実際口に出して女の子たちに言うほど状況に詳しくもないし、
逆に死ぬほど辛い言葉かもしれないと思うので
敢えて口に出しては言わない。

死んで灰になったりするよりは生きて血の廻った体でいる方が
余程良いと強く思うのだけれど、
そうでない子も結構いるようだ(苦笑

土日の雨で水をふくんで地べたに落ちた真っ赤に色づいた躑躅を拾いながらそんなことをふと思った。

・・まぁ、それがメインテーマかはよくわからんが。

ネタバレBOX

開演後1時間半は死ぬかと思った(苦笑

どこにでもありそうな展開は退屈でもう終わったとさえ思った。

ただ、最後の30分ほどの怒涛の展開もまた予想外だった。

薄っぺらにも見えた物語がシーソーゲームのように視点が五転六転していく(最終的に何回転がったのかもよく分からない(苦笑

前半部では、主人公を振ったまりや(30歳・女性)の方が、主人公(22歳・男性)の子供っぽさに飽きれることが分かりやすく描かれる。

ところが、フラれた挙句女性の旦那を怪我させてしまい、事件になって事務所(河西裕介事務所と思われる)を首になってバンド活動を休止した主人公のもとに、やっぱりベースにフラれたバンギャ?のちょいフシギ系?の女の子がやってきて、二人が好きなマスコットキャラクターの「しろたん」(30歳のまりやは子供っぽさの象徴として斬って捨てた)をきっかけにしてくっつくところから、
「ひょっとして真っ直ぐな主人公の方がまっとうなのでわ?」
という気に、ちょっとだけなってくる。

ところが、その主人公と彼女がくっつくと、その彼女を昔振ったハズのベースの様子がちょとおかしい。

やがてベースが死んだこと(自殺?)をきっかけに主人公に彼女が別れを切り出してくる。

実は、彼女はベースが死ぬ直前に彼と浮気をしていたようだ。


「あの素晴しい愛をもう一度」 を安っぽく歌ってベースは死んだんではないかと想像してみた(ナオト・インティライミのようにとは言わないが(汗
「死んだ人が実際の裏主人公である」という国分寺の法則(自分が勝手に読み取った
に従えば、河西氏の分身はこの舞台ではベースではないかと想像してみたりした。

彼女が別れを告げて出ようとすると
主人公は泣きわめいて縋りながら
「なんで自分の好きな人たちは自分から離れていくの?」
と言うと、彼女は
「みんな主人公のことが好きだから離れるの」
と言って部屋を出る。

これはいろいろ読み取れそうだけど、
「真っ直ぐなままの主人公を見ていると真っ直ぐになれない自分の醜さ?を常に見つめなければいけないからそばにいるのが耐えられない」
だと、自分は勝手に解釈してみた
(これはおフランスの作家ロジェ・グルニエの得意技である。こういうのをたくさん読むと、実際にこういう場面に遭遇しても何とも思わなくなるかもしれない(保証はしない

ここからの主人公の行動が意外だった。

主人公は部屋を出ると血まみれにになって戻ってきた。

自分は、ここまで片親で甘やかされてきたために(自分は母親には甘やかされた記憶が無いのでよく分からないが
マスコットキャラクターのようにしてしか女性を愛せない主人公の様子が読み取れたので、
てっきり育て方を間違えたと言って逆恨みして母親を殺してきたのではないかと思ってしまった。

ところが、母親が後に出てきて(ここで殺されたのがさっきの彼女だったと分かる。ここでの時間差での描き方がとても上手い
主人公は悪くないと言って彼を庇い(この描写からすると、父親は相当立派であったが甘やかされた主人公はただのクズということになる
主人公は母親とキスする(描写がリアルなため気持ち悪さも倍増する(苦笑

一方では、元カノのまりやが人付き合いの良さそうな関西弁の旦那と
妊娠の喜びを分かち合っている。

ここで幕が下りてstarrringが上映され、
なんか後味の悪いラストだったな、
河西裕介事務所とかthanksのとこに書いてあるけど、
バンドを首にしたのってここ?

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舞台美術の作り方もうまく、舞台美術の上の方が完全になくなっていて、
セットの向こう側が見える。
最初から「この物語は虚構の世界です」と宣言しているようなものだ。
そのなかで物語の設定をさりげなく
starringの上映のなかに持ち込んで遊ぶあたり(ホントに河西裕介事務所があったらスミマセン)どこまで本気か遊びか分からず面白い(笑
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だとすると物語でバンドをハブるかもしれないと言われていた
悪の?事務所の所長って河西氏かね?
とか思っていると、
最初のシーンに戻って、え、まさかの夢オチ?

でも全然安易な感じはなく、
良く考えればラストの非現実的なまでの怒涛の展開を考えれば、
夢オチにした方が教訓としては呑み込みやすい。

描写としては、夢オチ後のつなぎは初出時の流れとさほど変わらないが、
夢の教訓を生かして、
女性をマスコットキャラクターのようにしてしか愛せないただのマザコンとして終わるのか、
これから自分から離れないようにしっかりと心をつなぎとめられるのかは
彼の心次第であると自分は思ってみたりした。

ちなみに、またしても知り合いの大阪ガールの例で悪いけど、
最初に書いたのとは別の知り合いの「女子in Osaka」
に、お袋と社交ダンスに通ってるって言ったら自分がマザコンだと思われていたのか(苦笑
「マザコンの男は女の子に嫌われるで」
とかおばちゃんぽく自分が言われた時のこと(つい先日)を思い出してみたりした。

「・・マザコンとかじゃないと思うんだけどな。女の子に負担を掛けないように料理を勉強しろと言うし(あんましできない)、一緒にやってる社交ダンスも、女性のことを考えた動きを身につけるようにとの指示で、厳しいんだよ。でもやってみて良かった。世の中勉強になることばかりだ。・・今のところ嫁探しにはまったく生かせてないけど(苦笑」
とかなんとか言ったっけな。

別にウチのお袋は優しくはないが(津波になったら自分を見捨てて逃げろとは言うが
自分は甘やかされて育ったとしても
マスコットキャラクターのように女の子を愛したいとも思わないし
そういう風に愛されたいと思う女の子に興味もないんで(ただ今のところその女の子の区別がつかないかも(苦笑
逆に最終的に気持ち悪い結末になりかけたけど
この物語のラストの夢オチの健全さにこそ救いはあると強く思ったりした(笑

作品としては夢オチにしない方が評価が高いかもしれないが、
フリッツ・ラングの「飾り窓の女」のように、
観客を気持ちよく帰らせながら教訓めいた感触を持ち帰らせることも重要だと思う。

Smells Like Teen Spiritのように、
「灯りを消せば、危険は減る」?
- With the Lights out,it's less dangerous -

それは気のせいで、夢の教訓を現実に生かせなければ、
人生の先もまた無いんだぜっ。
淡仙女

淡仙女

あやめ十八番

セーヌ・フルリ(東京都)

2013/04/17 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

物語はシンプルだけど・・
演出的に軽く見せながらサクサク進んでいく工夫をすごく凝らしているという印象。

さっき雨の二子玉から帰って家で食事しながら・・綺麗な緑が多い町だなぁ・・目黒区とはだいぶ違う(苦笑

ネタバレBOX

同性愛者の人たちと会う機会はほとんどなく、
特に女性の同性愛者と言うのは男性から見ると全く区別できず(苦笑
まさに謎の存在。

ただ、偶然数日前に音楽イベントのまえに女性の同性愛者の人がトークしているのを生で観て、
「思ったより変な雰囲気はない、というよりか普通の(と言う言い方が成立するのか分からないが(苦笑))女性よりか
男性目線に近い分だけよほど理解しやすいかも、という印象を受けたりした(それは勿論自分が男性だからそう思うだけで、女性からするとまた別なのかもしれない。それほど女性は複雑だ(苦笑

それだけに、ひょっとしたら普通の男性よりちょっとだけ妹役の女性(同性愛者のストリッパーとして登場。舞台では脱がないが
の思考が客観的に見えたかもしれない。

・・いや、あんまし変わらないカナ?思いあがるのはやめよう(苦笑

以下、後で書きます。ちょっと休憩してからまた舞台に出かけるので・・(苦笑
【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】

【全公演終了!】東京ユートリア【ご来場誠にありがとうございました。】

劇団東京ペンギン

王子小劇場(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

東京ユートリアは別に悪いことじゃない
「東京」ということは、大阪にもありうるんだろうか?

あるいは京都、岡山、鹿児島・・・いろんなところに。
ゆとり世代の集まる場所、物理的に。
自分はそんなところは東京以外にないんではないかと思う。
だからこそ、東京に地方の目ぼしい若手が集まってくるんだと思う。

携帯の画面上には、いろんな町それぞれ集う場所があるかもしれない。
しかしそれは携帯を使っている以上、政府に監視可能な統制された場所。

地方の大学があるいはそうかもしれないが、
それは時間限定の場所で、
その町に就職先がすくなければ(京都のように
4年後には大半の人が全国に散ってしまう(それは東京の大学だってそうかもしれない

物理的に集まれない人たちは
ネット上で、あるいは消費によって細分化されていく。

情報、あるいは消費財を求める欲望の塊としてメディアには扱われ、
集合した意識を持たない断片として、
短絡的にメディアの流す情報に反応しながら
永久に終わらない不安に苛まれていく。

本当に大人は子供たちのことを考えているんだろうか?

自分たちが不幸せだから、
あるいは見せかけの幸せに満足したフリをしているから、
自分たちの人生を否定したくなくて
同じ人生(しかも劣化している)を子供たちに強要しているだけなんじゃないだろうか?

普通に考えて、
親が幸せな人生を送っていると子供たちが考えれば、
親がいくら
「自分たちの人生はちっぽけなもので、子どもたちには才能を生かした仕事をしてほしい」
というようなことを言ったところで、
賢明な子供たちは聞く耳を持たず、
ちっぽけな人生を目指すんではないだろうか?

今までの日本の競争力と呼ばれるものは、
ちっぽけな人生の集積でできていると思う。

そうでなければ、みんなシリコンバレーを目指して、
街中の小さなパン屋や食べ物屋には残飯程度の食物しか存在しない。

ちいさくても自分だけのパン、あるいは猫(笑
で満足できるなら、
アメリカで強盗に怯えながら
壁を張り巡らせた邸宅に住むことを目指すより
だいぶ手近に幸せを発見できる(それはちょっと大げさかもしれないけれど(笑

これは一見正論だが、
高度に発展した消費社会では、危険な思想として扱われかねない。

ひょっとしたら将来、江戸時代の
ゆったりと農作物を作りながら徒然なるままに本を書いていた文筆家たちの本なんかが
発禁になっているかもしれない(これは政府による発禁という意味ではなく、誰も求めないために、経済的に発行できないという意味で、こうしたことはイランの演出家なんかも言っていた

世の中の流れが、
「世界でひとつだけの花」から、
シリコンバレーにうつってきているような気もする(何となくだけど

そうした変化に一番敏感に反応しているのが、
いわゆる平成生まれ近辺の世代なんではないかと思ったりする。

じゃあ何に反抗したらいいのか?

安保の頃のように、明確に反対する何かがあるのか?

いや、それだってあるとみんなが勝手に思い込んでいるだけだったのかもしれない。

経済的に完全に適合しながら世の中の流れを
大企業の意向からゆっくりと引きはがす方法は無いんだろうか?



・・ちょっとお袋の手伝いをしながら書いているので途中です・・(苦笑

ネタバレBOX

スカイツリーを、マスゴミメディアの総本山、悪の権化として表現することは簡単かもしれない。

でも、ラピュタみたく(笑
高度に発展した技術文明もいつかは自然に呑み込まれていったみたく、
世代交代を経ながらゆっくりと
「緑の塔」
に作り替えることは可能かもしれない。

どっかのSF(アシモフ)のように
完全に自分たちの支配下にあったと思われたロボットがいつかは反乱する日、でなくとも、
老人たちが、
自分たちが死んだあと、「あるべき日本」になると思っていたら、
引き継いだ若者たちは実は全く別の意向を持っていた・・。

それだって一つの回答だと思う。

お袋がいつかニュースを見て言っていた。

「中国にケンカばかり売って、
戦争に自分たちが行くならともかく、
死ぬのは子供たちなのに」

あるいは3.11のとき津波のニュースをみながら
「津波が来たら私を置いてあなただけ先に逃げなさい。若い人が生きなければ意味はないから」

自分が先の世代から引き継ぐのはそういったものだけだと思う。

それはつまりいつか自分が若い世代に言わなければならないことだ(苦笑

優しさを持って前に進もうだなんていうと、
今現在の回答にはなっていないなんてせっかちな人は焦るかもしれないが、
現時点で考えられる限り考えての回答ならそれも良いと思う。

一番よくないのは、解答が出るのを待って何も表明しないことだと思う。

人の考えをすぐ変えることは難しい。

自分もゆっくりと成長する(ハズだ(苦笑)し。

明確な解答が難しくとも考える限り考えて現時点のスタンスを提示する、しかも演劇で、というのは相当勇気がいることだと思う。

ただ、評価ばかり気にして
空疎なまま演出の技巧に走るよりはずっと前向きで若々しくて好ましいと
自分は思う。

老成するのは100万年後で良い。

来世は猫で、次は鳥(鷹希望)、その次はカッコイイ角の生えた牡鹿で、
そのあと気まぐれでぶらっと人間に生まれ変わった時も・・
まだ全然死ぬまでマグマのようでいたいものだなぁ・・なんて妄想は蛇足でした(苦笑
平田オリザ・演劇展vol.3

平田オリザ・演劇展vol.3

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/04/10 (水) ~ 2013/04/21 (日)公演終了

この暑さは受け入れがたし
寒さに慣れた身にあの暑さは地獄だった。

途中から舞台を観る気力もなくなり、
ラジオだと思って聴くことにしたが、
最後には何を言ってるんだか聞き取れなくなった。

そういえば暑さ寒さに弱い受験生だった(苦笑

何度も出ようと思ったが、
ぎゅうぎゅう詰めのなかで出るのも迷惑かと思い思いとどまったが、
今考えるとさっさと出た方が良かったかもしれない。

空調を入れなかった理由が良く分からなかったが、
空調の音程度で雰囲気がなくなる舞台なら
上演しない方が良いと思う。

こどもの頃からの目黒区民なので
ちびっ子のころ寄生虫博物館に行かされた記憶はあるが、
やっぱり慣れない(苦笑

暑さと相まって気分が悪くなりトラウマになりそうだった。

仕事で疲れてあの状態でヘロヘロになった。
明日の仕事もあるので手加減してほしいと思った。

自分の時間を返してほしい(苦笑

たぶん☆2つ以下を付けるのは初めてだと思う。

次はなるべく早く行って通路に近い席を確保し、暑かったらすぐ出ようと思う。

劇場側も、暑かったらすぐ出られる席を空けておいてほしい。

ブラック・サバンナ

ブラック・サバンナ

世田谷シルク

アトリエ春風舎(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

2~3割
今回は割と後ろめで観たせいか、観客全体の後ろ姿がよく見えた(笑

そのなかで舞台に集中できていた率をみると、
世界観にうまく適合していたたのは全体の2~3割なのかなぁ・・(雰囲気で

自分は何度かシルクを見ていて、
独特な感じが結構好みだったのでわりと面白く観れたけれど、
こういうのは慣れが楽しめるかどうかの生命線になるやもしれん(苦笑

谷氏がアフタートークでも言っていたけれど、
最近、観る度に照明、音楽、役者の立ち位置などが整理され、
良くなっている気がする。

群舞シーンが揃っていないように見えるのは、
笑顔がひとそれぞれなのでも分かるように
わざと統一させていないようだし、それでもいいと思う。

ただ、全体として群舞がわざと統一させていないところをよりハッキリさせるという意味でも、
完璧な群舞を決め所で何か所か挿入させればよかったんではないかと思ったり(そっちの方が難しいという噂もある

それだけでだいぶ観客の受ける印象も変わる。


ネタバレBOX

テーマが分かりやすかったせいか、
一部物語でまとめ方が雑な所が目についてしまった気もする
(たとえば、「残酷」の基準が良く分からない。
猫の残酷なシーンが許容されて、
人類の残酷な結末の描写を敢えて回避するということは、
結局は、作者自身が
ネコと人間の間に差をつけているという事でもあるように見える
(この作品のテーマは、生き物の命はみんな平等ということのようである。
途中で車に轢かれた猫を主人公(弟)らが見捨てるシーンがある。
ラストで主人公が宇宙人に地球の絶滅危惧種として拾われるシーンがあるが、
どう考えてもテーマを優先させるなら、妥当な結末は
「チーターに襲われながらかろうじて生き残った主人公が、
宇宙人に見捨てられることで、
かつて自分が見捨てた猫と同じ運命を辿る」
だと思う。演出家にその疑問をぶつけてみたところ、
「残酷だから」という答えだった。
これが、フリッツ・ラングの「飾り窓の女」のラストみたく、
定石ならそうだけど、あえて観客を明るく帰すためにこうしてみました、
的な答えだったら、こちらの受ける印象も違うのになぁ・・(苦笑))

また、アフタートークで作者自身が
物語に出てきた
「猫の残酷な描写を描きだすのに抵抗があった」
と言っていたのだけれど、
抵抗があるものを敢えて作品に入れる必要は無いんじゃないかとも思う。
これは人それぞれだけど。

作者が抵抗があるということは役者も抵抗があるということで、
別にそこまでしなくてももっと他の間接的な描写で表現を模索するところが演出の腕の見せ所かな、と思ったり。

自分も、捨て猫が身を寄せている猫カフェによく行って募金とかもするし、
以前、そこに片目の子猫がいて、
片目だから遠近感がつかめなくて、
玩具とかを出しても上手く腕で触れなくて
テーブルの下でいじけて寝ていたのを撫でてたらよく見たらそいつが泣いていたのを思い出したりして(その子は愛くるしい性格ではなかったがそういうステキな所があったので(笑)無事引き取られた)
胸がズキズキ痛んだりした(苦笑

猫などの生き物を殺す描写などは、
実際に現実にある出来事かもしれないが、
物語に組み込むには細心の注意を払わないと
かえって物語の浅さを浮き彫りにしてしまいかねないので、
逆にイランなどの映画や舞台に見られるように、
直接何も描かずに暗示しながら物語を構成する方が
かえって無難なのでは、と思ったりもする。

色々好き勝手かいたけれど(苦笑
作者が、
土着や直感的なイメージ、女性的な繊細な演出、強引ではあるけれど勢いのある展開などによって、
近年要注目の演出家であることは間違いないと思う。

作者はまた、アフタートークで今度別役作品を演出するとも言っていたようだけれど、
全然系統の違う岸田作品とか
若いうちにわりとしっかりした古典などを演出した方が幅が広がって良いのではないかと思ったり(谷氏がそれっぽいことを言いそうだった気がしたけど・・(推測

・・いや、まぁ別に良いんだけどね、一枚の絵を作品に写し取ったみたいな戯曲だけ選んで演出しても(たとえるなら
従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン....

従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン....

Théâtre des Annales

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/03/29 (金) ~ 2013/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

これは・・
たしかにもっかい観たい(笑

当日券できょう午前の回みといてよかった
用事があってアフタートークみれなかったのが心残り(苦笑

来週の土あたり、sonar行く前に・・どかな?

俺がヤギでもその手紙だけは食えない

俺がヤギでもその手紙だけは食えない

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2013/03/28 (木) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

意外と
オッサンに厳しいのはオッサンだったりする(苦笑

自分も三十路なので(笑
まァ、オッサンでないとか言うつもりも無いんだけど、
でもまぁ敢えてオッサンと言うほどのことでもなく、
ただ、俺らオッサンだよな、
と口に出して言うのは同じ三十路の人だったりする(苦笑

でもまぁ、もう死んじゃったけど自分の親父が、死ぬまでメッチャ元気だったんで、
それより遥かに若いのに自らをオッサン呼ばわりして
勝手に足枷をはめてる感じなのが、
なんか鬱陶しくもあったり(笑

例えばなんだけど、
ロックとかでもないんだケド
この前、ジェフ・ミルズ聴きに三ノ宮行ってきたんだけど、
あの人もうすぐ50で、
でも昔のファンク使いのウィザードの頃からテクノ、今は毛利衛とコラボって?
凄くコズミックなWhere Light Ends って、
直接話したことは無いケド、
音聞いてるとひょっとしたらこの人、
オネアミスみたくめっちゃミサイル飛び交ってても
目の前の宇宙しか見えないみたいな(笑
そんなイカズチのような心で俺らを宇宙にいざなってくれてるのかな、みたいに思ったもしたり。

自分は、自分のコトオッサンて言うオッサンは嫌いかな(苦笑

自分のこと、内心全然オッサンだと思ってないのに、社交辞令で
・・まぁ、おっさんスから、
程度に合わせる位で良いと思う(笑

この舞台を観て、
「くだらねーな」とか言って笑っていられるくらいで健康だし、正解だと思う。

この舞台もそのために作られてるんだと思う。

要はそれだけどうでも良いことで皆テンション下げあってるんだって気付けばいいんだと思う。

若くして死んだカート・コバーンは最高にカッコよかったかもしれないが、
今、自分をオーロラの向こうの宇宙に連れ出してくれるのはミルズだ。

カート・コバーンは今宇宙にいるのかもしれないが、
今目の前で宇宙を見せてはくれない(苦笑

ザ・クリブスだってほぼ三十路・・とか言い合ってたって、何の意味も無い。

そう言えばこの前、子供鋸人のコノハナ・アドベンチャー2に
「NASAボーイ」って登場人物が出てきて、
メッチャ妄想全開で(笑
四畳半SFパワーMAXだったけど、
男には、オッサンとそうでない男の二種類とか分けるよりかは、
自分にはあんな風に、
心のどっかに少しでも宇宙に行きたいという炎があるのか、
そうでないへタレか(当然のことながら教養や経済力とはまったく関係ない
の二種類に分けた方が納得がいく(笑
から、どーでもいーや、という気しかしないし、それでいいと思う。

自分がオッサンかどうかとか酒飲んでグダグダ言っててヒマだな、コイツら、
そんなんより、目の前で太陽の黒点は無理でも、
いつか全開のオーロラくらい観たいな・・みたいな。

この舞台で言うなら、それは
ロックかそうでないか、
と言えるんでないかと思ったり。

キャッチャーインザ闇

キャッチャーインザ闇

悪い芝居

王子小劇場(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★

関西で烏丸と子供鋸人を見てきた後だと・・
烏丸ストロークロックの、地方の風景のザラザラとした感触や、
昭和の街角からNASAめいた夢の景色へと等身大に広げた子供鋸人なんかと比べると、
物語を語る巧さは悪い芝居の方が上かも知れないけれど、
「京都の劇団」としての地の利(現在では東京より地方を舞台にした方が特徴が出やすい気がする
を十分に発揮できたとは言えないような気がする。

作品の完成度だけを見ると☆5つでもべつに良いかもしれないけれど、
上記の2団体が、地方の風景を十分に生かし、
東京の劇団にはとてもできないような地方色溢れる(しかし誰でも楽しめると思う)独創的な作品を組み上げたことで
関西の劇団のこれからを期待させられた後では、
ちょっと作者の頭の中だけで進行する感のある
「マボロシ兄妹」チックな劇世界ではどうしても限界を感じてしまう。

別にけなしてるわけではなく、
今回も山崎氏と大塚氏を筆頭に、
身体能力に優れた役者を並べ、スピード感あふれるストーリーテリングを展開できた手腕があるならば、
もう少し特定なり任意なりの街角から感触を抜き出して
作品の中に埋め込むことで、
全体の質感が激変して
一気に生まれ変わる可能性があると思ってみたりする。

アフターイベントを観ていてふと思ったのだけれど、
この作品のいくつかは、音楽を作りながら、
その音楽からイマジネーションを得て作ったのかもしれないと思ったりした。

それ自体は悪くない(スピード感が出たりもする
のだけれど、どうしても全体を通じての作品の手触りが均一になってしまったりもする気がする。

気のせいか、マボロシ兄妹の方が、もう少し現実のザラザラ感があったような気もしただけに、
2時間の上演時間を擁するこちらは、
全体としての質感にもう少しバラツキ(ファンタジーっぽかったりザラついたり
があった方が皆満足するのではないかという気もした。

ネタバレBOX

テーマは悪くないと思う。

ラストで3つの物語が結びついて、
死とも誕生とも取れる光へとつながる。

途中何度も「風」という言葉が出ていた気もするが、
確かに母親の胎内にいる子どもは外の世界の風を想像するしかないものな、と思ったりもした。

そう考えると、タイトルも意味深。

ただ、そうしたテーマは寺山作品を持ち出すまでもなくよくあるものなので、
女性の観客にはひょっとしたら「またか」と感じる人もいるかもしれない。

自分も、ラストでハッキリ描かれていたわけではないけれど、
「死」なのかな、と思ったら、これは「生」にも読み取れるな、とふと思って、
それはそれで作品の質を低くするわけではないけれど、
ただ、男性の作品の多くに、
寺山作品の影響なのか
母親からの誕生をイメージさせる物語が多少なりとも読み取れる気がする状況では、
男性作家は逆にそうした読み取りを慎重に回避する作品作りを行うのが賢明なのではないかと思ったりもする
(目線が重要で、イメージの上で自分が「父親として」子どもを奥さんと生み出すイメージは女性にもあまり抵抗はないだろうが、自分が「子どもとして」母親に生み出されるイメージと言うのは女性には抵抗があるのではないかと想像してみたりする。別に女性たちに直接聞いたわけではないケド

男性は父親目線推奨(想像しよ

作者の意図とは違う読み取りなのかもしれないけれど(苦笑
作品全体の均一さがもっともっとザラついた質感とつぎはぎになってれば
結末が同じでも別に何とも思わないんだろうけどなぁ・・。
国道、業火、背高泡立草

国道、業火、背高泡立草

烏丸ストロークロック

AI・HALL(兵庫県)

2013/03/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

地方の劇団といっても、首都圏の舞台より先鋭的かもしれない
久々に観たら予想以上に凄かった(笑




ネタバレBOX

こんな観客席の配置が出来るのはアイホールならではないのかなァ。

先日みた「ルル」のように、
おそらくは役者・物語と観客の視線の交差するさまを分析しながら、
題材から結びついたその結論は、
まさに真逆となるのが面白い(笑

地方の荒れ果てた農村と、
その向こうのヒルズめいた大阪の都島(主人公が成功して億ションを手に入れる場所とされる。実際のほとんどの都島はそんなことはないけれど、発音してみると随分と綺羅びやかなイメージだ(笑
の風景が響きあって、
息子が成功して働かなくても良い筈なのに、
立派なマンション(多分部屋から河や普通の家屋を遥か下に見下ろす部屋なんだろう)を出て、新幹線の清掃を続けて
(昔の人は働きものなので、別に働かなくても食べていけても清掃とか汚れ仕事を喜んでやる人は意外と多い。若い人は見かけで人を判断しないようにしよう(笑
最期は癌になって死ぬ母親の行くあてのない人生が寂しい。

想像だけど、
母親は、息子に億ションを買って欲しかったのではないと思う。

死ぬ前に息子が母親が今までしてきた清掃の仕事
(人は嫌がるかもしれないけど当たり前だけど必要不可欠。大昔のロンドンや江戸なんかではこんな人が大勢いいたのでリサイクルが進んだ
を素晴らしいと思ってくれて、
たとえ少しでも一緒に働いてくれたら、それで十分幸せだったのではないかと思う。

個人的には、ハッキリポレシュを意識した作品ではないかと思ったりもした。

マネーゲームの狂奔みたいなのを描いた作品では、
ミナモザで以前短編をみた気もするが、
こちらの作品のほうが、生音もあるし(笑
完成度という面でも図抜けている(まぁ、短編はあくまでたたき台なんだろうけど
このような資本主義の行き着く先のような物を描くには、
首都圏や大阪ではなく地方を題材にするほうがはるかに適していると思う。

このような作品は、普通首都圏の公共の劇場は嫌がるような気もするので
(平気で実名の企業とか出てくるし。直接は関係しないけど
そういう意味でもアイホールは他の首都圏の公共の劇場とは趣が違うようにも思う。

交通の便がもう少し良ければなぁ・・
昼に京都行ってからだとメッチャきつい。8時開演とかにならないかな・・。

個人的には、この烏丸と(一見そうは見えないかもしれないけど)原宿の劇評を確実に取り入れた感のある子供鋸人は、
関西での上演だけれど
ハッキリ現時点で首都圏の劇団より先鋭的と言っていいかもしれないと思った春の休日(笑
眼帯のQ

眼帯のQ

銀幕遊学◎レプリカント

藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)

2013/03/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

水の中のナイフ
主演女優(と思われる)栃村結貴子さんあっての、そして地の果てっぽい秘密基地感満載のカナリヤ条約あっての舞台なのかな、と思ったりした。

ネタバレBOX

アングラ感は勿論?満載で(笑
演出らしい演出が施されたという気がして、
脚本の言葉の艶やかさ、
血と、林檎と、女優栃村氏の着るドレスの赤と、
それを引き立てる3人の役者の着る、
林檎の果肉にも似た白のイメージとが、
ギクシャク、すれ違いながら
円環を描くように邂逅し、結びつく様は、
なかなか見応えがあったと思います。

上演時間も1時間ちょいで、
その中に反復や、明滅(背景の絵や、役者の立ち姿、台詞まで含め)
が緩急をつけてきっちりと描かれていて、
凝縮されていたせいか、
観客席の端っこで見ていたちびっ子(女子)も黙って見ていたのが印象的でした
・・いや、別にいつもちびっ子を見ているわけじゃないんですが、
前夜京都のアバンギルドでライブ見た時は、
別のちびっ子(男子)が走り回ったりしていたんで、ふと見てみたら「おお!」と内心関感心して思っただけのことで(笑

雰囲気アングラだけど、
静かにしていればちびっ子も楽しめる?
公演ではないかと・・長くないしね(笑
ツアー演劇「コノハナ・アドベンチャー2」

ツアー演劇「コノハナ・アドベンチャー2」

劇団子供鉅人

此花区梅香(大阪府)

2013/03/22 (金) ~ 2013/04/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

これからちょっと猫を撫でてから同じ海沿いのカナリア条約に向かうので・・
細かい感想はあとで書きます(汗

もっかい観たいけど、また観たいな・・日曜日は全滅か・・。

自宅のガレージでごそっと組み上げたみたいな妄想ガジェット(ヴォネガット讃(笑

大阪の海沿いの街で始まる妄想アドベンチャー。

これから雨ふりそうだから、夜の回の人はかさ持ったほうがいいかも。

一週くらい間を開けてから、武士っぽいカッコとか仮装して自分ももっかいこの馬鹿騒ぎに陳列してまちなかの人たちに奇異の目で見られに行きたい(笑

こんな不思議な煙突があちこちにあるガチ下町が身近な大阪の人たちが羨ましい。

未来は此花の今!(あとポンバシのあさチャンのあたり)・・原宿には無いから気をつけて(割りと本気(苦笑

せきようで、窓

せきようで、窓

meyou

コモンカフェ(大阪府)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/20 (水)公演終了

満足度★★★★★


雨の中崎町。

ちょうど自分も宿の窓から外の雨をうらめしく思いながら
買ったばかりの靴に撥水スプレーをかけてきたので、
頭を掻きながら(苦笑
自分と外の世界を隔てる
四角い仕切りを自由に行ったり来たりする仕草を眺めてみた(笑

考えてみれば、猫って
人間にとっては潜り抜けることなんて殆ど無い
窓を、まるで人間の戸みたいに自由に出入りする(たぶん)唯一のいきものだから、
動きが自然、しなやかに、猫っぽくなるのも道理なのかな(笑

大阪の雨はもうじきやみそうです。

そしたら自分もズボンを晴れ用に履き替えて、
猫カフェにでも出かけようかな・・人間の出入り口を通って。

ドリルチョコレート「真ドリル」

ドリルチョコレート「真ドリル」

MCR

駅前劇場(東京都)

2013/03/18 (月) ~ 2013/03/19 (火)公演終了

満足度★★★★★

日程的に絶対無理かな、とDMが届いたとき思ったけど
先週仕事を頑張ってなんとか当日券で観れた(笑

期待通りやっぱり面白かった。

(昭和の)プロレス好きにも良いだろうけど、そうでない人も楽しめると思う。

馬のリンゴ 【3月15、16日 アフタートーク決定】

馬のリンゴ 【3月15、16日 アフタートーク決定】

ワワフラミンゴ

神楽坂フラスコ(東京都)

2013/03/15 (金) ~ 2013/03/20 (水)公演終了

満足度★★★★★

石を売る
ちょうど朝起きて爽やかな空気の中で、つげ義春の弟、つげ忠男の漫画をガッツリよんできたばかりだったので、
昼の神楽坂の、外をOLなんかが
「なにやってんだろ?」
とばかりに覗き込むカフェの中で
何故か無能の人チックな石売りの妄想日記が音読されるとは思ってもみなかった(苦笑

自分が中学生のころだったか、
無能の人の予告を古雑誌の中に見つけて、
つげ義春の石を売る男の物語に対する
劇画ファンたちの静かでアツい期待をヒシヒシと感じ、
これってどんな話なんだろ?まさかホントに石を拾って売る話じゃあんめぇな、
と思って現物を見たら、まさにその通りだったので(苦笑
自分も洟水を垂らさんばかりに驚嘆し、
当時の漫画ファンたちの正気を疑ったものだった。

それから何年かたち、高校になるころには、
高校から渋谷に自転車で行く途中に北冬書房に寄って
つげ忠男や鈴木翁二の載ってる漫画を手に入れたりしていた。
で渋谷のタワレコで友達とヒップホップやフレンチポップやバロウズと並べてつげの凄さに驚嘆したものだった黄金の90年代(笑

まぁ、そういうのとはぜんぜん違うんだろうけど、
偶然かもしれないけど、
若い女性がつげ義春なんかを読むのは良いんじゃないかと思うよ(笑

それを真似る必要は全くないけど(笑
少なくとも、普通の生活を送りながら片隅につげ義春の本を置くのは
悪くないと思う。

外国に行かなくても、
多摩川の河原でも幸せの一かけらは見つかるかも、という気になったりするから(実際に見つかるとは全く限らんが

※ちなみに日記を音読するのは物語のほんの一部で、
特につげチックな登場人物が頻出するわけではないので安心してください。

一遍~天演出編~

一遍~天演出編~

風雲かぼちゃの馬車

王子小劇場(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

・・・これは、ファンタジー?
観ていて途中から気づいたのだけれど、
これってファンタジーだったんでしょうか?

自分も一遍のことは道後温泉の方に行ったり
高野山に行ったり・・
あちこち史跡をみているとたびたび見聞きすることがあったり。

大昔の人たちの感覚って、明治以前と20世紀になってからとではハッキリわかれていて、
基本的には同じ土地に住んでいるだけで
頭の中は完全に異国の人と考えて間違いはなく、
当時の人の考えを知るには歴史を本を読んでもイマイチ分からないので
でも高温多湿の日本で鎌倉時代の木造建築物って言ってもほとんどなく・・(苦笑

鎌倉時代の建物に行って何時間も過ごしたりもするけど、
ホント分からないことだらけだよなぁ・・。

木に塗られた色だって、当時はどうだったかと一生懸命想像してみてもどれだけ近づけるのか・・。

江戸時代どころか明治時代の人の日記読んだって異国の話みたいに思えるのに(その時代の人たちがまだ生きていることがいまだに自分は信じられない

ネタバレBOX

最初から、一遍の人生を元にしたファンタジーとして位置付けてくれれば、
自分も異国の人と言葉の壁も無く会話できても何とも思わないんだけど。

今になってウィキペディアをみていて、
『元に侵略される前は日本と同じ言葉を喋ってる人たちが高麗には大勢いた。元にみんな滅ぼされたか、元の人たちの影響で今の言語になった』
という想像の元に(そういう歴史はサッパリわからないケド
この物語を作ったのではないかな、とやっと思いついた。

でもそういうの当日パンフとかに書いてくれないと、観てて
「・・あれ、なんで?」
てなってしまう気がする。

他の人が書いてたみたく、
波乱万丈すぎる人生の一部だけを抜き出すかしてみたほうが
もう少し分かりやすかった気もする。

そうでないと、人がこれだけ死にまくるのに
それぞれの反応が薄すぎて
逆にこっちも戸惑ってしまう。

ミュージカルだからこそ、人の死や悲劇を哀悼の意を持って歌わないと・・って思うとホント西洋の文化だよなぁ・・(苦笑

平均寿命が短くても、
死ぬ人が多くても、
今も昔もそんなに人間の死に対する感情が変わるわけではないと思うんだけど(だから昔は今より宗教が盛んだったとも言えると思うのだけど


別に鎌倉時代と言うんじゃなく、
現代や中世ヨーロッパとか、色んな時代を横断した
一遍や他の宗教とか踊りとかを幅広くミックスしたミュージカルとかにすれば
そこまで掘り下げる必要もない気が・・(歴史ものや外国の話ってちょっとでもディテールが崩れると途端にリアリティがなくなるからホント難しい
音楽家のベートーベン

音楽家のベートーベン

ダックスープ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

訳すと青&空(☆にしなかったのは青☆組に気を遣ったのだろうか
良く考えれば東横線住民には王子よりよっぽど不便度が上がっていたアゴラに何となく向かい、
渋谷の人ごみでウロウロして当日拳の分際で10分遅刻したが(汗
何の苦も無く世界に入り込めた☆(途中から観てもOKなのがこういう舞台の良いところ(ストレートなストーリーもの(ファンタジーなど)も好きなんだけど、世界観を作り込んだ作品ほど、遅刻した瞬間に物語についていけないのが確定してしまい、折角大阪まで行ってもその瞬間に全ての苦労が水の泡になってしまったりするのは頂けないと思ったりする。その点、ナンセンスは遠征に強い☆

平成生まれには
「こんなん昭和の世界の出来事じゃないか!」
と言われそうだが
たまに仕事帰りに友路有(浅草の昭和な喫茶店。2階なので窓からアーケードの昭和な商店街がのぞけたりする)よったりして
浅草の町をぶらぶら歩きまわってからなってるハウスになんとなく向かっていくのが大好きな自分にはガッツリツボでした(そこまで昭和感は無かったかもしれんが

6のつく日に薄皮たい焼き たい夢のお店でどのたい焼きを何個買おうか迷う位のトキ☆メキはあったように思います(ちなみにスイーツ番長のイタリ餡はまだ食べられておりません(涙

ネタバレBOX

「これ絶対似合う!」と言ってスタバのコーヒーを持って向かってくるオバサンがいたら、
自分なら間違いなく調子に乗って
脇にはさんだり首の後ろに突っ込んだりして渋谷の雑踏を歩かずにはいられないだろうとふと思った(トチ狂ったことをいきなり書くが作品の話。こんなことを敢えて書くのは自分の大阪的な気質を強調するためである(東京から離れたことはないが(苦笑

ちなみに、自分も昨年、手に入れた無農薬の評判の梅を手に入れて
梅酒を作ったり(お袋に全て飲まれた♨
梅干を作ったりした経験があったので、
梅干のくだりは非常に興味深く聴けた(これも作品の話

だからと言って、自家製梅干を作ったことがある人がこれをわざわざ見に行ったら、
日本シャーロキアン協会の会長が以前ミルクホールのシャーロックものを観に行ったときのような清々しい肩すかし感を味わうことは必至であるため、
(会長は満足して帰ったが
おススメは出来ない。

やはりベートーベンを心から尊敬している人がわざわざ観に行ったら、
ひょっとしたら同様の結果を観るかもしれない。

自分は観て非常に感銘を受け大爆笑していたが、
正直、どういう人に向いているのかと聞かれてもサッパリわからない。

むしろ向いてない人が社会の中には大多数でないかと言う疑念を捨てきれない。

漠然とした喩で恐縮だけれど、
「ブルースカイ」が「ブルー&スカイ」になってるのを発見して、
「ブルー☆スカイ」だとカッコ良すぎるから(ジャンプで連載するならなんかカッコイイ必殺技が出てきそうだ
「ブルー@スカイ」「ブルースカイ♨」
あるいは「ブルーДスガイ」・・・いやいや「ブルー㌘スカィ」の方が良いんじゃないかと妄想するような類の暇人にはおススメなのではないかと思えるのだ♪(最後の方は露天風呂から、ほぼ「ブルーなスガイ氏(という名前の人)の口の形」と言う設定っぽくなってしまったあとどっか行ってしまったがω
若手演出家コンクー2012 最終審査  

若手演出家コンクー2012 最終審査  

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

「公開審査会」・・長寿の秘訣はギャフンから~
難しいところだなぁ・・(苦笑
審査員の言うことは皆もっともだと思う。
皆舞台が好きで好きでしょうがないんだなということが良く分かった!(だから若い人たちが捨て身に見えないのが歯がゆいのかな

要は、今回は意外とず抜けた作品が出そうで出なかったのカナ・・(最後まで聞いてなかったんで分からないケド

広島・大阪の作品も、上演時間30分だったら分からなかったかも。
(コンクールでは30分以内にまとめることが重要。考えてみれば、就活の面接で30分も持ち時間があることなんてないんだから、30分って自分を見せる時間としては結構長大。35分以上だと、かえって「自分の持ち味を熟知してない」と判断されてしまう。審査員はどっぷり世界に浸かりたいファンでは無いんだからなぁ・・

鈴木アツトさんの作品も、きっちりまとめ過ぎて損をしていた気もする。
設定をもう少し普通にして面白くするか、
もっと馬鹿馬鹿しくするかの思い切りが足りなかったなぁ。

チョコレートケーキは・・空調を入れてくれないかな・・(本気(汗
最近どこも空調を入れないのが流行りなのか、
仕事帰りに観劇で蒸し風呂に突っ込む可能性があるというだけで
ビビって、他の舞台まで行く気がなくなってしまうなぁ・・
アゴラみたく暑かったら外出て、
隣のショップ99で飲み物買って1階でテレビ中継観れる環境だったらまだマシなんだけど・・(苦笑

自分は、外国が舞台の作品は、
「外国語から翻訳して日本語の台詞にした」
感が最低限必要なんじゃないかと思ったり、もしくはパラ定みたく
「妄想し過ぎて完全に自分の世界」
にした方がなぁ・・。

凄い作品なら暑さも気にならないものかもしれないが、
自分はいまだそのような作品に出逢ったことが無い(苦笑

同時期の上演だと、
演出なら、遊びに満ちた「人工vs自然」、
作品としてなら、人間モドキの暗躍する「寝惚けた日記帳」
の方が面白かったなぁ・・。

皆、固くやろうとし過ぎてかえって小さくまとまってしまった感あり(苦笑
役者は皆、熱演だっただけに残念(「箱」はもう少し熟達するか演出で魅せる工夫が欲しかった

公開審査会が一番面白いというのはどうだろうか(苦笑

一度作ったスキームに満足することなく、
それを笑い飛ばして打ち砕くパワフルな作品があれば
もうその時点で勝負はついていただろうにと思うとちょっと残念。
あと、掘り下げがイマイチだったり。

あと、セレクションの時点で傾向が見えなかったので
最終選考の基準も分からなかったんではないかと思ったり。

老人たちは、みんな荒々しいパワーに飢えてるんだと思う。

・・そうなるとサリとチョコに絞られてしまうからな・・で、サリ氏は上演時間長くしたためパワーもちょい削がれてしまったと・・惜しいなぁ。
審査員の誰かが
「短かった初演の方がスリリングだったんじゃ」と言っていたけど
↑実は自分も内心思っていたけれど、ここには敢えて書かなかったのだが(苦笑 
作者がどう思ってるかはともかく、審査員にはお見通しだなぁと思ったり。
パワーあっての技巧だからね。

野獣みたいの来ないカナ。
野生の獣のように、全てを削ぎ落として逞しい筋肉だけ残った飢えた生き物みたい(舞台の話です)なの。
自然の生き物って美しいから、ああいった骨格に似た舞台作品を観たいと常々思っている。で人一倍繊細な(欲張りでスミマセン(汗

誰かアイツラをギャフンと言わせろよ。
そしたら彼らも強風に吹き飛ばされて喜んでる女子高生(きのう実際に渋谷でみた(笑)みたくキャッキャ言って大喜びすると思う(笑

人工vs自然

人工vs自然

日本パフォーマンス/アート研究所

Vacant(東京都)

2013/03/09 (土) ~ 2013/03/09 (土)公演終了

満足度★★★★★

基礎編
応用編は無理だったけど、基礎編だけでもとても見応えがあった。

演出と言う面を考えてみても、
ライブ中に電話がかかってきて作業を中断して話をしたり、
いろんなアクシデントや遊びがあって
パフォーマンスとしても十分楽しめました。

台詞を喋る役者が出ていなくても十分に舞台作品として成立しているところが面白い(笑

やっぱりvacantは面白そうなものに目を付けるのが上手いなぁ・・。

focus#3 円

focus#3 円

箱庭円舞曲

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/02/28 (木) ~ 2013/03/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

人にもよるのかな・・
演出に遊びがあって、滅茶苦茶楽しめた感(笑

若手演出家コンクール選考会途中で抜けて行ったけど、悔いはない(苦笑

通常の公演では、
「ストーリー6、遊び(よく目を凝らすとそうとわかる感じ)4、ドラマは意図して省く。ま、いんでない。こんな芝居あってもサ」
な感じな気がするケド、
今回は
「ストーリー0(ま、一応あるなって程度)、遊び6、魔法(使い)4。あとは実人生の1/3程度のドラマがあればいい」
な感じカナ。

要は凄く、凄~~く好みです(一般受けはしないかもしれないが(笑

もし、仮に、
高架下に掘っ建て小屋でも作って、そこで爬虫類を飼って暮らしたとしても、
これよりはドラマチックな人生だったかもしれんよ。

・・でも、ま、いんでない?

ネタバレBOX

所詮人生なんて、火葬場で花に囲まれて焼かれるまでの場つなぎで。

それまで、マドンナ先生だったり、モンスターハンターのやり過ぎで魔法使い狩りに走ったり(想像

花に囲まれて、子どもだけ生んで自分は死んで灰になるとしても、
死に顔を見てプッと笑われるくらいの方が
幸せな人生送ったって言えるんじゃないのかなって、
なんか観終わってそんなことを考えてみた。

せっかくのアゴラ公演だってのにこんだけ遊んで(笑

でも、ま、そういうの自分は大好きだけどね。
寝惚けた日記帳

寝惚けた日記帳

劇団ハーベイ・スランフェンバーガーのみる夢

王子小劇場(東京都)

2013/03/09 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

観に行って良かった
なんとなく予感がして、予定を無理くりして観に行って良かった。

イキウメの「散歩する侵略者」の初演を初めて観たときのような感触。

場面の限定された会話劇なのに、飽きずに観れた。

夢の描写が、いわゆる不安系とか、そういうんではなしに
メビウスと原宿系が合体したみたいな(笑
甘くてカラフルなイメージとか、
南Q太の漫画に出てくる夜みたいなイメージだったりするのが新鮮だった。

別にいちいち説明しなくても、ブレイクする要素が全て詰まっている(笑
敢えて売り込まなくとも、自分がチケ手に入らなくなる日は近そうだ(苦笑

頑張ってエンゲキを若い人たちに広めてください。

ネタバレBOX

「人類は一度滅んだ」
じゃないけど、
誰かが死んだと思ったら、実は一度死んでいた、とか、
P・K・ディックのシミュラクラっぽく
「人間もどき」が大活躍?する感じとか、
SFオタク受けする要素を多く含みながら
後味がふわっと切なくする感じとか。

王子でこんな一般向け?にブレイクする要素満載な舞台が観られると思わなかった(笑

ディック好きな高校生なんかは大喜びするんじゃないカナ。

舞台好きよりマンガ好きな人向けカモ(最近はオタな人たちが一番読解力高いからなぁ・・

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